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来年の一皿を”鰯”と予想する

今日(2018年12月16日)、ネットニュースを見ていたら、お笑いタレントの松本人志さんが午前のテレビ番組で、〈今年の漢字〉に選ばれた”災”について、「平成最後だから、もう少し明るい言葉でも良かったかな」と苦言を呈したと載っていましたけど、私も第一印象はまさにこれでした。
〈今年の漢字〉は〈日本漢字能力検定協会〉が一般募集するなかで、最も投票が多かったものが選ばれるとのことですから、そこに”意図はない”はずなので、文句をいうのもお角違いなのかもしれませんが、ちょっと引っかかりますよね。
まあ、だからといって〈ユーキャン〉の〈流行語大賞〉のように、「悪い意味の言葉は選ばない」という方針を公言していても世相は反映されないわけですから、本当に難しいところです。
ちなみに私がパッと頭に浮かんだ〈今年の漢字〉は”沸”。
冬季五輪やサッカーW杯で日本中が大いに沸きましたし、刀剣ブームとやらがあったそうなので、日本刀の表面に浮かぶツブツブした模様の”沸”(にえ)という意味でも”沸”がいいかと思いました。
ランキングのトップ20にすら入っていませんでしたけど…。

そんな”今年の何々”ですが、私が最も注目しているのは〈ぐるなび〉の〈今年の一皿〉です。
毎年だいたい納得できるものが選ばれますし、”食”というのはひとびとの好みだけではなく、経済や自然環境といった大きなものとも連動しますから、まさに世相を表すものだと思います。
そんな2018年は”鯖”でした。
予想通りといっていいでしょう。

ブームの要因としては「EPAやDHAなどの必須脂肪酸を多く含み健康効果が期待できること」、背景としては「日本各地には約20種類の「ブランド鯖」があり、各地域で鯖を活用した町おこしの活動が盛んになっている」という品質の向上が挙げられていましたけど、これまた納得です。
また、人気がありすぎて品薄になった”鯖缶”については、災害時の「非常食」、下処理のいらない「利便性」という従来の持ち味に加え、おしゃれデザインやプレミア缶詰が女性層に受けたという分析がありました。
私も鯖は大好きなので、その魅力が再発見されたことは本当に嬉しく思っています。
ただ、そんな鯖人気のせいで鯖缶が品薄になっているというニュースにがありました。
店頭を見ると実際にそうなのですから鯖好きとしてはかなり戦々恐々としています。
本当に勘弁して欲しいです。

そして、そんな品薄のときは、私も隣の”鰯缶”に手が伸びるわけですが、みんな考えることは一緒で、このところは鰯缶にも注目が集まっているそうですから、来年はひょっとすると”鰯”が今年に一皿になるかもしれせん。
EPAやDHAは鰯にも含まれていますし、鰯は鯖と同等かそれ以上に料理のレシピに幅がありますから資格は十分です。
その最大の武器は”つみれ”でしょうか、鯖でやらないわけではありませんが、そこはやはり鰯が一枚も二枚も上手ですし、寒い冬のつみれ鍋・つみれ汁は最高です。
また、鍋でいえば、九州出身の大学の先輩に〈いわしの丸鍋〉というのを教えてもらったことがあって、土鍋に昆布と酒の出汁を張り、生姜を一片入れてグツグツさせたなかに、手開きした新鮮な真鰯を次から次へと放り込み、ポン酢で食べるという豪快な料理でした。
種子島あたりの料理とのことでしたけど(うろ覚えなので確証はありません)、これが本当に美味くて、いまでも記憶に焼き付いています。

そんな鰯ですが、90年代から00年代初めまでは「不漁」が叫ばれ、「絶滅するんじゃないか」などという声まであったことをいまの若いひとは知らないかもしれません。
なにしろ近年は豊漁続きで余ってしまうほどだというのですからね。
あの頃、「温暖化のせいだ!このままでは他の海洋資源も激減してしまう!」なんて叫んでいたひとたちにこの現状を説明して欲しいものです。
地球の自然というのは人間が考えているよりずっとタフなようです。

その不漁の時代、私がたまに食べに行っていた(連れて行かれた)いわし専門店の大将も鰯の先行きを心配していたんですけど、ある日、「今日は鰯がないんです」と謝ってくるんです。
すわ絶滅したか!と思ったものの、聞いてみると台風のせいで入荷がなく、閉店しようかと迷った末に「今日は”鯵”でご勘弁願うことにした」というので、ひょっとしたら鰯が獲れなくなったときに備えてのテストだったのかもしれません。
生け簀には生きのいい鯵が泳いでいました。
そうして鰯専門店が一日限りの鯵専門店になったわけですけど、この鯵がまた美味い。鰯に比べると身に力強さがある。
鰯にほれ込んでいた大将には内緒ながら、「鯵でもいいのでは…」と思ったほどです。

ようするに、四方を海に囲まれた日本では近海ものの魚ならばなんでも美味いということです。
我々は獲れるものを食べたらいいんです。それが自然と共に生きるということです。
私は鰯と鯵からそう学ばせてもらいました。

また当時、鰯は「こっちが弱っちゃうほど美味い」、鯵は「参っちゃうほど美味い」と教えられ、真に受けませんでしたけど、いまは私がそう吹聴しています。
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辺野古への移設は民主主義

年の瀬ということで、日本では色んな企業や団体から発表される〈今年の流行語〉ですが、これは日本発祥のものではなく、イギリスだと考えられています。
〈オックスフォード英語辞典〉が1900年代の初め頃から発表しているそれは、皮肉と毒舌を込めたものが多く、さすがイギリスという感じがします。
ただ、〈世界の流行語〉というものはありません。それを判定する機関がないからでしょう。
強いてその〈世界の流行語〉といえば、おそらくアメリカのそれが最も近いと思われます。
この20年ではIT関連やテロ関連など、その後の世界を占う言葉が見られのですから、さすが世界をリードしている国だけのことはあります。

そのアメリカで昨2017年の流行語に選ばれたのは(アメリカ方言学会など)、〈Fake news〉でした。
トランプ大統領と彼に反対する既存メディアが、互いを罵るために使った言葉ですね。
ようするに、考え方の対立した者同士というのは、自分に都合のいい事実をでっちあげたり、焦点を絞って伝えたりすることで、相手を攻撃する材料に使うということです。
日本では既存メディアによって「Fake newsはネット発」というような印象操作がなされていますが、〈Fake news〉はどこからでも発生するというわけです。

ただ、既存メディアとネットメディアを比べると、危険性があるのは間違いなく既存メディアです。
テレビ・新聞というのは長い間メディアの頂点に君臨していましたから、大規模な報道網とある程度の信頼を持っています。
そのため、〈Fake news〉は一気に拡散し、多くのひとびとはそれをすぐに信じ込んでしまいます。
もちろん、そのニュースが間違いならば、既存メディアも訂正を出しますが、それは即時というわけではありませんし、しかも訂正をする紙面や時間というのは、フェイクを伝えたそれよりもずっと少ないことがほとんどなのです。
朝日新聞が行った慰安婦に関する虚偽報道がまさにそれですよね。
しかも朝日新聞は、間違いを認め謝罪・訂正したものの、それを載せていたウェブサイトでは英語版の記事をネット検索できないようにしていました。
世界に対しては〈Fake news〉のままにしておこうとしたわけです。

このようなことをしているせいか、日本の既存メディアの信頼度は年々低下の一途を辿っています。
ネット上の調査で酷く落ち込んでいるのはもちろん、新聞通信調査会や野村総合研究所といった”既存の調査団体”のそれでも右肩下がりなのですから、かなり深刻といえるでしょう。
その原因は〈Fake news〉だけではなく、”偏向報道”と”印象操作”という伝統の二刀流がバレ始めた結果だと思います。
日本ではメディア間の繋がりが密接で、新聞社とテレビ局の資本が一緒だったり、競合他社でも不文律として互いを非難しないようにしてきましたが、ネットメディアの登場によって、国民が”偏向報道”と”印象操作”に気付いてしまったというわけです。
こうなればもはや信頼度が回復する見込みもありません。

今日(2018年12月14日)報道があった名護市辺野古の土砂の投入のニュースでも、その二刀流が猛威を振るい、良識ある国民はみな首を捻っていたと思います。
土砂で美しい海を埋め立てる政府が悪、それに反対する沖縄県側が正義。
政府は沖縄の民意を無視し、玉城デニー知事は民意の代弁者。
既存メディアが描くその構図は本当に真実なのでしょうか?

そもそも普天間から辺野古への米軍基地移設というのは、国と名護市が民主的な手続きの元、法的に正しく合意したものです。
仲井眞弘多元知事もその権限において、埋め立てを承認しました。
これはみな”民意”によって選ばれた議員や知事による判断です。
それに基づき国(防衛省)は法的根拠を積み重ねながら移設計画を建て、実行に移したにすぎません。
埋め立てに関しては、国と沖縄県が裁判で争い、国の主張が認められていることからも、法的に正しいのがどちらかということはいうまでもありません。
県の側がその場その場で約束破りをしていたら、国との一緒になった長期計画は立てられなくなりますしね。

また、法的に正しくないからこそ翁長雄志前知事や玉城デニー知事、そして反対派なる集団は常に実力行使ばかりなのです。
国と県の裁判だって、話し合いを放棄した翁長雄志前知事が強引に埋め立て承認を破棄したことが発端です。
ところが裁判で負けてしまったため、翁長知事の意思を継ぐ玉城現知事は無茶なことができなくなり、「話し合い」を繰り替えすようになりました。
これはいわゆる”被害者のふり戦術”ですね。
マスコミはこれをまるで「国が話し合いに応じない」というニュアンスで報じ、玉城知事をバックアップしているのですから中立性も公平性もありません。
もちろん、事実として話し合いに応じていないのは玉城知事の側です。
国は負担の軽減や補助金といった落としどころを話し合いたいのに、玉城知事は移設反対から一歩も動かないのです。
つまり、法的に間違っている側が駄々をこねているにすぎないわけです。
我がままを聞いてやるのは”話し合い”ではありません。
マスコミはそういう事実と移設までの手続きを報道しないのですから、まさしく偏向と印象操作です。

今年の流行語は〈二刀流〉でよかったかもしれませんね。
そだねー!
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※書き忘れましたが、この移設問題がこんがらがったのは、鳩山由紀夫元総理が「腹案がある」とかいって沖縄県民に”Fake hope”(false hope)を与えたせいです。
無能さと極悪さが半端ない。

2018GPF・女子FS(後)、紀平梨花の基軸

(続きです。)
この18-19シーズンの女子フィギュアを盛り上げる存在といえばもちろん紀平梨花ですが、もうひとり挙げるならば間違いなくエリザベータ・トゥクタミシェワだと思います。
14-15の世界女王を獲った後はひどく低迷し、世界選手権にすら出られなくなった彼女が不死鳥のように復活し、トップレベルで活躍しているというのは嬉しい驚きです。
その理由について、テレビなどでは「3Aの復調」と説明されていますけど、本当の理由は”3Lzの復調”です。
トゥクタミといえば少女の頃から高さと美しさを兼ね備えたルッツジャンプこそが代名詞であり、それを基軸にプログラムを構成していましたし、3Aはプラスαなんです。
低迷時期はその3Lzが不調で、FSで2本ではなく1本に減らすこともありましたから、3Aにチャレンジする余裕がなかったというのが本音でしょう。
それが今季は好調で、NHK杯のFSでは久しぶりに3Lz+3Tを綺麗に成功させていました。
このGPFではジャンプの基礎点を若干上げてくるなど、自信を深めてきたトゥクタは、冒頭の3Aが乱れてターンが入るも、その後のジャンプはすべてクリーン。
もちろん3Lz+3Tも単独3Lzも鮮やかに決めていました。
それに加えて怪しげな踊りと妖艶な笑みで会場を沸かせ、『You Don't Love』とは真逆の人気も証明しているのですから、完全復活ですね。
FSは144.67(TES78.06・PCS66.61)、合計215.32。
この大会はSP・FS両方ともに3Aの着氷を乱していたにもかかわらず、ここまで得点を伸ばすのですから、それが成功したときは、ザギトワだってうかうかしていられないくらいのハイスコアになるはずです。
ロシア女王返り咲きもあるかも!?

3Aは女子にとっては超高難度ジャンプですから、それを跳ぶ選手が2人いるこの大会はまさに奇跡。
バンクーバーのお客さんは本当にラッキー。
しかも我らが紀平梨花は3A+3Tという唯一無二を跳ぶ!
…はずですでしたけど、冒頭の3Aは途中で開いてダウングレード気味の着氷。
いきなりのハードラック!
しかしこのときの紀平梨花の表情はどうだ。気落ちするでも同様するでもなく、ただただ強い眼差しで前を向く。
そして次のジャンプ、2A+3Tという安全な選択もあるなか、決断したのは3A+2T!これを確実に決めた!
気持ちが強いのはもちろんのこと、無理に+3Tにいかないところは冷静。
このバランス感覚が紀平梨花の凄味。
ただ、ザギトワが残した”226.53”を超えるためには、ここからはミスが許されない剣ヶ峰の綱渡り。
その重圧か、3Loの軸がやや狂うも空中で修正。
この運動能力は紀平梨花の強味。
高い足上げの鋭いスピン、指先まで丁寧に踊りながらのステップではエッジも正確で股関節が柔らかく、そこに長い腕の演技が重なって、完成度の高い演技。
抑揚や緩急などといった音楽表現は今後の伸びしろ。
中盤の3Lzには+3Tを付けなければならないところしたけど(前半に+2Tを使っているため)、余裕を感じるほどの着氷!
リカバリーをしっかり出来る頭の冴えと技術の冴えにシビれる!
タノ3Fもフォルムが明確で強さと美しさを兼ね備えている!
”基軸のジャンプ”でいえば、紀平さんは3Lzと3Fの二刀流であり、そこに絶対の自信を持っているからこそ3Aに落ち着いて挑めるのでしょうね。
その勢いのままのビールマンスピンも微塵の乱れもなく回り、まるでゾーンに入ったかのよう、タノ3Lz+2T+2Loも成功が約束されたように仕上げ、終盤でも脚力十分のシットスピンとコレオ、ちょんと跳ねてからの最後の3Sも完璧!
日本からやってきた『A Beautiful Storm』がバンクーバーを呑込んだ!これが紀平梨花だ!

緊張からか序盤は自分の身体を上手く制御できていないようなところも見えましたけど、それをすぐに修正し、途中からは完全に気持ちと身体を一致させ、正確な演技を完遂させたのは本当に鳥肌ものでした。
紀平梨花という選手の一番の武器はメンタルとフィジカルの分析とコントロールかもしれません。
日本女子にはこれまでなかったタイプであり、他競技も含めた世界的アスリートに近いタイプといっていいでしょうね。
紀平さんの活躍は日本フィギュアに新たなる可能性を示し、さらなる発展をもたらすと思います。

そして気になるFSのスコア、私はザギトワ(148.60)にちょっと届かないくらいかと思いましたけど、SPで”4.58”の差をつけていたので優勝は確信していました。
SP・FSを通して見れば文句なしの勝利です。
ザギトワ陣営も紀平さんの演技が終わった瞬間にシャッポを脱いでいたことでしょう。
そしてジャッジが出したのは150.61(78.21・72.40)、合計233.12!
よっしゃあ!初出場初優勝の快挙!
PCSが思ったよりも高く評価されていて戸惑いましたけど、今後の”期待点”というやつですかね。
これはロシア勢だってメドベージェワやザギトワがもらってきたものですし、大きな声で文句もいってこないでしょう。そもそも”基礎点と技術点”が違います。
まあ個人的にはPCSが70.00くらいだった方がしっくりきますけどね。今大会での勝利でもって次からザギトワに肉薄するという方が好みです。
(※ザギトワの今大会のFSのPCSは72.70。紀平さんのNHK杯FSは67.55)。

それにしても本当に見事な優勝でした。
3Aを跳ぶというだけではなく、その他のジャンプとスピン・ステップの基礎技術の高さ、そして表現面での体の使い方とスケーティングの練度という面でも隙がないのですから、絶対的な強さを感じます。
そして公の場でのメイクや表情、試合後のインタビューなどでの受け答えを見ると、”女王とはこうあるべき”という理想像を本人がしっかり持っているのもよくわかります。
また、それは家族や周囲の教育の賜物であり、共通意識なのでしょうけど、その一体感もまたこの16歳を支えている強さなのかもしれません。

2年前に彗星の如く現れた日本フィギュアの至宝は、ジュニアでの苦境があったものの順調に成長し、ついには世界女王に手が届くレベルまでやってきました。
GPF初出場初優勝は素晴らしい快挙ですけど、シーズンはここからが本番です。
日本選手権、四大陸選手権、そして世界選手権。
紀平梨花が真の女王として称えられるのはここからなんです。
もちろん、優勝インタビューに応じる紀平さん本人には微塵の油断もありません。
彼女が目指すのは世界の頂点、それも歴史に残るような女王なのでしょう。
紀平梨花の演技の本当の基軸は、その志の高さなのだと思います。

未来の偉大な女王に乾杯!
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2018GPF・女子FS(前)、五輪女王の意地

2018グランプリファイナル女子シングルは、興奮のSPが終わり、我らが紀平梨花が82.51というハイスコアでの首位。
2位のザギトワに対しては4.58のアドバンテージを得ることができました。
FSでの2人の期待値は同じく154~156点ほどなので(ザギトワはB級大会で158.50を出していますけど主要大会では難しい)、紀平さんはFSノーミスならば”自力優勝”が可能になります。
ただ、紀平さんの最大の武器である3Aは、成功すれば大きな得点が望めると同時に、ミスをすれば期待値が大きく下がる諸刃の剣。
我々はドキドキハラハラしながら見守るしかありません。
もちろんNHK杯のときのノーミスを思い出せばワクワクもしますけどね!

そんなFSではまず最初に登場したソフィアサモドゥロワがSP(5位)に続いてノーミスの内容。シニアデビューとは思えぬ落ち着きを見せました。
FSは136.09(72.82・63.27)、合計204.33。
ジャンプを含む技術要素の質がまだまだ低いので、そこを改善してゆけば、もう少しスコアも伸びるようになるでしょうね。
演技を観ていると”表現するのが好き”なタイプだということが伝わってきますし、きつめの美人というルックスも『バーレスク』のようなプログラムを際立たせるので、存在感のある選手になってゆきそう。

SPではいつもの明確な動きが見られずに6位に沈んだ日本女王・宮原知子ですが、1日空いたFSでも調子は上がらず、全体的に元気がありませんでした。
ジャンプでも踏み切りに力がなく、前のめり気味になってしまっていたために、着氷時にトウから早目に降りてきて回転不足になるという悪い癖が出てしまっていたため、ぱっと見はノーミスだったものの、スコアは133.79(64.23・69.56)、合計201.31。
バンクーバーの会場がかなり不満そうだったのはテレビでもわかりましたけど、スローVTRで確認すると、仕方ないという印象ですね…。
まあ今季は前の大会まではジャンプの質も高かったですし、たまたま調子を落としていたのでしょう。
全日本に合わせてくるのが宮原知子ですから、私はなんの心配もしていません!

人間というのは贅沢なもので、紀平さんの出現によって久々の優勝が視界に入ってくると、日本女子による複数表彰台も期待しちゃうんです。
そのためには坂本花織さんに頑張ってもらわねばならないわけですが、FSでは冒頭から代名詞のどでかい3F+3T、カウンターの2Aも凄い幅、そして課題の3Lzも今回は上手くはまった!上々の序盤戦!
これならばSP4位(3位とは0.42差)からの逆転も十分あり得る!
ステップでも繊細な滑りで『ピアノ・レッスン』の張り詰めた空気を醸し出し、その流れのままの3Sもいいジャンプ。
このまま流れに乗って表彰台だ!
…と思った刹那、後半の2A+3Tが乱れたのに無理に+2Tを付けにいっての転倒、やらなくてよかったような…。
ただ、そのあとすぐの3F+2Tは動揺を見せることなくしっかり決め、足上げのスピンからそのまま音楽の高鳴りに合わせてコレオへと繋ぎ、入りはややスピードに欠けるも、びしっとしたスパイラルポジションですぐに勢いを掴むと、そこから繋いだ3Loもお見事!
結びのスピンも一切乱れがありませんでしたし、体力と集中力は本当に凄い。
フィニッシュ後は顔を覆って悔しがった坂本さんですが、3連続のミスから崩れなかったのは本当に立派でした。
この大会で、彼女は自分が世界のトップレベルにいることをはっきり証明したと思います。
日本フィギュアの自慢です!
FSは141.45(74.45・68.00・減点1)、合計211.68。
表彰台にはなんとも微妙なスコア。あとは運を天にまかせるのみ。

SPノーミスで首位を獲れなかったのはシニアで初めてというアリーナ・ザギトワ。
基礎点で大きく上を行く紀平梨花という存在は、彼女にとっての初めての壁でしょう。
そういう相手に勝つためには、常にノーミスかつ出来のいい演技が求めらる。
そんな重圧のせいか、FSでスタート位置に立ったザギトワの表情はいつになく緊張しているように見えました。
それを振り払うかのように、自由な恋に生きる『カルメン』そのものの闊達な滑り出しから2Aで鮮やかに決めてスタートするも、続く3Lzでややバランスを乱し、迷ったような+1T。
このミスでなんともいえない雰囲気、まるで踊り子がスカートの裾を踏まれたかのよう。
しかし、五輪女王はその裾を自ら引き裂くようにして加速すると、タノ3S、スパイラルからの2Aを立て続けに決め、気持ちの強さを見せつけます。
踊ってからのキャメルスピン、捕縛されるマイムからそれを振りほどくような力強いコレオシークエンス、そして勝負がかかる後半の3Lz+3Loという高難度ジャンプも成功!
そこからすぐに繋いでの3F+2T+2Loはかなり必死、勢いをつけてからの3Fはカルメンの恋の炎のように燃えたぎったジャンプ。
そして身長が伸びて辛そうなビールマンも深いポジションで仕上げ、体力も笑顔も崩れないステップシークエンスはまさに五輪女王の意地。
最後のスピンも劇的に回り切り、勝利への執念を感じる演技でした。敵ながら天晴れ。
技術的にも表現的にも凝縮感のあるプログラムですが、集中力を切らさずに滑り切ったのは本当にお見事でした。
動きにまだまだ雑なところが残っているものの、気迫と勢いでそれを魅力に変えるのもザギトワならではですね。
FSは148.60(75.90・72.70)、合計226.53。
やはりコンビネーションジャンプのミスが手痛く、期待値をかなり下げてしまいました。
PCSも敵地バンクーバーのせいかSPに続いてあまり伸びません。
キスクラのザギトワはすでに敗者の表情。
彼女の想定する紀平梨花はこのスコアを軽く超えてゆくということです。
(長くなりましたので、優勝が決まる大興奮の後編に続きます。)
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2018GPF男子シングル、宇野昌磨のじれったさ

宇野昌磨といえば、かつては”天才少年”をして名を馳せ、シニアデビュー以降もその才能を伸ばし続け、いまでは世界トップレベルで活躍するスケーターですが、意外なことに国際タイトルにはとんと縁がありません。
羽生結弦という絶対王者が同時代に存在するとはいえ、その羽生結弦が怪我や体調不良で欠場した大会でも、金博洋やネイサン・チェンという実力では引けを取らない選手たちにことごとく負けてしまうのですから、宇野くん本人にも忸怩たる思いがあるはずです。
そんな状況のなか迎えた2018グランプリファイナル。
羽生結弦が怪我で不在ということもあって、宇野くんの敵はネイサン・チェンのみ。
実力伯仲(ジャンプの基礎点もだいたい同じ)の2人ですから、ミスが勝敗を分ける戦いになるのはいうまでもなく、勝利への執念が上回った方が表彰台の頂点に立つことでしょう。
クールでシャイな宇野くんが我武者羅に勝ちに行く姿が見たい!

…という優勝争いの前に、まずはそれと同じくらい予想がつきにくかった3位争いの結果から。
この大会は羽生結弦が欠場しただけではなく、金博洋やコリヤダといった実力者が不調からファイナル進出を逃したため、ボロノフ、ブレジナ、メッシング、チャという実力が拮抗した4人による大混戦。
SPでは誰もノーミスがおらず、ブレジナ89.21、チャ89.07、ボロノフ82.96、メッシング79.56という並びになって、本当に予想がつきにくい。
ひとつのミスが順位を分けかねないFSでは、まず一番滑走のボロノフが珍しく不安定な内容で合計226.44で早くも脱落。
チャは冒頭の4Tで転倒するも、その後は初出場とは思えぬ落ち着きでまとめて合計263.49というなかなかのスコア。
開催地バンクーバー市民の声援を受けて逆転表彰台を狙いたかったメッシングは、冒頭4Lzをこらえねがらも初成功させたものの、ジャンプのミスが相次いで合計236.05。敢闘精神だけは光りました。
チャを上回るためにはベストスコアの大幅更新が求められるブレジナでしたが、最大のポイントである冒頭の4Sで転倒してしまって夢は儚く散ってしまいます。しかし28歳のベテランは、それにめげずにその後の要素をしっかり揃え、ロックンロールのプログラムで大いに会場を沸かしたのですから、スケーターとしての意地は見せたといっていいでしょう。合計は255.26。
この結果、チャ・ジュンファンが見事に3位表彰台。おめでとう!
チャGPS2戦ともにミスが少ない演技で3位でしたし素晴らしい安定感。今季からの新ルールに適応していますね。

そしていよいよ両雄の激突。
宇野くんもネイサンもミスが多い選手ですから、この2人の戦いはいつも”ミスが少ない方”が勝ってきました。
SPでの出遅れなどは言語道断といっていいでしょう。
それは痛いほどわかっていたであろうネイサンですが、4Tで転倒してコンボにならないというクリティカルダメージ。
今季のSPは4Fが鬼門でしたけど、そこを乗り越えたと思ったら4Tに足元をすくわれました。
SPは92.99(TES48.78・PCS44.21・減点1)。
ミス以外の部分は良かったので本当にもったいない。

あとから滑る宇野昌磨にとって、このネイサンの結果はSPで点差を広げる絶好のチャンス。
ところが、4Fが回転不足気味(UR)のステップアウトという不穏なスタートをすると、4Tも制御しきれずに+2Tに。
ミスのお付き合いをしちゃいましたね…。
3Aはしっかり決め、ステップでも鋼がたわむような力強い動きを見せるもSPは91.67(46.88・44.79)。
本人は「体調不良」と語っていましたけど、気合が空回りしたような印象です。

しかし点差はほとんどなく、すべてはFSの出来次第。
順番はまたしてのネイサンが先で宇野くんがあと。
曲がなかなか鳴らない運営のミスに苦笑いでスタートしたネイサンでしたが、冒頭に鮮やかすぎる4F!
これで一気に流れに乗るかと思いましたが、不安そうな助走からの4Lzは回転不足気味の転倒、4Tでもステップアウト。
これは崩れるパターンか。
しかし昨季の五輪で悲劇のSPから歓喜のFSを演じた経験がネイサンを強くさせたのか、苦手の3Aを丁寧に降りると、ステップでは下半身の柔らかさをベースに音楽を上半身で上手く捉え、自分の流れを作り出します。
そして後半ボーナスパートでは4T+3T、3Lz+3T、3F+1Eu+3Sをきっちり揃える怪物ぶり。度肝を抜かれました。
終盤のコレオはあっさりしていたものの、自由と希望を目指す『Land of All』を強い気持ちで滑り切りましたね。
FSは189.45(101.79・88.64・減点1)、合計282.42。
今季のネイサンは課題のジャンプの質も向上し、表現面にもより磨きがかかってきて、プログラムにも見応えがあります。
日本勢にとっては怖い存在ですが、こういうライバルがいるから大会が面白い!

ネイサンのスコアはかなりのものですが、宇野昌磨ならばそれを超えるのはそう難しくはありません。
単純にいえば、2ミスのネイサンに対し、1ミスに抑えればいいだけです。
シルバーコレクターを返上してブレイクスルーだ!
ところがまたしても冒頭からトラブル。
4Sがダウングレード気味の着氷になるという目を疑うようなミス。
これで早くもミスが許されない状況のなか4Fを慎重に降りるも(回転ぎりぎりか)、4Tはややヒヤッとするも無事着氷。
それでもスピンは相変わらずの安定感、コレオではどっしりとした滑りで『月光』の荘厳さを醸し出し、中盤の鬼門4T+2Tも乗り越え、初優勝への道が見えてきた!
…そう思ったのも束の間、3Aはややバランスを崩しながらしっかり決めるも、3A+1Eu+3Fでお手つき、3S+3Tも着氷が乱れて嫌な感じ。
終盤のステップやスピンはこの悔しさをぶつけるようにパワフルで、演技全体も大胆でセクシーでしたが、クリーンなジャンプが少なかっただけに、出来栄え重視の新ルールでは厳しいか…。
予想通りFSは183.43(93.29・90.14)、合計275.10でネイサンに及ばず2位。
残念ながらまたしても銀メダルをコレクションに加えることになってしました。

それにしても本当にじれったい。
宇野くんには複数の負けパターンがあって、自分がダメで相手が良い、自分が良くても相手がそれ以上に良いというのならまだ納得できますけど、相手がミスってくれているのにそれにお付き合いする負けというのはじれったい。
私ももはや言葉がありせんけど、厄落としのために髪型でも変えたらどうでしょう?
思い切って短くしたら視界も開けるんじゃないでしょうか!
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