2017GPSフランス大会・男子シングルが終わって

今日11月21日(2017年)、GPSフランス大会から帰国した宇野昌磨は、中部空港で記者からの取材に応じた後、「早く練習がしたい」といって、地元名古屋へと戻っていったそうです。
フランス大会ではインフルエンザにかかっていた影響からか、SP・FSともにジャンプミスが目立ち、スコアも合計273.32で、「こんなに苦しい試合はなかった」と弱音が漏れるほどでした。結果的には2位に踏みとどまり、GPF進出を決めましたけど、昨季から好調を維持し、”五輪金メダル最有力候補”ともいわれていた世界的評価も揺らいでしまったかもしれません。

そのフランス大会男子シングルは、SPでハビエル・フェルナンデスがノーミスの素晴らしい内容で107.86(TES60.00・PCS47.86)。
私も久しぶりに鳥肌が立ちました。王者の帰還ですね。
しなやかで美しい4回転ジャンプはもちろん、姿勢の深いスピン、正確で力強いスケーティングと類稀な表現感覚。そしてルックス。
ハビエル・フェルナンデスはフィギュアスケートをするために生まれてきたような男です。必要なものを全て備えた完璧なスケーターといっても過言ではありません。
前の中国大会ではミスを連発し、SP90.57・FS162.49・トータル253.06の6位という信じられない結果に終わり、本人は「ウィルス性胃腸炎による体調不良」説明していたものの、メディアやフィギュアファンの一部からは「フェルナンデスの実力は下り坂にあるのではないか?」という懐疑的な視線が向けられていたのもまた事実でした。
ですから、フェルナンデスは完璧なSPの後の記者応対でも、これ見よがしともいえる自信に満ちた表情とコメントで、そういう声を打ち消したのでしょう。
フィギュアスケートは特異な採点競技だけに”落ち目”と見られるとスコアまで落ちてしまいますからね。
しかし、FSではその完璧さは鳴りを潜め、ジャンプが不安定で2度の転倒があり、練習不足からかスタミナ切れも早く、後半はへろへろでした。
スコアも175.85(85.49・92.36・減点2)しか出せず、誰もがFS最終滑走の宇野くん(SP2位)が逆転すると思ったはずです。

ところがその宇野くんも4Fが回転不足、4Tは2本とも転倒してしまうなど、本当に苦しい演技。
179.40(90.20・91.20・減点2)と、FSではフェルナンデスを上回ったものの、SPでの差によって、総合での逆転はなりませんでした。
優勝のフェルナンデスも2位の宇野くんも苦笑いの表彰式でしたね。
いい笑顔なのは3位に入ったミーシャ・ジーだけ。
なにしろ彼にとってこれがGPS初表彰台だったんです。
引退を1年延ばした甲斐があったというものです。
おめでとうミーシャ!

今季のPGSはフェルナンデスとパトリック・チャン(2戦目を欠場)が不調、さらに羽生結弦も怪我で2戦目を欠場したことで、思わぬ伏兵が結果を出しています。
カナダ大会でのミハイル・コリヤダのGPS初優勝、NHK杯でのセルゲイ・ボロノフのGPS初優勝は誰も想像していなかったでしょう。
このままいけばGPFの面子もかなりフレッシュなものになりそうです。

そして、五輪王者を占うという意味でも状況は混沌としてきました。
現在の男子シングルで300点を超すPBを持っているのは、羽生結弦、宇野昌磨、ハビエル・フェルナンデス、ネイサン・チェン、金博洋の5人であり、おそらくそのなかから五輪王者が生まれるでしょうけど、今季は宇野くん以外はいずれも調子が上がっていなかったのに、宇野くんまで状態が悪くなってしまっているのですから、現段階での予測は完全に不可能になっています。
その混沌から抜け出すのは誰なのか。
今後の男子シングルは五輪までの1戦1戦が注目ですね。
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2017GPSフランス大会・女子FS 世界で勝つことを忘れずに

SPでは有力選手にミスが相次いで混沌状態の2017GPSフランス大会女子シングル。FSではミスがない選手が上位に食い込むことは間違いありません。
その緊張に打ち勝つことができるのは誰か。
大和撫子の活躍に期待しながら視聴したFSの様子をざっくりと。

SP4位から「得意のFS」での逆襲を誓った三原麻依は、その言葉通りの高い集中力の演技。
SPでミスした3Lz+3Tをこれ以上ないほどに美しく決めてスタートすると、いい笑顔が浮かび、その流れのまま2A、後半3Fといいジャンプ。
しかし次の2Aがやや流れてコンビネーションをつけることができず 三原さんも「まずい」という表情。
それでも3Lo+2T+2Loを落ち着いて着氷すると 伸びやかに加速してからの3Lz+3T!よっしゃあ!気迫のリカバリー!
これで波に乗ると、腕の形を冠のようにした鮮やかな両手タノ3S、名前の如く大きく身体が舞うステップシークエンスはエッジも深い、最後のコンビネーションビールマンも気持ちが溢れるように回って、ノーミスガッツポーズ!
クオリティの高い技術要素を揃えたクリーンな演技でしたし、『ガブリエルのオーボエ』の清らかに澄んだ雰囲気もよく表現できていたと思います。似合いますね、このプログラム。
ところが、FSは137.55(TES73.45・PCS64.10)、合計202.12とスコアは思ったよりも伸びません。中野園子コーチも渋い表情でした。
私もこのスコアは疑問です。特にPCSは66、7は出てもいいと思いますけどね。
プロトコルを見ると、他の選手に比べて繋ぎ(Transitions)の評価が低いです。
いまの繋ぎの”流行”は、質はどうあれとにかく”動きが多いこと”ですけど、三原さんのようにひとつひとつの動きを美しく見せるタイプの選手は不利なのかもしれません。量も質も同等に評価されるべきだと思うんですけど。

SPでは転倒があって5位に沈んだアリーナ・ザギトワザギトワ(ロシア)ですが、前半でコレオとステップを終わらせ、ジャンプは全て後半に固めるというリスキーなFSに果敢に挑み、勢いのある3Lz+3Lo、安定した2A+3Tと3Lz、やや疲れが見えるなかでもバレエジャンプで繋いでの3S、助走が衰えながらも3Fをしっかり決め、最後の2Aも気持ちで着氷!
演技を締めくくるコンビネーションスピンも乱れがありませんでしたし、スタミナと根性が本当に凄い。ブラヴォ!
『ドン・キホーテ』の振り付けも似合っていましたし、バレエ風の動きもよく仕込まれていました。
彼女の演技には向上心と情熱が溢れていますし、シニアデビューでまだたどたどしい部分があるとはいえ、惹きつけられるものがあります。ワクワクする天才少女です。
全体的な動きのキレとスケートスピードが出てきたらもう誰も手に負えません。成長が楽しみです!
FSは151.34(81.80・69.54)でPB、合計は213.80。
ジャッジはスコアに期待を込め過ぎだと思いますけど、基礎点は他の追随を許しませんから、この強さは本物です。
将来の女子シングルを背負って立つスターになることでしょう。

有力選手の好演が続くなか、白岩優奈さんもそれに負けじと素晴らしい滑り。
3Lz+3Tを見事に決めてスタートすると、柔軟な下半身を生かしたステップで個性を発揮し、後半も3Lz+3T+2Tを決めてみせると、その後のジャンプも連続で成功。完全にゾーンに入っていました。
しかし、最後の要素になるイーグルからの3Loで悔しい転倒(回転不足気味)。
集中して意識はゾーンに入っていたものの、足の方が限界が来ていたのかもしれませんね。
ただ、その高いポテンシャルは十分に示すことが出来ましたし、世界を相手に戦える選手だということを証明しました。
FSは127.13(64.86・63.27・減点1)でPB、合計193.18もPB!
全日本が楽しみです!

マリア・ソツコワ(ロシア)は、名前とは違って”そつ”のない演技。実行した要素は全てクリーンで、『月の光』の演技も丁寧で安定していました。
今季のソツコワは昨季苦しめられた回転不足が解消され、ジャンプも驚くほど大きくなっていますね。長身選手(174cm)の弱点ともいえる部分を克服したのは本当に立派です。
ただ、演技全体が型付をなぞるようで面白みがありません。長身を生かしたダイナミックさが欲しいですね。このままでは好選手の多いロシアで埋没してしまいます。
そんな心配をしている最中に出てきたスコアは140.99(73.78・67.21)でPB、合計は208.78。
強い…。
五輪代表切符もきっと掴みますね。埋没しない!

SPから調子が悪そうなだったケイトリン・オズモンド(カナダ)は、FSでもいつものエネルギーが感じられず、前半の2A+3Tで軽くステップアウトしたり、後半は3Loで転倒、1Aに抜けるなど、なんとも苦しい『ブラックスワン』でした。
ただ、以前の彼女はミスが連鎖することが多かったので、ミスした次のジャンプをしっかり決めていたのは成長の証だと思います。演技の流れも途切れさせることがありませんでしたし、メンタルの弱さも少しずつ改善されているようです。
FSは137.72(68.42・70.30・減点1)、合計206.77。 
こんなに出るんだ…。
三原さんの勝ちだと思っていただけにかなりがっくり。

この結果、優勝ザギトワ、2位ソツコワ、3位オズモンド。
三原さんは悔しい2戦連続4位、白岩さんは自信にしたい6位。
日本女子2人はSP・FSでほとんどミスをしなかったのにこの順位になってしまうのはなぜか。
技術点(基礎点)は遜色ないので(ザギトワ以外)、つまりは演技構成点の問題です。
外国勢は”スコアを出せる表現”をしているのはもちろん、自分のやっていることを「これでもか」とアピールしてきます。
そこの部分が日本女子には足りないのでしょう。
五輪がある今季は熾烈な出場争いばかりが注目されていますけど、”世界で勝つ”ことを忘れてはなりません。
強い日本女子を取り戻しましょう!
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2017GPSフランス大会・女子SP 氷の悪戯か

2017GPSもこのフランス大会で5戦目を数え、ファイナル進出を賭けた戦いも佳境に入ってきました。
前の試合を4位で終えた三原麻依にすれば今大会は是が非でも優勝したいところですが、競い合う面子は強豪ぞろい。
世界選手権銀メダルのオズモンド、世界ジュニア女王のザギトワ、元世界女王のトゥクタミシェワ、今季好調のソツコワ。
優勝どころか、下手をすれば表彰台も逃しかねません。
では、三原さんの底力に期待しながら見守ったSPを振り返ってみたいと思います。

GPS初出場だった1週間前のNHK杯では地に足がついていない様子だった白岩優奈さんですが、このSPでは落ち着きが感じられる演技。
3Lz+3T、(後半)2A、3Loというジャンプを成功させ、持ち前のスケーティングスピードを存分に発揮し、疾走感のある『亜麻色の髪の乙女』でした。
やれば出来る!ってところを見せましたね。
SPは66.05(TES36.42・PCS29.63)のパーソナルベストで3位!
FSが強い選手なのでひょっとしたらひょっとするかも。

類稀な才能に期待と注目が集まるアリーナ・ザギトワ(ロシア)はバレエの動きを散りばめたステップシークエンスで『ブラックスワン』の前半を終わらせ、後半冒頭の3Lzでまさかの転倒。コンビネーションに繋げることができません。
次の3Fは絶対にセカンドをつけなければならないので+3Tでリカバリーしてくるかと思いましたけど、ここでなんと+3Loに!
惜しくもステップアウト(回転不足)してしまいましたけど、リスクを恐れぬ凄まじい根性です。ジャンプ技術にも自信があるのでしょう。
手を抜かない繋ぎからの2Aはやや窮屈そうに降り、軽やかなビールマンのあとのコンビネーションスピンはジャンプミスで時間を取られたのか慌て気味でした。
キスクラでは不安からか泣き出しそうな表情のザギトワ。SPは62.46(32.27・31.19・減点1)で5位。
今季は体型変化のせいかジャンプが不安定ですね。
がんばれ15歳。

このところ成績が伸びないエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)は、夢の五輪のために3Aにチャレンジするも転倒。
さらに1Lz、3T+2Tとミスが続いてSPは53.03(24.91・29.12)で11位。演技全体ももっさりしていました。
キスクラでどこぞのマダムのように足を組み、妙な貫録を出していたのだけが元女王らしさでしたね。
五輪はさすがに厳しいか…。

今季の三原麻依さんのSPはこれまでのイメージと打って変わった『リベルタンゴ』。
しなやかに体を躍らせスタートした三原さん、まずは得意のコンビネーションジャンプ!…でしたけど3Lz+2Tの回り過ぎで壁に寄りかかるという思いがけないミス。珍しく踏み切りのタイミングが外れていました。
これを引きずったのか続くスピンは勢いが出ずに音楽に乗り遅れ、重苦しい前半戦でしたけど、後半の片足ターンからの2Aと3Fは鮮やかな着氷!
これで流れを掴んだかに思われたものの、盛り上がりどころのステップではキレが出ずにやや攻め切れていない印象。
最後のビールマンはお見事。
SPは64.57(31.93・32.64)で4位。
ゆったりした動きに個性のある三原さんですから、タンゴはちょっと難しいのかもしれませんが、真面目な選手だけに、しばらくすればモノにすると思います。
FSでの逆襲に期待。

170cmを優に超える長身から繰り出すでっかいタノ3Lz+タノ3Tでスタートしたマリア・ソツコワ(ロシア)は、足上げが鋭いコンビネーションスピン、『白鳥も湖』よろしく湖面をなでるように滑って、後半のタノ3Fはやや乱れた着氷。タノ2Aはよし。
終盤のステップはエッジを丁寧に使う意識は伝わってくるも、もうちょっとスピードが欲しいところ。
最後は大きなビールマンでフィニッシュ。
全体的に丁寧というか、慎重すぎて重ったるい印象でしたけど、成長期で大きくなった身体にも慣れ始め、安定感は出てきました。まだまだよくなると思います。
SPは67.79(35.26・32.53)で2位。

飛躍のシーズンとなった昨季、そのきっかけとなったといっても過言ではないSP『パリの空の下』を今季も続けるケイトリン・オズモンド(カナダ)でしたけど、冒頭が3F+2Tになると、お洒落な繋ぎからの3Lzはお手つき(エッジも微妙)。
それでもイーグルからのFキャメルはいい流れ、作り込まれたプログラムを明確な演技でこなし、後半の2Aは鮮やか、独特の力感あるビールマン、溌剌としたステップはフランスの観客をウキウキさせるには十分でした。
いつものパワーが感じられず調子は悪そうでしたけど、そんななかまずまずまとめたのは成長の証でしょうね。
SPは69.05(34.35・34.70)で1位。

リンクの氷の状態が悪かったのか、ミスが頻発したSPでした。
FSはその氷にいかにアジャストするかが勝敗を握るかもしれませんね。
1位から4位までそんなに点差が離れていないので、三原さんも十分優勝が狙えますし、白岩さんも欲を出したっていいと思います。
私は表彰式で日の丸が2枚翻ることを楽しみにしています。
強欲ですから!
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世の人は我を何とも言わば言え

鹿児島県で西郷隆盛を呼び捨てにすると怒られるというのは有名な話ですが、同じように県民から愛されながらも、県民全員から友達のように呼び捨てにされるのが土佐の英雄・坂本龍馬です。
私も高知出身の友人がいますし、高知県にも行ったことがありますが、高知のひとが龍馬を語るときのなんともいえない誇らしげな表情と、まるで近所のお兄ちゃんが都会で一旗揚げたことを喜ぶような親しみは、とても印象深いものがありました。
ところが、そんな坂本龍馬が”教科書から消える”かもしれない、というのですから、高知のひとも「なめたらいかんぜよ!」と鬼龍院花子なみにブチ切れていることでしょう。

11月16日(2017年)の報道によると、高校・大学の教員らで作る〈高大連携歴史教育研究会〉が、「教科書に載っている用語が多すぎる」ことを理由に「歴史上の役割が大きくない」事柄を教科書から削る案を文部科学省に提言する方針なのだそうです。
まあ、歴史用語というのは年々増えてゆきますし、それを憶えることが勉強の主体になってしまえば、その事柄の歴史的意義や歴史の流れが学びにくくなってしまうという判断なのでしょうね。

しかし、だからといって坂本龍馬を削っていいのか、と高知県民は憤るに違いありません。
また、龍馬は小説や映像作品でもヒーローですから、龍馬ファン・歴史ファンも黙ってはいないでしょう。
多くの日本人が持つ”坂本龍馬像”というのは薩長同盟や大政奉還に尽力した日本の偉人なのです。
歴史上の偉人ならば学校で教えねばなりませんよね。

ただ、坂本龍馬は本当に偉人なのでしょうか?
確かに薩長同盟では犬猿の仲だった両藩の仲介役として活躍し、大政奉還でもそれを建白した土佐藩に思想的な影響を与えたことは、関係者の証言や歴史的資料があるので事実といっていいのでしょうけど、歴史上の偉人というのは、世のなかを変革させるようなビジョンを描き、それを成した(成そうとした)人物をいうのです。
そういう意味でいえば、坂本龍馬は偉人たりえません。
薩長同盟を企図したのは駐日英国大使ハリー・パークス(とイギリス政府)だと考えるべきですし、そこでの龍馬はパークスの配下といってい立場でした。
大政奉還は新時代の主導権争いにおいて幕府と土佐藩の思惑が一致して編み出された逆転への一手であって、龍馬は土佐藩(後藤象二郎ら)にアイデアを与えた政治顧問とでもいうべき立場です。
(※大政奉還が成された後も平和的な政権移行には失敗し、結局は内戦に至ってしまうので、大政奉還の歴史的意義というのはそんなに大きなものではありません。)

さらにいえば、薩長同盟で大切なのは、その背景にフランスとイギリスの対立があったことです。
幕府寄りのフランスと薩長寄りイギリスで、日本の新時代に向けての影響力争いがあったわけです。
幕末期、内戦になるか平和的に政権移行が行われるかはわかりませんでしたが、日本が近代化してゆくのは確実でした。
結果的には薩長中心の明治政府が出来上がり、それとイギリスは強い関係を持ち、日本はイギリスをモデルとして近代国家へと変革を遂げて行きますし、大きな貿易相手国ともなりました。
そして1902年には日英同盟へと発展するわけです。

また、大政奉還での土佐藩の動きは、〈薩長土〉という新時代を模索する雄藩のなかで、土佐藩だけが”徳川恩顧”だということと無関係ではないはずです。
小大名だった山内一豊が関ヶ原で大した活躍もせず、時代の機微をよく読んだという一事において、家康によって土佐20余万石を与えられ国持大名になったのですから、その恩は土佐藩の骨格といっていいものがあります。
内戦に陥った後でも藩として大軍を送り込まなかったのはそのためでしょう。

このように歴史というのは当時のひとたちの政治的思惑が渦巻きながら、”縦”に繋がっているものなのです。
歴史の授業というならば、それを生徒たちが理解できるよう導くべきです。
そのために用語を減らすというのなら、文科省も世論に臆することなく実行すればいいのです。

龍馬は偉人ではなくヒーローです。
一介の浪人が日本を動かす偉人たちの信頼を得たことはもちろん、大藩や外国商人たちから上手に金を引き出して会社を立ち上げたこともまた痛快です。
生きていたら明治の大政商になり、いまに続く財閥の祖になっていたかもしれません。
「世の人は我を何とも言わば言え 我なす事は我のみぞ知る」
龍馬本人は教科書から自分の名前がなくなったって、どうも思いませんよ。
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横綱の品格をいうのなら相撲協会の品格を

この平成29年の大相撲は稀勢の里が横綱に昇進するなど大いに注目を集めたわけですが、はやいものでもう1年納めの九州場所がやってきました。
今場所は鶴竜が休場したものの、白鵬・日馬富士・稀勢の里の3横綱は元気そうに初日から顔を揃え、この3横綱の間で優勝が争われるのだろう、と誰もが予想していたわけです。
ところが先場所優勝の日馬富士が初日から無気力な相撲で2連敗。
怪我の多い力士ですからそれが心配されたわけですが、理由が他にあることがすぐにわかりました。

3日目(11月14日)の朝に日本列島を駆け巡った報道によると、場所前の鳥取巡業中のモンゴル力士の懇親会(飲み会)で、日馬富士が貴ノ岩をビール瓶で殴打するなどして怪我を負わせていたことがわかったのです。
今場所の貴ノ岩は初日から休場していて、その理由を記した診断書によると、「脳震盪、前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いで全治2週間」とのことでしたから、かなりの大怪我です。
この怪我の原因が日馬富士による暴行だとすれば、暴行罪や傷害罪といった刑事罰に当たることはいうまでもありません。

この報道を受けて、日馬富士は3日目からの休場を発表。
その日の朝に日馬富士とその師匠・伊勢ケ浜親方は、貴ノ岩が所属する貴乃花部屋の合宿先を訪れるも、貴乃花親方はそれを無視するように車で走り去り、しょぼくれた師弟の様子がテレビに映されていましたけど、貴乃花親方もかなり頭にきているのでしょう。
かわいい弟子が怪我をさせられて本場所を休場しているのですから当たり前のことです。
しかも日馬富士の方はなに食わぬ顔で出場しているのですからね。
暴行トラブルが起きた親睦会は先月10月25日(26日とも)に行われたとのことですが、貴乃花親方は10月下旬には警察に被害届を提出していたそうです。

この事件について、テレビを始めとしたマスメディアは「横綱の品格がー」といって日馬富士を批判していますけど、これは横綱云々という話ではなく、法と社会のルールの問題です。日馬富士=ダワーニャミーン・ビャンバドルジはそれを犯したにすぎません。
今後は日本の法に基づいて粛々と処分がなされるべきです。

報道が問題にすべきは日馬富士個人ではなく、相撲協会の対応です。
被害届が出されるようなトラブルを起こした力士を初日の土俵に上げるなど言語道断の所業です。
大相撲を愛し、国技という地位に押し立ててくれた故・昭和天皇にどう詫びるつもりなのか。
協会はトラブルを一応は把握し、九州場所までに伊勢ケ浜、貴乃花両親方にヒアリングしたものの、「情報はなにも出てこなかった」と言い訳していましたけど、貴乃花親方は被害届を出しているのですから、きちんと話を聞けば事実はわかったはずです。
事件を大事にしたくないという”隠蔽体質”がまたもや首をもたげたのでしょう。

貴ノ岩は暴行を受けた後も巡業に参加し、大きな怪我をした様子もなかったとのことですけど、だからといって事件を見て見ぬふりしていたら、今後も同じように繰り返されることでしょう。
”ビール瓶での殴打”といえば、07年に起きた時津風部屋の新弟子暴行死事件が思い出されます。
一般国民からすれば、大相撲という世界は”暴力が日常茶飯事”というふうにしか映りません。

大相撲人気の隆盛がいわれる昨今ですが、暴力・賭博・八百長といった数々の問題への抜本的な防止策はこれまでもまったく取られてきませんでした。
相撲協会がしてきたことは、その場限りの対応と隠蔽なのです。
今後、相撲協会はトカゲの尻尾のように日馬富士を切り捨てるでしょうけど、それもまたよく見た光景です。
そして、協会とベッタリの相撲記者やマスメディアも、全てを日馬富士個人の問題としてこの事件を終わらせようとすることでしょう。

横綱の品格をいうのだったら、相撲協会にも品格はあるべきで、いまからでも本場所を中止にすべき事案だと思いますぜ。
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かつしき

Author:かつしき
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