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吉本興業の終わりの始まり

「吉本興業が本当にファミリーならば、(会社が親で)僕は子供だと思っています。その子供が、悪いことをしたといって謝ろうとしているのを止めるのが親ではないと思います。親なら背中を押して欲しかった。それで吉本興業に不信感しかなくなってしまいました」

昨日7月20日(2019年)、件の闇営業問題についての釈明会見を行った田村亮さんは、そういって涙を流していました。信じていた会社に裏切られたという思いだったのでしょう。
しかし、この「不信感」に至るには前段があって、問題発覚当初、田村さんは宮迫博之さんと一緒に「お金はもらっていない」と会社に説明し、世間に対しても繰り返しそう主張していたんです。
吉本興業の方はそれを信じ、その主張に則った対応をし、世論の反発のなか、当該芸人たちをかばい、出演番組もそのまま放送させました。
子供のいっていることなら無条件に信じる、という姿勢を見せたわけです。
まさに”親”だったと思います。

ところが、芸人たちは週刊誌の追及や世論の疑惑の目に耐え切れなくなったのか(本人たちは良心の呵責みたいなことをいっていました)、嘘をついていたことを会社に打ち明けたといいます。
吉本興業が正式なコメントを出した次の日くらいのことだったみたいです。
そうしたら、会社から「いまは静観しろ」といわれ、田村さんは「なぜ背中を押してくれなかったのか」と不信感を持ったというわけです。

話の流れを見てもわかるように、裏切られたのは親である吉本興業の方です。
子供の言い訳を信じてなりふりかまわぬ対応をしたのに、いきなり白黒裏返されのですから、頭を抱えたはずです。
これが小学校で起きたトラブルならまだしも、社会的関心事となっているなかで、吉本興業という大きな芸能事務所が立場をころころと変えることが難しいことくらい、子供の方も理解すべきなんじゃないでしょうか。

また、吉本興行からすれば、嘘をついていた子供が、まだまだ隠し事をしているのではないかと疑って当然です。
「本当のことを話したい」といわれたって、芸人たちが記者会見で保身に走ったいい逃れをしたり、虚偽内容をいいふらしたりしたらたまったものじゃありません
週刊誌の第2弾、第3弾のスクープを待ち、自分たちでも客観的事実をできるだけかき集めるために、”静観”という判断をしたとしても不思議ではありません。

そもそも、今回は当該芸人たちの振る舞いが悪質でした。
宮迫さんが自ら認めていたように、振り込め詐欺グループからギャラをもらっていたのに、口裏合わせまでして、みんなで「もらっていない」と嘘をついていたことが問題をより大きくしたのは間違いありません。
口裏合わせを主導した宮迫さんの責任は計り知れず、一般の会社ならば”解雇”になっていてもおかしくないはずです。
後輩芸人たちを追い込んだだけではなく、虚偽報告によって会社に損害を与えているのですからね。

吉本興業のミスは、闇営業(直営業)をしなければ食べてゆけない芸人がいるという給与体系をそのままにしていることと、芸人からの説明を鵜呑みにしたことです。
むしろ、家族的な経営体制、つまりは”なあなあ”な雰囲気からくる落とし穴だったといっていいでしょう。
吉本興行は今後、コンプライアンスを順守するきっちりとした会社になるのか(芸人の待遇も含め)、ファミリーごっこを続けるのか、という選択に迫られることでしょう。

そして吉本芸人たちですが、一連の闇営業問題で、”嘘つき”というイメージが定着した上に、宮迫さんと田村さんが涙の記者会見を行ったことで、なんだか笑えない感じになってしまいました。
問題芸人たちをかばった他の芸人たちも、仲間を大切にする自分に酔っていたり、真剣になりすぎていたりで、笑える要素がありません。
ダウンタウンを旗頭に90年代後半からお笑いの覇権を握った吉本興業ですが、終わりのようなものが見えてきたといっていいでしょう。

この会社には、”抱き合わせ”や”メディアとの強すぎる資本関係”や”メディアへの圧力(移籍した芸人を干す、他事務所との共演NG)”といった独占禁止法に抵触しそうな問題もありますし、このあたりが潮時なのかもしれませんね。
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京都アニメーションと一緒に

この7月18日(2019年)に京都アニメーションを襲った未曾有の凶悪放火事件は、犯人も重い火傷を負ったことで、2日経っても動機はよくわかっていませんが、わかっていることはただひとつ、どんな理由があったとしても決して許されない所業だということです。
身勝手に、何十人ものひとの、それまでの人生を、これからの未来を、奪う。
誰かの大切な家族や仲間を、奪う。
これは人間ではなく、悪魔の所業です。

私はこの犯人を同じ人間と思いたくない。
人間にこのような悪魔性があることを否定したい。
否定しなければ、人間に絶望してしまいかねない。

確かに、人間というやつは、自分に気に食わないことがあれば反発しますし、批判しますし、逆らおうとします。
暴力に訴える輩がいるのもまた事実でしょう。
しかし、そこには限度があると信じたい。
取り返しのつかない破壊にまで及ぶことがないと信じたい。

もちろん、世界を見渡せば、今回のような理不尽な犯罪がないわけではありません。
その理不尽が日常という地域すらあるくらいです。
ただ、日本人はそれを情報として知ってはいても、どこか遠いもののように感じていたはずです。
今回の京アニの事件は、その距離がぐっと近づき、リアリティをもって迫ってきました。
日本のどこにでもあるような住宅地、そのなかにある、これまたどこにでもあるような規模の会社。
特別なのは、京アニが日本のアニメーション文化の一翼を担う宝物のような存在だったということだけです。
働いていたひとたちも、作品やデータも、ノウハウやスタイルも、そこにしかないものです。
それを無残にも破壊した今回の行為は、文化へのテロでもあります。

日本はもはや理不尽が当たり前の社会になってしまったのでしょうか?
身勝手な輩が暗闇で獰猛な考えを膨らませ、それを解き放つ準備をしているのでしょうか?
だとしたら、我々は警戒を強固にしなければなりませんし、新たな法や制度の準備をしなければなりません。
それは未来を守ることでもあるんです。
我々はいま、なんてもない日々の大切さを痛感しています。

この”未来”と”日常”というのは、日本アニメでよく描かれる風景であり、そこには”希望”と”平和”というテーマが通底しています。
我々はそういう作品をいくつも観てきました。
絶望と戦ってこそのアニメーションだということを知っているんです。
京都アニメーションが再び力強く立ち上がって欲しいし、被害者も含め、それを国全体が支える日本であって欲しい。

日本でアニメが作られてから約100年、アニメは日本人の価値観に大きな影響を与えてきました。
いまこそそれを見せるときです。
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公取委、ジャニーズへ注意

「ついに」といっていいでしょう、ジャニーズ事務所に対し、公正取引委員会が調査に入っているという噂じみた報道は昨年からありましたけど、昨日7月17日夜、NHKなどが「元SMAP3人について、公取委がジャニーズ事務所に注意」と報じたのに続き、
ジャニーズ事務所が調査を受けたことを認めたため、噂は事実になりました。
ただ、公取委は処分や勧告を下したわけではなく、稲垣吾郎さんら3人がテレビ出演できないようジャニーズ事務所が民放テレビ局に圧力をかけたと疑われるような行為があるので、今後それをしないよう注意したという段階に留まっています。

今回、公取委がそこまでしか踏み込めなかったのは、芸能界がこれまで管轄外といっていい分野だったからでしょう。
とはいえ、今回の動きは昨18年に出した〈人材獲得市場における独禁法の適用についての報告書〉に基づいたものであり、今後は芸能人やスポーツ選手といったフリーランスにも独占禁止法を適用するという姿勢は印象付けました。
ジャニーズ事務勝も「今後は誤解を受けないように留意したいと思います」とコメント(FAX)を出していましたけど、これまでのようにしていたら勧告や処分の可能性は十分あるはずです。

このように、公取委が新しい方針のもとに動いたことなので、”注意”が明らかになったのも今回が初めてです。
NHKに情報をリークしたのも公取委でしょうし、報道されることでの社会的制裁の意も含んでいるはずです。
ところが、民放はその意を汲まず、17日夜も日本テレビとテレビ朝日は完全スルーし、18日朝の情報番組では『スッキリ』(日テレ)でMCの加藤浩次さんが少し触れただけだったようです。
圧力なのか忖度なのかわかりませんが、ジャニーズ事務所って恐ろしいですね。

こういう状況を見ていると、問題があるのはジャニーズ事務所というより、むしろ民放の方だというのがよくわかります。
移籍したタレントやライバル事務所のタレントを使うな、といわれたとしても、テレビ局がそれを突っぱねればいいだけのことです。
建前では人権だの公正だのといっているくせに、本音は長いものには巻かれろなのですから、本当に呆れます。
これも番組制作を芸能事務所に依存しているせいでしょう。
自由競争がなければ業界自体も衰退していってしまいますし、テレビ局こそ考えを改めるべきです。

さらにいえば、日本のメディアはいわゆるクロスオーナーシップで、テレビ局と新聞社が資本関係で結ばれ、互いに監視できないのも、ジャニーズ事務所の横暴を肥大化させた原因だと思われます。
あるキー局にジャニーズ事務所が「タレントを引き揚げるぞ」と脅せば、それは関係する新聞社や出版社にも及んでしまいますし、その逆もあるわけですから、メディアとしては大慌てになってしまいます。
これがテレビ局だけ、新聞社だけ、というならまだ耐えられるはずなんです。
これはまさにクロスオーナーシップの弊害といえるでしょう。

そもそも芸能事務所とメディアというのは相互関係なのですから、どちらが上でも下でもありません。
ジャニーズとは逆に、弱小事務所がメディアから圧力を受けているケースもあるといわれますが、それだって問題です。
公取委の方針変更の背景に〈TPP〉があるのはいうまでもありませんし、日本のエンターテイメント産業が世界に負けないためにも、”自由競争”という意識を強く持つべきです。
日本の音楽やドラマが世界でぜんぜん売れていないことにこそ、すべての答えがあります。

ジャニーズを含む大手事務所の支配からメディアが解放されたときがスタートです。
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差別じゃなくて嫌味でしょ

「Why don't they go back and help fix the totally broken and crime infested places from which they came.」

トランプ大統領が7月14日(2019年)に発したこの”自分の国に帰ったらどうかツイート”が、「差別的だ!」として、いわれた側の民主党下院の4人の女性議員が猛反発している問題ですが、これは来年の大統領選挙に向けた共和・民主両党の駆け引きみたいなものだと思いますし、大騒ぎしている欧米メディアや、それに追随している日本メディアも、ちょっと落ち着いた方がいいと思います。
そもそもの発端は、トランプ政権と下院民主党が”難民援助のための緊急予算”で互いになんとか妥協し、採択に持って行ったのに、この4人の女性議員が反対したことにあります。
民主党内でも”極左”として知られる彼女たちは、トランプ政権の移民対策そのものに反対しているので、そこに「10セントだって出すべきではない」と主張していました。
これには民主党幹部だって頭を抱えたのはいうまでもありません。
”妥協”が出来なければ政治は一歩も前には進まないのです。

ところが、トランプ大統領が4人を批判したことで〈ポリティカル・コレクトネス〉という金科玉条が掲げられ、メディアがトランプ大統領を猛バッシングし始め、4人が正義になってゆきます。
中米やアフリカや中東をルーツとする彼女たちを批判するのは”差別”というわけです。
民主党でも極左の4人は「仲良しグループ」(Squad)と呼ばれ、あまりにも偏った思想のため浮いていたというのに、今回の件で民主党は彼女たちを応援せざるを得ない状況に追い込まれ、党全体が想定外の左傾化へと舵を切らされました。
昨今アメリカで叫ばれる”分断”は、トランプ大統領のせいというより、民主党の左傾化のせいだと思いますが、こうやってそれは作り出されているのですね。

ちなみに、トランプ大統領から「なぜ帰らないの?」と名指しされたのは、4人のうちで唯一アメリカ出身ではないイルハン・オマール議員(81年生まれ)です。
彼女は12歳のときにソマリアから家族で難民としてアメリカに渡り、のちに帰化しています。
当時のソマリアは内戦の終結宣言が出されていたとはいえ、とても政府が機能しているような状況ではなく、反政府武装勢力もまだまだ残存していたため、国連のPKO部隊と多国籍軍が介入していました。
独立宣言・自治宣言を出す地域もありましたし、内戦が続いていたというのが現実でしょう。
その間、100万人もの難民が生まれたといいます。
内戦が本当に収まり始めたのは2010年代に入ってからであり、12年の大統領選挙を経て、ソマリア共和国はようやくひとつの国としてスタートを切ったところです。
もちろん、治安や教育や経済などなど課題山積ですし、いまこそ国を愛する有為の人物が国家再建に向けて動き出すべきときというわけです。

そういう状況を念頭に、トランプ大統領は「なぜ帰らないの?」とツイートしたのでしょう。
難民問題は受け入れる側の問題ではなく当該国の問題であり、「ガタガタ抜かすなら、お前が祖国に帰ってなんとかしてくれよ」という嫌味にも聞こえます。
そして、こういう考えのアメリカ人は一定数存在するような気がします。
トランプ大統領はそれを掴んでいるからこそ、炎上するとわかっているツイートをしたのでしょう。
これまた分断を作る方法のひとつですが、相手が最初に妥協を拒んでいるので、責任を押しつけることができるという意味では、小ズルいやり方です。

すべては来年の大統領選挙のための権謀術数です。
ポリティカル・コレクトネスを巡る本音と建前のどちらが勝つか、鍔迫り合いはまだまだ続きそうです。
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金額はぴったり、吉本の笑えないブラックジョーク

企業や団体や学校などが不祥事を起こした際に行われる世間への対応、いわゆる〈危機管理広報〉は、その重要性が年々高まり、セミナーが頻繁に開かれたり、大学で研究されるようにもなりましたけど、
そこでいわれる鉄則は”対応スピード”””透明性””一般的感覚”だそうです。
ようするに、すぐに記者会見を開き、業界の論理や慣習を盾にせず、わかっていることを正直に話す、ということですね。

先月(2019年6月)から巷を騒がしている”闇営業問題”で、吉本興業はこれに沿った対応をしてきたと思います。
週刊誌報道が出るのに合わせ、関わっていた所属芸人への処分を発表し、芸人からの聞き取りを元にした情報も開示しました。
他事務所のタレントなどがテレビで「闇営業は慣習だ」といって擁護するなかでも、それを言い訳にしなかったことからも、吉本興業の振る舞いはマニュアル通りだったといっていいでしょう。

ところが、吉本興業への世間からの批判は止まることがありませんでした。
それは吉本興業が「芸人たちが反社会勢力からお金をもらったことは確認できていない」とし、当該芸人たちが個々に「もらっていない」と主張したからです。
吉本興業は芸人たちの言葉を信じるといったわけではありませんが、発言を自由にさせたことで、それを担保したのと同等だと世間に思われたのでしょう。
反社会勢力の宴会に出席していた11人への処分は”厳重注意”という軽いものでしたが、一時的にも謹慎させておき、発言も制限するべきでした
週刊誌報道は写真付きで生々しく、とても「お金をもらっていない」ような雰囲気ではありませんでしたしね。

そして、全国民の「やはり」という声が聞こえてくるように、最初の記者会見から20日ほどたった6月24日、吉本興業はその11人が「金銭を受け取っていたことがわかった」といって”謹慎処分”へ格上げしました。
その間、週刊誌では具体的な後追い記事が続き、幾人かの芸人が”落ちた”ことで、発表の修正となったわけです。
吉本興業自体が嘘をついていたわけではありませんが、”芸人の嘘”を信じたせいで、危機管理の鉄則を外してしまったともいえるでしょう。

また、このとき、吉本興業は「受け取った金銭は報道されているような額ではない」と説明していました。
ちなみに週刊誌では、振り込め詐欺グループが仲介役の入江慎也さん(カラテカ)に300万円を支払い、そこから宮迫博之さんが100万円、田村亮さんが50万円、入江さんが30万円、他の芸人は残りを山分けしたといった内容でした。
この週刊誌の情報源というのは、もちろん支払った側の振り込め詐欺グループでしょう。
ですから、この額を信じるか信じないかというのは、反社会勢力を信じるのか?吉本芸人を信じるのか?と同じ意味でした。
心情的にも、倫理的にも芸人たちの方を信じたいところですが、芸人たちは一度「もらっていない」と嘘をついていたので、それも難しいのはいうまでもありません。
芸人たちは口裏合わせをしていますし、かなり悪質です。

そしてやってきた答え合わせのとき。
昨日7月13日、吉本興業は芸人たちが受け取っていた金額を発表しました(複数案件)。
宮迫さん100万円、田村さん50万円、レイザーラモンHGさん10万円、福島善成(ガリットチュウ)3万円…など、報道されていたのと一緒じゃないですか!
反社の方が正直って、完全なるブラックジョークですぜ。
吉本興業も芸人たちを信じて「報道されていた額ではない」とかキリッと断言していたのですから、とんだ赤っ恥です。
全部がアホすぎて笑えません。
危機管理マニュアルに”身内を信じない”という項目を大きく加えなくてはなりませんね。

吉本興業は当初軽い処分をしたため、問題芸人たちがテレビで垂れ流されるのを許してしまいましたし、責任は重大です。
希望的観測に従ったのは本当に悪手でした。
今回のことで吉本全体が信頼を失ったといっていいでしょう。
世間はもはや「吉本」と聞くだけで、”闇”や”反社”をイメージするようになってしまいました。
吉本の芸人たちで素直に笑うことはもはや不可能です。

他事務所も含め、反社会勢力と芸人たちとの関係の暴露はまだまだ続きそうですし、この令和元年はお笑い業界そのものが大きく変わる年になりそうです。
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プロフィール

かつしき

Author:かつしき
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