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ラグビーW杯2019、準々決勝、南アフリカ戦

ラグビーW杯2019も、いよいよ決勝トーナメントに入り、昨日10月19日には準々決勝の2試合が行われたわけですが、そこで我々日本と予選プールで激闘を繰り広げたアイルランドがニュージーランドにけちょんけちょんにされ、14-46という大差で敗れたのは”実力差がスコアと内容にそのまま表れる”というラグビーの恐ろしさでした。
これを観た日本の誰もが、「今日の南アフリカ戦は大丈夫だろうか…」と震え上がったはずです。
私も本当に怖かった。

しかし、桜の勇者たちは少しも怯まず、南アの大男たちに立ち向かってゆきました。
南アといえば前回大会で日本が”世紀の番狂わせ”を演じた相手ということで、世界中に恥を配信されたようなものですから、日本に対しては絶対に負けられない、いや完膚なきまでに叩きのめす、という姿勢で来ることは確実でした。
大会前の親善試合でも、南アはフレンドリーさを一切見せない冷徹な戦いで日本を41-7で下していました。

ベスト4をかけた今日の試合でも、南アは立ち上がりから積極的に仕掛けてきて、日本のファウルから得たスクラムでぐいぐい押し込んでからのトライ。あっという間でした。
ただ、コンバージョンは外してくれて日本にもまだツキはある。

日本はすぐさま反撃したいところでしたけど、南アの出足が早く、攻めあぐね、モールやスクラムでも押し負け、相手の攻めをしのぐだけの時間が続き、強豪国の恐ろしさをあらためて味わいます。
前半10分に相手がシンビンで10分退場になった時間帯も、福岡堅樹のゲインで沸いたくらいで、トライには持ち込めず、19分にPGを決めて3-5にするのがやっとでした。

そうしてシンビンの選手も戻って15人対15人になり、かなり厳しい試合になると思われたものの、南アが単純なミスを犯しまくってくれたおかげで前半はそのまま終わります。
南アは積極的だった半面、ちょっと焦り過ぎていた様子ですね。
”日本にはもう負けられない”という意識が強すぎたのかもしれません。
最後の南アのノットリリースザボールでのノートライなどはその象徴でした。
日本は2点のビハインドですから、上々の前半といっていいでしょう。

ただ、前半はモールで完全に押し負けていたのと、ラインアウトがことごろく取られていたので、そこをなんとかしなければ、後半は相手もミスを減らしてくるでしょうから、一気にやられるかもしれません。
やられる前にやれ!

後半、先にピッチに姿を現し、円陣を組んだのは日本。
ダッシュで体をほぐし、南アより元気満々なのをアピール。
これも相手を威嚇する方法でしょう。

しかし、後半が始まってみると、仕掛けてきたのは南ア。
ハイパントでごり押してきて、43分には日本のファウルからPKを選択し、キックが決まって3-8。
なおも南アは攻めてを緩めず、47分にはターンオーバーからの右大外へのパス、ひとり余っていたが、完全なるスローフォワードで助かったあ。
プレイはまだまだ修正できていない。日本にも奇跡を起こすチャンスがあるはず。

ところが優勝経験のある強豪国というのはやはり賢く、フィールドでのプレイが滞っていると見るや、こつこつスコアを積み重ねる選択をし、48分にもPKで3-11。

日本は52分に切り札のアマナキ・レレィ・マフィを投入し、流れを引き寄せようとするも、南アの厳しいディフェンスを突き破ることができない上に、あいかわらずモールとラインアウトを完全に支配されているので、チャンスがまったく作れません。
局面でも個々の能力が違い過ぎて、マイボールでも徐々に押し込まれ、なかなか自陣から出られないのですから、地団駄を踏みたくなってきます。

60分過ぎには、互いに複数の交代カードを切りますが、日本はさほど変化がない一方、南アはフレッシュな選手によってギアが上がり、日本が苦しいなかでファウルを犯し、PKで3-14とさらに点差が広がります。

こうなるととにかくトライが欲しい…。
誰かが奇跡的なプレイをするか、なにかデザインプレイがあるか…。
私も祈りを込めてテレビを凝視していましたが、その希望を打ち砕くかのように、
65分、南アがモールでゴリゴリ押してきたのに、日本の守備陣がボロボロと崩れ、最後はSHデクラークのトライ。
この火の玉小僧のよう男にこの日は攻守とも大いに苦しめられました。
コンバージョンも決まって3-21。
時間帯的もこれは決定的ともいえる得点か…。

勝ちは難しいが、とにかくトライだ。
今大会を美しく締めくくるためにもトライが必要なんだ!
そんな気持ちで68分、日本は魂の攻撃を見せ、相手ファウルからのマイボールラインアウト。
ここまで奪われまくってきたが、それもここで決めるための布石!
…と思いたいところでしたけど。またしても南アに奪われ、チャンスは雲散霧消。

しかもそこからのターンオーバー、南アが左サイドに展開し、あっさりトライ。
やっぱりラインアウトが鬼門だった…。
キックは外してくれたもののスコアは3-26。
ダメ押しのダメ押し。

ここで日本は田中史朗を投入。
南アもちょっと集中力落ちてきたし、日本は運動量上げて、どうにか一矢報いたい。
日本の武器である両ウィングを使ってどうにかトライを奪いたい。
しかし、時間は空しく過ぎ去るばかり。
80分には南アがボールを保持したまま、無情なる銅鑼の音が響きます。
ところが、南アはプレイを切らず、トライを狙いに来るんです。
前回負けた腹いせか、それともスポーツマンシップか、会場のファンへのサービスかわかりませんけど、相手ボールを奪えば日本もラストワンプレイでトライが奪えるかもしれない!
日本の15人は必死でした。
負けが確定するなかでも少しも心が挫けていなかった。
結局、ボールは奪えず、南アがボールをタッチに蹴りだして試合終了してしまいましたけど、最後まで十分に楽しむことができました。

はっきりいって、実力は向こうが一枚も二枚も上でした。あらゆるシチュエーションで南アは日本の上をいっていました。
前回の番狂わせも、予選プールで相手が控えメンバーだったことも大きいのですから、夢よもう一度というわけにもゆきません。
ただ、そんななかでも、前半は接戦を演じ、最後まで勝負を諦めなかった日本代表を私は本当に誇りに思います。
我々の代表には臆病者はひとりもおらず、まさに桜の勇者たちでした。

今大会は前回大会の3勝(歴史的南ア戦勝利)から、4勝に勝ち星を積み上げ、初のベスト8進出を果たしたのですから、歴史的快挙です。
日本ラグビーは今大会でも確実に一歩前進しました。
この進化はどこまで続くか誰も想像ができません。
強固な序列が築かれた世界のラグビーに風穴を空ける存在なのです。
そして堀江翔太が語っていたように、「次の世代の選手たち」が新たな歴史を作ってくることでしょう。

名残り惜しそうにスタジアムに留まる観客たちの表情には、敗戦の寂しさと躍進の満足が入り混じっているようでした。
それは選手たちも変わらないはずです。
ありがとう、日本代表のみんな、本当に満足の1ヶ月でした。
興奮と歓喜の桜吹雪で、日本は春のようでしたね!
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東京五輪のマラソン、札幌である必要はない

五輪のマラソンと競歩、東京から札幌へ。

10月16日(2019年)、突如としてもれてきた国際オリンピック委員会(IOC)のご意向は、世界一ともいえる強権的な組織だけに、開催地へは絶対的な命令として受け止められました。
東京大会組織委員会の森喜朗会長は早々に「「暑さ対策の一環からすればやむを得ない。受け止めないといけない」といって白旗を上げ、陸上関係者のなかからも「仕方ない…」という諦めの声が聞かれています。
小池百合子東京都知事は、「涼しいところというなら、北方領土でやったらどうか。私は東京でという気持ちは変わらない」などといって反発していますが、事前にIOCからの協議提案もなかったというのですから、東京都は向こうからかなり軽く見られているようですし、なにをいっても無駄でしょう。

今回のIOCの決定は、夏の東京の”暑さ”を懸念したためです。
バッハ会長や委員たちは、口を揃えて「選手たちの安全のためだ」と説明しています。
この背景には先日ドーハで行われた世界陸上で、マラソンと競歩のスタートを深夜にしたというのに、選手たちがバタバタと途中棄権してしまったというのがあるようです。
国際陸上競技連盟のセブ・コー会長も、「最善の舞台を選手たちに用意することが重要なことだ」といってすでにIOCと歩調を合わせる立場を明らかにしています。
こういう大きな流れができてしまうと、もはやどんな暑さ対策をしても、東京でのマラソンは不可能といっていいでしょう。
いままで東京がアイデアを出してきた対策はどれもあまり効果がないようでしたしね…。

しかし、小池知事の無念もわかります。
マラソンは五輪の花形種目というだけではなく、開催都市の観光スポットを選手たちが駆け抜けてゆくため、2時間以上に渡って、およそ36億人にそのアピールが出来るわけです。
開催費用に多額のお金がかかったというのに、そのチャンスを失うんですから、小池都知事も悔しくて悔しくて、「北方領土」のような、的外れなことをいいだしてしまったのでしょう。
小池都知事にできることは、閉会式の朝に行われる男子マラソンの優勝者を北海道から東京へ連れてくる際、東京を走ってきたかのように上手く演出することだけだと思います。

こうしてマラソン・競歩の会場の変更が確実になったいま、組織委員会は、コースをどうするのか、販売してしまったチケットをどうするのか、ボランティアはどうするのか、宿泊施設をどうするのか、などなど新たな課題に挑まねばなりません。
大会まで1年を切ってしまっているのですから大変な努力が必要でしょう。
それにしても東京と札幌はあまりにも遠すぎます。
チケットを買ったのに諦めざるを得ないひともいるでしょうし、ボランティアを辞退するひともいるでしょう。
「なぜ札幌なのか!?」という憤りと不満と怒りはそう簡単に解消されるはずもありません。

でも、考えてみると、札幌である必然性ってなんなんでしょう?
東京よりも涼しいというならば、他にも選択肢があると思うんです。
たとえば長野市。
夏の最高気温は東京とあまり変わりはありませんが、朝晩の寒暖差が大きいため、最低は”3度”も違います。
朝のレースならば選手たちの安全も保障されているといっていいでしょう。
また、長野市は長野冬季五輪を記念する長野マラソンを、もう20年も続けていて、開催ノウハウを持っていると同時に、冬季五輪のメインとして使われた〈オリンピックスタジアム〉という立派な会場も備えているため、五輪会場としての格も十分です。
宿泊施設も冬季五輪を経験しているだけあって不足はありませんし、交通面でも冬季で活躍したシャトルバスが健在です。
しかも、札幌と違って東京から近い!新幹線で1時間40分しかかかりません!

IOCの強権的なやり方を無抵抗に受け入れるなんて、日本としてあまりにも情けないじゃないですか。
せめて会場だけは組織委員会から札幌以外を提案してはどうでしょう?
このままじゃ、日本はいつまでも世界からなめられ続けますぜ。
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ラグビーW杯2019、運命のスコットランド戦(後)

(続きです。)
後半開始早々のトライ&コンバージョンによって21点差。
これは誰もが勝利を確信する点差ですし、日本は7点差負けならボーナスPによって予選勝ち抜けなのですから、かなり優位に立ったのは間違いありません。
そうなると観客も国民(視聴者)も「このまま時間よ、過ぎてくれ…」という思いになるわけですが、選手たちもそれは同じだったのか、このあとから受けに回った感じになってしまいます。
すると、後半9分、ギアを上げたスコットランドの猛攻、スピードや展開力がない彼らは一徹なまでのFWのごり押しで選択し、日本はその圧力に負けてしまいます。
トライ&コンバージョンで28-14。
くそ。

日本のジョセフHCはチームが守りに入ったのを見てか、頼りになるベテランSH田中史朗を投入(FBの山中亮介も)。
これは今大会の日本の勝ちパターンでもありますから、これで流れが変わるはず。
…と思われたものの、スコットランドは11分からなんと7人を代える大胆采配。
看板選手のグレイグ・レイドローまで下げたのですから、びっくりしました。
投入されたのは、どうやらスピードと勢いのある若手。
負けたら終わりのスコットランドからしたら大博打のような交代です。

そして、これが功を奏したのか、スコットランドの流れが続き、14分には迫力のあるパス回しからのトライ。キックも決まってあっという間の28-21。
タウンゼントHCは采配がズバリとはまりました。
伝統国(ティア1)の底力と、ラグビーの恐ろしさに、日産スタジアムは凍り付いたことでしょう。
スコットランドが完全にゲームを支配し、日本はこのまま彼らの勢いに呑み込まれてしまいかねない展開。
テレビを観ていた私もおかしな汗が出てきました。

しかし、桜の勇者たちに動揺はありませんでした。
まだまだ余裕はある、という切り替えもあってか、
左右にねちこく展開する日本らしい攻めでスコットランドを押し込み、徐々に流れを掴み始めます。
途中投入のPR中島イシレリが素晴らしい気迫を見せると、他の選手もそれに呼応するかのようにギアが上がってゆく様は、まさに”ワンチーム”でした。
一方のスコットランドは”攻め疲れ”もあるなか、それでも日本にやられまいと執念を見せ、ここからの10分ほどは互いにファウルを犯すことなくプレイが続き、本当に濃密な時間帯でした。
日本が攻め込めども、深い位置まではなかなか侵入できないのですから、スコットランドの集中力は敵ながら天晴れ。

ただ、時間が少なくなってくると、スコットランドの焦りが出始め、27分にはそこまで複数のジャッカルで日本を苦しめていたジェイミー・リッチーがラフプレイと乱闘騒ぎ。
こういうのは負ける側がやるというのはスポーツの定番です、勝利の女神は日本に微笑みかけている、走れ、がんばれ、桜の勇者たち!

70分には日本のターンオーバー、田中がいく。
日本は終盤でもねちこい攻撃を繰り返すも、選手の疲弊からなかなか止めがさせず、じれったさに観客も身もだえそうになったことでしょうけど、ジョセフHCは冷静にゲームを〆にきたのか、32分から3枚替え。フレッシュな選手で運動量を上げ行きます。
リーチマイケルと堀江翔太も下がりましたけど、2人ともよく戦ってくれました、

そうして試合も残り数分というところになったものの、スコットランドがゲームをあきらめずはすもなく、FW中心に攻めてくると、37分にはスクラムで日本のファウルを奪い(故意に崩した)、そこからトライ狙いのでラインアウトからのモール。
ピンチですけど、これを抑えれば日本が勝つ!
スタジアムの熱狂と興奮はこのとき最高潮に達したことでしょう。
日本のフィフティーンも観客の応援を背に、気持ちと集中力を最高潮に高めました。
モールでも日本が押し負けることなく粘ると、スコットランドは左に展開、キックで裏を狙いますけど、これを松島が抑えた!

…と思われたものの、わずかにファンブルしてしまい、スコットランドボールでのスクラム。
最大のピンチですけど、これを抑えれば日本が勝つ!
最高潮に達したはずのボルテージも限界を突破します。
観客のみなさんは狂ったようになっていたでしょうし、私もこのとき気持ちが横浜に飛んで幽体離脱していました。

スコットランドは長い歴史と伝統を感じる分厚い壁のようなスクラム。
これに勝って、日本は新たな歴史を築くんだ!
引き分けでも予選突破なんて忘れちまえ、勝利のみを目指すんだ!
がんばれ、がんばれ、がんばれ、桜の勇者たち!
君たちの後ろには日本の1億2千7百万人がいる!

つぶせ、つぶせ、つぶせ!
よし、よし、よし、日本がボールを奪った!
それをそのまま保持だ、キープだ、抱え込め、奪われるな!
選手たちが肉団子のようになって必死にボールを守る、獰猛な野獣から卵を守るかのように、そして徐々に時間が過ぎて行き、会場からは自然にカウントダウン、3、2、1!
FB山中亮平がボールを蹴りだして、日本の勝利!
因縁のスコットランドを下し、悲願のベスト8!
強固な格差社会であるラグビーそのものを変えるような、歴史的勝利!

いやあ、それにしても、見応えのあるいい試合でした。
日本はもちろん、スコットランドも本当に素晴らしかった。
今大会ナンバー1ゲームだったといっていいでしょう。
これが日本の試合じゃなかったとしても、楽しめたと思います。極上のエンターテイメントでした。
両チームともありがとう!

そして日本列島が沸騰したといっていいこの試合、日本テレビの中継は視聴率がなんと39.2%(瞬間53.7%)。
ラグビーは国民的スポーツになったといっていいでしょう。
この数字は決勝トーナメントではさらに上がるかもしれません。
なんといっても、次の相手はあの南アフリカ。
これまた因縁の相手。
これに勝ったら日本はどうなっちゃうんでしょう。
わくわくが止まりません。

ビクトリーロードはまだまだ続く!
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ラグビーW杯2019、運命のスコットランド戦(前)

一昨年の組み合わせ抽選会が終わったとき、このラグビーW杯2019での日本にとっての最も大事な試合は、予選プールの最後のスコットランド戦だと、誰もが思ったはずです。
ランキングや実力からいって、両者が1敗で並んで対決する可能性が高く(現実には日本は全勝)、そこで勝った方が決勝トーナメント進出という、まさに大一番です。
しかも、スコットランドといえば、15年大会で苦杯を舐めさせられ、悲願のベスト8を阻まれた相手。
そんな相手と天国か地獄の戦いをすることになるとは、ラグビーの神様も粋なことをするというものです。

そうして迎えた10月13日、勝ち点争いでいうと、日本は”引き分け”もしくは”負けても相手にボーナスポイントを与えず、こちらがポイントを取る”ならば予選プール勝ち抜けが決まるというやや有利な状況。
具体的にいえば、日本は”トライを4つ以上獲る””ビハインドでも7点差以内”というのが目安になります。
逆にスコットランド側からいえば、日本のトライを3つ以下に抑え、8点差以上で勝つということになりますから、”日本を叩きのめす”というかなりアグレッシブな姿勢で来るのは明白でした。

試合が始まると予想通りスコットランドがガンガン立ち上がりから攻めてきて、前半6分にトライ&コンバージョンで0-7。宿敵レイドローのキックは相変わらず正確です。
これで横浜・日産スタジアムがなんともいえない不安な空気に包まれるなか、日本は攻勢に出るも、なかなか相手の守備を崩せず、それならば「まずはPKで…」といって狙った田村優のキックも外れて、観客席からは大きなため息。

そんな重苦しい雰囲気でしたが、そのすぐあと、左サイドを福岡堅樹が突破し、捕まったところで、片手オフロードパスを松島幸太朗へ!そして松島が独走トライ!日本が誇る2人の韋駄天が決めた!見事なコンビネーションプレイ!
コンバージョンも田村が決めて、ゲームは7-7の振り出しへ。
これで流れを掴んだ日本は、25分に松島が思い切りいい突破でゲイン、そこから左に展開し、右へ振って、左へ振って、相手を崩したあと、フォワード陣が魂のオフロードパスを繋ぎ、最後は稲垣啓太がトライ!ワンチームを体現するようなトライ!
稲垣はこれがなんと代表初トライ。ビッグゲームで勝利するときはこういう選手が出てくるもの。
田村のキックも決まって、14-7!

そこからしばらくスコットランドは混乱したようになって、日本は漬け込みたいところでしたけど、相手の必死のディフェンスに阻まれ(堀江翔太へのラフプレイが反則にならなかったのは疑問)、前半終盤はスコットランドも立ち直って規律が戻ってくると、膠着状態に。
38分の田村のPKも寂しく外れ、前半はこのままかなあ…、と誰もが思ったそのとき、日本の左サイドからの攻め、ラファエレティモシーがスペースへ蹴ったボールに福岡が快足を飛ばし、そのままトライ!稲妻のような走り!
田村が今度はきちんと沈めて、21-7!よっしゃああ!
日本はサイドの選手のスピードで完全にスコットランドを凌駕していましたね。

こうして前半は日本がスコットランドをちんちんにしてやったといっていいでしょう。
この日は台風19号で中止の可能性があり、そうするとルールでは”引き分け”となり、スコットランドは予選敗退が決まるため、ヘッドコーチが「試合会場を変えろ!」「試合を延期しろ!」だのぐちゃぐちゃいっていましたけど、前半が終わったときの気分はどんなだったんでしょうねえ。
カナダ代表などは台風で最後の試合が中止となったものの、文句もいわず、試合が行われる予定だった釜石市に残り、泥掃除のボランティアをしてくれていました。なんともカッコいい男たちです。
彼らは勝ち点を獲れませんでしたけど、この大会を賞賛とともに去ることができました。
釜石のひとびとの記憶には彼らは勝者として刻まれたはずです。

その”男らしさ”でいえば、日本代表もレメキロマノラヴァが試合前に語っていたように、「男らしく、試合で戦って、勝ち抜けたい」という
思いがチーム全体に溢れていました。
台風被害にあったひとたちを元気づけたいという使命感も強かったことでしょう。
日本全体がワンチームなのです。

そういう気持ちが桜の勇者たちを奮い立たせたのか、後半も開始直後から日本が激しいフォアチェック(リーチマイケル)から、福岡がボールを奪い、そのまま快足を飛ばしてトライ!まさにワールドクラスの足!
田村のキックも決まって28-7!ちんちんや!

この大差に私などはテレビの前で浮かれ踊りをしちゃいましたけど、油断しちゃダメだ。
ラグビーはちょっとしたことで流れが一気に変わるスポーツなんだ。
そう自分にいい聞かせながら、顔は自然に綻んでいました。
…しかし、やっぱりラグビーは怖い、ティア1の実力は凄かった…。
(長くなりそうなので後編に続きます。)
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ラグビーW杯2019、劇的サモア戦

2019ラグビーW杯、予選プール3戦目の相手はサモア。
日本はここまで2連勝という快進撃を見せ、これに勝てば決勝トーナメントも見えてくるなか、メディアで多く語られていたのは「ボーナスポイント」でした。
日本は前回大会、3勝1敗という好成績ながら、ボーナスポイントの差で惜しくも予選プール敗退となってしまいましたから、これに注目するのもわかります。
しかし、今回の目標は予選通過ではなく、複数の選手が語っているように「決勝戦進出」なのですから、予選はボーナスなど考えず、4連勝すればいいだけです。
ですから、私は昨日10月5日のゲームも「勝てばいい」という気持ちでテレビ観戦していました。

ちなみにイギリスのブックメーカーがつけたオッズは、日本1.12倍に対し、サモアが7.5倍という大差。
世界中の誰も日本が負けるとは思っていません。
そういう状況のなか、この日の日本は手堅い立ち上がりで、前半8分までに2つのPGで6点をまず奪い取ります。
キッカーの田村優も落ち着いていました。
ただ、なんとなくチーム全体の動きが鈍く、積極性が見られないでいると、サモアに連続でPGを決められ、あっという間に6-6の同点。
日程的に疲れが出る時期でしょうし、勝たなきゃならないプレッシャーもあるでしょうし、豊田スタジアムはちょっと重苦しい雰囲気でした。
逆にサモアは負ければ予選敗退という状況なので、気持ちが入ったいいプレイをしていました。

それが変わったのは前半24分、相手が危険なタックルでシンビン(10分間退場)を食らい、日本が数的有利になってから。
まずはこのファイルから田村が3本目のPGを決め、28分、リーチ・マイケルが相手ボールを奪ったところから右に振り、松島幸太朗が粘りのランでサモアDFを食いつかせてから逆サイドに大きく展開し、最後はラファエレ・ティモシーのトライ!よっしゃああ!
(イケメンでも知られるラファエレはサモア出身で大学から日本在住、17年に帰化しています。)
田村のコンバージョンキックも決まり、16-9とサモアを突き放し、そのまま前半終了。
日本はフィジカルの強いサモア相手にキックを多用し、肉弾戦を回避し、相手を走らせるという戦術だったと思いますけど、まずまず上手くいっていたんじゃないでしょうか。

後半は体力的にも戦術的にも日本のペースになると思われましたが、サモアのモチベーションが想像以上に高く、日本は受けに回ってしまい、後半5分にはPGを決められ16-12。
日本は消極的でちょっと嫌な雰囲気。これって前のアイルランド戦に似ています。あのときのアイルランドが日本で、日本がサモアみたいな…。
日本はそのすぐあとのペナルティでPGを選択するも、難しい場所からだったこともあって、惜しくもミス。
番狂わせを演じるのはいいけど、食らうのは嫌!
(割とすぐに笛をふく主審だったのでPG合戦のようになっていました。)

そんなじれったい空気を打ち消したのは、地元愛知県出身の姫野和樹!
後半11分、得意の”ジャッカル”でサモアの反則(ノット・リリース・ザ・ボール)を誘発します。
この”ジャッカル”は、どんなエサにでも食らいついて放さないイヌ科のジャッカルから来ているんでしょうけど、名前とは真逆の獰猛さを見せた姫野の技量と執念はチームを大いに鼓舞し、これをきっかけにしたPGを田村がきっちり決めて19-12。

これで流れが日本にやってきたのか、14分にはラインアウトからモールでぐいぐい押し込み、サモアの守備が崩れたところで左にボールを出し、最後は姫野がトライ!愛知のお客さんも大喜び!
田村のコンバージョンも成功し、スコアは26-12という安全圏へ。
勝利が明確に見えてきたことでボーナスポイントへの欲も出てきます。
ジョーカー福岡堅樹も投入されました。

ところが、それが油断に繋がったのか、追い込まれたサモアが最後の力を振り絞るようにして攻勢をかけてくると、日本はあっという間に押し込まれ、この日最大のピンチ。
しかし、これを凌げばサモアはがっくりきて心が折れるはず、がんばれ桜の勇者たち!
そして日本ゴール前でのスクラムとなったものの、ここは日本のFW陣が耐えきって、サモアがボールを回そうとしたところへリーチが鋭い出足のタックル!満身創痍で万全ではないリーチですが、ここぞのプレイはさすがキャプテン!
さらに姫野の2度目のジャッカルも炸裂して日本ボール!これはデカい!
明日から日本のどこに行っても”ジャッカル姫野”で通りそう。

64分の日本はベテランSH田中史朗が投入され、チームに最後の鞭を入れます。
田中は知性的なボール回しだけではなく、ここぞの場面では166cmの小さな体でタックルにゆく狂気を持った稀有な選手。
それが味方に勇気を与えます。

しかし、この日の日本は細かいミスが多かったのと、連戦の疲れが抜けきっていないせいか(試合日程が楽なので選手の入れ替えがほとんどなく、個々の披露の蓄積があると思われます)終盤はへばってしまって、苦しい時間帯。
一方のサモアはもう試合を諦めるかに思われましたが、W杯という舞台は選手たちに限界以上のパワーを発揮させるのか、32分、サモアが挫けることなく攻めてきて、最後は華麗なターンからのトライ。
コンバージョンも決まって26-19。
W杯は甘くないと思い知らされる逆襲でした。
サモアはデカい選手が多くてスタミナ切れが早いはずでしたが、終盤の粘りは敵ながら立派。

こうして7点差という、しびれる点差になってしまい、ボーナス云々いっていられなくなりましたが、それがかえって日本のお尻に火を点けたのか、にわかに積極的になった日本は左サイドを大挙して押し込んでから右に大きく振って、完全なる数的優位を作ると、レメキ・ロマノ・ラヴァから福岡に繋いでトライ!お見事!
田村のキックは外れたものの、31-19と再び突き放します!
(この日のPOMはレメキ。18歳でニュージーランドからやってきて、その後日本人女性と結婚、帰化。ホンダヒートに所属するNSXのようなウィング。)

残り時間はあとわずか。
サモアにトライ&コンバージョンを決められても勝ちが揺るがない状況となった日本が目指すのは”4本目のトライでのボーナスポイント”。
最後の力を振り絞った桜の15勇者たちが一丸となってモールで攻め込むも凌がれ、サモアは蹴り出せば試合を終わらせることができますが、彼らにも意地があるので自ら白旗を上げるのではなく、スクラムを選択。7点差負けならボーンスポイント1が手に入るということもあるでしょう。

そのサモアボールでのスクラム。
互いの意地と意地がぶつかり合うなか、スタンドからの熱い声援をパワーに変えた日本が押し勝ち、次は日本ボールでのスクラム。
このときの日本の鬼気迫るような攻めは圧巻でした。
スクラムでも認定トライを奪いに行くような圧力で、じりじりと大きなサモア人たちを押し込むと、ボールを引き出した田中が左に振って松島へ。
松島は切れのあるステップで、ひとりかわし、ひとりにタックルされたまま劇的トライ!待望のボーナスポイントゲット!
興奮と熱狂が渦巻くなか、田村のキックも決まっての美しい勝利!
やったあああ!

それにしても本当に出来過ぎなまでの試合でした。
映画やドラマでも描けないようなストーリーだったといっていいでしょう。
今大会の日本代表は物語に出てくるようなチームです。
もうどこまで突き進むか誰も想像ができません。
ニッポンは強い!
そしておもしろい!
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かつしき

Author:かつしき
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