それは夢ではなくただの珍事

交流戦が出来てから、もはや誰も”夢の球宴”と呼ばなくなったプロ野球オールスターゲームですが、今年2017年のファン投票結果(6月26日)を見るに、日本の野球ファンはオールスターの価値を公式戦とはまったく違うところに置いていることがわかり、私も妙に納得してしまいました。
今季の出場が8試合・32打席という大谷翔平選手がDHのファン投票1位なのですから、ファンは選手の成績やプレイなどにはほとんど関心がないんです。デスパイネがリーグトップの本塁打をかっ飛ばそうが、そんなものはどうでもいいんです。
…キューバのひとびとには理解できないでしょうけどね。

そんな珍事に唖然とした私ですが、このファン投票と同時に発表された”侍ジャパン新ユニホーム”には、ニュースを一緒に見ていた家族ともどもポカンとしてしまいました。
「これを着ていったいいつ戦うのか…」
2020年の東京五輪用のユニフォームなのでしょうけど、サムライジャパンがこれを公式戦で着るのは、おそらく五輪予選を兼ねた(予定)19年11月の〈プレミア12〉になるはずですから、まだまだ先です。
ユニフォームを新しくするのはもうちょっと後の方がよかったんじゃないでしょうか。みんな忘れちゃいますぜ…。

そして、ユニフォーム以上に忘れてはならないのは、20年五輪の野球・ソフトが”追加種目”ということです。
IOC(国際オリンピック委員会)での公式表記でも、Additional Event(s)となっていて、Program(正式競技)ではありません。
92年大会以前に存在したDemonstration Sports(公開競技)と似たような扱いになれば、公式のメダル数にもカウントされないんです。
日本のマスコミは、野球・ソフトや空手、スポーツクライミングといった日本が得意な競技が追加されたことで、「メダル獲得率が上がった!」といって報じていますけど、そのメダルが公式なものなのかどうかIOCは明言しているのでしょうか?私は聞いたことがありません。

それに、そもそも追加種目はメダル獲得が目的ではないんです。
次の大会以降に正式競技に昇格できるかどうかが大切なのです。
そのための最も大きな条件は、多くの大陸、多くの国々で行われていることです。
たとえば、空手などは追加種目に選ばれたことで各団体が結束し、国際的な普及活動にも拍車がかかっていますし、すでに割と世界では普及しているスポーツクライミングは日本国内での人気が高まっています。
そしてローラースポーツは興業としてすでに国際規模、サーフィンはそれ自体が文化であると同時に、近年は環境保護と結びついて独自の存在感を発揮しているわけです。

対して野球・ソフトはどうなのでしょう?
日本プロ野球(NPB)は正式競技になるための努力を何かしているのでしょうか?
たとえば、日本の選手たちがオフシーズンに野球発展途上の国で親善試合をするとか、何かイベントを開催するとか、そういうことをしているのでしょうか?

このままでは野球・ソフトだけが置いてきぼりになってしまいます。
オールスター同様に東京大会で一夜限りの夢を見れればそれでいいというのでしたらそれまでですが、世界のひとびとにとって、それはただの珍事です。
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絵に描いたようなスポーツの政治利用

日本陸上男子100m史上、最もレベルが高い争いといわれた今年2017年の全日本陸上選手権。
今日6月24日に行われた決勝レースは、突如として降り始めた激しい雨粒のなか、サニブラウン・アブデル・ハキーム(18歳)が10秒05という好タイムでの初優勝!
普通の状況ならば日本人初の9秒台が出ていたんじゃないでしょうか。輝く未来を切り開くような力強い走りでしたね。
2020年の東京五輪は、ひょっとしたら”サニブラウンの大会”になるかもしれません。ワクワクしてきました!

そんな五輪ですが、来年2月には韓国・ピョンチャンで”冬季大会”が開催されることも忘れてはなりません。
昨日23日には日本スケート連盟の理事会で代表選考基準が決定され、選手たちも五輪への具体的なロードマップを作る段階に入ってきました。
全日本優勝者が”最優先”というのはいつもと変わりませんが、2枠目以降はいつものGPF日本人最上位という項目がなくなり、GPFと全日本の成績、世界ランクとシーズンランク、そしてシーズンベストなどから勘案されるそうなので、最後まで気が抜けませんし、最後まで希望を捨てることなく戦えることになったわけです。
来季のことを想像するだけで気が昂ってきました!

…ただ、そんな昂りに水を差すような話が韓国から聞こえてきているんです。
なんでも、ムン・ジェイン新大統領が、「競技の一部を北朝鮮との共同開催にしたい」といって、色々引っ掻き回しているみたいなんです。
開催まで1年を切っているというのに、本当に唖然としちゃいますよね。
ムン大統領といえば、「アメリカよりも先に北朝鮮に行きたい」というほど熱烈な親北派として知られていますが、北朝鮮が核・ミサイル実験で世界から孤立するなか、北朝鮮への融和政策が取りにくくなっているので、スポーツという搦め手を使おうというわけでしょう。
親北派としての面目躍如というわけです。
ただし、これはいうまでもなく”スポーツの政治利用”です。
ムン大統領じゃなくても、韓国人はこれが大好きですけどね。

しかし、今回ばかりは韓国内でもムン大統領への反発の声が強いのだそうです。
手間と金をかけて招致に成功した五輪の”果実”を北に分けてやるのが惜しいのでしょう。
また、ムン大統領が女子アイスホッケーを無理やり南北合同チームにしようとして、代表選手枠が半分に削られる韓国選手が涙に暮れているという報道も影響しているのかもしれません。
それでも”ノースコリア・ファースト”を貫くムン大統領は、まさに信念の男ですね。

もちろん、そういうムン大統領の姿勢は世界にも動揺を与えています。
北と隣り合わせの韓国で五輪が開催されることを心配しているひともいるというのに、共同開催となれば、一部の選手たちは無法者国家で試合や宿泊をしなければならないわけです。
これは本当に恐ろしいことです。獣の檻に入るようなものでしょう。
普通の国がこれを許すとは思えません。
特にアメリカはこれを強く拒否するはずです。
トランプ大統領の北に対する強硬な態度はもちろん、アメリカではつい最近、北朝鮮に拘束されていた自国の大学生(22歳男性)が、昏睡状態のままアメリカに返されたものの、死亡してしまうというショッキングな出来事があったばかりです。
五輪共同開催などとなれば、自国の選手が北の人質にされてしまいかねません。

また、このアメリカ人大学生の死亡が影響したのか、以前から不参加の噂があったNHLナショナルホッケーリーグNHL(北米にある世界最高峰のプロアイスホッケーリーグ)が、22日になって不参加を正式決定したんです。
これでNHLに登録されている選手はピョンチャン大会に参加することはなくなりました。
アイスホッケーは冬季五輪の花形種目であり、ピョンチャン五輪でもチケット収益の19.5%がホッケーのものだというのですから、NHLの不参加は収益全体にも大きなダメージとなることでしょう。
ムン大統領の活躍によって五輪の果実が削られたというわけです。

これはまさにスポーツの政治利用の末路です。
そこから世界のひとびとが何かを学ぶことが、ピョンチャン五輪の意義かもしれませんね。
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宮里藍は引退狂想曲に何を思うのか

私はゴルフはしませんし、テレビでゴルフの大会もさほど観ないので、宮里藍さんが引退すると聞いても、特別な感情もありませんでした。
ただ、小さな体で世界のトップたちと鎬を削っていた選手だけに、その技術の高さとメンタルの強さに尊敬の念を覚えていただけです。
ですから、このブログでも宮里さんのことを取り上げさせてもらうつもりはなかったんです。
しかし、このところのテレビを中心としたメディアが、これでもかと宮里さんを特集しているのを眺めていると、腹が立って仕方ありません。
現在行われているサントリーレディスオープン(6月8日~11日)でも、これが「宮里藍の最後の大会になる」とかいって、まあ凄い報道量ですよね。
もちろん、私もそれが悪いというつもりはないんです。
ただ、宮里さんが最も活躍していた2010年前後の報道量と比べ、いまの方が明らかに多いことに少なからぬ憤りを感じているだけです。

宮里さんの報道量を計る具体的なデータがないので、これは私の記憶がベースになってしまいますけど、宮里さんが最もメディアに取り上げられていたのは、2003年9月にアマチュアで国内ツアーに優勝したときから、史上最年少賞金女王に輝いた05年までの間だと思います。
それが06年から日本を離れ、アメリカツアーに参戦するようになると報道量が急激に減り始め、全盛期だった10年前後はメジャー大会に参戦したときやツアーで優勝したときにはそれなりに扱われていたものの、成績が振るわなくなった13年以降はほぼゼロだったのではないでしょうか。
それが引退を発表したら慌ててスポットライトを浴びせるのですから、日本のメディアは宮里藍をゴルファーではなく、タレントとして見ているのではないかと疑いたくなります。
(※宮里さんは過去にたくさんCMをやっていますけど、その多くが06年までだったことも、海外挑戦以降、報道量が減ったことの傍証といえるでしょう。)

日本のゴルフ報道というのはとにかく国内中心です。
たとえば男子のアメリカツアーで活躍している日本人選手は松山英樹ただひとりですけど(2016世界ランク30位内は松山のみ)、錦織圭がテニス報道を独占するようにはなっていません。
また、女子で活躍しているのは野村敏京のみといっていいわけですけど(2016世界ランク50位以内は野村のみ)、その知名度たるやいかばかりか。彼女はリオ五輪でも4位になっていますけど、おそらくほとんどの日本人がそれを憶えてはいないはずです。
ちなみに野村さんはリオ五輪の前にアメリカツアーで2勝し、五輪代表に選ばれると、突如として日本メディアに追っかけられ、大いに戸惑ったそうです。
そして、五輪が終わったらその報道陣が潮が引くようにいなくなったわけですから、どう感じたんでしょうねえ。

ゴルフはスポンサーのスポーツですから、国内ツアーにも冠に企業名が付き、それをテレビで連呼するのもわかります。おそらく広告会社と一緒になってやっているのでしょう。
彼らにとって海外でプレイする選手などはゴルフ報道枠を奪う敵にすぎません。
しかし、スポーツはスポーツなのですから、メディアが世界トップレベルで奮闘する日本人選手に注目しなければ、ゴルフの価値はどんどん低くなってしまいます。
また、注目されなければ、アメリカ参戦する選手を支援する企業も減ってしまうわけですから、金銭面の問題で国内に留まる選手が増え、国内のレベルが上がるはずもありません。
外国人選手に蹂躙され、人気がまた落ちてゆくという悪循環が待っているだけです。
しかも、女子に関していえば、日本では選手はタレント扱いです。
身体づくりや技術、メンタルが語られることはないわけです。

ちやほやされる環境をあっさり捨て、あの鋭い眼差しのまま厳しいアメリカツアーに飛び込んでいった宮里藍は素敵でしたね。
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村田諒太は強かった

国籍や民族に関係なく、強いものがヒーローになれるのがスポーツ、というのは現在の価値観ですが、それを作ったのはモハメド・アリだと私は思っています。
近年ではマニー・パッキャオが、”アジア人はボクシングで世界的スターになれない”という常識をひっくり返したのもまた大偉業といっていいでしょう。
そういう流れのなかで、我々が期待するのは、やはり”世界的日本人ボクサー”の誕生です。

しかし、世界で人気を博すためには、日本人が得意とする軽量級ではなかなか難しいものがあります。
”小さい”というだけで格闘技としての魅力が低いと考えるひとも多いですし(ボクシングだとKO率も低い)、軽量級はライト級以上に比べて競技人口が少なく、面白い対戦を組みにくいということもあるでしょう。
日本には軽量級の世界王者がたくさんいますけど、ボクシングの本場であるラスベガスから声がかかったという話はほとんど聞いたことがありません。
日本の王者だちはよりアグレッシブに勝ち続け、少しずつ評価を上げてゆくしかないわけです。

そんななか、日本人ボクサーで、マッチメイクの不利を感じさせない選手がひとりだけいます。
それはロンドン五輪のミドル級金メダリスト・村田諒太。
ミドル級はアメリカでも人気の階級ですし、”金メダリスト”の肩書ももちろん大きいものがあります。
そして、ロンドン五輪後にプロに転向した村田選手はアメリカを主戦場に一歩一歩キャリアを積み重ねると同時に、アマからプロのボクシングにも適応してゆく、ついに今日2017年5月20日、世界タイトルをかけた戦いに挑むこととなったのです。

場所は東京・有明コロシアム。
相手はWBAミドル級暫定王者で同級1位のアッサン・エンダム(フランス)377戦35勝(21KO)2敗というなかなかの古強者です。
気になる事前予想でいうと、ブックメーカーのオッズは村田1.45倍、エンダム2.70倍となっていて、スピードのエンダムをパワーの村田が制するという見方が多かったようです。
ただ、ここで気になるのは、村田はこれまでエンダムと同じくらいのレベルの選手と戦ったことがないということです。
村田本人はそれを不安要素に上げ、エンダムは自分の有利な点と語っていました。
ようするに”プロボクサー村田諒太”の実力はまだ未知数なんです。

ですから、私も期待と不安が入り混じった気持ちで試合を観ていたのですが、1Rはリングをぐるぐる回りながらジャブを放つエンダムに対し、村田はほとんど手を出さず、堅いガードで相手の攻撃を凌ぎつつ、相手の戦力分析。
ラウンドの終わり頃に挨拶代わりの右ストレートをエンダムのガードの上から叩き込んだときは迫力がありましたね。

2Rも村田はガードを堅めながら相手の圧力をかけ、隙あらば右を狙うという戦術。
エンダムは足を使ってのジャブ。手数は多いものの有効打はありません。
村田の一発を警戒してエンダムはなかなか踏み込めませんでしたね。
そして4R、村田が右スト―レトとボディへのフックでエンダムを弱らせると、カウンターの右でダウン!

弱ったエンダムを仕留めたい5Rですが、相手の手数は止まず、それを警戒した村田は無理攻めをせず、堅いガードと隙をついた右という戦術を変えません。
それでもいいパンチをいくつか当て、試合は明らかに村田のペース。
6Rも同じような流れから、いいアッパーが入るも、ダウンを奪うまでには至らず。

7R以降も、ガードを固めて圧力をかける村田に対し、エンダムはリングを回りながらのジャブ。
エンダムはときおりラッシュをかけてきますが、村田はそれをしっかり防ぎ、主導権を渡しません。
隙を見ての右やボディも終盤まで衰えず、村田のスタミナはさすがでした。
ただ、”絶対にKOする!”という激しい攻撃は見られず、勝利への道筋を一歩一歩固めてゆくようなボクシングはちょっと物足りないものがありましたかね。
まあ、五輪王者ですし、アマチュアボクシングの勝ち方が身についているのでしょう。

そして最終12Rでも村田は無理をせず、それまでのポイントをしっかり守るボクシング。
もちろん、セコンドからも「攻めろ!」という声は飛んできません。
会場にいた日本のファンも、テレビ視聴者も、村田の勝ちを確信していたはずです。
怖いのは一発をもらうことだけでしたけど、村田はきっちりと完封し、試合終了のゴング!
その表情には満足そうな笑みが浮かんでいました。

…ところが、判定のなった採点は、2-1でエンダムの勝利。
村田も呆然としていましたけど、テレビを観ていた私も頭が一瞬真っ白になりました。
なんじゃこりゃ!
私はもちろんボクシングは素人ですけど、世界戦の判定基準くらい知っています。
①有効打で相手にどれだけダメージを与えたか
②どちらがより攻撃的だったか
③ディフェンスで相手の攻撃を的確に防いだか
④どちらが主導権を握っていたか
この4つのうち、手数の多かったエンダムが②を評価されるのは適当かもしれませんが、他の3つは
らかに村田が上回っていたと私は思いますし、それが一般人の目ではないでしょうか。
そして、解説の山中慎介さん(WBCバンタム級12回防衛の現役王者)も不満を口にし、試合後に元王者たちがツイッターなどで疑義を呈しているのですから、”プロの目”で見てもおかしい判定なわけです。

試合後の村田さんは、ジャッジからのあまりの仕打ちに「気持ちの整理が必要です」と語り、今後については「考えられない」とのことでしたけど、ぜひリベンジをしてもらいたいものです。
プロ初の黒星がついたとはいえ、これまで未知数だった”強さ”は、十分証明したのですからね!
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2017WBC、”違い”に苦しむ準決勝敗退

日本での1次・2次ラウンドを6連勝で駆け抜け、いい流れで準決勝が行われるロサンゼルスに乗り込んだ野球日本代表でしたが、アメリカ代表に1-2で敗れ、2017WBCでの戦いを終えることとなりました。
小久保裕紀監督は2013年の就任当初から「世界一奪還」を目標に掲げ、選手もそれを口にし、ファンからの期待も大きかっただけに結果は残念でしたけど、メジャーリーガーで揃えたアメリカ代表を相手に惜しい試合をしたのですから、監督も選手も”言葉の重み”には負けていなかったと思います。

ただ、この準決勝で、2失点ともに内野のエラーがらみだったこと、打線が4安打1得点しか奪えなかったことは、チームとして大いに反省せねばなりません。
試合前から、日本の野手が”内野天然芝”に適応できるかどうか、打線が”屋外球場”と”メジャー投手”を相手に得点が奪えるかどうか、かなり難しい予想がされていたものの、それがあまりにも的中してしまうと、応援する側としては心底ガッカリしてしまいます。

むろん、これについては日本代表だって何の手も打たなかったわけではなく、大会前には”屋外天然内野芝”のサンマリンスタジアム宮崎でキャンプを張っていましたし、アメリカに渡ってからはメジャー球団との練習試合を2試合行って、屋外球場でメジャー級投手との対戦を積んでいました。
しかし、それはやはり練習にすぎないんです。
日本代表は第1・第2ラウンドの6試合を全て”屋内人工芝”の東京ドームで行いました(※大会日程の都合があるため、雨天を想定してドームが選ばれています)。
ホームの日本にとっては慣れ親しんだドーム球場はアドバンテージとなったものの、準決勝に向けての”練習”という意味では、ほとんど意味をなさなかったわけです。
しかも相手チームにメジャー級投手はゼロでしたしね。

WBCは参加16ヶ国がアジアラウンドとアメリカラウンドに分かれて戦い、その上位2チームが準決勝進出というレギュレーションになっていますけど、地理的な要因もあって、アメリカラウンドに強豪国が集まってしまうため、日本代表はアジアラウンドで強い相手(特に投手)との対戦経験を積めません。
これは予選ラウンドを勝ち抜くには有利ですけど、準決勝以降との”レベルの違い”には苦しむこととなってしまいます。
実際の試合を見ても、東京ドームでの日本代表は膠着した試合展開を”長打”で打開していたものの、これは相手の投手があまりレベルが高くないから可能だったわけです。
レベルが上がる準決勝以降は、確度の高い打撃や進塁打、足を絡めた攻めが必要となるのに、その野球の形をアジアラウンドで確立できなかったことも、アメリカに敗れた遠因といっていいでしょう。

今後日本代表が「世界一奪還」という目標を達成するためには、準決勝以降を想定したチーム作りが欠かせません。
投手陣は伝統的にレベルが高く、今大会も菅野智之や千賀滉大(応援する気持ちから敬称略)は”メジャー級”の内容を見せていましたし、この2人のリレーがあったからこそアメリカ戦も接戦に持ち込めたのだと思いますけど、野手陣はメンバー選考から見直す必要があるかもしれません。
優勝した2006年、2009年大会の日本代表は、”守備力””走力””繋ぎの打撃”が重視された、いわゆる〈スモールベースボール〉でした。
しかし、今回の代表からはそういう野球の形は聞こえません。
残念ながら、屋外球場でメジャー級投手から長打を狙える日本人打者はかなり稀少なんです。
日本野球は、そういう現実のなかで、強豪国に競り勝てるチーム作りをするしかないわけです。

もちろん、この2017代表チームは、スター不在のなかでも、準決勝でアメリカを苦しめたのですから十分立派でした。
日本野球の層の厚さと質の高さは存分に示したといっていいでしょう。
足りないのは”経験”のみです。
やっぱり、野手も投手もメジャーへの挑戦を続けて欲しいですよね。
”違う野球”を知ることこそ経験です!
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かつしき

Author:かつしき
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