大谷翔平選手、早くも決断のとき

6月6日(日本時間7日)、5勝目をかけて先発のマウンドに立ったLAエンゼルスの大谷翔平投手ですが、安定しない内容のままなんとか1失点に抑えていたものの、「指にマメが出来た」との理由で5回の頭に降板。
マメでの降板は今季2度目ですし、日本時代も何度かあったので”持病”といっていいでしょう。
二刀流でバッターの練習もするのでマメができやすいのかもしれません。
いずれにせよなにか対策をしないと、今後の投手成績にも影響してしまいます。
我々素人は”たかがマメ”と思いがちですけど、日本時代はマメを潰して2ヶ月ほども先発できなかったのですから、かなり厄介なのでしょう。

…ですが、やはり”たかがマメ”、またすぐ投げられるだろうと多くにひとが嵩をくくっていたに違いありません。
ところが、8日になると、球団の方から「右肘の内側側副靱帯の損傷により、10日間の故障者リストに入る」との発表があって、日本のメディアと野球ファンは騒然。
追加の情報では損傷具合はグレード2とのことで、これはPRP注射(保存療法)で対処する場合もあればトミー・ジョン手術をする場合もあるという割とよくない状態です。
大谷投手は3週間後に再検査を受け、その段階で今後どうするか決めるようです。
(※PRP注射は自分の血小板から精製した成分を患部に注射し、靭帯を補強する治療方法。田中将大投手や菅野智之投手もこれを選択しています。)

大谷投手の肘といえば、エンゼルスに入団する際、日本時代にもPRP注射を打っていたことが明らかにされましたけど、日本では肘の痛みによる離脱はなかったので、多くのひとがさして気にしていなかったはずです。
なにしろ大谷投手といえば、酷使をしない花巻東高校出身ですし、北海道ファイターズに入団後も登板間隔は中6日以上で球数も制限し、状態が悪ければローテーションを飛ばすという、かなりセンシティブな扱いでしたから、靭帯損傷とは縁遠いように思われていたわけです。
(ファイターズとすれば”怪我をさせずにメジャーに売却する”というのが最大のミッションだったのでしょう。)

そうして今年2018年からメジャーにやってきた大谷投手ですが、エンゼルスはファイターズから〈大谷マニュアル〉とやらいうものを譲り受けていたらしく、起用もそれに沿ったものとなっていたばかりではなく、メジャーのレベルを考慮したのか、球数も”100球以下”に厳しく管理されていました(1試合だけ110球)。
メジャーの先発は中4日の100球が基本ですから、かなり緩やかといっていいでしょう。
マイク・ソーシア監督は、大谷投手という類稀な才能を掌中の珠のように扱い、調子が悪ければすぐに降板させ、休養もたっぷりと取らせてくれました。
そんな状況で、まさか靭帯をやるとは…。

ただ、メジャーでの大谷投手は、レベルの高い打者相手に、日本時代以上に力を込めたファストボール(フォーシーム)を投げ、肘に悪いとされるスプリットの数も増えていましたから、危険な兆候はあったわけです。
ペドロ・マルティネス(現解説者の伝説的投手)などは4月の段階で「このままでは夏頃に肘が壊れる」と指摘していましたし、Aロッド(現解説者の伝説的打者)も「二刀流を続ければ夏頃には肘に痛みが出るだろうし、打撃の状態も大変になる」と不安視していました。
それに比べて日本の解説者の多くは大谷選手を礼賛するだけで、メディアと一緒にお祭り騒ぎをしていたのですから情けない限りです。
心配していたのは大魔神佐々木くらいじゃないでしょうか。

損傷具合はまだ判然としないので、今後の大谷選手がどういう選択をするのかはまだわかりませんが、手術をすれば復帰までに1年半かかりますし、PRP注射による保存治療を行ったとしても、いままでのように160キロのファストボールを連投し、困ったときにはスプリットに頼るという投球パターンは難しくなると思われます。
また、右投げ左打ちの大谷選手にとって”右肘”の損傷はバッティングにも悪影響があると一部解説者が分析しているので、バッティングフォームも再構築しなければいけないかもしれません。
(ひょっとすると打者もしているから肘を痛めやすかったのかもしれませんね。)

大谷選手はセンセーショナルなデビューを飾り、4月は好調だったものの、5月に入ると投打ともに精彩を欠き、表情にも疲れが滲んでいました。
おそらく肘の怪我がなくても、シーズンのどこかでちょっとした休暇を取っていたのではないでしょうか。
メジャーでの二刀流はやはり厳しかったといわざるを得ません。
そうして靭帯の損傷が発覚したいま、二刀流は事実上の終焉を迎えました。
予想より早くどちらかひとつに絞る決断のときがやってきたわけです。

ただし、絶望する必要は微塵もありません。
二刀流でなくたって大谷選手は投手としても野手としても素晴らしい才能を持っているんです。
肘をしっかり治療すれば先発投手として復帰できるでしょうし、野手としても一から守備(外野)を学んでゆけば5ツールプレイヤーにだってなれると思います。
ただ、いずれにせよちょっと時間がかかるのは間違いありません。

本当のファンならばここが応援のしどころです。
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学生スポーツは自主創造

ボール状のものを複数人で蹴り合う遊びというのは、古代より世界のあちこちでその類例が確認されていますが、現代のフットボールの原型が作られたのは16世紀イギリスのパブリックスクールだといわれています。
教師と生徒とOB(卒業生)が他校との試合のためにルールをあれこれと模索し、心身を鍛えうるスポーツらしいものにしたわけです。
そしてそれがサッカーとラグビーに分かれ、さらにアメリカに渡ると新たにルールを開拓した大学生たちがアメリカンフットボールを作り出したのはよく知られたところです。
そういう歴史を見ていると、フットボールというのは学生スポーツそのものだということがわかります。

そしてもうひとつわかるのは、学生スポーツというのは学生の自主性や自由な精神から生まれたものだということです。
自分たちでルールを決め、道具や練習方法を考案し、競技として発展させてゆく。そこには若者らしさが溢れています。
もちろん、現代のスポーツはすでに競技として確立されているので、学生たちが新たに手を加えるということはありませんが、それでも自分たちで部を運営したり、練習のやり方を工夫したりすることで十分自主性を発揮することは可能です。

ただ、現代の学生スポーツというのは、これは世界中でそうですが、規模が大きくなり過ぎている競技になればなるほど、学生の自主性が介在する余地はありません。
日本の大学でも学生スポーツらしさがあるのはむしろ”サークル”の方で、”部”と名がつくと高校までの学校体育の一環のように学生が完全に受け身になってしまうものです。
これは仕方ない部分もありますが、せめて部の哲学や大方針みたいなものは学生と卒業生で作ってゆかないと、学校の宣伝素材や指導者の私物に堕してしまうといっていいでしょう。

そういう意味で、今日5月29日(2018年)に日本大学アメフト部の”部員一同”が出した声明文というのは、微妙なバランス感覚に立ったものでした。
例の〈悪質タックル事件〉で、”相手に怪我をさせろ”という指示が監督やコーチからあったかどうかが焦点になっているなか、そこには触れず、被害者となった関西学院側への謝罪と、世間を騒がしたことへのお詫びが主眼となった文章に、世間一般では物足りなさを感じているひとが多いかもしれません。
「監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきてしまいました」「部の指導体制も含め生まれ変わったと皆様に認めていただいた時には」部の活動を再開したい、という部分には”指示”を匂わせ、内田正人監督らと袂を分かちたいという気持ちは伝わってきますが、全体的にはぼんやりした内容で、出す意味があったのかどうかわからないような声明文でした。

しかし、それも内田監督がいまだに大学の人事権を握る常任理事という職責にあるからなのは想像に難くありません。
選手たちからすれば、今後日大OBとして生きてゆくためには内田監督を直接非難するのは危険すぎますし、自分が卒業した高校のことを考えれば日大との関係を絶つようなこともなかなか出来ないはずです。
いい意味でも悪い意味でも大人の対応といっていいかもしれませんが、残念ながらそこには若者らしい主体性も自主性もありませんでした。

また、今日は関東学生アメフト連盟からも日大アメフト部への処分が下され、内田監督と井上奨コーチが除名となった他、チームは今季の公式戦参加資格が剥奪となりました。
日大は”内田監督らの指示”をいまだに否定していますが、連盟はそれを認めた上で処分を下したわけです。
これで日大アメフト部は否が応でも体制を刷新せねばならなくなりましたが、”内田監督の院政”の可能性は残ります。
なにしろ大学としては内田監督は”無罪”なのですから…。

今回の一連の騒動で日大アメフト部のイメージは地に落ちました。
そこからの再生は並大抵の努力では無理でしょうし、部がその再生の方向性を”強豪としての復活”だと考えてしまえば、また同じような問題が起きるはずです。
勝利至上主義が生んだ支配の構造ですからね。

今後の日大アメフト部が目指すべきは、選手が主体となった学生スポーツらしいアメフト部なのではないでしょうか。
日大の掲げる理念は”自主創造”でしたよね?
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日大アメフト部・内田監督、崖の下で穴を掘る

「おそらく彼は、自分が崖っぷちではなく、崖の下に落ちていることに気付いていなかった」

これはメンバーが問題を起こしたときのTOKIO・松岡昌宏くんの名言ですけど、昨日5月23日(2018年)に記者会見を開いた日本大学アメフト部の内田正人監督と井上奨コーチは、自分たちが崖の下でさらに穴を掘っていることに気付いていなかったのだと思います。

日本のアメフトのみならず学生スポーツに激震を走らせた〈日大悪質タックル事件〉は、それを実行した宮川泰介選手が22日に記者会見を開き、アメフト人生の終焉と刑事罰を覚悟の上で「監督とコーチからの指示があった」と赤裸々に告白したことで、世間一般はこの事件の構図が”内田監督による絶対支配”だということを理解し、納得してしまいました。
そこまでの宮川選手は監督やコーチからかばわれることなく、悪質ファウルの責任を背負い込まされたばかりか、記者会見を開くに際しても、大学からのサポートも一切ないなかでの孤独な闘いでした。
20歳の学生が監督やコーチから精神的に追い詰められ、犯罪まがいのファウルを犯さざるを得なかった残酷さは、ひとびとの胸を打ったといっていいでしょう。

こうなればもはや内田監督らが何を強弁しようと意味はありません。
監督らは指示を認め、全面降伏すべきでした。
もうそこは崖の下なんです。

ところが、23日の記者会見での内田監督らの認識はそうではなく、これまで通り、「指示はない」「選手との意思疎通の齟齬」という説明に終始し、どこまでも穴を掘り下げようとしたわけです。
これはいわゆる墓穴なのでしょうけど、内田監督の掘った穴は、自分とアメフト部のみならず、日大そのものすら埋めてしまいそうなほど大きなものでした。
この期に及んでも”選手のせい””コーチのせい”というのでは、教育もスポーツもあったものではありません。

宮川選手と内田監督らの齟齬というのは、「潰しにゆけ」という指示を内田監督が出していたのか、またその「潰す」の意味が”怪我をさせろ”というものだったのか、ということです。
会見での内田監督は「自分は指示を出していないし、宮川ときちんと会話すらしていない」と弁明し、井上コーチは「指示は出したが怪我をさせろという意味ではない」という説明でした。
しかし、宮川選手は試合直前に内田監督に「潰しにゆく」と約束したところ、「やらなきゃ意味ないよ」といわれたことを証言していますし、指示の内容についても井上コーチに「リードやアサイメント(通常のプレイ)をせずにクォーターバックを狙う」ことを確認し、「できませんじゃすまされないぞ」と念を押されたことを生々しく語っています。

むろん、宮川選手が監督やコーチの指示を曲解した可能性もゼロではないかもしれません。
しかし、彼も大学日本代表に選ばれるような好選手ですから、”潰せ”の意味を間違えるはずはないんです。

”潰せ”というのは通常、”相手が怪我することを考えずに厳しく当たって行け”という意味です。
サッカーでいうところの”削れ”ですね。
コンタクトスポーツは、あまい気持ちがあると競り合いに負けてしまうので、そういう指示はよくあることです。
ですが、それはあくまで競技の範疇であり、怪我をさせることが目的ではないわけです。

宮川選手だって、単純に「潰せ」と指示されれば競技の範疇で厳しく当たりにいったはずです。
ところが、事件が起きた試合では、通常ではない指示を受けたからこそ、監督やコーチに何度も確認を取っているのではないでしょうか?
確認の様子は宮川選手の証言だけではなく、映像にも残っています。
ですから、万が一宮川選手が勘違いしていたとしても、勘違いさせた監督とコーチに責任がある、と願が得るのが普通です。

しかも試合後に記者から取材を受けた内田監督は、宮川選手のファウルを肯定し、「法律的にはよくないが、宮川はよくやった」とまでいって褒め、「責任は自分にある」と胸を張っていたわけです(『週刊文春』が取材テープを公表)。
宮川選手は内田監督の指示の通りに動いたんですよね?
それが問題が大きくなったら、「自分はファウルの場面は見ていない」「指示は出していない」「宮川との認識に乖離があった」といって手のひら返しするのですから、唖然とします。

私には、なんで内田監督がここまで”穴”を大きく広げるのか理解ができません。
”怪我をさせろ”という指示がばれるとマズイのはわかりますが(アメフト界追放や刑事罰)、それならそれで”選手が曲解するような指示を与えたのは自分の責任”といって、事実をぼやかしながら、問題を小さく収めるという方法もあったはずです。
その方が選手やチームを守れるってものです。
ところが、内田監督は”自分は一切悪くない”という態度を貫き、その剛毅果断な保身術のせいで、アメフト部のみならず日大そのものもかつてない窮地に陥ってしまっているわけです。
松岡くん流にいえば、「墓穴を掘っているのではなく、墓穴に埋まってしまっていることに気づいていない」といったことろですぜ。

こうなってくると今後気になるのは日本大学本体の動向ですね。
内田監督とともに墓穴に埋まってしまうのか、それとも…。
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宮川選手の勇気あるタックル

いわゆる渦中の人物の記者会見というのは、起こった出来事を大げさにいったり、逆にささいに見せかけたり、自分に非が無いように取り繕ったり、対立相手を悪くいったりということが多いので、聞いている我々は”うさんくさい”という印象しか持たないわけですが、今日(2018年5月22日)の日大アメフト部・宮川泰介選手のそれは、”う”の字も感じないような真実味のある話でした。

この宮川選手が加害者という名の当事者となった〈悪質タックル問題〉は、これが世に広まった当初から、日大の内田正人監督らコーチ陣の指示が疑われていました。
ファウル自体が異常すぎた上に、コーチ陣が宮川選手を咎める様子もなく、試合後に内田監督が「うちはあれくらいしないと勝てない」と行為を容認するようなコメントを出していたからです。
一部報道では他選手からの「監督からの指示があった」という言葉も拾っていました。

しかし問題が大きく報じられ、世間からの批判が内田監督と日大に集まると、監督と大学は「指示はしていない」と強弁し始め、「指導と選手に乖離があった」といって、問題の落としどころを”宮川選手の勘違い”にしようとしたわけです。
これに怒りを露わにしたのは対戦相手の関西学院アメフト部と怪我をさせられた選手とその保護者。
どう考えても内田監督と日大側が嘘をついているとしか思えないなか、ことの真相究明を求め、正式抗議をし、徹底抗戦の姿勢を取ります。
内田監督と日大はこれに折れる形で、謝罪に赴きますが、”指示の有無”については明言しなかったため、保護者が納得せず、警察に被害届を出したのが昨日21日でした。

それを受けての今日の宮川選手の記者会見の焦点は”指示の有無”のはずでしたけど、昨日の段階で宮川選手の代理人(弁護士)が「指示があったことを認める」とマスコミに漏らしたため、会見はそれを追認するのと、被害者への謝罪が中心となり、”内容よりも会見をすること自体が重要”というのが事前の雰囲気だったと思います。
ところが、会見が始まってみると、その内容があまりにも赤裸々で、残酷で、今回の事件がどれだけ悪質で、どれだけ若者を傷つけていたか、宮川選手の話を聞いたひとは心を揺さぶられたに違いありません。

被害者に対する深々とした謝罪で始まった会見での言葉を抜粋すると、
「闘志が足りないなどの理由で試合の数日前から練習を外され、(指導陣から)相手のクオーターバックを潰さないと試合に出さないといわれた」
「内田監督から大学日本代表合宿に行くなといわれた」
「試合後はファウルをしたことを泣くほど悔やみ、相手選手に個人的に謝罪をしたかったが内田監督に止められた」
「指示の公表も止められた」(同席した代理人は、日大側が「当該選手も指示がなかったと語っている」という間違った情報をマスコミに漏らしたことも批判していました。)
「僕がアメリカンフットボールを続ける権利はないし、この先やるつもりもない」
「相手選手のご家族が被害届を出されたのは当然です。僕はそれくらいのことをしました。指示があってもやったのは自分です」
というもので、日大コーチ陣が宮川選手に”部内での地位を奪う”というプレッシャーをかけ、犯罪まがいのファウルに向かわせたことがよくわかります。

とくに「潰せ」という指示の部分は生々しく、宮川選手の直属の上司といっていい井上奨コーチから「関学との定期戦がなくなってもかまわない」「相手QBに怪我をさせたら秋(の甲子園ボウル)が有利になる」(これは先輩を通しての言葉らしいです)といい含められ、宮川選手は内田監督に「潰すから使ってください」と直訴したそうです。
これに内田監督は「やらないと意味ないぞ」と応じ、試合直前には井上コーチから「できませんでは済まされないぞ」と念を押されたというのですから、まるでヤクザの世界です。
いや、ヤクザの犯罪では〈使用者責任〉が問われるだけ、まだヤクザの方がましかもしれません。日大では選手に責任を丸投げしていますからね。

それにしても、まだ20歳(3年生)の若者が全国に顔をさらしての生中継に臨んだ勇気、そして日本一巨大な大学相手に正面からタックルをかました姿は立派だったと思いますし、そこに”保身”がなかっただけに若者らしい清々しい印象を残しました。
ただ、この問題に関し、日大は”監督の指示を否定”していますから、宮川選手が完全に大学側と対立してしまったのは事実です。
彼はアメフトを辞め、「今後なにをしていいかわからない」と漏らしていただけに、大学も辞めてしまうかもしれません。
部と大学に見捨てられたこの若者を、社会が助けてあげて欲しいものです。
(部の仲間やOBは宮川選手をバックアップすべきです。)

そして今後、日大の”う”のつくひとはどうするのか?
指示を認めなければ、日大アメフト部だけではなく、日大そのものも奈落の底に沈みますぜ。
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(※会見の内容は、いまの段階では宮川選手の一方的主張なので、これが全て真実とは限りません。)

日大アメフト部悪質タックル問題はついに事件へ

トラブルやアクシデントで最も大事なのは”初期対応”だといいますが、昨今巷を騒がしている日大アメフト部の悪質タックル問題は、まさにその失敗例ということができるでしょうね。

関西学院との試合でのあのタックルは間違いなく故意だったので、日大側は試合(5月6日)が終わったあとにすぐ謝罪するべきでしたけど、それをしないばかりか、内田正人監督が「うちはあれくらいしないと勝てない」と故意のファウルを容認するような発言をしてしまったことで関西学院側が激怒。
両校は東西の雄として甲子園ボウルでも度々あいまみえているだけではなく、問題が起きた5月の定期戦も今回で51回目を数え、関西学院側も日大をライバルとして信頼していたはずであり、それだけに裏切られたという思いが強かったのでしょう。

そうして関西学院は正式な抗議文を日大に送ったわけですが(10日)、その主眼は”なぜあのようなファウルが起きたのか?”という真相究明でした。
簡単にいえば、”監督やコーチから選手に指示があったのではないか?”という確信に近い疑義です。
大学スポーツ、特にアメフトは監督の権力がとてつもなく強いので、”指示がないはずがない”と強く迫ったわけです。
これに対して日大側はなかなか回答せず、関西学院が定めた期限ぎりぎり(15日)になって出してきた内容は「監督からの指示はない」「選手へは厳しさを求めたがそれを曲解した」という選手に責任を丸投げするものでした。
日大はこの前にも広報が「偶発的なアクシデント」という、子供の言い訳じみた声明文を出していましたから、関西学院はとうてい納得するはずがありません。

関西学院は17日に記者会見を開き、「回答書には具体的な事実や経緯が書いていない」と日大の対応を批判し、あらためて真相究明と、内田監督からの直接謝罪を求めます。
また、そこではタックルを食らった選手の保護者が強く憤っていて”法的措置も検討している”という話も語られました。
すると、日大側はこれに慌てたのか、19日になると内田監督らが兵庫県に出向いて関西学院側と被害選手側に直接謝罪し、その帰りの空港で記者を前にした内田監督から辞任が発表されました。
警察の介入っておっかないんですねえ。

これでこの問題は決着…と普通はなるわけですが、記者対応した内田監督は指示の有無については言葉を濁したまま「私の責任」と頭を下げ、試合後の反則を容認するような態度についても「私の責任」と頭を下げ、なんの”説明”もしないまま逃げ切ろうとしたわけです(「かんせい」を「かんさい」といい間違える場面も)。
どうやらこの”頬かむり”は被害者側との面談でも同じだったらしく、この夜には被害者の父親が納得してないという報道もありました。

そうして今日21日、被害者の父親が記者会見を開き、警察に被害届を出したと発表。
問題は”事件”に発展しそうです。
ちなみにスポーツの試合中に相手選手に怪我をさせてしまった場合は、それが”競技の範疇”ならば違法ではない(違法性阻却)というのが過去の判例ですが、野球の乱闘のように”競技の外”での暴力は傷害事件になったことがあります。
しかし、まだ日本では”故意のファウル”が傷害罪として立件されたことはないはずなので、これは画期的な裁判になるかもしれませんね。
(※社会人サッカーの危険なファウルが民事訴訟で賠償命令が出されたことはあります。)

もちろん、今回のケースが傷害罪として捜査されるとなれば、被疑者は加害選手だけではなく、指示が疑われる内田監督らコーチもそこに含まれるのはいうまでもありません。
刑事事件になれば、”指示の有無”も明らかになるでしょう。
また、この被害届を受け、日大の加害者選手側も明日22日に記者会見を開くと発表されました。
報道によると、加害者選手の代理人は”内田監督の指示に従って危険なタックルをした”と説明するつもりだそうです。
内田監督らの”教唆”があったとすれば、責任はかなり軽減されますからね。

加害者選手は全ての責任を被る形で日大アメフト部を退部したそうですが、さすがに傷害罪までは被りたくないですよね。
内田監督にとっては元教え子からの強烈なレイトヒットかもしれませんが、これは悪質なファウルではありません。
自己防衛です。
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かつしき

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