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2022年の御開帳はある意味チャンス

春の青空を目がけてそびえ立つ回向柱。
そこから五色の紐が鮮やかに伸びてゆく先は、大きな裳階が特徴の恰幅の良い本堂。
御開帳期間の善光寺は本当に晴れやかです。

武漢肺炎・COVID19の影響で1年延期となり、今年2022年に開催されることとなったこの7年に1度(実質6年に1度)の盛儀は、江戸時代から現代に至るまで庶民の間で人気を博し、まさに国民的行事といってもいいものです。
前回2015年は770万人の参拝者がありましたし、いまだ前立本尊を拝んだことのないひとでも「遠くとも一度は参れ善光寺」という思いとともに、いずれはその門を潜ってみたいと願っていることでしょう。
私も長野市民のひとりとして、「ぜひいらしてください!」と声を大にしていいたいところです。
善光寺は本当に素晴らしいお寺ですし、その寛容の哲学が詰まった御開帳も本当に素晴らしいものです。

とはいうものの、御開帳が始まった4月3日から今日4月17日まで全国の武漢肺炎感染者数は高い水準を維持したままで、長野県も14日に過去最多の686人を記録するなど、屈託なく「ぜひ!」というには微妙なところです。
県内では諏訪の御柱祭も同時期に開催されていて、この2つの盛儀が感染に影響するのではないかという不安の声も存在していますしね。
もちろん善光寺でも諏訪でも感染対策に注意を払い、善光寺では回向柱の周囲や本堂内での”密”を避ける取り組みをしていますし、諏訪ではメインイベントである木落しを中止するという氏子たちの血涙が出そうな選択をしているので、努力をしていないわけでありません。

ただ、こと御開帳に関していうと、対策はあまり厳格ではないというのが参拝したときの印象です。
回向柱を触る列や本堂内もそんなにひととひととの間隔が開いているわけではありませんし、授与品所(お札やお守りなどの販売所)も土日は普通に込んでいます。
参堂でも飲食店や土産屋に警戒感はなく、団体ツアーのひとたちも楽しそうに歩いているので、雰囲気はふわふわしています。春ですね。

もっとも、私はそのことを否定的にいうつもりは毛頭ありません。
なぜなら、先ほど長野県は過去最多の感染者を出した書きましたが、重症者はここしばらく出ておらず、県内の重症者用の病床には誰もいないんです。17日の段階でゼロです(中・軽症者が134人入院中)。
感染しやすいものの重症化しにくいというオミクロン株の特徴がそのまま数字に出ているわけです。
行政がイベントに規制をかけず、善光寺や諏訪大社が予定通り盛儀をスタートさせたのは、そういう状況を見ての判断でしょう。
つまり、信州は”経済優先””伝統優先”に舵を切ったわけです。

私もその方針には大筋で賛成していますが、ひとつだけいうとすれば、偉いひとたちが本音をいうのを避け、「感染対策はばっちり」みたいな綺麗ごとばかりを並べているのが気に入りません。
たとえば善光寺では「回向柱を抗菌コーティングした!」といって胸を張っていますが、そんなの無意味ですよね?エアロゾル感染がメインなんですから。
ここはみんなが正直になるべきです。
行政や施設側の感染対策には限界がある。ひとりひとりが注意することが大切。そうやってみんなで楽しもう。
武漢ウイルスとの共存を選ぶというのはそういうことです。

ちなみに善光寺側が発表したところによると、御開帳は例年よりかなり参拝者が少ないようです。
私もそれを実感しています。週末だというのに参堂の人気飲食店にも並ばずに入れて拍子抜けしました。回向柱も午前中の早い時間帯ならさっと触れそうです。
日本国民の多くはまだまだ遠出して遊ぶ気分ではないのでしょうし、政府が外国人の入国を規制しているので、少し前まで盛り上がっていたインバウンド効果もありません。
そんなわけで自然に”密”がなくなっていますから、ゆっくりと御開帳を満喫するならばいまがチャンスです。

ぜひにとはいいませんが、チャンスだということは声を大にしていいたいです。
今年の御開帳期間は例年より1ヶ月長く、6月29日まで続きます。
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2022年の御開帳は激レア

武漢ウイルスによって色んなイベントが延期や中止に追い込まれるなか、長野市民が最も心配だったのは、来年2021年に予定されている〈善光寺御開帳〉でした。

数百年の歴史を持つこの盛儀の説明は不要かもしれませんが、数えで7年に1度、秘仏である前立本尊の厨子が開かれ、我々はその尊顔を拝めるだけではなく、境内に建てられた回向柱はその前立本尊と5色の糸で繋がれ、その柱をさすることで、前立本尊と”触れ合う”ことができるという、功徳溢れた2ヶ月間になります。
江戸時代のひとが娯楽往生を願って謳った「遠くとも いちどは詣れ善光寺」の”いちど”をいつにするかとなれば、やはりこの御開帳期間になることでしょう。
ちなみに、前回2015年は57日間で707万人の善男善女が善光寺を訪れました。
経済効果などという無粋なことは置いておいて、それだけ多くにひとが全国、いや全世界から”善光寺さん”にいらしてくれることは、長野市民の誇りなのです。

しかし、過去の映像を観てもらえればわかるように、数え切れぬほどの参拝者が境内と本堂を埋める御開帳は、まさに”密”です。
予定されている来年4月まではまだ10ヶ月あるとはいえ、その間にウイルスの流行が収まるとはいいきれず、準備にも手間暇がかかる盛儀だけに、中止や延期をするならば、早い判断が必要でした。
善光寺としても、大いに頭を悩ませたことでしょう。

そして、塔頭の住職らが議論の末、”1年延期”という方針を決め、それを今日6月3日、市民の代表たる御開帳奉賛会(ほとんど商工会)に伝え、奉賛会が了承したことで、延期が決定しました。
御開帳の延期は歴史上初めてとのことですが、江戸時代以前は7年に1度ではありませんでしたし、先の大戦のときは中止もあったので、そこまで大事に捉えることもないはずです。
延期とはいえ、開催されることを喜ぼうではありませんか。
そして、善光寺と長野市が協力して、あと2年の間に感染防止対策を構築せねばなりません。

また、ここで私が気になるのは、御開帳と同じ年、それも期間が半分ほどかぶって催されている〈戸隠神社式年大祭〉です。
長野市では”両詣”などと称して観光PRしているだけに、こちらもやはり延期なのでしょうか?
御開帳ほどではないものの、いうまでもなく”密”になりますし、近年は県外や海外からの人気も高まっている戸隠の大祭なだけに、ウイルスのリスクは避けて通れません。
戸隠神社からの発表を待ちたいものです。
(21年は4月25日~5月25日の予定。)

いずれにせよ、御開帳(式年祭)というのは、カタルシスを楽しむものでもありますから、1年延びる分のパワーを蓄えて、22年には長野市全体で盛り上げようではありませんか。
全国・全世界のみなさん、次の御開帳は”歴史上初の延期”というレアな祭りになりますよ!
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御開帳の賑わい

今日(5月20日水曜)の昼前、知人が御開帳に行くというので一緒に善光寺に参拝したのですが、ものすごいひとだかりで、結局、回向柱にさわるのを断念してしまいました。係員さんは「15分くらい」といっていましたけど、あの行列はそんなもんじゃない長さに見えました。今日は夏のような日差しでしたし、知人は高齢だったのでちょっと厳しいものがありまた。

私は4月の終わりの平日にも同じくらいの時間に参拝したのですが、そのときは並ばなくても回向柱にさわることができたので、この混雑は想定外。
御開帳期間は4月5日~5月31日なので駆け込み需要みたいなものがあるのかもしれませんが、6年前はこんなでもなかったと思うんです。
今年は過去最高だった前回よりも参拝者の数は増えるんじゃないでしょうか。

善光寺事務局が4月26日に発表したデータによると、4月5日~19日までの参拝者の数は「153万2700人」で、前回を「やや上回っている」とのことです。
その理由については、午後9時まで行っているライトアップやPRの強化、好天の数の多さが挙げられていて、4月20日以降も客足は「かなり伸びている」そうです。
ただ、事務局の発表では、仲見世のお土産屋さんの店主のひとりが「本当に増えているのか?」と疑問を抱いている声も紹介されていて、前回は高速道路の千円乗り放題があったが今回はなく、客単価も低いとのことでした。

しかし、2度参拝した私には前回よりもお客さんは多いように見えましたし、仲見世の活気も前回を上回っているように感じました。とくに今日の賑わいは前回の同じ時期にはなかったものです。私はあらゆる面で前回を上回ると予想しています。
この盛況の理由ですが、5月9日の中日庭儀大法要の真っ最中に起こった〈ドローン落下事件〉のせいではないかと私は
思っています。
嫌な話ですが、全国ニュースでもかなりの量の報道がされていたので、ある意味で宣伝になったのではないでしょうか。
やっぱりメディア露出というのは重要です。

事件を受けた善光寺は周辺でのドローンの飛行を禁止、このこともニュースになりましたが、”善光寺とドローン”の組み合わせが一般にも刷り込まれたのではないでしょうか。
次回の御開帳ではこれは逆手に取って、公式にドローンを飛ばし、その映像をネットで配信するというのもひとつの手段かもしれません。

江戸時代の善光寺は伊勢神宮と並ぶ大観光地だったといいますし、目指すはその頃の賑わいです!
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2015年の御開帳

4月5日から始まった今年2015年の善光寺御開帳は、この春の北陸新幹線延線もあって、前回2009年よりもお客さんが増えているみたいですね。
私も昨日の日曜(12日)がいい天気だったので、相方と一緒にお参りにいってきましたけど、活気を感じました。それはただ単に参拝者が多いというだけではなく、仲見世の売り上げもずいぶんよさそうに見えたからです。店舗も以前に比べ種類が増えましたし、一軒一軒の気合の入り方も前回とは違います。景気が回復傾向のあるのも影響しているのかもしれませんね。
150413御開帳
嫌らしい話ですが、長野県では御開帳が終わると、「今回は何万人が訪れた」というだけではなく、「経済波及効果」や「宿泊客と日帰り客の割合」や「ひとりの参拝者がいくら使ったか」までがメディアで報じられるんです。
ちなみに2009年は過去最高の673万人がいらしてくれたくれたんですけど、2003年に比べて宿泊のお客さんが減ったこともあってか、消費単価も、経済波及効果も下がってしまいました(細かい数字は嫌らしすぎるので割愛)。

宿泊客減少の理由としてよくいわれるのは1998年の長野新幹線開通で、やはりそれ以降、首都圏からは日帰りが多いようです。これは北陸新幹線延線にも同じことがいえるので心配です。
残念ながら御開帳だけではなかなかお客さんは長野市に宿泊してくれないのでしょう。松代や戸隠といかに連携してゆくかも大切かもしれません(両方ともいまは長野市)。
その点でいえば松代で11日~12日かけて春祭りが催されていたことはとってもよかったと思います。この土日で善光寺と松代城址の両方を楽しまれた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
来年はNHKの大河ドラマで『真田丸』が放送されるので、それによって巻き起こるであろう真田ブームに、今度は善光寺が絡んでゆくべきですよね。

ただ、もちろん御開帳単体だって宿泊のお客さんを呼べる魅力が詰まっていると私は思っています。
たとえば、早朝のお数珠頂戴からお朝事の流れ。
上人さまや貫主さまにお数珠で頭を撫でて頂いて、朝から晴れ晴れとした気持ちになり、お朝事では読経とともに厨子が開けられ、その日初めて外気を浴びる前立ご本尊のお姿が拝めるのです。これは毎日行われる初日の出みたいなものですから、なんともありがたく、清々しい気分になることは請け合いです。

それと、あまり宣伝されていないのですが、御開帳期間の境内は軽くライトアップされていて、なかなか幻想的な雰囲気なんです。
そのせいか夜は恋人同士って感じの参拝が多いようにも見受けられます。これもまた”結縁”ですよね。
そういえば最近の善光寺の周辺は空き店舗を若手経営者に貸し出す活動を積極的に行っていて、昔ながらの風情のなかに若々しい感覚が煌めく雑貨屋さんや喫茶店なんかもあるので、恋人同士やご夫婦でちょっと歩き回っても楽しいんじゃないでしょうか。

また、ご家族連れでいえば、仲見世で立ち食いができるようなお店が増えたのはお客さんを大いに喜ばせているような気がします。
味噌ソフトクリームや蕎麦ソフトクリーム、おやきなんかは定番で人気ですけど、新しく出来たお煎餅屋さんが店先で手焼きをしているので、その匂いには思わず引き寄せられてしまいます。
この仲見世で色々つまみ食いをしても楽しいですし、ここでぐっと我慢して名物のお蕎麦を何軒か梯子するという手もあるので、本当に迷っちゃいます。
…そうだ!1泊して2日に分ければいいんです!

ちなみに参拝は午前中に団体のお客さんが多いので、並ばずに回向柱に触るのは午後の方がいいかもしれません。
触っている姿を写真に収めたいところですけど、昼間は到底無理です。立ち止まっていると係員さんに注意されてしまいますしね。
でも、夜ならば大丈夫だと思います。
…そうだ!宿泊すればいいんです!

というわけで、みなさんが善光寺にいらっしゃるのを心からお待ちしております。
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2014善光寺節分会

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これは善光寺に初詣に行ったときに見かけた節分会のポスターなのですが、その特別来賓のところに”常盤貴子”という名前が書かれているのを、最初はどこの「常盤さんだろう?」と本気で悩んでしまいました。
でも、女優の常盤貴子さんといえば日本にひとりしかいません。
本当に長野市にいらしてくれるんですよね?そんなビッグネームが節分会にやってくるなどこれまでありませんでしたから、今日2月3日、相方と一緒に善光寺を訪れるまでは半信半疑でした。

しかし参道を歩いていると例年よりも人通りが多く、「常盤貴子がくるんだって…」という話し声もちらほらと聞こえてきます。有名女優の求心力というのはやはり大したものです。
加えて、この日の長野市の天気はうす曇ながら気温は10度近くもあり、例年とは比べ物にならない暖かさ。絶好の豆まき日和といえるでしょうね。

そして午後1時、善光寺木遣り保存会の先導で始まった節分行列(大本願前~本堂)、そこに本物の常盤さんがいらっしゃった!私と相方は「この世の中にこんなに綺麗なひとがいるのか!」と大興奮。
常盤さんは参道のお客さんからのカメラ目線や握手の求めにも気軽に応じ、人柄のよさも滲んでいました。
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「いやあ、今年の節分会は本当によかった、楽しかったなあ」、などと私と相方は行列見物だけでかなり満足してしまって、もう帰ろうか、みたいな気分になっちゃっていましたけど、豆まきこそが本番です。気合を入れなおして本堂東側の人ごみのなかに陣取ります。もちろん手には口の大きなバッグを持って、それで豆だのお菓子だのを根こそぎ頂こうとの魂胆です。
ところがあまりの人だかりにバッグを広げることはできません。常盤貴子効果のすさまじい事。
そして本堂で行われている追儺式が終わるのをいまかいまかと20分ほど待っていると(以前、雪のなか待ったときがありましたけど、それに比べればなんのその)、いよいよ来賓の方たちが回廊に姿を見せ始めます。常盤さんやACパルセイロのレディースと土橋宏由アンバサダー(男子チームはキャンプ中)、長野グランセローズの選手たち、地元テレビ局の女子アナウンサー数名、地元の有力者や政治家、事前申し込みをした福男さん・福女さんたち(一般の方)と色とりどり。
そこからまずは豆まきの前に特別来賓の方たちの簡単なスピーチが始まったのですが、常盤さんのそれはちょうど東側で我々にとっては幸運でした。
それにしても常盤さんという方は本当に感じがよくて、豆がまかれるまでお客さんがじれったそうにしているのを見て、豆を投げる真似をしたり、手を振ったりして楽しませてくれるのですが、それがとても自然なんです。きっと素敵な方なんでしょうね。
(※スピーチでテレビ信州の女子アナが自分の局の番組宣伝をしたのは辟易としました。場をわきまえないのはテレビ信州の方針なのか女子アナ個人の問題なのかわかりませんがマナーの欠如したテレビ局だと多くの信州人に認識されたことでしょう。また、同じように豆まきで「お客さんが押し合って危険なときは笛を吹くので豆まきを止めてください」と警察がアナウンスしているのにそれを無視して、笛がいくら鳴ってもひとりで豆をまき続けた小松ゆたか衆議院議員も酷かった。何でもないような催しの一場面ですがこういうときに人間性というものが垣間見れます。)

そしていよいよ始まった豆まきでの我々は「そんな素敵な常盤さんが投げた豆を取る!」と意気込んだものの、列の後方にいたこともあって残念ながらそれは叶わず、収穫といえば相方はどこぞのひとが投げてくれたチョコボール一袋、私はゼロ…。悔しい…。
しかし、まあ、常盤さんを近くで見られただけで十分福があったと満足しよう!
と、我々はすっかり常盤ファンになっちゃったわけですが、帰りにはっと冷静になってみると、私、常盤さんの出演作品ってほとんど観たことがないんです。相方は『ビューティフルライフ』は観たといっていましたけど…。
次に何かあれば絶対に観ます!

そんな私がなぜ”常盤貴子”という名に引き寄せられたのか。それは前に常盤さんが京都の〈静香〉さんという喫茶店に撮影での滞在中によく通っていたと耳にしたことがあったからなんです。私も京都に住んでいたころは静香さんに入り浸っていましたからね。店の地下から汲んだ水で淹れるコーヒーの独特の味わいが懐かしいです。
そんなわけですから節分絵から帰ってすぐにコーヒーを淹れたのはいうまでもありません。

ミーハー気分とコーヒーの香りに浸る2014善光寺節分会でした。
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