新蕎麦とおもてなし
私の住む信州長野県は四季折々の自然の魅力溢れる日本でも有数の観光地ですが、私がお勧めしたい季節はやはり秋です。ピンポイントにいえば10月です。
もっとも気候のいい時期ですから散策にはもってこいですし、なにより”新蕎麦”が出てきます!
というわけで私もうずうずして、仲間と一緒に先日の昼、今年最初の新蕎麦を味わいにゆきました。
向かった先は、長野市から須坂市に入ってすぐの〈そば処小杉〉さん。
以前はよく伺っていたのですが、ここ数年わけもなく足が遠のいていたのですが、仲間に誘わて久々に暖簾をくぐった次第です。
すると店内の様子がちょっと変わっていました。
以前は小上がりがオープンな感じだったのですが、テーブルごとに衝立で仕切られ、さらに上がり口に簾がかかっていて、個室風になっているんです。空調も効きもよく爽やかでした。
外国人観光客の姿もあってので、この方がいいのかもしれませんね。
さて、注文ですが、やはりここに来たら、名物ともいえる霧そばと雪そばの〈あわせもり〉ですね。
霧そばは、いわゆる霧下蕎麦で、昼夜の気温差が激しい高原地帯で、朝霧が出来るようなところで取れた蕎麦粉のことをいます。
信州はそういう場所がけっこう多いので日本有数の蕎麦処というわけですね。
もちろん、小杉さんでは信州産の霧下蕎麦になります。
ちなみに、この店の凄いのは、すべてのお蕎麦が自家石臼引きの”十割”だということです。
しかもおそらくは難度の高い”水ごね”なのに、蕎麦が細くて長い。
最初に来店したときから、ここのご主人は名人だと思っていました。
(※蕎麦は信州産と北海道産から選び、信州産がお高め。)
ただ、この日の霧そばは短くて太い…。
十割蕎麦は、名人といえども、その日の湿度やらで上手くゆかない場合があるといいますし、仕方ないこといしておきましょう。
雪そばの方は見事でしたね(でんぷんが多いので打ちやすいのかも)。
雪そばはいわゆる更科蕎麦になり、私は信州にやってきてその素晴らしさを知りましたが、それを教えてくれたお店のひとつはこの小杉さんです。
一般に、蕎麦の実は外側になるほど色も香りも強くなるといわれていて、中心部の実を使う真っ白な更科蕎麦は、その美しさやほのかな甘みを味わうものとされていますが、質のいい蕎麦粉と腕のいい職人が揃えば、更科蕎麦の方がお蕎麦らしさを明確に感じることができます。
外側の成分というのは、蛇足なのではないかと思うほどです。
私は更科蕎麦では一切、つゆを使いません。もちろん塩も。
「味わうために」といって天然塩を勧めるお蕎麦屋も少なくはありませんが、塩には苦味があり、はたしてそれと蕎麦の風味が合うかどうか、もう一度よく考えなおして欲しいものです。
…そんなことを考えながら蕎麦をすすっていると、なんだか徐々に食べにくくなってゆくんです。
それもそのはずで、効きすぎた空調が蕎麦を乾燥させているではありませんか!
今年の信州は例年に比べて残暑がきついとはいえ、”お蕎麦ファースト”であるべきです。
小杉さんは北信州に多い水きりをしない戸隠風ではなく、江戸前風に蒸篭に盛るので、乾燥には弱いですしね。
お客さんは居心地よりも、お蕎麦の味を求めているはずです。
それこそがお客様ファーストではないでしょうか。
今日はちょっと愚痴っぽくなっちゃいましたけど、外国人も含めて観光客の増えている昨今、よかれと思うって、おもてなしの気持ちがズレた方向に行くこともあるので、信州全体として注意したいですよね!

もっとも気候のいい時期ですから散策にはもってこいですし、なにより”新蕎麦”が出てきます!
というわけで私もうずうずして、仲間と一緒に先日の昼、今年最初の新蕎麦を味わいにゆきました。
向かった先は、長野市から須坂市に入ってすぐの〈そば処小杉〉さん。
以前はよく伺っていたのですが、ここ数年わけもなく足が遠のいていたのですが、仲間に誘わて久々に暖簾をくぐった次第です。
すると店内の様子がちょっと変わっていました。
以前は小上がりがオープンな感じだったのですが、テーブルごとに衝立で仕切られ、さらに上がり口に簾がかかっていて、個室風になっているんです。空調も効きもよく爽やかでした。
外国人観光客の姿もあってので、この方がいいのかもしれませんね。
さて、注文ですが、やはりここに来たら、名物ともいえる霧そばと雪そばの〈あわせもり〉ですね。
霧そばは、いわゆる霧下蕎麦で、昼夜の気温差が激しい高原地帯で、朝霧が出来るようなところで取れた蕎麦粉のことをいます。
信州はそういう場所がけっこう多いので日本有数の蕎麦処というわけですね。
もちろん、小杉さんでは信州産の霧下蕎麦になります。
ちなみに、この店の凄いのは、すべてのお蕎麦が自家石臼引きの”十割”だということです。
しかもおそらくは難度の高い”水ごね”なのに、蕎麦が細くて長い。
最初に来店したときから、ここのご主人は名人だと思っていました。
(※蕎麦は信州産と北海道産から選び、信州産がお高め。)
ただ、この日の霧そばは短くて太い…。
十割蕎麦は、名人といえども、その日の湿度やらで上手くゆかない場合があるといいますし、仕方ないこといしておきましょう。
雪そばの方は見事でしたね(でんぷんが多いので打ちやすいのかも)。
雪そばはいわゆる更科蕎麦になり、私は信州にやってきてその素晴らしさを知りましたが、それを教えてくれたお店のひとつはこの小杉さんです。
一般に、蕎麦の実は外側になるほど色も香りも強くなるといわれていて、中心部の実を使う真っ白な更科蕎麦は、その美しさやほのかな甘みを味わうものとされていますが、質のいい蕎麦粉と腕のいい職人が揃えば、更科蕎麦の方がお蕎麦らしさを明確に感じることができます。
外側の成分というのは、蛇足なのではないかと思うほどです。
私は更科蕎麦では一切、つゆを使いません。もちろん塩も。
「味わうために」といって天然塩を勧めるお蕎麦屋も少なくはありませんが、塩には苦味があり、はたしてそれと蕎麦の風味が合うかどうか、もう一度よく考えなおして欲しいものです。
…そんなことを考えながら蕎麦をすすっていると、なんだか徐々に食べにくくなってゆくんです。
それもそのはずで、効きすぎた空調が蕎麦を乾燥させているではありませんか!
今年の信州は例年に比べて残暑がきついとはいえ、”お蕎麦ファースト”であるべきです。
小杉さんは北信州に多い水きりをしない戸隠風ではなく、江戸前風に蒸篭に盛るので、乾燥には弱いですしね。
お客さんは居心地よりも、お蕎麦の味を求めているはずです。
それこそがお客様ファーストではないでしょうか。
今日はちょっと愚痴っぽくなっちゃいましたけど、外国人も含めて観光客の増えている昨今、よかれと思うって、おもてなしの気持ちがズレた方向に行くこともあるので、信州全体として注意したいですよね!


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