伝統と歴史を大切にする大横綱に相応しい記録

平成29年名古屋場所13日目、横綱・白鵬が前人未踏の通算1048勝という大記録を打ち立てた今日、昨日まで1047勝で並んでいた浅香山親方(大関・魁皇)は「自分は大関だったからこの数になった。横綱という地位でやっているから凄い」という感嘆の声を漏らしていました。
負けても地位が下がらない横綱は、力が衰えれば引退という道しかありません。
そういうなかで記録を更新することの大変さを浅香山親方は語ったわけです。
これこそ白鵬に対する最高の褒め方だと思います。

いうまでもありませんが、白鵬は幕内での勝利数も歴代最多の954勝ですし(2位は魁皇の879勝)、横綱在位中の勝利数でも760勝で最多記録を更新中です。2位は北の湖の670勝ですから、すでにかなりの差が開いています。
しかも北の湖は横綱在位63場所でこの記録、白鵬は今場所が61場所目なのですから、”強すぎて嫌われた横綱””江川・ピーマン・北の湖”とまでいわれたあの大横綱よりも勝率が高いんです。

そしてその率でいえば、白鵬が最も評価されるべきは休場率かもしれません。
白鵬は横綱在位61場所(今場所含む)でわずか37休しかしていないんです。
北の湖は在位63場所で107休、千代の富士が59場所で137休、最近では貴乃花が49場所201休、曙が47場所で166休、朝青龍が42場所76休ですから、白鵬がどれだけ休まない横綱かということがわかります。
(※朝青龍は仮病問題での2場所出場停止処分も含みます。)

相撲は興行であり神事です。
横綱は大相撲の大看板であり、興業の中心にいるのはもちろん、土俵入りで四股を踏み、国土安寧・五穀豊穣を祈る必要があるわけです。
想像してみてください、横綱不在の大相撲を。
最近では平成4年名古屋場所から平成5年初場所までの4場所がそうでしたけど、そのときの寂しさといったらありませんでした。
そしてその横綱も、いわゆる”ひとり横綱”となればそのプレッシャーは計り知れません。
自分が休場すれば興業の中心が欠け、土俵入りが行えない。負けが込めば場所が白ける…。
曙(ひとり横綱11場所)も朝青龍(21場所)も、自分の次の横綱が生まれたときは本当に嬉しそうでした。
それは日馬富士が横綱に昇進したときの白鵬(10場所)も同じことです。

しかし、白鵬は日馬富士が横綱になっても、鶴竜が横綱になっても、休場はしませんでした。
いつも土俵の中心にいて、連勝記録や優勝記録で大相撲を盛り上げてくれていたわけです。
横綱の責務というのは”土俵に立ち続けること”だということを、身をもって語っていたといっていいでしょう。
そして初めて休場したのが平成27年の秋場所。横綱在位49場所目の途中のことです。
ちなみに日馬富士が横綱として初めて休場したのは平成26年初場所で、在位8場所目。
鶴竜は平成平成26年大阪場所で、在位6場所目。
こう比べれば横綱・白鵬がいかに大相撲に貢献していたかがわかるというものです。

白鵬の最多通算勝利というのは、そういう責任感と使命感の上に成り立っているものです。
横綱にはよく”品格”というわけのわからないものが求められますけど、私は白鵬こそ品格抜群の大横綱だと思います。
しかも白鵬は、相撲の歴史に精通し、過去の力士への敬意を欠かさないばかりか、力士の髷を守った明治天皇と大久保利通への感謝まで口にするのです。
私はこういう横綱を他に知りません。

そういえばモンゴルにいる白鵬のお母さんは、通算勝利へのインタビューで、「息子が力士としてここまで成長できたのも、過去の横綱から生き方を学び、先輩力士からの指導があったからでしょう」と話していました。
この母にしてこの子あり、ですね。
これからの力士たちは白鵬から多くを学んでほしいものです。

そして、日馬富士が「偉大な横綱と同じ時代にいることが嬉しい」と語っていたように、我々も”白鵬の時代”を楽しもうではありませんか。
間違いなく伝説になる時代なのですからね!
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力士ファースト

地元出身の幕内力士がいる都道府県のみなさんならおわかりでしょうけど、本場所が始まれば地元ニュースのトップ項目で扱われることも珍しくなく、その勝敗に全県民が一喜一憂し、横綱・大関に勝利しようものなら、その日の夜から次の朝までは県内全域がふわふわした雰囲気に包まれます。
私の住む長野県などは、いま売り出し中の関脇・御嶽海がいるので、この名古屋場所(平成29年)も毎日が楽しくて仕方ありません。
今日は難敵・嘉風に勝利して、これで4勝2敗。2桁勝利に向けて、なかなかいい感じの序盤戦です。
しかも今場所は横綱・鶴竜と稀勢の里、そして大関・照ノ富士が途中休場しているので、御嶽海にとっては大きなチャンスです。ひょっとしたら関脇の上が狙えるかも…。
(※稀勢の里には初日に勝利。)

ただ、今場所は上記の3力士に加え、人気者の遠藤も途中休場してしまっているので、土俵が寂しくて仕方ありません。
しかも、6日目の今日などは稀勢の里と照ノ富士の途中休場により、不戦勝の勝ち名乗りが2番。
これじゃあお客さんも可哀想です。
そもそも、この4力士は場所中の怪我が原因というよりは、負傷箇所がありながら強行出場し、そこを悪化させての途中休場なんです。最初から休んでおけば、不戦勝などというつまらないことにはならなかったわけです。

その判断でいえば、特に問題なのは鶴竜と稀勢の里の両横綱です。
照ノ富士や遠藤は休場すれば番付が下がってしまうので(照ノ富士は角番)、怪我をごまかしながら8勝を目指すという選択もまだわかりますが、横綱は休んだって番付は落ちないのですから、”全休”して、じっくり怪我を治すことを優先させるべきでした。場所前の巡業や稽古だって休めばいいんです。
横綱が「出る」と判断したら15日間取り続ける。15日間持たないと思えば「出ない」。それこそが責任というものです。
そしてじっくり体を治した結果、横綱らしい相撲が取れないのであれば潔く土俵を去る。それが横綱の宿命です。

その鶴竜は2場所連続の途中休場となったことで、親方が復帰場所で進退をかけることを示唆し、鶴竜本人も自分の置かれた状況を理解しているようです。
ただ、近年でいうと、貴乃花が7場所全休→12勝→全休→場所途中引退発表。
若乃花が途中休場→全休→負け越し→2場所全休→場所途中引退発表。
武蔵丸が途中休場→3場所全休→途中休場→全休→場所途中引退発表。
なので、10勝→優勝→途中休場→10勝→2場所連続途中休場の鶴竜が次の復帰場所で進退をかけるのは時期尚早のような気もします。もうワンテンポ待ってもいいのではないでしょうか(鶴竜のあだ名はわんわんですし)。

なにしろ、鶴竜に厳しくしてしまうと、同じく2場所連続途中休場の稀勢の里も追い込まれかねません。
鶴竜が1、2場所全休した後の「進退をかけた」復帰場所で負けが込んできて引退してしまったら、同じような状況になった稀勢の里も後を追わなければ「往生際が悪い」ということになってしまいます。
その稀勢の里は横綱に昇進してまだ3場所なんです。
年6場所制になって以降の横綱在位最短記録は三重ノ海の8場所ですから、稀勢の里はそれを更新する可能性も出てきてしまいます。
せっかくの”日本人横綱”が不名誉な記録に名を刻まないよう、相撲協会や横綱審議委員会は鶴竜に優しくせねばなりませんね。

それにしても力士の怪我は土俵を盛り下げます。
そもそも年6場所というのが多すぎるのではないでしょうか?
ボクシングなら年に2、3試合、柔道でも3、4大会なんです。
しかもボクシングなどは試合前の検診で問題があれば、ドクターストップがかかります。
相撲協会には”力士を守る仕組み”を作ってもらいたいものです。
アスリートファーストで!
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外国人力士への感謝

いま行われている平成29年名古屋場所、横綱・鶴竜は4日目(2勝2敗・4日目は不戦敗)に休場を発表。
これで直近6場所では3度目の休場、横綱になってからでいっても6度目ということで、ついに師匠である井筒親方からも「次に土俵に上がっても勝てなければ、潔く決断しなければならない」という発言がありました。
鶴竜本人は「この怪我で終わりたくないという強い気持ちがある」と前向きな姿勢を見せていますが、前途多難といっていいでしょう。

この鶴竜の進退については、相撲ファンの間でも「引退すべし」という声が聞かれますし、横綱の地位に恋々としている書くメディアもあります。
怪我(両足首)もあって内容の悪い相撲を繰り返していますから、批判も当然でしょう。
しかし、私は鶴竜がそんな未練がましい力士だとはどうしても思えません。

これは私の想像ですが、鶴竜が髷を落とさないのは”日本国籍”を持っていないからなのではないでしょうか?
日本相撲協会の規定では、日本国籍がなければ、年寄(親方)にはなれません。
モンゴル国籍の鶴竜は、横綱という最高位にありながら、現役を引退すれば角界に残れないんです。
同じくモンゴル国籍の横綱・白鵬は、帰化せずに親方になれるよう協会に訴えているようですが、それに賛同する声はまったく聞かれません。
故・北の湖理事長は「日本国籍が必要」と明言していましたし、最近でも貴乃花親方が否定的な見解を述べていました。

ですが、私にはなぜ相撲協会が”日本国籍”という要件にこだわるのかわかりません。
もちろん、日本の他のスポーツにも似たような要件はあって、たとえばJリーグは外資の参入を禁止していますし、プロ野球は外国人・外国企業がオーナーになることを認めていません(ロッテの特例に違和感)。
外国からの影響が強くなると、リーグの発展や強化に支障を来すという考え方ですが、これはこれで理解できるものです。
相撲協会も理事は年寄のなかから選ばれるので、”日本国籍”という要件がなければ、外国人年寄に協会が支配されてしまう…と考えているのでしょうか?
しかし、外国人親方や理事が誕生しても実際にはそうはなりません。
相撲協会にはそれを阻む規定があるんです。
それは”帰化も含め、外国出身力士は1部屋1人まで。全体でも40人まで”というもの。
これがある限り、外国人は絶対に相撲協会(理事会)で多数派にはなれないんです。

なぜならば、親方になるためには、日本国籍以外にも、”最高位が小結以上””幕内在位通算20場所以上””十両以上での在位が通算30場所以上”の3つの決まりがあるからです。
これは簡単にいえば、”幕内でそこそこ活躍した力士”ということができるでしょう。
そしてその幕内でいえば、規制ルールのおかげで、外国人力士の割合は”3分の1”ほどなんです。
その割合で外国人が年寄になっても、理事会では日本人が安定して多数を占めるというわけです。
しかも外国人力士は必ずしも協会に残りたいひとばかりではありませんし、部屋を構えるための後援会作りでも外国人は不利ですしね。

このように現役力士のときから外国人を締め付けているわけですから、親方になる要件から日本国籍を外してあげてもいいのではないかと私は思います。
いまのままではあまりにも閉鎖的ですし、このままでは相撲を極めた白鵬や鶴竜が、数年後には角界を去ることになってしまうんです(日馬富士は帰化を検討しているとの報道あり)。
白鵬は歴史に残る大横綱ですし、鶴竜はその人格を高く評価されているだけに、角界の損失は計り知れません。
せめて、横綱や大関という地位にまで上がった外国人力士には年寄になる権利を与えてはどうでしょう。

相撲協会は「モンゴルへ帰れ!」というヘイトスピーチにも何も対応をしていませんし、客観的に見れば悪質な差別集団です。
私はそれが残念でなりません。
大相撲は国技であると同時に、世界の”ちからひと”たちの祭典でもあるはずです。
ウィンブルドンであり、THEOPENであり、メジャーリーグであり、プレミアリーグなんです。
そこに誇りを持ちましょう。
そして、世界の”ちからひとたち”が日本の国土安寧・五穀豊穣のために四股を踏んでくれる。
そこに感謝してこその日本人です。
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特別扱いの横綱はいらない

スポーツの大会や試合で、調子がよかったり、作戦がうまくはまったり、運があったり、はたまた相手が不調だったりすると、「風が吹いている」なんて表現をしますけど、この平成29年初場所の大関・稀勢の里がまさにそれでした。

本人は序盤からそんなにいい内容ではなかったものの土俵際の粘りと地力で白星を積み重ねていると、まずは互いにライバルと認め合う横綱・日馬富士が太腿の怪我で絶不調だった上に太腿の怪我で7日目から休場、先場所優勝の横綱・鶴竜は好調かに見えたものの4日目に平幕に敗れてリズムを崩して連敗するとメンタルまでもが崩壊して11目から休場、大関陣も慢性的な怪我を抱えた琴奨菊と照ノ富士は序盤から不安定。
そんなか横綱・白鵬はいいときの強さはないものの立ち合いの工夫で勝ち星を重ね、大関・豪栄道も場所前の負傷報道もなんのそのと上位争いに踏みとどまります。

そのように横綱・大関陣に元気がない初場所でしたけど、平幕たちの活躍で土俵は大いに盛り上がり(長野県では御嶽海一色)、優勝争いも12日目終了時点で稀勢の里が1敗、白鵬が2敗、前頭10枚目の貴の岩と13枚目の逸ノ城も2敗という大混戦。
稀勢の里の”初優勝”か、”平幕優勝”か、相撲ファンの期待も大きく高まると同時に、審判部や横綱審議委員会から場所後の稀勢の里の”横綱昇進”の話もちらほら出始めたわけです。

そうして運命の13日目、稀勢の里は難敵・豪栄道を迎えるはずでしたが、豪栄道は前日の土俵で足を負傷してしまってまさかの休場。稀勢の里は労せずして不戦勝。
今場所の横綱・大関陣で、稀勢の里とまともに戦えそうだったのはこの豪栄道と白鵬だけだっただけに、何ともつまらないことになりました(稀勢の里に土をつけたのが大関から陥落した琴奨菊というも面白いところ)。
そう思っていたら貴の岩と逸ノ城も黒星を喫し、優勝争いは1敗の稀勢の里と2敗の白鵬のマッチレースに。
せっかくの混戦もこれで終わってしまうと、14日目に白鵬が貴の岩に不覚を取って3敗に後退し、1敗の稀勢の里の優勝が確定。

稀勢の里は14勝1敗という見事な成績の優勝ながら、横綱・大関との対戦が3番しかなく、これを2勝1敗。
平幕勢に押し込まれる相撲も多く、盤石な内容は数えるほどしかありませんでした。
しかし、そんななかでもしっかり勝ち星を拾っていると、上位陣が次々と欠けてゆき、いつのまにか賜杯を抱いているのですから、まさに”風が吹いた”としかいいようがありません。ここまで何度も跳ね返されてきた”優勝の壁”をこんな形で乗り越えるとは本人も思ってもみなかったことでしょう。
普通は”この一番に勝ったら優勝の可能性がぐっと高くなる”という大一番があるものですけど、それがないままに優勝してしうまうのですから、本当に珍しい優勝でした(休場がなければ豪栄道戦がそれになったでしょう)。

しかし、これも”運命”かもしれません。
大きな何かが稀勢の里の優勝を認めたのです。
そういう風を、流れを、しっかり掴んだ稀勢の里の勝利です。
新入幕の平成16年九州場所から期待を背負って戦った約12年、ここまで本当に長い道のりでした。
心からの「おめでとう!」をいいたいですね。
今月号の『相撲』の表紙は稀勢の里と豪栄道でしたけど、ちょうど手元に新関脇・稀勢の里と返り小結・豪栄道が表紙の『相撲』があって、それを眺めていたら私も胸が熱くなりました。

…ただ、この”初優勝”によって、横審が下した”横綱昇進当確”という判断と、メディアが作る祝福ムードは、私にはとうてい理解できません。
横綱昇進の内規は「大関で2場所連続優勝かそれに準じる成績」のはずです。
先場所の稀勢の里は12勝3敗という成績上は2位ながら、鶴竜が14日目に優勝を決めているわけですから、普通のひとは優勝に準じているとは思いません。
この四半世紀、ひとりの例外もなく、内規に従っているのに、なぜ稀勢の里だけ特別扱いするのでしょう?
初めからミソがついた横綱なんて、かっこ悪くて見ていられません。
「偽物だ!」だという批判に反論する手段を持たない横綱に価値があるのでしょうか?

いまの稀勢の里は間違いなく幕内最強力士なのですから、来場所を綱取り場所して、そこで天下万民に認められた横綱になるべきです。
稀勢の里の人気の秘訣と存在意義は”ガチンコ”にあるのに、昇進の度に手心が加えられていれば、その魅力は半減してしまいます。
横綱返上を申し出た千代の山ではありませんが、できれば伝達式で、「来場所まで待ってください!」といって断って欲しいものす。
そうして2場所連続優勝すれば、真の日下開山だ!
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停滞期を打破する力士の登場を望む

平成28年(2016年)九州場所、大関・稀勢の里は千秋楽に勝って12勝3敗で場所を終え、星取りの上では”2位”だったものの、横綱・鶴竜が14日目に優勝を決めたため(14勝1敗)、誰がどう見ても「優勝に準ずる」とはいえない成績だったものの、その年の最強力士である”年間最多勝”を獲得したこともあってか、審判部からは「来場所ハイレベルな優勝争いをすれば」という”綱取り”を認める発言がありましたよね。
私はこれにはほとほと呆れました。
横綱審議委員会の内規には、「大関で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績を上げた力士」とありますけど、この20年間に生まれた8人の横綱は、鶴竜を除いて全てが2場所連続優勝での昇進、鶴竜だって決定戦までいっての準優勝(14勝1敗)の次の場所で見事優勝(14勝1敗)したわけですから、十分に内記に適っているわけです。
それをなぜ稀勢の里だけ内記を緩和するのか、私には理解できません。
優勝(13勝2敗)→勝ち星2位(13勝2敗)→優勝(13勝2敗)で涙を呑んだ小錦や、優勝(13勝2敗)→勝ち星2位(13勝2敗)でぬか喜びした魁皇にどう説明するのでしょう?

そんな思いでこの平成29年初場所を眺めていた私ですが、今場所の稀勢の里の泰然自若とした相撲を見ていて、「全勝ならば昇進させてもいいのではないか…」と思い始めていたんです。
ところが、中日に勝ち越したものの腰が高くなる悪い癖が出ると、今日9日目には今場所不調の琴奨菊にがぶられてのあっけない敗戦。
中日に白鵬が負けて単独トップに立ったことがかえって重圧になったのかもしれませんね。
これまで何度も見た光景ですけど…。

年間最多勝を獲ったことでもわかるように、現在幕内最強は間違いなく稀勢の里でしょう。
しかし、それは稀勢の里が強いのではなく、周りが衰えたから、といった方が正しいように思います。
横綱・白鵬と鶴竜は31歳、横綱・日馬富士と大関・琴奨菊は32歳。
年齢もそうですし、蓄積した疲労や負傷で、みんなもう全盛期はとうに過ぎました。
いま元気な稀勢の里や大関・豪栄道にしろ30歳ですし、大関以上で20代は25歳の大関・照ノ富士しかいません。
その照ノ富士も膝の怪我を抱え、伸びしろが感じられず、横綱・大関陣は看板ほどの強さはないといっていいでしょう。

昨年から高安や正代が注目され始め、今場所は御嶽海が活躍し、若手の台頭が叫ばれる大相撲ですが、若手が強くなったのではなく、上が衰えてきたわけです。
本当に強い若手が出てきたら、その力士はとっくに大関になっていますよ。
いまの20代半ばの力士のなかに、これからの大相撲を背負って立ちそうな顔がいないことをもっと心配すべきです。
過去の横綱たちの多くは20代半ばには大関になっていて、早いひとならもう綱を締めていたんです。それを忘れてはなりません。

周りが衰えても綱が取れない稀勢の里、上を食えない若手たち。
いまの大相撲は完全に停滞期に入ってしまっています。
昨年は5人の優勝力士が出るなど混戦状況が続いていて、予想もつかない優勝争いは面白いかもしれませんが、それは競技的な面白さとはまた別のところにある話です。
あと数年で横綱・大関陣がごっそりと引退することは確実で、平成4年~5年にあった”横綱不在”は、もうすぐそこに迫ってきています。
あの頃は若手に曙や貴乃花、若乃花や魁皇といった〈花の六三組〉が控えていたので問題はありませんでしたけど、ははたしていまはどうなのでしょう?
「日本人の綱取り」ばかりいっているうちに、なんだか取り返しのつかない事態になってきているような気がしてなりません。
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