fc2ブログ

令和5年初場所、溜息と失望の貴景勝

この令和5年秋場所は史上稀に見る大混戦で、千秋楽を迎えた段階では幕尻の熱海富士が3敗で単独トップだったものの、4力士に優勝の可能性があるというハラハラワクワクの展開でした。
そして本割の結果、熱海富士が朝の山に敗れて3敗に後退し、3敗勢のなかで貴景勝が唯一生き残ったため、両力士による決定戦と決まり、新進気鋭の21歳の記録的な初優勝か、それとも3度の優勝を誇る大関が高い壁となってそれを退けるのか、相撲ファンでなくとも大注目の大一番と相成ったわけです。

私は本割で大栄翔相手に素晴らしい突き押しを見せていた貴景勝がやや有利と踏んでいたものの、熱海富士は横へ横へと回り込んでからの突き落としや廻しを取るという作戦を成功させることができるだけの相撲IQと足運びの持ち主なので、考えれば考えるほど予想が困難になってきました。
また貴景勝はスタミナ面での不安がありましたし、それはいえば熱海富士には経験の少なさという不安要素があるか。
いずれにせよ予想がなかなかに難しく、集中力を高めて自分の相撲を取り切った方が勝つ、という楽しみな大一番です。

ところが、みなさんご存知のように勝負はあっけなく終わります。
立ち合いを焦らしに焦らした貴景勝が手つきも不十分なまま大きく左に変化すると、ターゲットを失った熱海富士は前につんのめる形となり、それを貴景勝が両手で引き落としての勝負あった。
テレビで観ていても両国国技館がおかしな空気になっているのがわかりましたし、実況や解説の舞の海さんも言葉を失う貴景勝の騙し討ちでした。
土俵から下りる熱海富士の目に悔し涙が溜まっていたのも切なかったです。
(本割の朝の山対熱海富士では、熱海富士のダラダラ長い立ち合いルーティーンを意に介さなかった朝の山が素晴らしい立ち合いから一気に勝負を付けたのは堂々たる相撲でした。私生活は問題のある朝の山ですが土俵では貴景勝よりずっと大関のようです。)

私は基本的には”変化を否定しない”という立場ですが、それは格下が格上相手に窮余の一策でやるものであったり、または同格や格下相手でもその動きに隙(頭が低すぎるなど)があった際に咄嗟に出た場合のものです。
格上が、それも大関が幕尻相手に最初から注文相撲でハメてやろうと画策し、立ち合いから小賢しく駆け引きをするなど、とても許容できるものではありません。
大相撲は単なる格闘技ではなく、悠久の歴史のなかで培ってきた美学を持つエンターテイメントなのですから、やってはいけないことがあるはずです。

私は今年の初場所で貴景勝が優勝した際、前の場所で巴戦で敗れ優勝に準じる成績だったのだから横綱に推挙されるべきと当ブログで書きましたし、淡々と勝負に徹する貴景勝の相撲道をリスペクトしてきましたが、この決定戦には本当に失望しました。
貴景勝は勝利至上主義を自認しているとはいえ、それは”どんな手を使ってでも勝つ”ということではないはずですし、もしそういう段階までポリシーが進化しているというのなら、もっと勝率が高くなければ格好がつきません。
白鵬くらい突き抜ければ逆にリスペクトされるのです。

そうして貴景勝が優勝したことで、額面上は”来場所綱取り”ということになるかもしれませんが、私はこれに大反対です。全勝優勝したって認めることができません。今場所の優勝は11勝という低レベルなこともありますし、綱取り要件という意味ではノーカウントにするべきです。
むしろ、この決定戦での貴景勝はいい内容で負けた方が綱取りに向けて応援するひとも増えたのではないでしょうか。
ネットなどを見ていても、今回の貴景勝の変化は大きな失望と非難を浴びていましたし、それが相撲ファンや国民の偽らざる心情でしょう。
それが貴景勝に届き、彼の考え方が少しでも変わることを期待します。いまのままでは大相撲の看板にはなれません。

と、多くのひとが感じていたと思うんですけど、千秋楽から一夜明けた横綱審議委員会の定例記者会見で、山内昌之委員長から驚くべき発言がありました。
「11勝は物足りない星数ではあったものの、大関としての自覚と責任を全うした。怪我を乗り越えての優勝は多くのひとに感動を与えた。来場所は綱取りの期待がかかる」
好角家と有識者で成るとされる横審は、定款では横綱のあり方について相撲協会に助言することになっているわけですから、本来なら決定戦の大関・貴景勝に相撲に苦言のひとつでも与えるべき立場のはずです。
それなのに「感動させた」とか「来場所の綱取りの可能性」とかいって、あの注文相撲を肯定しているのですから、その存在意義を失っているといっても過言ではありません。

そのような横審によって答申された横綱に”品格”とやらが備わるのでしょうか?私には甚だ疑問です。
貴景勝はいまの横審にはピッタリなのかもしれませんが。
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト



逸ノ城の引退は色々考えさせられます。

明日から始まる令和5年夏場所の注目は「霧馬山の大関取り」ということになっていますが、霧馬山がモンゴル出身なので”ご当地の盛り上がり”というのもなく、本人も地味な力士なためか、コアな相撲ファン以外には興味を持たれていない感じがします。
3場所連続全休(その前の場所は途中休場)の横綱・照ノ富士が久々に出場するのは嬉しいニュースではあるものの、稽古総見の内容は完全ではない様子だったそうですから、途中休場の心配は残りますし、この夏場所も興行としては難しいものになりそうです。

さらに一昨日には幕内優勝経験もある大物力士の突然の引退会見がありました。
前頭13枚目の逸ノ城が「腰痛」を理由に土俵を去るというのです。
この腰痛は彼の持病ですからいつかはそれで引退することになると私も思っていましたけど、それは30歳のいまじゃないはずですし、今場所全休したって来場所も関取のままですから、腰が悪いといったって取りあえずは様子見をするというのが自然な選択です。
しかも彼は先場所も腰痛を抱えながら14勝1敗で十両優勝していて、まだまだ実力は十分あるわけですから、あっさり引退を決めるなんて普通は考えられません。
さらにいえば一昨年日本国籍を取得した逸ノ城は、あとは親方株さえ手に入れれば角界に残ることができるという状態なのです。

はっきりいって相撲マスコミも相撲ファンも腰痛なんて理由を誰も信じてはいません
最近の逸ノ城といえば、相撲協会のcovid-19防止策に違反して飲み歩いていたことが発覚して初場所の休場処分を下され、さらに酒絡みの話として週刊誌が5年ほど前に酔っぱらった逸ノ城が部屋の女将に暴力を振るったと書き立て、それがきっかけで湊親方との関係も修復不可能なまでに悪化したといわれていました。
湊親方からすれば夫人への暴力は許し難かったでしょうし、逸ノ城からすれば内々で起きたトラブルが報道されたのですから身内のリークを疑ったでしょうし、子弟関係は崩壊していたはずです。
これはかつての横綱・北尾の廃業劇と似たようなシチュエーションなだけに、逸ノ城がそれに続いたのも必然だったのかもしれません。

そんな逸ノ城の引退で私が感じたのは力士の飲酒に関する問題と、相撲部屋という制度の限界です。
力士が泥酔して暴力を振るうというのは朝青龍と日馬富士の引退理由がそれでしたし、力士は大酒呑みが多いのですから、普通に感がればそれは氷山の一角であり、過去の力士も表沙汰にならないだけでトラブルは多々あったかと思われます。
また、お酒の呑み過ぎはアルコール依存症や内臓疾患に繋がりますし、相撲協会としても飲酒セミナーを開くなど、なにか対策をすべきです。

そして相撲部屋ですが、力士はどこかの部屋に所属しなければ土俵に上がることができないのに、基本的には”移籍ができない”ことになっているのですから(親方の死去や廃業や独立では可能)、親方との関係がこじれた場合、廃業・引退しか道がないのです。
これは転職が当たり前の一般社会や他のプロスポーツと比較してもかなり異質であり、力士の権利は間違いなく制限されています。
過去には賭博や暴力で角界を追われた親方もいるのですから、そうしたとんでもない親方に出会ってしまった力士は不幸すぎます。

もちろん、今回の逸ノ城と湊親方のように親方側にはなんの問題もなくても人間関係がややこしくなってしまう場合もあるわけで、それで力士が辞めてしまったり、部屋全体の雰囲気が悪くなって他の力士に悪影響が出るのもいいことではありません。
このところの角界では親方の問題を起こすことも多く、令和3年に〈大相撲の継承発展を考える有識者会議〉からの提言書にも部屋制度に関する疑義が書かれていましたし、協会としてもなんらかのアクションを起こすべきではないでしょうか。

新弟子が減少傾向なのも相撲部屋という制度の特殊性がひとつの理由でしょうし、このままでは大相撲は立ち行かなくなりますぜ。
人気ブログランキングへ

貴景勝は準じていると思います。

今日2023年1月24日の日本列島は、”10年に一度の寒波”とやらに見舞われ、その大部分が凍えるような低温となり、広い範囲での降雪も確認されたようです。私の住む長野市も昼過ぎくらいに猛吹雪になりました。
この寒波は明日以降も続くそうなので、全国的に警戒して行きたいですよね。

そんな寒さにこごえながらふと思ったんですけど、この寒波がもう少し早くやってきていたら、一昨日の大関・貴景勝の優勝パレードも中止だったかもしれませんね。天気予報では東京も今日の夜から雪となっています。
ちなみに優勝パレードは武漢肺炎COVID19のせいで長らく自粛していたものの、この初場所から再開となりました。
それが雪で中止になっていたら、せっかくの歓喜に水を差されるところでしたから、その意味でいうと貴景勝は運を持っていましたね。

そしてその運があれば、この優勝で”横綱昇進”もなるかと思っていたら、相撲協会も横綱審議委員会もそんな素ぶりは微塵も見せず、マスコミもそれに同調、貴景勝本人もそれを察してかまったく期待していない様子だったので、私などは少々拍子抜けしてしまいました。議論すら起きないんですね。
ネットやSNSなどにいる好角家たちも「横綱はまだ早い」という論調が大半をしめていましたし、私は少数派のようです。

ただ、「大関の地位で2場所優勝優勝、またはそれに準ずる成績」という横審の内規に照らせば、先場所の貴景勝は12勝3敗で決定戦に進み、敗れたものの”優勝同点”、今場所は12勝3敗での優勝ですから、横綱に昇進するためのハードルはしっかりクリアしているはずです。
この2場所は横綱・照ノ富士が休場しており、大関も先場所で正代が陥落してしまったので貴景勝しかいないという状況で、もう少し勝ち星が欲しいという意見もあるでしょうけど、内規には勝ち星の数など書かれていないのですから、”結果”をこそ重視すべきというのが私の考えです。

ちなみにこのところの横綱昇進でいうと、照ノ富士は関脇で12勝3敗で優勝、大関で12勝3敗で連続優勝、綱取りがかかった場所では全勝対決の千秋楽で白鵬に敗れたものの14勝1敗の”次点”。これで綱取りでした。
稀勢の里はまず12勝3敗の次点ながら優勝の鶴竜は14勝だったのでまったく優勝に準ずるものではなかったはずなのに、次の場所で14勝1敗で優勝すると協会は迷うことなく横審に推薦し、横審でも誰も反対することなくすんなり横綱昇進が決まります。マスメディアでも反対論はありませんでした。

照ノ富士のケースはまずまず準じている感じはありますが、稀勢の里のケースでは準じているとは到底いえません。
日本で義務教育を受けたひとならばそう感じることでしょう。
「準じる」というのは簡単にいうと「同様に扱う」という意味です。
しかし、協会や横審のひとたちはときおりご都合主義的に日本語を忘れて、自分たちが昇進させたいひとを昇進させるというわけです。
稀勢の里のときなどは、場所前の理事会は綱取りなんて一切いっていなかったのに、稀勢の里の優勝が見せてくると急に綱取り場所にするのですから酷いものです。

私はここが大相撲のよろしくないところのひとつだと思います。
日本相撲協会は文部科学省スポーツ・青少年局競技スポーツ課の所管なのですから、当然大相撲はスポーツ競技であり、そうならば”ルールに従う”べきです。
ルールを自分勝手に解釈していてはスポーツ競技たりえません。

ランキングの際は、競技内容がどんなに悪くても、勝敗を優先して考えることが競技的思考であり、内容だの品格だのといったことを優先するのは興行的思考です。
私は興行的思考を必ずしも否定はしませんが、その最たる慣習であった”八百長”について、いまの相撲協会はそれを排除し、競技力を高める方針を取っているのですから、昇進についても同じ考え方で決めなければ二重基準というやつになってしまいます。
それは力士やファンを混乱させ、大相撲の衰退を招くものです。

また、相撲ファンの間でも貴景勝はあまり人気がなく、横綱に推す声が弱いのも悲しいことです。
彼の成績があまり安定していないことや、押し相撲しかできないこと(組んだら序二段を揶揄されることも)、はたまた負け方が無様になりがちといったことが理由なのでしょうけど、それは横綱に高い理想像を求め過ぎているせいです。
常に優勝争いをして、相撲内容も常に後の先で組んで勝つ、みたいな横綱は双葉山と若い頃の白鵬、全盛期(昇進して3年くらい)の貴乃花くらいしかいません。
たとえば、あまり強いイメージがない日馬富士や鶴竜も、優勝回数や勝率、在位場所数で見れば平均以上の横綱なのですから、理想像をその程度に設定し、そこを目指して欲しいと思えば、貴景勝だって受け入れられるはずです。

貴景勝が来場所で「優勝、またはそれに準ずる成績」を挙げるとも限りませんし、今回のチャンスをみなでこぞってスルーしたことが、あとあと悔いを残すことになるんじゃないかと私は危惧しています。
照ノ富士の復活も不透明ですし、横綱が不在になってしまうかもしれないんです。
興行面でいっても、それは大きなマイナスです。
協会や横審は雪のせいにしてもう一度考え直してはいかがでしょう。
人気ブログランキングへ

御嶽海の大関陥落、稽古不足とだけいうのは不公平

全国的には台風がメインだった今週(2022年9月第4週)の報道も、私の住む長野県では「御嶽海、大関陥落」が一番ショッキングな話題でした。
この令和4年秋場所をカド番で迎えた御嶽海は5日目まで3勝2敗だったものの、そこからまさかの5連敗(結局6連敗)であっさり負け越し。
応援する側からしたら心配する暇がないほどのスピードだったといっていいでしょう。
大関在位もわずか4場所ですから、こちらも早すぎます。
信州出身大関は雷電から227年も待たされたのに…。

御嶽海は今年の初場所で優勝していますから実力的には問題がないはずですし、29歳と老け込む年齢でもなく、おそらくなにか怪我を抱えているのでしょう。
先場所は武漢ウイルス関連で途中休場しているので(カド番だったものの特例で陥落は回避)準備期間は他の力士よりも長く、その間にどうにか状態を整えてくれればよかったんですけど本当に残念です。
来場所10勝すれば大関復帰とはいえ、今場所の取り組みを見ているとそれも簡単ではないでしょうね。

そのように私は同情的なのですが、スポーツ誌で連載を持っている尾車親方(琴風)などは「因果応報」「稽古不足」と御嶽海を一刀両断していました。
御嶽海の”稽古嫌い”はかねてより有名なので、角界関係者ならば余計にじれったい思いがあるのかもしれません。
尾車親方は御嶽海が負け越した5月場所のときも「苦しいとき(怪我があるとき)にどういう相撲を取るか、それが大関と関脇の違い」と苦言を呈し、相撲で大切なのは「3年先の稽古」であり、御嶽海はこの3年間の稽古が足りていないと暗にクサしていたのも記憶に新しいところです。

しかし私はこの尾車親方の言には賛同できません。
そもそも稽古嫌いの力士が3度も賜杯を抱き、大関まで上がれるわけがないんです。
御嶽海の稽古不足はあくまで土俵の上のそれであり、本人は四股やすり足やテッポウといった基本的な稽古、そして自重や器具を使った筋力トレーニングは誰よりもしっかりやっていると語っています。

御嶽海は骨格の大きな力士ではなく、大学時代はアマチュア横綱に輝いたものの、自分にプロは無理だと諦め、卒業後は和歌山県庁に就職が内定していました。
そんなとき、2学年上で似たようなサイズの遠藤が幕内で活躍しているのを見て、大学時代に対戦したこともあったことから、自分もやれるはず、と思い直して角界入りしたと本人も語っています。
また、「1場所15日、年6場所を考えたら身体の負担が少ない押し相撲がいい」といっていまのスタイルを完成させたことからも、彼が自分を客観視し、知恵を絞りながら大相撲の世界で生きてきたことがわかります。
申し合いや三番稽古といった実践形式の稽古を嫌がるのも、そこで怪我をしたくないという考えからでしょうし、本場所で粘りのない相撲が多いのもそのせいかもしれません。

大相撲は2011年に発覚した八百長問題以降、”ガチンコ路線”を強めたといっていいでしょう。
監察の強化、内部告発の窓口設置、親方・力士への指導の徹底などの防止策を制定し、外部委員からなる大相撲新生委員会も設置しました。
そのせいか、私の目から見ても土俵は激しさを増したと思いますし、力士同士の忖度が覗える相撲も本当に少なくなりました。
格闘技興行としてのクオリティーは確実に高まったといっていいでしょう。

ただ、その反動として”力士の怪我が増えた”というのは多くのひとが指摘するところですし、事実だとも思うんです。
わかりやすいのがこの5年間に生まれた6人の大関です。
御嶽海を合わせると、内5人もが陥落を経験していて(貴景勝だけが復帰して現在大関)、武漢ウイルスガイドライン違反の朝の山以外はすべて怪我が原因と見られています。
しかも大関在位は髙安が15場所、栃ノ心は7場所、貴景勝が19場所(今場所まで)、朝の山が7場所、御嶽海は4場所なのですから、みんな本当に短い。
それに比べると、00年代の大関たち、千代大海と魁皇の在位65場所は夢のようですし、琴欧州の47場所もかなり長く、栃東の30場所が当時は短いといわれたのですからなんという贅沢でしょう。

怪我で満身創痍の横綱・照ノ富士もそうなんですけど、いまのガチンコ時代の大相撲は健康体で上位を長くキープするのが本当に難しくなっています。
これは”年6場所の限界”を意味しているはずです。
他の格闘技やフルコンタクトスポーツ(ラグビーやアメフトなど)と比べても大相撲はスケジュールがハードすぎるんです。
年4場所に縮めなくては、力士たちの現役期間が縮んでしまいます。

興行としても、上位陣の成績が安定せず、引退も早いとなれば、人気面への影響も否定できませんし、実際、最近の大相撲は客入りも視聴率も下落傾向が続いています。
ガチンコ時代の力士に必要なのは身体をいじめるような稽古ではなく、休息とコンディショニングです。
相撲協会は本場所と巡業のスケジュールを見直し、ブラックな環境を脱却すべきです。

御嶽海だけではなく、最近の力士は稽古をしないとよくいわれますが、そういう批判をするひとたちは”八百長時代”の感覚なのではないでしょうか?
土俵に真剣勝負を求めるのならば、まずは力士たちの身体を気遣うべきです。
その先にこそ真の土俵の充実があると私は思うんです。

それでも情けない相撲ばかり取っている力士がいたら、そのときこそ大声で「稽古不足だ!」と非難すればよいのです。
人気ブログランキングへ

相撲部屋は感染症に弱すぎる

今日7月24日に千秋楽を迎えた令和4年名古屋場所は、12勝3敗で平幕の逸ノ城が初優勝。
1横綱2大関を破っての結果ですから文句なしです。
ただ、最後まで競っていたのが同じモンゴル出身で、来日したのも同じ飛行機、入学したのも同じ高校という横綱・照ノ富士でしたから、親友同士の決定戦を期待していたひとも多かったことでしょう。結びで照ノ富士が貴景勝にしてやられてしまったことだけは残念でした(貴景勝の圧力が素晴らしかった)。
しかしまあそれは逸ノ城が三役に上がってからの楽しみということにしましょう。出世への意欲が見られない怪物・逸ノ城が、今場所を機に少しでも心変わりすることに期待したいものです。
初優勝、おめでとう!

そのように親友同士の優勝争いが興味深かった今場所ですが、寂しいことに実際に話題の中心だったのは武漢肺炎、COVID19でした。
場所前に髙安が所属する田子ノ浦部屋に感染者が出てしまって部屋全体の休場が決まると、7日目には御嶽海のいる出羽海部屋が同じような状況になり、そこからはドミノ倒しのように感染が広がってしまい、千秋楽の時点で関取の休場はなんと計23人(武漢肺炎由来は21人)にもなってしまいました。
これはもちろん戦後最多です。
関取70人のうち23人が欠けてしまったのですから、相撲興行としては”不成立”といっていい状況だったかもしれません。

現在日本では感染が過去最大規模で拡大していて、プロ野球なんかでもチームクラスターが発生して試合が中止になっているので、大相撲だけを責めたくはないのですが、盛り上がるはずの後半戦に”不戦勝”の垂れ幕をいくつも見せられれば桟敷席から「金返せ!」の声が飛ぶというものです。
私も優勝争いに絡んでいた琴ノ若が11日目から休場したときはほんとにがっかりしました。
御嶽海もそうなんですけど、本人じゃなくて同部屋の他の人間の感染からの濃厚接触が理由というのがまたなんともいえません。

要するにこれは”相撲部屋”という仕組みの問題なんです。
力士だけではなく、親方も行事も呼び出しも床山も、何十人もが同じところに集まって居住・稽古・食事を一緒にしていればクラスターになる確率も高まるに決まっています。というか相撲部屋内での感染拡大を防ぐのは不可能といっていいでしょう。

相撲協会は専門家からのアドバイスを基に各部屋に感染防止の指導をしているといいますが、その具体的な内容は公表されておらず、それがきちんとしているのか、各部屋がそれを蔑ろにしているのかはわかりません。
わかっているのは部屋からひとりでも感染者が出ればその部屋が活動停止になるということです。
これはつまり部屋全体がひとつのバブルになっているだけで、部屋のなかで複数のバブルが形成されていないということです。
部屋をいくつかのバブルに分けていれば、1つのバブルに問題があっても、その他のバブルに属する力士は出場が可能なはずなんです。
それができていないのは、つまり、住居スペースを分け、食事時間をずらし、稽古のグループも複数作るといった工夫がされていないということです。

とにもかくにも新しい対策を構築すべきです。それも早急に。でなければ来場所以降も今場所と同じような事態に陥ってしまいます。
たまたま今場所は逸ノ城と照ノ富士の部屋に感染者が出ませんでしたけど、それはほんの紙一重の差であって、この2人が14日目から休場していたら、貴景勝と正代の優勝決定戦だったんですよ?
とんでもない事態です。
協会挨拶をした八角理事長が表彰式にはいなくなっているというおかしなことも起こりましたし、大相撲は相撲部屋の運営方法を抜本的に見直すべきです。

「相撲部屋は家族」なんていいますけど、いまは一般でも家庭内隔離が当たり前ですぜ。
人気ブログランキングへ
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード