ロシアW杯開幕、アジア勢に学ぶ

6月14日、ついに開幕した2018W杯ロシア大会ですが、その開幕戦では開催国ロシアがサウジアラビアを5-0と粉砕。
ロシア代表はテストマッチで結果を出せず、FIFAランクも70位と出場国中最低だっただけに、ロシア国内ではW杯への盛り上がりがいまひとつだったものの、この勝利で雰囲気は一変したそうです。
大会全体にとっては価値ある一勝だったかもしれませんね。
(※開催国は予選に出場しないのでポイントを稼ぎにくく、ランキングが上がりにくい傾向にあります。)

ただ、サウジアラビア代表にとって、この「恥ずかしい負け」(ピッツィ監督)は、王子がわざわざロシアに観戦に出向いていたこともあって、大きな事件となり、国のスポーツ課が3選手に「罰を与える」という異例の事態となっているようです。
どんな罰なのかはわかりませんが、あと2試合残っているというのに、そんなことをしていては選手のモチベーションもガタ落ちしてしまいますよね。
サウジアラビア代表が国際大会でなかなか活躍できないのは、国のこういう異常な対応のせいなのかもしれません。

そしてまた、このサウジの大敗に衝撃を受けたのが日本代表です。
最終予選で鎬を削ったサウジ(1勝1敗)がいいところなく撃沈したのを見て、昌子源は「サウジらしくないミスが目立った。W杯という舞台がそうさせたのだろう」と分析し、武藤嘉紀は「サウジは開幕戦の雰囲気に呑まれてしまっていた。自分たちはそうなってはならない」と気を引き締めていました。
日本のサポーターやファンからしてもサウジの大敗は他人ごとではありません。
”アジアのレベル”が不安になりますし、”明日は我が身”と思えば背筋が寒くなってきます。
なにしろ日本の初戦の相手は強豪コロンビアなのですからね…。

今回のサウジの浮足立った感じは4年前のコートジボワール戦での日本代表を思い起こさせます。
ドログバが登場したときにチームの何人かが怯えたようになってゲームが終わってしまったあの試合です。
あれを繰り返してはなりません。
武藤は「誰かが勢いのあるプレーや勇気あるプレーを出すことによってチームが活性化する。全員がポジティブに頭を働かせなくてはいけない」と語っていましたけど、その通りでしょう。
気迫と勇気が大切です。

その意味でいえば翌15日のイラン代表はお見事でした。
出場国でも攻撃力はトップクラスといわれるモロッコ相手に、序盤はサンドバッグ状態で猛烈に押し込まれたものの、気迫と集中力で凌ぎ切り、その後は徐々にペースを掴んで互角の展開に持ち込むと、後半アディショナルタイムにセットプレイから相手オウンゴールを誘発しての勝利!
イランはアメリカからの経済制裁があって代表チームも色々難儀をしていますけど、そのなかで勝ち取ったW杯での1勝は国民全体の喜びとなったことでしょう。
試合内容も本当に素晴らしく、相手のモロッコもそうでしたけど、サッカーのレベルが高いだけではなく、勝利に向かって臆することなく突き進んでいった姿は、国や民族を超えて、世界中のあらゆるひとたちにスポーツの興奮と歓喜を届けたに違いありません。
この試合を観たひとはイランとモロッコに敬意を持ったはずです。
W杯という大舞台で、そんな戦いができた両国が本当に羨ましい。

また、今日16日はオーストラリアが優勝候補のフランス相手に1-2で敗れたものの善戦し、最後まで諦めない姿勢を見せていました。
4-4-2で蓋をするオージーの守備はやっぱり堅固ですね。
イランもそうでしたけど、球際で激しく競り合い、集中して守り、セットプレイで仕留める(オージーの1点もセットプレイからのPK奪取)というのが格上を相手にした試合の常道です。
日本も”戦える選手”、フィジカル的にも精神的にも強い選手をピッチに送り出さねばなりません。

アジアのライバルたちが教訓と勇気を与えてくれたのですから、日本も世界を驚かせようではありませんか。
ウダーチ、ヤポーニヤ!
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西野ジャパン初勝利!美酒に酔いすぎないように!

西野ジャパンの3戦目となる6月12日(2018年)の親善試合パラグアイ戦、日本代表は終始ゲームを支配し、4-2での快勝!
西野ジャパンとして初勝利というだけではなく、海外組を含めたフル代表としては去年10月以来なのですから、本当にスカッとしました!
選手たちの笑顔も最高でしたし、勝利の味というのはこういうものだったのですねえ。
映画『幸せの黄色いハンカチ』の冒頭、長い服役を終えた高倉健が町の寂れた食堂に入り、久々のビールをむさぼるように飲み干すシーンを思い出しました。
これまではハリル監督解任もあって、チームも微妙な雰囲気でしたけど、翌日の選手たちの表情は凄く明るかったですし、6月19日の本番GLコロンビア戦に向けて、この勝利は本当に大きなものがありました。

この日のスタメンはサブ組が中心で、前のスイス戦から10人を入れ替え、西野朗監督は「マックスでテストをする」と語っていたため、スタメンを狙うサブ組のモチベーションも素晴らしく高いものがあり、特に乾貴士と香川真司のコンビはそれぞれが2G、1G1Aと結果を出していましたし、初めて右OMFで起用された武藤嘉紀も攻守に渡って存在感を見せていました。
ボランチでも山口蛍は安定感を取り戻し、柴崎岳はクールなプレイぶりと鋭いパス、正確なプレースキックで”なくてはならない戦力”であることを誇示していたといっていでしょう。
また、右SBでは失格の烙印を押されかけていた酒井高徳は左ではそつなくこなし、昌子源と植田直通のCBコンビもバックアップとして我々に安心感を与えてくれました。

このように、この試合に出たほとんどの選手が評価を上げ、ファン・サポーターや評論家からはこぞって「彼らを本番でも起用すべき」という声が挙がっています。
久々の勝利の美酒に酔い、そういう気分にもなるってものです。
暗闇が一気に晴れたわけですからね。
パラグアイ戦は全体がコンパクトにラインを形成し、守備では前線から連動してプレスをかけ、攻撃ではサイドから小気味よく崩しただけではなく、アタッキングサードでも選手同士がそれぞれの役割をこなしながら(1トップの岡崎慎司もスペースを作っていました)、効果的な仕掛けをしていたのですから、私も観ていて本当に楽しかったです。主体的に支配するサッカーはやっぱり気持ちのいいものです。

…ただ、今回のパラグアイは南米予選を敗退し、新たにチームを作っている段階にあって、選手も若手が中心らしく、監督もまだ正式なひとではなく暫定とのことでした。
試合が始まってみても、組織力は感じられませんし、守備の激しさもなく、個で打開できる選手もいなかったので、すぐに”日本が勝つ”と思ったひとは多かったはずです。
厳しいいい方をすれば、サブ組が良かった、というより、相手が思いのほか弱かったということでしょう。
ベンチに座っていた主力組がスタメンでも似たような結果だったと思います。
この日は輝いていた乾と香川も、9日のスイス戦では途中出場するも、なにもできなかったわけですからね。

このパラグアイ戦の勝利は、重苦しかったチームの雰囲気をがらっと変え、コンディションが心配されていた選手の復調が確認できたという大きなメリットがあったものの、”コロンビア対策”という意味ではほとんど材料がありません。
悲しいかな、コロンビア相手にはこの日のような主体的なサッカーはできないのです。

私は正直いって、西野監督がサブ組で試合に臨んだ意味がよくわかりません。
常識的にいうと、本番直前の強化試合というのはスタメン組を起用して連携を高めるものです。
過去の日本代表もそうしてきましたし、他の代表国もそうしています。
それなのに西野監督はこの試合を”スタメン選考”に使ってしまったわけです。
そして、その選考をした選手たちを試す場はもはやどこにもなく、ぶっつけで”本番”がやってくるのです。
コロンビアのスカウティングも混乱しまくりでしょうけど、西野さんは勝負師すぎますぜ。

そしてまたちょっと心配なのは、チームのなかの序列がどうなっているかわからないことで、全選手にスタメンのチャンスがあると同時に、全選手にスタメン落ちの不安があるということです。
たとえば、パラグアイ戦でベンチだった主力組は”俺たちでもあれくらいやれた”と思っているでしょうから、この結果でスタメン落ちになることには簡単には納得しないでしょう。
逆にサブ組は結果を出したのだから”俺たちを使え!使われるべきだ!”と思っているに違いありませんから、ベンチに座らされれば不満も出るでしょう。
果たして、そういう選手たちの気持ちを西野監督が上手くコントロールできるのかどうか、舵取りを誤ればチームが崩壊しかねません。

システムの方でも、本番のGL3試合ではブロックを作ってゾーンで守る時間帯が多くなると思いますけど、それを想定した試合はスイス戦しかやっていません。
2010年の岡田ジャパンがぶっつけ本番の守備的布陣で結果を出したからといって、二匹目のドジョウはいるのでしょうか?
ここからが西野監督の手腕の見せ所です。
リアリズムに徹してください。
本当の美酒を期待しています!
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ロシアW杯直前強化試合スイス戦を終えて

W杯前の合宿中に行われる強化試合では本番での希望や可能性を出来る限り多く見たいものですが、この6月9日(2018年)のスイス戦ではそれがどれくらいあったでしょう?
辛口なひとは「ゼロ」というかもしれませんが、ポジティブなひとは「わずかながらあった」と評価するかもしれません。
私はどちらかといえば後者です。
ザックジャパンのときもやっていた4-2-3-1にある程度の目途が立ち、怪我からの回復具合が気になる乾貴士と酒井宏樹が実戦で使えることがわかったのは間違いなく収穫です。
しかし、悲しいかな、それは上積みではありません。
戦力を再確認しただけのことなんですよね…。

そして結果は0-2での敗戦。
失点の仕方も、最初のは右サイドを破られ、ゴールに迫ってくる相手をファウルで止めてのPKで先制されるというよく見るパターン。
2失点目は日本が前掛かりになっていた後半、自分たちのCKから相手にボールが渡った際のディフェンスが甘く、簡単にカウンターに入られての追加点。
起点となったところから誰も厳しくチェックにいけないままあれよあれよとゴールを奪われる脆さには唖然とさせられますが、これもまた悪い意味での日本らしさでしょうか。
また攻撃の方でも決定機も少ないまま、後半途中からスイスが”試合を流した”にもかかわらず攻めきれなかったのは、無力感のみを残すばかりでした。

ハリルホジッチ前監督をW杯直前に解任するという奇手を打った日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「勝つ可能性を1%でも上げるため」と説明していました。
しかし西野朗新監督が就任し、ガーナ戦の0-2に続いての2連敗。
得点の匂いもせず、守備も緩いだけに、その言葉は本当に空虚です。
西野ジャパンへ向けられた世論の声とメディアの論調はとても厳しいものがありますが、それは田嶋会長に向けられるべきです。

ただし、一部の世論やメディアのなかにある「ハリルの方がずっと良かった」「ハリルならば違った」という心理学でいう記憶の美化にすぎません。
いまの代表の”停滞感”というのはハリル時代から継続しているものです。
最終予選後、海外組を加えたフル代表のハリルジャパンの親善試合でいうと、その戦績は1勝2分3敗でしたが、勝てた相手はランク120位のニュージーランドのみで、85位のハイチと67位のマリにも引き分けだったのですから、かなりの酷いものです。
(※ランクはハリルが解任された当時。日本は55位。)
”このままでW杯本番は本当に大丈夫なのか?”そういう不安が日本全体を覆っていたといっていいでしょう。
そんなハリルが仮に続投していても、ガーナ戦とスイス戦は2連敗していた可能性が高かったはずです。
逃がした魚は大きく、別れた恋人は素敵に見えるものです。

西野ジャパンとそれを応援する我々がするべきは、敗戦のなかからわずかでも希望や可能性を見出すことです。
選手選考も終わったいま、出来ることは少なく、システムと選手起用でどうにかするしかありません。

2010年南アフリカ大会でも、岡田ジャパンはいまの代表と同じような停滞感に包まれたまま直前合宿に入り、強化試合も2連敗でした。
しかしそこからチームをがらりと変える賭けに出て、見事本番で結果を出したのです。
そこでは本田圭佑の1トップと阿部勇樹のアンカーがいまだに勝因として語られるところですが、忘れてはならないのが大久保嘉人と松井大輔の両ウィングです。
この2人が激しく上下動し、攻守に渡って奮闘したからこそ、チームは活性化したのです。
両ウィングを同時起用したのは本番が初めてでした。

今回の代表に置き換えると、そこには宇佐美貴史と原口元気がいます。
このスイス戦では宇佐美が左、原口が右に陣取っていました。
私は本番ではこの2人がキーになると思っています。
いまの停滞感を打ち破るとしたらこの2人しかいません。
この2人は同じクラブでプレイしていますが、ポジションの左右はこれと逆なので、代表でもクラブと同じにすべきです。原口が右だとその良さが半分しか出せません。

いまの代表はベテラン選手が多く、戦力の底が見えている状態であり、伸びしろも可能性も感じられません。
そんななか、まだ底が見えていないのが原口の狂気と宇佐美の天才性なんです。
大久保と松井も狂気と天才のコンビでした。
私ならそこに賭けます。いや賭けるしかないんです。

そういえば原口も宇佐美もハリルが特に目をかけていたハリルチルドレンでした。
戦術家として知られ、自ら「本番に強い」と豪語していたハリルの賭けもこの2人だったかもしれません。
…おっと、私もハリルを美化しているようですね。
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西野ジャパンは年功序列ではなく

5月31日(2018年)に発表されたロシアW杯メンバー23人は、その主力が4年前のブラジルW杯メンバーとほぼ同じということもあって、平均年齢が28.3歳という過去最高齢となり、30代も過去最多の8人でした。
有名解説者のセルジオ越後氏などはそのことに批判的で、「年功序列」「部活的」などのキャッチ―な言葉をコラムに並べ、その影響からかSNSやメディアの一部では西野ジャパンは”年功序列ジャパン”などと呼ばれているようです。
さらに、このあだ名に立腹した長友佑都がツイッターで「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人」とつぶやき、これが火に油を注いだようになって”年功序列ジャパン”の認知度が広まっているのは皮肉としかいいようがありません。

また、一部のスポーツライターなどは、「西野朗監督はハリルホジッチ前監督の申し子だった若手を切って、実績のあるベテランを登用した」と書いて、ハリルホジッチ解任への批判の材料にも使っていますよね。
26人から23人に絞られた際に落選した3人、浅野拓磨が23歳、三竿健斗が22歳、井手口陽介が21歳なのでそれもあながち間違いではないのかもしれませんが、はたして”ハリルの代表チームならもっと若かった”のでしょうか?

ちなみに4年前の平均年齢は26.8歳。それまでの最高齢は南アフリカ大会の27.8歳なので、実は過去の代表と比べて今回がそんなに高齢というわけではありません。
主力に何度もW杯に出場している30代が多いのでなんとなくそう見えるのでしょう。
しかもここに面白いデータがあって、昨年3月に始まったアジア最終予選の初戦と2戦目にハリルが選んだ25人の平均年齢は27.6歳なんです。
そこから単純に14ヶ月を足せば、西野監督が選んだメンバーの平均年齢を軽く超えてしまいます。
もちろん、予選中には若手の台頭もある程度ありましたし、ハリルが選ぶ最終メンバーはもう少し若くなった可能性もありますが、ハリル時代からの主力である川島永嗣、長谷部誠、槙野智章、長友は30代ですし、吉田麻也、酒井宏樹、大迫勇也、山口蛍も20代後半なのですから、そんなには変わらないはずです。

しかも、落選した若手3人もハリル時代にレギュラーを確固たるものにしていたわけではないんです。
浅野と井手口などは所属クラブでほとんで試合に出ていないのですから、ハリルがもし監督を続けていたとしても選んだかどうかは甚だ疑問が残ります。
ハリルが重用した真のハリルチルドレンである原口元気も27歳なのですから、ハリルが若手志向だったとも思えません。

今回の西野朗監督の代表選考で問題にすべきは年齢ではなくコンディションや試合勘です。
具体的に名前を挙げればここ数ヶ月試合に出ていない岡崎慎司と香川真司の2人を選んだことでしょう。
シーズン終盤に右大腿を痛め、代表合宿でも全体練習に加われない乾貴士の状態も未知数です。
西野監督は発表記者会見で「トップパフォーマンスを大舞台で出してほしい」と語っていましたが、かなりの矛盾を感じます。

この3人というのはアジア予選で主力を担っていたわけではないので、替えの利かない選手ではありませんし、日本代表を応援しているひとならば、この3人の代わりとして久保裕也、中島翔哉、森岡亮太の名前くらいはすぐに挙がるはずです。
久保らは所属クラブでシーズン終了までしっかり試合に出ているので、コンディションも試合勘もまったく問題ありません。
(※盛岡27歳、久保24歳、中島23歳なので平均年齢もけっこう若返ります。)

私も長友と同じく、年齢に対する批判というのは間違っていると考えています。
むしろ日本のサッカーファンはベテラン勢を脅かすだけのチカラがある若手が少ないのを嘆くべきです。
香川や長友、酒井らは若い頃にドイツやイタリアといった大きなリーグでポジションを得ましたが、いまの若手はそれが出来ていないのですからね。
むろん、やや実力が劣っていたとしても、状態の悪いベテランよりも状態の優れた若手がいいのはいうまでもありませんが。

繰り返しますが、問題は年齢ではなく”状態”です。
私は一部で起きている”年齢批判”は”状態批判”の矛先をそらすためではないかと勘ぐっています。
もし状態批判が起きたら、長友はツイッターでどういう反応をするでしょう?
本人は壮行試合でも絶好調という感じでしたけど、長年の盟友たちの現状を見たら、無言になってしまうかもしれませんね。
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ロシアW杯登録メンバー発表 日本代表と足し算

ハリルホジッチ監督解任によって、いい意味でも悪い意味でも注目が集まるロシアW杯登録メンバーですが、今日5月31日、西野朗”新”監督からその栄誉ある23名が発表されました。

GK
川島永嗣 東口順昭 中村航輔

フィールドプレイヤー(西野ジャパンはまだシステムが決まっていないせいかポジション別ではありません。)
長友佑都 槙野智章 吉田麻也 酒井宏樹 酒井高徳 昌子源 遠藤航 植田直通
長谷部誠 本田圭佑 乾貴士 香川真司 山口蛍 原口元気 宇佐美貴史 柴崎岳 大島僚太
岡崎慎司 大迫勇也 武藤嘉紀

先に壮行試合に臨む27人が発表されていたので”サプライズ”はありませんでした。
落選した4人、青山敏弘は怪我による離脱、三竿健斗は経験が明らかに足りていませんし、最終予選で活躍した井手口陽介と浅野拓磨も所属クラブでほとんど試合に出ていないのが理由でしょう
井手口は最終予選後の勇気ある海外移籍でしたが、出場機会を失ったのは残念でした。
サプライズは27人に絞ったときの”中島翔哉”の落選でしたね。
また、所属クラブの試合があって27人から漏れていた久保裕也に関しては、西野監督が追加招集の可能性を匂わせていたものの、最後は無視する形になってしまい、ちょっと配慮が足りなかったようにも感じます。

このように、選ばれた23人は順当…といいたいところですが、香川と岡崎は怪我もあってここ数ヶ月所属クラブで試合に出ていなかったのでコンディションがかなり気になります(香川は最終節に15分ほど出場)。
西野監督は選んだ23人のコンディションについて、「メディカルチェックを行い、練習や30日のガーナ戦で確認した」みたいなことをいっていましたけど、ガーナ戦を見る限り、香川と岡崎の状態はいいときとはほど遠いような感じでした。
W杯本番で使えなかったときは「中島や久保を選んでおくべきだった」という批判が出てくるのは間違いありません。
流行りのアメフト言葉でいえば「できませんでしたじゃ済まされないぞ」ですかね。
(※香川などは怪我の再発を恐れたのか、攻守に渡り相手との接触を避け、2失点目の起点となった相手ゴールキックもまったく
競っていません。)

また、メンバーが決まったことで気になるフォーメーションですが、ガーナ戦では多くの時間を3-4-3に費やしたので、それが基本になるかと思われたものの、西野監督の会見を聞くとまだ決まっていないみたいです。
それも”対戦相手に合わせる”という意味で決まっていないのではなく、”いまのチームとしてどれがやりやすいのか”という意味で決まっていないようです。
私個人はガーナ戦の3-4-3はある程度機能していたと思いましたし、試合後には複数の選手が肯定的なコメントを残していました。
問題は3バックの両サイドのスペースをどう埋め、どうカバーするか、といった部分でしょうね。
ガーナにそこを突かれた際の対応はまだぎこちないものがありました。

そして攻撃に目を移せば、1トップ2シャドーというこれまでにない形を取っていましたけど、残念ながら得点は生まれず、決定機も多く作れませんでした。
左ウィングバックの長友と右ウィングバックの原口を使ってサイドを崩すところまではいっていたものの、最後の部分で決めきれない、いわゆる決定力不足ですね。
しかし、これはアタッカーに”特別な選手”がいない日本代表の長年に渡る課題ですから仕方ありません。
チャンスの数を増やすか、それとも中盤の攻撃参加などのリスクをかけるか、どちらかでしょうね。
いずれにせよ、W杯本番でも我々はじれったい思いをしそうです。

今回の代表は、若手を切り、経験値のあるベテランを並べたため、計算が出来るチームではあります(30代8人は過去最多)。
しかし、その計算というのはあくまで”足し算”であり、そこに化学反応はないといっていいでしょう。
いまの代表と同じように閉塞感が漂っていた2010南アフリカ大会のときは、チームの中心を長谷部誠と本田圭佑という若手に変えることで、ガラッと雰囲気が変わりましたが、いまの代表にはそういう若手もいません。

正直って、このロシアW杯ではなにを楽しみに日本代表を応援したらいいのか私にもよくわかりません。
悲しいかな、足し算というのは結果がわかりやすい計算方法なのです。
それに、そもそも今回の代表はサポーターやファンを意識したものなのでしょうか?
今日の記者会見でも日本サッカー協会の田嶋幸三会長はキリンとアディダスへの感謝の言葉から話を始めました。
もちろん、スポンサーがいないと代表の強化も進まないので、それが大事なのはいうまでもありませんが(私もキリンさんにはずっと感謝しています)、お金がなくても代表は成立するんです。
しかし、国民の応援がなければどうなるのでしょう?
それは日本代表と呼べるのでしょうか?

代表に必要な足し算があるとしたら、それは国民の応援の声ですぜ。
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