女子サッカーリオ五輪最終予選 なでしこらしい最終戦
2月29日に始まったアジア最終予選も、早いものでこの3月9日が最終節(全5節)。
我らがなでしこジャパンは序盤の思わぬ取りこぼしで4節目にしてリオへの道が閉ざされ、寂しい最終戦となったわけですが、佐々木則夫監督や選手たちは、ホーム観客のため、応援する日本国民のためにも必勝を誓ってゲームが始まりました。
スタメンはGK山根恵里奈、4バックは右から近賀ゆかり・岩清水梓・熊谷紗希・有吉佐織、Wボランチは阪口夢穂とキャプテン宮間あや、右のサイドハーフに中島依美・左が鮫島彩、2トップは大儀見優季と横山久美。
佐々木監督の契約はリオ五輪まで、つまり、これが佐々木体制でのラストゲーム。
次の監督がどういうメンバーを選ぶかわかりませんけど、大幅な刷新も考えられるので、数々の栄光に彩られたメンバーのサッカーを目に焼き付けておきましょう!
そんな大切な試合の対戦相手はこれまで数多の激闘を繰り広げてきた北朝鮮。
FIFAランクでいうと日本4位、北朝鮮6位というアジアの2トップでありながら、北朝鮮もまた今予選では若手主体ということもあったせいか、勝ち切れない試合が多く、前節オーストラリアに負けたことで予選敗退が決定しています。
ですから、この試合でのモチベーションはいかほどなのか、疑問が残るところでしたけど、なでしこたちの気迫に
呼応するかのように、北もアグレッシブにきてくれたので、序盤から引き締まった好ゲームになりました。
ただ、キンチョウスタジアムは昼から降り続く雨のためにピッチがびしょびしょ、ところどころでボールが止まりそうになるくらいでしたから、お互い”サッカーの質”という意味ではなかなか上がってきません。
それでも面白いゲームになったのは、互いに意地とプライドが火花を散らしたからです。
試合内容でいうと前半30分頃までは、なでしこはパスワークと連動性でゴールに迫り、北朝鮮はフィジカルを生かした長いボールでカウンターを仕掛ける一進一退の展開。
ピッチコンディションが悪く、パスサッカーのなでしこには不利でしたから、チャンスの質という意味では北の方が高かったかもしれません。
しかし、なでしこたちは守備陣が体を張って守り、GKの山根もいい動きを見せて、最後の砦として堅牢な働きを見せていました。
この日のなでしこは全選手が球際の競り合いで厳しくいき、スライディングの数が多いのも印象的でした。
そんなアジア女王の気迫が少しずつ北を圧迫していったのか、前半終盤にはなでしこがペースを握り、連動によってサイドを崩してからの彼女たちらしい攻めがいくつも見られました。雨のピッチに慣れてきたせいもあるでしょう。
しかし、仕留め切れないまま前半は0-0で終了。
ボランチが2人がセイフティを意識していたのか、前線に飛び出してくる場面がなかったせいで攻撃に厚みが足りなかったように思いますけど、前半は0点に抑えることも重要です。
ただ、それが物足りなかったのか、後半頭の佐々木監督は鮫島→岩淵真奈のカードを切り、左SHに宮間、中島がボランチに下がり岩淵が右SHに入るという攻撃的な布陣変更。
しかし、後半の序盤はハーフタイムで活を入れられたのか若い北朝鮮の選手たちが攻勢に出てきて、なでしこはやや受けに回る展開。
なでしこは彼女たちらしい人数と運動量をかけた組織的な守備で対抗し、GK山根(187センチ)の高さあってそれを凌ぎ、16分には北の右CKからのシュートを山根が顔面での気迫のセーブ!
そういう我慢の時間が続くも、北のスタミナがいつまでも持つわけではなく、20分頃からは流れがなでしこに傾きだします。
なでしこたちが球際で激しく戦っていたことで、北は気持ちの面でも削られていまししたね。
そうして横山が19分、21分と思い切ったミドルを放ち、ゴール前では大儀見が激しく競り、31分には左サイドで宮間を起点に上手くボールを回してから有吉のクロス、中島がバックヘッドにいくもわずかに外れるという美しくも惜しい場面も。
ここからは完全に日本のペース。
球際での激しさ、有機的組織的な守備、そして美しい攻め。これぞなでしこジャパンです!
こういうなでしこが早く見たかった…。
そして35分、チーム全体でボールを動かし、左サイドを深く侵入した有吉がPA内の横山にパス、横山がそれをサイドに叩いて、宮間がダイレクトで正確なクロス、ファアで待っていた岩渕がヘッドでしっかりしとめて日本先制!!!
惚れ惚れするような攻め!これを待っていた!
残り少ない時間で北も必死に攻めてくるも、37分の北のCKからのシュートは宮間が頭でかき出し、勝利への執念を見せると、あとは全員で集中して守り、ロスタイムの相手CKからのシュートも枠の上で、ほっと胸を撫で下ろし、ようやくタイムアップの笛。
勝った…。佐々木体制最後のゲームをなでしこらしく勝った。美しく終われた。本当によかった。
それにしても相手の北朝鮮もいいチームでした。個人的には中国よりもいいチームだと思いました。
しかし、各チームのチカラの差がそこまでないアジア最終予選では、短期決戦のせいもあって、ちょっとしたことで勝ち点を取りこぼし、気が付いてみると予選敗退しているのですから恐ろしいものです。”アジア枠2”はやはり少なすぎます。
五輪の女子サッカーは本戦に12ヶ国しか進めませんけど、男子のように16ヶ国にしてもらって、アジア枠も3.5になればこんなに苦労はしないんですけどね…。
こうして日本はホーム開催という地の利を生かせず、予選を敗退しました。
残念ながらリオではなでしこたちが躍動する姿は見られません。
今後は来年のアジア杯制覇を当面の目標に、新しいチーム作りが始まります。
しかし、その土台は”これまでのなでしこジャパン”であるべきだと私は思います。
この北朝鮮戦を見てもわかるように、我々のなでしこは美しく、そして強いんです。
そこに新しいチカラ、新しい戦術を付け加え、進化させることが重要です。
結果を出し続けてきた自分たちのサッカーに自信を持ちましょう。一度の敗退くらいで揺らぐことはありません。
男子サッカーの強豪国を見てもわかるように、その歴史には栄光だけではなく、挫折もあるんです。
しかし、スタイルは変えません。
代表チームも、国民も、自分たちを信じているんです。
その信頼こそが強豪たる証であり由縁なのだと私は思います。
私は我々の誇りであり宝物であるなでしこジャパンを信じます!

我らがなでしこジャパンは序盤の思わぬ取りこぼしで4節目にしてリオへの道が閉ざされ、寂しい最終戦となったわけですが、佐々木則夫監督や選手たちは、ホーム観客のため、応援する日本国民のためにも必勝を誓ってゲームが始まりました。
スタメンはGK山根恵里奈、4バックは右から近賀ゆかり・岩清水梓・熊谷紗希・有吉佐織、Wボランチは阪口夢穂とキャプテン宮間あや、右のサイドハーフに中島依美・左が鮫島彩、2トップは大儀見優季と横山久美。
佐々木監督の契約はリオ五輪まで、つまり、これが佐々木体制でのラストゲーム。
次の監督がどういうメンバーを選ぶかわかりませんけど、大幅な刷新も考えられるので、数々の栄光に彩られたメンバーのサッカーを目に焼き付けておきましょう!
そんな大切な試合の対戦相手はこれまで数多の激闘を繰り広げてきた北朝鮮。
FIFAランクでいうと日本4位、北朝鮮6位というアジアの2トップでありながら、北朝鮮もまた今予選では若手主体ということもあったせいか、勝ち切れない試合が多く、前節オーストラリアに負けたことで予選敗退が決定しています。
ですから、この試合でのモチベーションはいかほどなのか、疑問が残るところでしたけど、なでしこたちの気迫に
呼応するかのように、北もアグレッシブにきてくれたので、序盤から引き締まった好ゲームになりました。
ただ、キンチョウスタジアムは昼から降り続く雨のためにピッチがびしょびしょ、ところどころでボールが止まりそうになるくらいでしたから、お互い”サッカーの質”という意味ではなかなか上がってきません。
それでも面白いゲームになったのは、互いに意地とプライドが火花を散らしたからです。
試合内容でいうと前半30分頃までは、なでしこはパスワークと連動性でゴールに迫り、北朝鮮はフィジカルを生かした長いボールでカウンターを仕掛ける一進一退の展開。
ピッチコンディションが悪く、パスサッカーのなでしこには不利でしたから、チャンスの質という意味では北の方が高かったかもしれません。
しかし、なでしこたちは守備陣が体を張って守り、GKの山根もいい動きを見せて、最後の砦として堅牢な働きを見せていました。
この日のなでしこは全選手が球際の競り合いで厳しくいき、スライディングの数が多いのも印象的でした。
そんなアジア女王の気迫が少しずつ北を圧迫していったのか、前半終盤にはなでしこがペースを握り、連動によってサイドを崩してからの彼女たちらしい攻めがいくつも見られました。雨のピッチに慣れてきたせいもあるでしょう。
しかし、仕留め切れないまま前半は0-0で終了。
ボランチが2人がセイフティを意識していたのか、前線に飛び出してくる場面がなかったせいで攻撃に厚みが足りなかったように思いますけど、前半は0点に抑えることも重要です。
ただ、それが物足りなかったのか、後半頭の佐々木監督は鮫島→岩淵真奈のカードを切り、左SHに宮間、中島がボランチに下がり岩淵が右SHに入るという攻撃的な布陣変更。
しかし、後半の序盤はハーフタイムで活を入れられたのか若い北朝鮮の選手たちが攻勢に出てきて、なでしこはやや受けに回る展開。
なでしこは彼女たちらしい人数と運動量をかけた組織的な守備で対抗し、GK山根(187センチ)の高さあってそれを凌ぎ、16分には北の右CKからのシュートを山根が顔面での気迫のセーブ!
そういう我慢の時間が続くも、北のスタミナがいつまでも持つわけではなく、20分頃からは流れがなでしこに傾きだします。
なでしこたちが球際で激しく戦っていたことで、北は気持ちの面でも削られていまししたね。
そうして横山が19分、21分と思い切ったミドルを放ち、ゴール前では大儀見が激しく競り、31分には左サイドで宮間を起点に上手くボールを回してから有吉のクロス、中島がバックヘッドにいくもわずかに外れるという美しくも惜しい場面も。
ここからは完全に日本のペース。
球際での激しさ、有機的組織的な守備、そして美しい攻め。これぞなでしこジャパンです!
こういうなでしこが早く見たかった…。
そして35分、チーム全体でボールを動かし、左サイドを深く侵入した有吉がPA内の横山にパス、横山がそれをサイドに叩いて、宮間がダイレクトで正確なクロス、ファアで待っていた岩渕がヘッドでしっかりしとめて日本先制!!!
惚れ惚れするような攻め!これを待っていた!
残り少ない時間で北も必死に攻めてくるも、37分の北のCKからのシュートは宮間が頭でかき出し、勝利への執念を見せると、あとは全員で集中して守り、ロスタイムの相手CKからのシュートも枠の上で、ほっと胸を撫で下ろし、ようやくタイムアップの笛。
勝った…。佐々木体制最後のゲームをなでしこらしく勝った。美しく終われた。本当によかった。
それにしても相手の北朝鮮もいいチームでした。個人的には中国よりもいいチームだと思いました。
しかし、各チームのチカラの差がそこまでないアジア最終予選では、短期決戦のせいもあって、ちょっとしたことで勝ち点を取りこぼし、気が付いてみると予選敗退しているのですから恐ろしいものです。”アジア枠2”はやはり少なすぎます。
五輪の女子サッカーは本戦に12ヶ国しか進めませんけど、男子のように16ヶ国にしてもらって、アジア枠も3.5になればこんなに苦労はしないんですけどね…。
こうして日本はホーム開催という地の利を生かせず、予選を敗退しました。
残念ながらリオではなでしこたちが躍動する姿は見られません。
今後は来年のアジア杯制覇を当面の目標に、新しいチーム作りが始まります。
しかし、その土台は”これまでのなでしこジャパン”であるべきだと私は思います。
この北朝鮮戦を見てもわかるように、我々のなでしこは美しく、そして強いんです。
そこに新しいチカラ、新しい戦術を付け加え、進化させることが重要です。
結果を出し続けてきた自分たちのサッカーに自信を持ちましょう。一度の敗退くらいで揺らぐことはありません。
男子サッカーの強豪国を見てもわかるように、その歴史には栄光だけではなく、挫折もあるんです。
しかし、スタイルは変えません。
代表チームも、国民も、自分たちを信じているんです。
その信頼こそが強豪たる証であり由縁なのだと私は思います。
私は我々の誇りであり宝物であるなでしこジャパンを信じます!


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