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信州のお盆といえば

台風の上陸といえば、普段は8月の終わりから9月のことですから、今年(2019年)のようにお盆直撃というのは本当に珍しですよね。
15日に西日本に上陸することが確実視されていた10号のせいで、鉄道や航空も早々と運休を決めたため、帰省のひとびとの多くが14日にUターンを前倒しし、それもまた混乱を招いたようです。
家族や親戚と楽しむ予定もキャンセルせざるを得なかったでしょうし、同情を禁じ得ません。

しかし、そうしてお盆期間が短くなるとわかると、かえって全力でお盆を満喫しようという集中力は増したかもしれませんよね。
特に”食”の部分ではそうだと思うんです。
久々に食べる故郷の名物やおふくろの味(おばあちゃんや父親の味も)を、1日3食のなかでいかに味わいつくすかは、なかなかの難題です。
人情やマナーの面でも用意してくれていたものは食べつくさねばなりません。
おはぎやお団子なんて、人数に合わせて用意されていますから、残してしまっては実家にも迷惑というものです。
博多のように、お盆の3日間で食べるものがきっちり決まっている地域だと本当に大変です。

その”お盆の食事”でいうと、博多の精進料理もかなり珍しいと思うんですけど、私の住む長野県もそれに負けず、ちょっと面白いんです。
まず定番は信州名物おやき。
ちょうと特産の丸ナスの時期ということもあって、この丸ナスのおやきがなければ「お盆じゃない!」というひともいるくらいです。
信州の丸ナスはおやき用に品種改良されたといっても過言ではなく、身が詰まったやや歯ごたえのこのナスは皮で包んでも水っぽくならず、大きさは輪切りにするとちょうどおやきのサイズにはまるという一品です。
丸ナスおやきは本当に美味しいので、観光で信州にいらっしゃる方にもお勧めです。
いまが旬!

そして、もうひとつの定番は天婦羅の盛り合わせ。
新たに信州にやってきてお盆を初体験される方は、この天婦羅のあとに名物のお蕎麦が出てくるんじゃないかと予想しがちですけど、お蕎麦は出てきません。天婦羅だけです。なぜかはわかりませんが、お盆にお蕎麦は食べないんです。食べそうで食べないんです。

そういえば、お盆にお素麺を食べる地域はけっこうありますよね。
「幸せが細く長く続くように」という説、「ご先祖様が精霊馬の手綱に使う」という説などがあるとのことです。
まあ、暑い時期なので、お素麺が食べたくなるというのが真実だと思います。
お素麺は定番の薬味も夏野菜が多いですし、ほんとお盆にぴったりですよね。

そういう条件でいうと、お蕎麦(ざる蕎麦)もお素麺とそんなに変わらないと思うんですけど、信州ではお盆にお蕎麦を食べないわけです。
おそらく、お蕎麦の旬は秋なので、それまで待とうという蕎麦好きの心理が働いているのだと思います。
信州のひとびとが新蕎麦を待つ気持ちは、雪国のひとが春を待つのと同じくらい強いですからね。

そんなわけで、信州のお盆ではお蕎麦なしで天婦羅を食べるわけですけど、お盆ならではのネタがあるんです。
それはなんと”お饅頭”。お饅頭の天婦羅です。
ギョッとされる方もいらっしゃるかと思いますが、かりんとうや羊羹の天婦羅と味の構成は同じなので、驚くほどもものではありません(驚くべきはそのカロリーだけ)。日本人なら口に合う味わいです。

しかも、この天婦羅饅頭には水分や甘味を抑えた専用饅頭まであるというのが信州人のこだわりです。
天婦羅饅頭はお盆限定の食べ物ですから、これもまた旬です。
観光の方々も、ぜひご賞味あれ!
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納豆の話

前回私も納豆についての記事を書いたのですが、偶然にもその翌日、クックパッドニュース(Yahoo!ニュース)に、『究極の納豆チョイ足しレシピ』なるものが掲載されていました。
納豆のトッピングは過去にも様々な議論が行われ、それが尽きることのないなか、なにが”究極”なのかといえば、選ぶのが”AI搭載の味覚センサー”ということなんです。
そして、人間ではなく、科学が選んだ最適解はなんと”ヨーグルト”。

基本5味(甘味・旨味・苦味・塩味・酸味)のチャートを抽出し、納豆とそれぞれの食品との相性度を測ったとのことですけど、ヨーグルトというのはちょっとどうなんでしょう、私は試す気にもなりませんが…。掲載画像を見ても、あんまり食欲がわきませんでした…。
人間は味覚以外にも嗅覚や視覚、それに触覚(舌触りや歯ごたえ)でものを味わいますから、機械とは趣味が違うような気がします。

ちなみに、過去に各メディアに掲載された”人間が選ぶトッピング”でいうと、ネギ(薬味のような気も)と生卵が王道で、海苔や大根おろし、とろろやオクラ、シラスや練り梅などがそれに続くようです。
変わり種の外国風味でいうと、チーズやアボカド、キムチや食べるラー油といったところでしょう。
すでに定番になっているかもしれませんね。
納豆は食卓に並ぶ頻度も高いでしょうから、飽きさせないという意味でもトッピングは楽しいですし、苦手なひともいる食品なのでクセを消す意味でもトッピングは大切です。
また、薬味の方もトッピングに合わせて芥子だけではなく、ワサビや七味唐辛子、タバスコなどを使うのも当たり前のようになっているようです。
それに加え、カレーライスや牛丼などでは納豆自体がトッピングになるのですから、本当に懐の深い食品ですよね。

ただ、私個人はというと、トッピングといってもネギを薬味に使うくらいです。
実家では卵ふりかけや塩昆布なんかを入れていたような気がしますけど、大人になってからはあまり手を加えません。
手間をかけるのは”混ぜる回数”だけです。
納豆を食べるときは、ちょっと大きめの器に入れて、木の匙でとにかく混ぜます。親の仇のように混ぜまくります。
その際、砂糖を少々入れると粘りが強く出るのでドーピングとして使うのもありです。
あまり美味しくない納豆(安いやつ)は砂糖で旨味もアップするのでお勧めです。

この”納豆を混ぜる”ことについて有名なのは北大路魯山人です。
混ぜるではなく、「練る」といって、納豆だけを「糸がかたくなるまで練り上げ」、「醤油を数滴落としてまた練る。また醤油数滴を落として練る」、そして「糸の姿がなくなってどろどろになった納豆に、辛子を入れてよく攪拌」して完成というのが魯山人のやり方です。
残された本には練る回数は書いてありませんが、一説には合計400回ともいわれているのですから驚きですよね。

この魯山人の混ぜ方は回数も大事ですが、手順も同じくらい大事です。
まずは納豆だけを混ぜ、よく糸を出すということです。先に醤油や薬味を入れると糸が出ません。
これは現在では常識レベルになっていますけど、『美味しんぼ』や『料理の鉄人』で魯山人が扱われる前は定着していませんでした。
魯山人は他の食品の食べ方でもいくつか彼流を紹介していますけど(卵を手のひらで30分暖めてからの卵かけごはんなど)、現在定着しているのは納豆くらいだということを考えれば、多くの日本人にとっては、美食の巨匠ではなく納豆の巨匠なのかもしれません。
私も納豆は魯山人を真似したものです。

しかし、若い頃、とある先輩から、それが間違いだと気づかされたことがあるんです。
仲間の集まりで旅館に宿泊した際、朝ごはんで私は納豆を魯山人流に混ぜていました。
当時は魯山人流はまだ珍しく、私はまるで自己流のように自慢げにしていました。
それを見たとある先輩が、「それが一番美味いのか?」と聞いてきたので、私は自信を持って「そうです」と応えました。背後に魯山人を感じながら。
すると先輩は自分のやり方はこうだ、といって、納豆を混ぜ始めたんです。
最初に醤油と薬味を入れないのは魯山人と一緒です。
そしてよく納豆だけを混ぜて、まず入れたのは芥子と少量の刻みネギ。
それをまたよく混ぜます。
醤油が最後か、あまり変わらないな…と私が内心思っていると、先輩は醤油を入れないんです。
薬味だけを混ぜた納豆をご飯にのせ、その上から醤油を数滴垂らしたんです。
それを美味そうに頬張った先輩は、「醤油を混ぜると納豆の味がしなくなる」といいました。
私も試しに同じことをやると、確かにこちらの方が納豆の味をしっかり感じる。
目から鱗とはこのことでした。

しかも、先輩は魯山人のことなど少しも知らないんです。
納豆を食べる度にもっといい方法はないかと思っているうちに行き着いたというんです。
この先輩は外食や料理が好きな、いわゆるグルメではなかったんですけど、日々の食をあれこれ工夫するひとだったわけです。
常に”もっといい食べ方”を探しているんですね。納豆だっていまは違う食べ方をしているかもしれません。
私はこういうひとが真に食を楽しみ、人生を楽しんでいるような気がしました。
きっと魯山人だってそうだったのだと思います。
そういうところを真似たいものです。

…醤油数滴垂らすのは加減が難しいので、混ぜてますけどね!
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意外な信州グルメ

それにしても昨日4月10日(2019年)の雪には本当にびっくりしました。
この時期に東日本各地で”積もる”まで降るなんてちょっと記憶にありません。
私の住む長野県でも軽井沢などで10センチ以上積もりましたし、飯田市周辺ではその大雪で停電が発生し(雪で木の枝が折れ、それが電線にかかったのでしょう)、大騒ぎになっていました。
今日も凄く寒くて、冬が戻ってきたみたいです。
こうなると、あったかい味噌汁が飲みたくなりますよね。
味噌ラーメンでもいいかなあ。
信州味噌最高!

…なんて叫ぼうとしたとき、ふと思ったんですけど、長野県って、その味噌の材料になる大豆の畑ってあんまり見かけないんですよね。
それで気になって都道府県別の収穫量を調べてみると、10位台後半くらいに留まっていたんです。
同じ味噌県である愛知県は長野県の倍近い収穫量で、順位も10位前後なのですから、悔しほどの敗北感です。
もちろん、栄えある収穫量第1位は北海道で、全国の4割をここで作っているのですからさすがです。
信州味噌の材料もおそらくほとんどが北海道産なのでしょう…。

そのように大豆生産量が多くないせいか、長野県ではお味噌以外の大豆製品は消費量も低めです。
特に豆腐の消費量が40位より下というのは驚かされます。
豆腐といえば味噌汁の具の代表格ですからね。
信州はキノコが豊富なのでそっちに取られているのかもしれませんし、佐久地方にはレタスの味噌汁という変わった名物もあるのでそういった趣向に流れているのかもしれません(これ本当に美味しいのでお勧め。さらにエノキを足したら食感の楽しさも二倍)。
また、その名物でいっても、信州名物には豆腐がまったくといっていいほど使われていないのですから、まるで避けられているかのようです。

ところが、ここで興味深いのは、同じ大豆製品でも、”納豆”になると、消費順位がトップ10入りしちゃうんです。
同じように豆腐低め・納豆高めでいうと、納豆消費代1位にもなったことのある宮城県がありますけど、ここには〈川口納豆〉という納豆好きならば知らぬひとはいないという大ブランドがあることと、”納豆餅”という大定番があるからでしょう。

それに比べ、長野県には全国に知られるようなブランドはありませんし、特別な食べ方もありません。
おそらく、ご飯にかけて食べているだけでしょう。
しかし、それなのに納豆の消費量が多いということは、本当に納豆が好きということなんじゃないでしょうか。
実は信州各地域には、評価の高いブランドがいくつかあり、各製造元が自分たちなりのやり方で、個性的かつ美味しい納豆を作っているんです。
〈川中島納豆〉〈道祖神納豆〉〈たまご納豆〉あたりは、そろそろ全国に羽ばたいてゆくかもしれません。

ちなみに、お蕎麦屋さんのなかには”納豆蕎麦”を出すところもあるので、GWに信州にいらっしゃる方は、ぜひチャレンジしてみてください!
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来年の一皿を”鰯”と予想する

今日(2018年12月16日)、ネットニュースを見ていたら、お笑いタレントの松本人志さんが午前のテレビ番組で、〈今年の漢字〉に選ばれた”災”について、「平成最後だから、もう少し明るい言葉でも良かったかな」と苦言を呈したと載っていましたけど、私も第一印象はまさにこれでした。
〈今年の漢字〉は〈日本漢字能力検定協会〉が一般募集するなかで、最も投票が多かったものが選ばれるとのことですから、そこに”意図はない”はずなので、文句をいうのもお角違いなのかもしれませんが、ちょっと引っかかりますよね。
まあ、だからといって〈ユーキャン〉の〈流行語大賞〉のように、「悪い意味の言葉は選ばない」という方針を公言していても世相は反映されないわけですから、本当に難しいところです。
ちなみに私がパッと頭に浮かんだ〈今年の漢字〉は”沸”。
冬季五輪やサッカーW杯で日本中が大いに沸きましたし、刀剣ブームとやらがあったそうなので、日本刀の表面に浮かぶツブツブした模様の”沸”(にえ)という意味でも”沸”がいいかと思いました。
ランキングのトップ20にすら入っていませんでしたけど…。

そんな”今年の何々”ですが、私が最も注目しているのは〈ぐるなび〉の〈今年の一皿〉です。
毎年だいたい納得できるものが選ばれますし、”食”というのはひとびとの好みだけではなく、経済や自然環境といった大きなものとも連動しますから、まさに世相を表すものだと思います。
そんな2018年は”鯖”でした。
予想通りといっていいでしょう。

ブームの要因としては「EPAやDHAなどの必須脂肪酸を多く含み健康効果が期待できること」、背景としては「日本各地には約20種類の「ブランド鯖」があり、各地域で鯖を活用した町おこしの活動が盛んになっている」という品質の向上が挙げられていましたけど、これまた納得です。
また、人気がありすぎて品薄になった”鯖缶”については、災害時の「非常食」、下処理のいらない「利便性」という従来の持ち味に加え、おしゃれデザインやプレミア缶詰が女性層に受けたという分析がありました。
私も鯖は大好きなので、その魅力が再発見されたことは本当に嬉しく思っています。
ただ、そんな鯖人気のせいで鯖缶が品薄になっているというニュースにがありました。
店頭を見ると実際にそうなのですから鯖好きとしてはかなり戦々恐々としています。
本当に勘弁して欲しいです。

そして、そんな品薄のときは、私も隣の”鰯缶”に手が伸びるわけですが、みんな考えることは一緒で、このところは鰯缶にも注目が集まっているそうですから、来年はひょっとすると”鰯”が今年に一皿になるかもしれせん。
EPAやDHAは鰯にも含まれていますし、鰯は鯖と同等かそれ以上に料理のレシピに幅がありますから資格は十分です。
その最大の武器は”つみれ”でしょうか、鯖でやらないわけではありませんが、そこはやはり鰯が一枚も二枚も上手ですし、寒い冬のつみれ鍋・つみれ汁は最高です。
また、鍋でいえば、九州出身の大学の先輩に〈いわしの丸鍋〉というのを教えてもらったことがあって、土鍋に昆布と酒の出汁を張り、生姜を一片入れてグツグツさせたなかに、手開きした新鮮な真鰯を次から次へと放り込み、ポン酢で食べるという豪快な料理でした。
種子島あたりの料理とのことでしたけど(うろ覚えなので確証はありません)、これが本当に美味くて、いまでも記憶に焼き付いています。

そんな鰯ですが、90年代から00年代初めまでは「不漁」が叫ばれ、「絶滅するんじゃないか」などという声まであったことをいまの若いひとは知らないかもしれません。
なにしろ近年は豊漁続きで余ってしまうほどだというのですからね。
あの頃、「温暖化のせいだ!このままでは他の海洋資源も激減してしまう!」なんて叫んでいたひとたちにこの現状を説明して欲しいものです。
地球の自然というのは人間が考えているよりずっとタフなようです。

その不漁の時代、私がたまに食べに行っていた(連れて行かれた)いわし専門店の大将も鰯の先行きを心配していたんですけど、ある日、「今日は鰯がないんです」と謝ってくるんです。
すわ絶滅したか!と思ったものの、聞いてみると台風のせいで入荷がなく、閉店しようかと迷った末に「今日は”鯵”でご勘弁願うことにした」というので、ひょっとしたら鰯が獲れなくなったときに備えてのテストだったのかもしれません。
生け簀には生きのいい鯵が泳いでいました。
そうして鰯専門店が一日限りの鯵専門店になったわけですけど、この鯵がまた美味い。鰯に比べると身に力強さがある。
鰯にほれ込んでいた大将には内緒ながら、「鯵でもいいのでは…」と思ったほどです。

ようするに、四方を海に囲まれた日本では近海ものの魚ならばなんでも美味いということです。
我々は獲れるものを食べたらいいんです。それが自然と共に生きるということです。
私は鰯と鯵からそう学ばせてもらいました。

また当時、鰯は「こっちが弱っちゃうほど美味い」、鯵は「参っちゃうほど美味い」と教えられ、真に受けませんでしたけど、いまは私がそう吹聴しています。
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長野のおでん

2018年の11月も下旬に入り、いよいよ寒くなってきたので、先週末に今シーズン初めてのおでんをこしらえたんですけど、久しぶりに日本酒も飲んで、ちょっといい気分になりました。
やっぱりおでんはいいですねえ。
…なんて思っていたら今週からまた暖かくなってきて、気温20度を超える地域もあるというのですから、やはり今季は暖冬ということなのでしょう。
そうなると身体を芯から暖めたくなる日も減ってしまいますし、大根の品質も落ちてしまいますし、おでんにとっては不遇の冬になりそうです。

そのおでんといえば、全国津々浦々に”その土地の味”というのがありますよね。
出汁が違う、種が違うというのはもちろん、名前が違うところもあるくらいです。
見た目から個性的なところをいえば静岡の黒つゆ出し粉おでん、名古屋の八丁味噌おでんがありますし、出汁が個性的なのは福岡の鶏出汁おでん、金沢の塩出汁おでんがあります。
また、見た目や味はそう大きく変わらなくても、関西ではなぜだか”関東炊き・関東煮”とも呼びます。
私の住む長野県でも、飯田市のおでんは、食べる際に刻み葱(と鰹節)と醤油を合わせた〈ネギだれ〉というのを追いだれにする個性派として、最近では全国メディアでもたまに見かけたりします(からしも併用)。
私はまだ食べたことはありませんが、飯田市に旅行した友人いわく「衝撃的だった」とのこと。
追いだれでいえば、青森や香川のように味噌ベースのそれを用いる地域はいくつかあるようですが、このネギだれと同じ醤油ベースは姫路の生姜醤油くらいでしょうか、かなり珍しいと思います。

ちなみに、我が長野市のおでんは普通の関東風です。
特に変わった出汁も種もありません。
なんだかちょっと寂しいです。
味噌や蕎麦という名物があるのですから、味噌の追いだれや蕎麦団子なんかがあってもいいと思いますし、善光寺の精進料理で〈けんちん巻〉といって、豆腐と野菜を混ぜ合わせ、湯葉で巻いて蒸し上げたものがありますから、それをボール状にアレンジすれば変わり種としてけっこういけるんじゃないでしょうか。
長野市のひとびとはもっとチャレンジして欲しいものです。

ただ、そもも長野市におでんをよく食べる習慣があるのかといえば、そうでもありません。
調べた限り、おでん専門店も一軒しかありませんし、そんなに古い店でもなさそう。
むろん、それもせんなきことで、おでんが有名な地域にはたいてい”海”があるものです。
出汁も練り物もそこから獲れるのです。
海のない長野県産品だけでおでんを作ろうとすれば、出汁は干しいたけ、種は大根とこんにゃくと厚揚げと玉子くらいになってしまいます。
(※ここに信州牛のすじ肉、蕎麦団子、けんちんボールをプラスして、追い味噌ダレをかければ、〈長野おでん〉が完成するかも!?)

また、長野市といえば善光寺のお膝元ということもあって、市民はお行儀が良く、”夜が早い”ことでも知られていますから、おでん屋で酒をちびちびという文化も育たなかったのかもしれません。
けれでも、おでんを外で食べないというわけでもないんです。
実は長野市で一番有名なおでんどころは〈山喜屋〉というお蕎麦屋さんなんです。
そのお店では、ストーブの上に置かれた大鍋に串を打たれたおでん種がぎゅうぎゅうに浸されていて、客はそこから勝手に取って食べて、お勘定はその串の本数で数えます。
営業時間は午後8時までなので、昼がメインといっていいお店で、おでんもお酒のアテではありません。
長野市民は冬でもざる蕎麦なので、身体を温めるためにもおでんが必要なのでしょう。
これも文化です。
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かつしき

Author:かつしき
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