お好み焼きの旬

春というのは色んな食べ物が育ち始める季節ということもあって、新何々や春何々といった食べ物が多くありますよね。
私はそのなかでも春キャベツが大好きなので毎日のようにこれを食べていますけど、このところはお好み焼きにはまっています。
春キャベツは水分が多いので焼くのがちょっと難しいですけど、その分、食感も柔らかく、甘みも強いので、この時期ならでは、といった味わいがあります。

そうして家で豚玉を焼いていたのですが、豚玉の豚バラ肉って、みなさんどういう使い方をなさっているでしょうか?
お店なんかだと長いままのをお好み焼きの表面にイカダのように並べて、カリカリに焼きますけど、これってけっこう食べにくいですよね。
お店だと鉄板の上のお好みをコテで思いっきり切ることができますけど、普通のお宅ではそれはできません。
ですから、3~4センチにカットしてから表面に並べて焼くという方もいらっしゃいますよね。
ただ、それだとひっくり返すときにバラ肉が文字通りバラバラにはがれ落ちることがあるので、これはこれで難しいんです。
なので、私は豚肉は生地に混ぜ込んじゃいます。表面に貼り付ける方法だと豚肉に火が入り過ぎてしまいますからこっちの方が美味しいと思うんです。

そもそも、昔ながらの豚玉って、肉は生地に混ぜ込んでいたはずです。
それもバラ肉ではなく、小間肉なんじゃないでしょうかね。
表面にバラ肉を張り付けたスタイルというのはけっこう新しいと思うので、これがいつから定番化したのかを調べてみるのも面白いかもしれません。

ちなみに豚玉の”玉”は、”玉子(卵)”の意味です。
これは小麦粉だけで生地を作る一銭洋食やどんどん焼きと区別するためのものでしょうし、いまより高価だった卵を使うということのプレミア感もあったはずです。
そしてもうひとつ、一銭洋食やどんどん焼きとお好み焼きの違いが”キャベツ”なんです。
お好み焼きというのは、一銭洋食やどんどん焼きが進化した食べ物と考えられていますが、その歴史は案外新しく、1930年~40年代に誕生し、戦後にいまの形で広く普及したといわれていますけど、なんとキャベツも同じ時期に普及しているんです。
また、卵が”物価の優等生”と呼ばれるようになったのも戦後だということを考えれば、お好み焼きは戦中と戦後を分ける象徴的な食べ物といっても過言ではありません。
2大派閥である関西風でも広島風でもキャベツと卵が欠かせないことからも、その重要性がわかるというものです。

そして、あまり知られていませんが、卵というのは春が旬なんです。
ですから、旬の卵と新キャベツを使えるこの時期こそ”お好み焼きの旬”というわけです。
熱々のお好みをふうふういいながら食べて、冷たい飲み物で一気に流し込む。
いい季節になってきましたね!
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夏の名残りのソース焼きそば

9月も11日になり、私の住む長野市も、昼間は暑さが残るものの、晩になると秋の風に乗って虫の音が聞こえます。
もう夏も終わりですねえ。
そうなると、なんとなく、キュウリやらトマトやらトウモロコシやら、「夏らしいものを食べておかなくちゃ!」という気分になるのですから、不思議です。
お盆に親戚からもらったそうめんかぼちゃ(金糸瓜)もこないだあわてて食べました。

そんな私を見ていた相方が、「焼きそばが食べたい!」っていい出したんです。「夏はやっぱり焼きそば!」だそうです。
確かに焼きそばって、夏祭りだとかキャンプだとかで食べる印象があります。そういえば、俳句でも焼きそばは夏の季語でしたよね。
ただ、ここで私は相方にひとつ確認をせねばなりません。
「それはソース?」
相方は「もちろん」と答えましたけど、長野県(北部)では、焼きそばといえば、”あんかけ焼きそば”を指す場合の方が多いんです。
特に飲食店では、焼きそばといえば、100%あんかけ焼きそばです。
しかも、そのなかには、”焼き”なのに”揚げ麺”で出てくる場合も多々あるので注意してください。

また、よくよく考えてみると、外食で”ソース焼きそば”のメニューは見たことがありません(※お好み焼き屋さんは別です)。
ただ、関東でも関西でも、定食屋さんみたいなところにソース焼きそばは置いてあると思うんですけど、長野県(北部)では、かなり珍しいというわけです。
もちろん、長野県民だってソース焼きそばは食べます。
外食ではあんかけ、家庭ではソースと食べ分けるのが信州流なのです。
揚げ麺は家では難しいせいかもしれませんね。

というわけで、私と相方は”ソース焼きそば”を食べることになったわけですけど、私流の作り方を少し書いてみます。
用意するのは、焼きそば用の袋麺もしくは蒸した中華麺、豚バラ肉のスライス、キャベツ。紅ショウガと青のりがあればなおよし。
まず、豚バラ肉に塩コショウをし、それを繊維に垂直に5mmほどに切ったら、油をひかずにフライパン(くっつかないやつ)で軽く炒め、脂を切るようにして取り出します。
そして、その残り脂で麺を炒め、程よくほぐれたところでこれもまた取り出し、次はざく切りにしたキャベツを投入し、それがしんなりした頃合いに豚肉と麺を戻して炒めたら、そこにウスターソースとお好みソースを1:1に合わせたものをかけ回し、いい具合に香りが立ってきたところで完成。
水分はキャベツのそれだけで、お湯やスープは加えません。ポイントは豚の脂を全体に回すことですね。
そして、この焼きそばのトッピングで大好きなのがポテトフライ。
嵩も増しますし、ソースとも合いますし、ビールとも合う!

焼きそば&ビールも夏の名残りですよね!
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すっきり、氷結市田柿

私の住む長野県は、JA全農長野が自らを「フルーツ王国」と名乗るくらい、果物の栽培が盛んなんですけど、全行的にはおそらくリンゴとブドウ(信州ワイン)くらいしか知られていないと思うんです。
そんななか、いま一番長野県が押しているのが、信州南部で栽培されている〈市田柿〉というブランド柿。
都会でもデパートに並んだり、洒落たお菓子店が材料に使っているのを見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな市田柿が、先日7月12日、農林水産省によって〈地理的表示保護制度〉(GI)に登録が認められたということで、長野県は大盛り上がりでした。

このGIは、世界貿易機構(WTO)の〈知的所有権の貿易関連の側面に関する協定〉によって取り決められた、「気候や風土と結びついた伝統的製法によって高い品質が認められてきた農林水産物や食品を認定する制度」なので、今後の市田柿は日本という枠を飛び越え、世界に打って出ることも可能となるわけです。
ちなみに日本でのこの制度はまだまだ始まったばかりで、登録も昨年2015年の7件が認定されたのみで、果物はまだそのときの夕張メロンと今回の市田柿しかないんです。
かの夕張メロンと肩を並べたというだけで、私などは誇らしい気分になっています。

その市田柿ですが、柿だけに旬はもちろん秋で、いわゆる渋柿に属するため、皮をむいてから干し柿にするのが一般的です。
そしてこのときの干し方が、いくつもの柿を巧みに紐で繋げてゆく”連”という技法で、その独特さと見た目の華やかさが南信州の風物詩となっているわけです。
ですから市田柿といえば干したものが有名ですし、それ以外のものはない、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
ところがそうでもないんです。

市田柿は、収穫時期が遅れた、やや熟しすぎた状態になると、渋味が抜けてとても甘くなります。
ただ、残念なことにこの状態だと日持ちがしないので、もっぱら地元のひとのみが楽しむものだったわけです。
ところが、いつの頃からか、これを凍らせて、シャーベットのようにして販売するようになっているんです。
その名も〈氷結市田柿〉。
冷凍にすることによって賞味期限の問題をクリアするのみならず(1年くらい持ちます)、旬を外した夏に食べられるのですから柿好きにはたまりません。

この氷結市田柿は、果物の繊維があるだけに普通のシャーベットやアイスクリームよりずっと溶けにくく、口のなかに入れているとその冷たさで悶えそうになります。
いわゆるアイスクリーム頭痛状態ですが、これも上手くコントロールすれば、脳に行く血流を適度に増やして、暑さでぼやけた頭も本当にすっきりします。
氷結市田柿は甘さも上品ですっきりしているので、その点も夏向きですね。

夏の柿というのは、ちょっとおかしな感じですけど、私は干したものよりも氷結の方がずっと好きです。
柿が夏の季語になるのもそう遅くはないかもしれませんね。
みなさんにもぜひ信州の夏の味覚をご賞味していただきたいものです!
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梅雨冷えの煮込み

今日6月23日の長野市は梅雨冷えとでもいうのでしょうか、気温が20度ほどまで下がり、私も羽織るものを箪笥から引っ張り出してきたのですが、夜になると肌寒いほどで、久しぶりに温かいものが食べたくなってきました。
そこで頭に思い浮かんだのが”煮込み”。
煮込みといっても色々あるでしょうけど、我が家では牛肉を白味噌で煮込んだものを指します。
ただ、牛肉の煮込みというのはこしらえるのに時間がかかるものですから、思い立ってすぐに食べられるものではありません。
肉を柔らかく煮るには時間がかかりますからね。

そういうときに私が選ぶのはネックとすね肉のスライス。
これらの部位は肉の味がしっかりしていて煮込みには最適ですし、スライスにしてしまえば筋張った感じ嫌ではなく、むしろ適度な歯ごたえになります。
あと、出来ればでいいんですけど、アキレス健のスライスがあると、コラーゲンが出て、味もこってりします。
それをざっと下茹でして、灰汁を抜いて刻んだコンニャクと一緒に昆布出汁で15分ほど煮込みます。
風味づけと臭み消しの日本酒(焼酎)とおろし生姜も忘れずに。
そして最後に白味噌を溶き入れ、醤油で味を引き締めてから火を止めます。
器に盛ったら、上に九条ネギの刻んだのをどっさりと乗せ、八幡屋磯五郎の七味唐辛子を振りかけて完成。
(※スーパーで売っている牛こま肉でも十分に美味しく出来ます。)

牛肉の味噌煮込みには大根やお豆腐を入れる場合もありますが、私は水っぽくなるので使いません(この方が冷凍にもしやすいです)。
どうしても大根や豆腐と一緒に食べたいときは、それらを別に出汁で煮て、その上に煮込みをかけることもあります。
私は寒い日にこれで日本酒をちびちびやるのが大好きです。
コンニャクで一杯、肉で一杯、ネギと肉で一杯、それでもって、アキレス健のところを見つけたら、そのくにゅっとしたところを楽しみながらもう一杯…、と際限がありません。

また、この煮込みはご飯にも合うんです。
私はそのままおかずにしますけど、がっつり食べたいひとには、丼に飯をよそって、上から煮込みをかけ、玉子の黄身を真ん中にぽとり。黄身には少し醤油をたらしてやるといいです。仕上げはもちろんネギと七味。
これは本当に美味い。
私の相方などは、私のお猪口が空になる前に、丼が空になっています。

というわけで、夏本番に備えて体力をつけようではありませんか!
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暑い季節は辛いカレーがいいですね

飲食店の大食いメニューや激辛メニューといえば、若い頃は誰だって挑戦したことがあると思うんですけど、私はそれで一度、とんでもない目にあったことがあるんです。
私が挑戦したのは、京都市のとある喫茶&軽食のお店でした。
そこの激辛カレーは、制限時間内に食べきれば無料になるといいうだけではなく、コーヒーチケット10枚がついてくるという、なかなかお得な挑戦メニューだったのですが、その辛さというのが通常の50倍の量のスパイスを用いるという常軌を逸したものだったわけです。
私も辛さには多少の自信がありましたし、失敗しても1500円を払えばいいだけだったので、「いっちょやってみるか!」と思い立ったのですが、一番の難題は、”他人の目”でした。
50倍カレーともなれば、汗と鼻水が飛び散る阿鼻叫喚が予想され、それを誰かに見られるというということが当時の私には抵抗があったのです。

そこで店じまい間際の深夜帯を狙って店のドアを潜り、他のお客さんがいないのを確認した私は、カウンターの隅に座ると、メニューを見るふりをしてから、おもむろに「激辛カレーをください」と注文しました。
店のおばちゃんはちょっと戸惑った気配でした。
この店は学生のお客さんが多く、激辛への挑戦も、普通ならば友達同士でやってきて、ワイワイいいながらやるわけです。
ひと目を盗んでの挑戦はかなり不自然だったことでしょう。

しかし、注文がくれば仕方ありません。
おばちゃんは、「辛いけど大丈夫?」と一声かけ、私が頷くと、コンロの前に立ちました。
そして片手鍋にベースとなるカレーソースを注いだかと思うと、そこにスパイスをこれでもかと投入していったのです。
鍋が沸くにつれて、スパイスの香りが店中を支配し、辛いような苦いような煙が立ち込めると、私の鼻と喉は早くもひりひりし始め、目にも涙が溜まってきました。
おばちゃんの後ろ姿が、魔女のそれに見えてきた…。

そしてカウンターに置かれたカレーの色のなんともどす黒いこと。
色んな絵の具を混ぜてゆくと、最後には黒になるといいますが、スパイスも同じことなのですね。
そして最初の一口。
思いのほか辛くありません。
ただ、苦いんです。スパイスが口のなかでじゃりじゃりして、薬のような味が広がってゆきます。
そして痺れるような熱さ。
食道を通って胃のなかに落ちた塊が、「オレはここにいる!」とでも叫んでいるように胃がジンジンします。
その熱は熾火のように消えることはなく、体中の毛穴が開いたようになって、そこから汗が噴き出したのはいうまでもありません。
一刻も早く消化しなければ大変なことになる!

しかし、ここで大事なことがあります。
激辛への挑戦では決して水を飲んではなりません。
一口飲んだらもう辛さに抵抗はできないんです。
口のなかがマヒしたようになっているうちに、かきこむしかないんです!

私は平静を装いながらスプーンを動かしました。
中盤からは目が回ったようになって、平衡感覚が失われてくるんです。
体全体、いや全ての臓器が脈打ったようになってくる感覚もいままでに経験がありません。
体が「もう嫌だ!」と抵抗しているのは確かでした。
それでも私は挑戦の方を優先させました。
これはおばちゃんと私、スパイスと私の戦いなんです。

そうしてお皿が綺麗に空になったとき、制限時間はまだ半分ほども残っていたでしょうか。
私はお水を一口飲んだあと、「美味しかったです。ごちそうさまでした」とすまし顔でおばちゃんに声をかけました。
おばちゃんの「おめでとう」には呆れたような、ちょっと悔しそうなニュアンスが籠っていたのはいうまでもありません。
するとおばちゃんは、お会計をするかわりにポラロイドカメラを取り出し、私のことを写真に収めました。
店の壁には達成者たちの写真が貼られているのです。
そこに加わることになった写真を見せてもらうと、そこに映っている私は決してすまし顔ではなく、唇を真っ赤に腫らし、目を充血させた、異様な風体でした。
やはり、ひとりで行って正解でしたね…。

勝利の余韻に浸りながらの帰り道、そのときの夜風の心地よさは忘れられません。
しかし家に帰ってもなお、食道や胃袋が焼けるように熱かったのはもちろん、心臓や体中の血管がばくばくと脈打っていましたし、肌もひりひりして、全身が自分のものではないみたいなんです。
これはやばい、と感じた私は、まず牛乳をたらふく飲み、冷たいシャワーを浴びました。
しかし、全身の熱をいっこうに収まりません。
熱が籠って発散されないような感じなんです。
これは本当におかしい、何なんだこれは。
私は自分の体に起こっている未知の現象に戸惑いました。
そして、ふと気づいたんです。

お店では滝のように流れていた汗が、一滴も出ていない!
こんなことがあるのか…。
人間は汗で体温を調節する生き物です。
ちなみに他の動物の多くは呼吸で体温を調節します。舌や口腔や喉の唾液を蒸発させることで体温を下げようとするわけです。走ったあとの犬が激しく「はあはあ」するのはそのためです。
ですから、汗の出ない私もかなり「はあはあ」していました。
そして水風呂に入ったり、タオルを使って体を濡らしたりと、体温を無理やり調整したわけです。
この状態は2日ほど続きました。
そうして汗が出始めたとき、汗って本当に素晴らしいものだと思いましたよ。
匂いやベタつきの原因として嫌われている汗ですが、出なくなったらほんと大変なんです。感謝しましょう。

しかし、このようなことがあっても、私は辛いカレーが大好きです。
暑い季節になると特に食べたくなります。
減退しがちな食欲を刺激してれくますし、汗もかかせてくれて、かえって気持ちのいいものです。
もちろん、”適切な辛さ”でなくてはなりませんけどね!
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かつしき

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