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東京パラリンピック、美しく閉幕

早いもので東京パラリンピックも今日9月5日が大会最終日。
ここまでメダルラッシュの日本パラチームですが、この日も朝のマラソン3種目でメダル獲得するという快挙。
なかでも男子視覚障害に出場した長野市の堀越信司選手の逆転銅メダルはドラマチックでした。
序盤から先頭グループについて行けない展開ながらも、気持ちを切らすことなく粘りの走りで機会をうかがい、35キロから追い上げての見事な3位!
堀越さんも本当に苦しいレースだったと思うんですけど、それを乗り越えてのメダルだっただけに、ゴール後は最高の笑顔でしたね。
おめでとう!

そして同じ長野市出身でいえば、午後の男子車椅子バスケ決勝には藤沢潔選手が出場。
男子バスケはこれまでベスト8が最高成績だっただけに、決勝進出だけでもとんでもない躍進ですが、ここまで来ると金が欲しくなりますし、チームの面々もそういうオーラをビシビシ放っていたので、最強アメリカ相手にも番狂わせを起こしてくれる可能性は十分でした。
試合はその期待通り一進一退の攻防が繰り広げられ、日本車椅子バスケの確かな実力を世界に知らしめると、最終第4Qではアメリカをリードする場面もあって、日本の多くのひとが手に汗握ったと思います。私も息をするのを忘れるくらいテレビにかじりついていました。
しかし、終盤の”決めたい1本”を日本が外し、アメリカは決め、ファウルゲームからの日本の勝負を賭けた3Pも枠に弾かれ、惜しくもアメリカの壁を超えることはできませんでした。
それでも最終日の最終種目で金メダルの夢を見させてくれたのですから男子バスケチームには感謝の言葉しかありません。
強大な敵に臆せず立ち向かっていった彼らは、東京大会を締めくくるに相応しいヒーローでした。

堀越・藤沢両選手の長野への凱旋が楽しみです!

そうして閉会した東京パラリンピックですが、日本チームの獲得メダルは金13個を含む合計51個(※メダル数訂正しました)。
ボッチャやバスケなど、種目としての初のメダルが多かったのもこの大会の特徴です。
リオ大会のときは金メダルゼロの計24個という屈辱的な結果でしから、チームとして本当によくがんばったと思います。
また、金メダルでいえば、母国大会での獲得を公言してきた車椅子陸上の佐藤友祈選手や車椅子テニスの国枝慎吾選手、競泳の鈴木孝幸選手や木村敬一選手、視覚障害女子マラソンの道下美里選手などがきっちりもぎ取ってくれたのは印象的でしたし、有力とされていた若手や初出場選手(50歳の杉浦桂子選手が凄すぎ)が自分の実力をしっかり発揮していた姿も頼もしかったです。
母国開催として胸を張れる結果でしたね。

もっとも、パラリンピックは細かなカテゴリー分けがあるとはいえ、障害の程は選手によって千差万別なので、メダル数はひとつの指標にすぎません。
自分との戦いに勝利、もしくはそれに納得した末の笑顔もまた大切なことです。
そして、その意味でも今大会の日本チームはリオ大会を完全に上回り、過去最高の結果だったと思います。
選手やそれを支えるひとたちの笑顔が咲き乱れる最高の大会でした。
(会場に観客がたくさん入れなかったのが本当に残念。)

というわけで、私もこの2週間を思う存分楽しませてもらいましたが、やっぱりパラリンピックはいいですね。
五輪と違って各種目にとってここが紛れもなく”最高の舞台”ですから、選手全体の気持ちの強さが五輪を上回っているのを感じますし、それが大会の雰囲気を濃密なものにさせます。
なかには進行性の障害を抱えている選手もいるせいか、”いましかない”という思いがテレビを通して伝わってくるというのもあるでしょう。
勝っても負けてもみんなキラキラしていました。
テレビを観ているこっちも、いつの間にか日本とか外国とか関係なく応援しちゃうんですよね。

またそのパラリンピックらしさでいうと、選手同士が互いの健闘を称え、交流を深めようとする場面が多く見られるのも、健常者の大会との違いです。
陸上の跳躍系種目で暫定1位の選手が最終跳躍者に手拍子を送る姿なんかも本当に素晴らしいものがありました。
選手はみな対戦者であり仲間であるというスポーツの根本を見たような思いがします。
それも含め、この東京パラリンピックは私にとって極上のエンターテイメントでした。

関わったすべてのみなさん、本当におつかれさまでした、ありがとう、楽しかった!
閉会式もよかった!
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東京パラリンピック開幕!

日本選手たちの活躍が目覚ましかった東京オリンピックが終わってから約2週間、今日2021年8月24日からはいよいよ東京パラリンピックです。
注目の開会式は「WE HAVE WINGS」をコンセプトに一貫した流れでショーやセレモニーが行われ、中だるみすることなく、とてもエネルギッシュでしたし、競技もこの勢いで進行するといいですよね。
武漢ウイルス禍による無観客は残念ですけど、いまはテレビ中継だけではなく、選手個々がSNSなどで世界中にメッセージを飛ばせますし、それもまたひとつの翼です。

ちなみに、武漢ウイルス禍のなかでも参加国・地域は161を数え(+難民選手団)、これは前回のリオ大会の159を上回り、過去最多だったロンドン大会の164に迫る数字ですから、選手たちとその国々、そして国際パラリンピック委員会(IPC)と東京大会組織委員会がウイルスの脅威に立ち向かい、パラリンピックの灯を消してなるものかと努力してきたことが窺えます。
障害者も健常者も含め、パラスポーツに生きがいを見出しているひとたちが世界中に数え切れぬほどいることを考えれば、この”パラリンピック・ムーブメント”を途切れさせるわけにはゆかないのです。

そしてその参加国数でいえば、1週間前までは162を予定していたことも忘れてはいけません。
欠けてしまったのはアフガニスタン選手団です。
タリバンが武力によって国の支配権を握ったことで、アフガニスタンは選手団を送ることができなくなったんです。
女性のアスリートの場合、イスラム原理主義を掲げるタリバンはこれを完全に否定しているのでより困難な状況にありますし、選手のなかには内戦で障害を負ったとひともいることを思うと、暴力でしか物事を進められない連中が本当に憎らしいです。
国際社会はアフガン選手団が再びオリ・パラに参加できるよう知恵を絞り続けねばなりません。

また日本の話でいうと、64年東京パラリンピックを契機に障害者の社会参加が進んだという歴史があるのですから、パラリンピックはある意味、オリンピックより意義ある大会ということもできるでしょう。
そういう価値観のなか、これまで皇太子が担っていた開会宣言を、今大会から初めて天皇陛下が行われることとなりました。オリ・パラともに陛下のお言葉で始まるようになったわけです。
日本選手団の公式ウェアにしても今大会からオリ・パラで共通になりましたし、私はこれは本当に素晴らしいことだと思います。ワンチームという感じがしてこの方が絶対にいいです。
そういうのもパラリンピックから社会へと広がってゆくいい流れのひとつだと思います。

…と、パラリンピックに意義についてつらつらと書いてきた私ですが、いざ大会が始まると、競技を楽しむだけで色んなことを忘れちゃうんです。
オリンピックにしろパラリンピックにしろ、私から見たら選手はみな超人ですから、そういうひとたちの才能と努力の結晶を目にするのが楽しくてたまらないわけです。
そして、これは書いちゃうと気を悪くするひともいるかもしれませんが、選手やチームがつまんないミスしたときは、テレビで応援しながら普通に文句いっちゃってます。障害のせいでミスが多いとわかってはいても、興奮しているとなかなか抑えられません。
ただ、もちろん成功したり勝ったりすれば跳びはねて喜んでいます。
まさに一喜一憂です。

というわけで日本選手も海外選手も東京大会を思いっきり楽しんで欲しいですし、私も思いっきり楽しむつもりでいます。
熱狂と興奮の13日間に期待しています!
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