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びんずるへの嵐

〈長野びんずる〉といえば、市民参加型の祭りとして1971年に始まり、学校や職場の友達や仲間と一緒に”連”という踊りのグループを作って、大いに盛り上がることで知られていますが、46回目を迎えた今年2016年、その祭りが最大の危機を迎えているんです。
その原因は”嵐”。
といっても、暴風を伴うそれではなく、トップアイドルグループ〈嵐〉のことです。
その嵐のコンサートが長野びんずると同じ8月6日開催されるということで、交通面や宿泊面において大きな混乱が予想され、市内のタクシー業界がびんずる実行委員会に開催日の変更を求めるなど(結局、却下)、長野市はかつてない緊迫感に包まれています。

嵐のコンサートが行われるエムウェーブの収容は約2万人。
コンサートは昼と夜の2部公演ということで、約4万人(昼と夜とを梯子するひともいるでしょうけど)の観客が訪れることになるわけですが、その大半はおそらく県外・市外の方たちでしょう。
ちなみに去年8月、エムウェーブで関ジャニ∞のコンサートが行われた際には、手際の悪さや渋滞で帰りのシャトルバスが遅れ、最終の新幹線に間に合わなくなり、長野駅前に帰宅難民が多数溢れてしまって全国ニュースにもなりました。
今年はそこに長野びんずるが加わるのですから、とんでもない混乱が起こるに決まっています。
長野市内には宿泊施設もそんなにありませんし、帰れなければ野宿をすることになってしまうわけですが、去年はたまたま天気が良かったから助かったものの、空が荒れれば大変なことになります。

そのような予測は簡単にできることもあってか、嵐側が配慮をしてくれて、第2部のスタートを1時間早めるという報道が7月8日にありました。
これで一安心、といいたいところですが、長野びんずるは踊り手が1万3千、観客が20万人というビッグイベントなんです。この祭りだけでも毎年、かなりの渋滞が起きます。
私は正直いって、びんずると嵐の同時開催というのは、長野市のキャパシティーを超えていると思います。
ですから、できれば、びんずる側と嵐側で、あらかじめ開催日をずらす話し合いを持つべきだったと思うんです。
もっといえば、会場として嵐と契約したエムウェーブも、長野びんずるとかぶる危険性を考慮に入れておくべきでした。
昨年の関ジャニのコンサートは長野びんずるの1週間後だったんです。そのことからも「もし同じ日だったら…」と想像力を働かせていて当然です。

昨年の関ジャニに続いて嵐のコンサートでもトラブルがあれば、もうジャニーズ系の催しは長野市で開かれなくなってしまうかもしれません。
それはいうまでもなく長野市にとって大きな損失です。
また、シャトルバスへの誘導の不手際や渋滞、それに宿泊施設の不足などといったことが指摘されることは”冬季五輪開催都市”として、大きな恥であることも忘れてはなりません。

長野びんずるも嵐のコンサートも、参加者やファンにとっては2016年夏の本当に大切なイベントです。
その日のためにみんなが一生懸命に準備を進めているわけです。
それに報いるだけの素敵な思い出が残るべきです。
それを同じ日に開催するなどという愚かなことはもう二度としてはなりません。
違う日ならば、嵐もびんずるも両方楽しめるんです。

もし、「ゆずれないよ、誰も邪魔できない」として同日開催するならば、嵐に”連”として長野びんずるに参加してもらうという、長野市挙げての規格外のビッグイベントを巻き起こすしかない!
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小保方氏の良心に望みを託す

「小保方氏に“ファンレター”50通」(2014年4月10日産経ニュース)。

「小保方支持派が過半数越え!インターネット調査…男性に多い「信用する」」(2014年4月10日J-CASTニュース)。

いま巷を騒がしている小保方晴子氏のSTAP細胞問題ですが、4月1日に彼女が所属する理化学研究所が調査最終報告を発表し、小保方氏の論文には研究の根幹部分を担う画像に捏造と改竄があるとして”不正”と断定、STAP細胞の存在についてもかなりの疑いを持ったまま理研内部で検証作業を続けてゆくようです。
これに対し、9日に記者会見をした小保方氏は「(画像の加工は)悪意のないミスで論文の撤回はしない」、「STAP細胞の作成には200回以上成功している」、「自分以外にもSTAP細胞の作成に成功した研究者がいる」と真っ向反論。
「STAP細胞はあります!」と涙ながらに繰り返しました。
しかし、会見での小保方氏はただただ情に訴えるだけで、具体的な証拠は何一つ提示できず、メディアの報道のほとんどは冷淡なものでした。一部には上記のように小保方氏を支持するような反応はあるものの、どうも限定的なようです。

私もこの一件は信じたい気持ちがある反面、理性的に考えればやはり、小保方氏が作ったというSTAP細胞の存在を証明するのは難しいのではないかと思っています。
まず、STAP細胞の作成に何度も成功しているのであれば、共同研究者である若山照彦氏に「STAP細胞だ」といって別の方法で作った細胞(ES細胞か)を渡して実験データを取ってもらう必要はありません。
若山氏をなぜ騙したのか?という記者質問での小保方氏は「忙しくてコミュニケーションが取れてない」と誤魔化すのですから、信じたくても信じられなくなってしまいます。
また、小保方氏とは別にSTAP細胞を作成した人物がいるというならば記者会見の前にその人物に了承を取り、名前をいうべきでした。疑義を持たれてからの時間はずいぶんあったのですからね。

今年の1月28日に小保方氏が夢のような研究成果を発表したときは、私も本当にわくわくしました。
日本の若い研究者が世紀の発見をしたことが我がことのように誇らしかったものです。
それがいまは我がことのように恥ずかしい気持ちになってきています…。
論文を捏造してしまった小保方氏が研究者として失格の烙印を押されてしまうのは仕方ないにしても、せめてSTAP細胞の存在だけは本当であってほしい。
日本の研究者たちの名誉のためにも、そして何よりSTAP細胞に希望を垣間見た病気に苦しむひとたちのためにも。

研究者としてではなく、小保方氏のひととしての良心に期待するよりほかありません。
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ひろしま美術館コレクション

長野市にあった六十三銀行と上田市にあった第十九銀行が1931年(昭和6年)に合併し、いまの八十二銀行(足し算ですね)となって今年でちょうど”82年”。その記念事業のひとつとしてこの4月13日から県立信濃美術館で開催されているのが、〈ひろしま美術館コレクション 印象派の巨匠たちとピカソ〉。
モネやルノワールやセザンヌやピカソといった巨匠の作品が見られるということで、私と相方も3月に前売り券(1100円)を買って楽しみに待っていたんです。だらだらと行きそびれて6月になってしまいましたけど…。
ひろしま美術館コレクション
2階のエントランスから順路に沿っていって、まずはドラクロワの『墓地のアラブ人』、隣にはコローの『花の輪を持つ野の女』というなかなか強烈なスタートで、期待はいやがおうでも膨らみます。
そして今回の看板の作品でもあるマネの『灰色の羽帽子の婦人』や
ルノワールの『パリスの審判』に見入り、セザンヌの『坐る農夫』に目を凝らし、ロートレックの『アリスティド・ブリュアン』はレプリカが欲しいと相方にねだり断られ(私はロートレックのファンです)、ムンクの『マイスナー嬢の肖像画』では技術の高さに感嘆し、マティスの『赤い室内の緑衣の女』の色使いの鮮やかさに目を奪われる。
久しぶりにいい絵を見て興奮しちゃいました。

続いて1階に降りてからは、ピカソの青の時代の『酒場の二人の女』とキュビズムの『女の半身像(フェルナンド)』を見比べて、やっぱりばら色の時代がいいなあ、と思ったり、ユトリロの『モンモランシー通り』では独特の鋭角的なラインに惚れ惚れ。
モディリアーニは1919年に油彩で描かれたの『男の肖像』と1911~12年頃に作られたブロンズの『頭部像』があったのでその間の彼の生活を妄想。
ビュッフェの『赤い家』はこの日、初めて相方と「いいね」と意気投合。

今回は近代ヨーロッパの作家が中心だったのですが、そのヨーロッパに学んだ日本人作家の作品も18点あって、黒田清輝の『白き着物を着せる西洋婦人』(夏には信濃美術館で黒田清輝展があるので楽しみです)、それになんといっても藤島武二の『大王岬に打寄せる怒濤』が見られたのは幸運でした。海風にさらされる松の一木の風情がたまりません。

というわけで54作家65点、堪能させてもらったわけですけど、見終わってふと疑問に思ったのは”印象派の巨匠たちとピカソ”という部分。
印象派の作品は全体の1割ほどですし、ピカソは2枚しかないのにこのキャッチコピーはいかがなものなのでしょう。
多くのお客さんを呼び込みたかったのかもしれませんが、そうだとすると午前9時~午後5時という開館時間に矛盾を感じます。午後5時では普通に働いているひとは土日しか見に行けませんからね。
せっかくひろしま美術館さんから名画をお借りしたのですから、より多くの長野県民の目にふれる機会を作って欲しかったものです。展示室の照明の具合も問題を感じましたし、信濃美術館のみなさんはもっとお客さんの側に立った意識が必要かと思います。そうでなければお金を出してくれた八十二銀行にも失礼ってものです。
銀行も美術館も真心が大切ですよね。

最後になりますが、この展覧会は明日6月23日までなので、ご注意を!
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2012ながの祇園祭

むしむしとした梅雨の只中、汗とひといきれが醸し出す熱気。
祇園祭って決して気持ちのいい催しではありませんが、なぜだか見に行っちゃうんですよねえ。
昨日7月15日の善光寺参道はなかなかの賑わいでした。
2012ながの祇園獅子

京都八坂神社の有名な祭礼を真似る形で全国に広まった祇園祭ですが、私の住む長野市のそれはなんと日本三大祇園祭のひとつなんです!もともとは善光寺門前の町衆の祭りだったそうですし、雰囲気はどこか京都の祇園祭に似ているかもしれません(諸説あるようですが会津、博多、長野が三大らしいです)。
ただ、この長野の祇園祭は古くから毎年催されていたのに大東亜戦争を境に廃れてしまい、1971年に市民参加型のびんずる祭りが生まれたことで余計にそれが加速し、善光寺のご開帳の年にしか見られなくなってしまったのです。
しかし、最近は商工会が中心となって市街地を活気づかせるために例年開催を目論んでいて、今年の祭りにつながったというわけです。

2012ながの祇園おどり
そんな今年の祇園祭は5台の山車が引き回され、東京からやってきた花柳界の踊り手さんたちが気持ちの入った芸を見せてくれたり、権堂町の屋台獅子が大迫力で暴れ回ったりと、とっても華やかでした。30度を超える気温でしたし、演者の方たちはしんどかったと思いますけど、きっとビールも美味しかったはず!

このながの祇園祭、私は毎年やってくれたら嬉しいんですけど、もう2週間後にはびんずる祭りがありますし、それとの兼ね合いは難しいかもしれませんね。それでも昼と夜に分けて一緒にやるという方法はどうなんでしょう。博多祇園山笠や会津田島祇園祭は県外からもお客さんが来るような大イベントですし、長野市民としてはちょっぴり羨ましいんです…。

そんな祇園祭ですが、これが始まった平安時代は御霊会、つまり鎮魂の祭事で、暑い季節に疫病が流行したことが理由にあるというのはみなさんご存知の通りかと思います。
現代では夏に疫病ということもあまりありませんが、去年と今年にかけては地震や水害といった天災に日本は痛めつけられましたから、どうしてもそのことが頭を過ぎります。九州ではいままさにに豪雨に苦しめられているわけですし。

お祭りというのはなんといっても楽しむことが大事だと思います。
けれども日本の祭りというのはそれだけではありません。なにかに思いを寄せる瞬間がある、それが日本の祭りの風情なのだと、しみじみした感じた2012年のながの祇園祭でした。
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大原美術館コレクションin長野市

もうずいぶん前になりますが、岡山県の倉敷に遊びにいったさい訪れた大原美術館には、その外観の威容と濃密な展示内容に度肝を抜かれたものです。

実業家の大原孫三郎氏と彼が援助していた画家・児島虎次郎氏のタッグによって1930年に開館したこの美術館を一言でいえば、”夢の館”。
モネ、エル・グレコ、ルノワール、ロートレック等など、世界的名画の数々を所蔵するこのような美術館が日本に存在することが奇跡のようにすら思えます。

私は外国の名だたる美術館を訪れたことはいまだにありませんが、ルーヴル美術館やメトロポリタン美術館の日本での展覧会で受けたのと同じくらいの衝撃を大原美術館で味わったものです。
ただ、また行きたい、何度でも行きたい、そう思いながらも機会を逸しているうちに時が経ち、関西を離れ信州に越してきてからはその願いも遠いものになってしまいましたが、今年2011年、信越放送の60周年と長野県信濃美術館の45周年を記念して、なんと〈倉敷・大原美術館コレクション〉という企画が開催されることとなったのです!
大原美術館展
春にこれを知ったとき、私はさっそくチケットを買い求め、いまかいまかと開催日の6月11日を待ちわびていました。
けれども、なんやかんやと予定が立て込めて、気づけばもう8月。展覧会は21日まです。
というわけでお盆の時期に慌てて善光寺の側にある信濃美術館へ行ってまいりました!

展示の目玉はルノワールの『泉による女』ですが、モネの『積みわら』、デ・キリコの『ヘクトールとアンドロマケーの別れ』、ルオーの『道化師』、ピカソの『肱かけ椅子の女』などもありますし、日本人画家では関根正二の『信仰の悲しみ』まで見ることができるんです。
大原美術館展2
いやあ、本当に満足しました。気がついたら3時間くらい経っていました。
展示品は児島虎次郎氏が1900年代の初めころに買い付けた作品が多いので、西洋画の同時代展といった風情もあって、そこもまた大いに興味深いものがありました。
まだ見にいらしていない方はぜひ、夏の思い出に。

しかしここでとんでもない事実が。
実はこの展覧会、前期と後期に分かれていて、数点の作品が入れ替わって展示されていたのです!
とりわけ私がショックだったのは、ムンクの『マドンナ』がもう長野市を去っていたこと。
入れ替わり制だと知っていたら、前期と後期の2度行ったのに!
テレビでの宣伝やポスターなんかではまるで告知していなかったんですから、ちょっとひどいです。

…と、恨み節を書き始めれば切りがなくなりますけど、これで大原美術館へ再度訪れる楽しみができた、と前向きに考えることにします。

なでしこジャパンの宮間あやが所属する岡山湯郷Belleの試合を観に行って、湯郷温泉に浸かった帰りに倉敷を楽しむ、なんて旅行も楽しそうです。
夢が膨らんできました!
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