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BBCのジャニー喜多川特集について

イギリスのBBCが故・ジャニー喜多川氏の性虐待について取り上げた番組を放送したのがこの3月7日(2023年)。
予想通り日本の既存メディアはこれを完全スルーしたわけですが、9日の参院総務委員会で政治家女子48党(元NHK党)の浜田聡議員がNHKの代表者にこの問題に関する質問をしたのもスルーでしたから、日本の”報道しない自由”は本当に強固です。
また、浜田議員が「ジャニー喜多川氏はタレントの差配などで民間テレビ局に大きな影響力を持っていたため、民放がその問題を報じないうのは一定の合理性があるが、受信料で成り立っているNHKまで忖度する必要はないのではないか」と質問すると、NHK側が「自主的な編集判断に基づいて総合的に判断している」と杓子定規に棒読みで返答していたのも印象的でした。
受診料は無理矢理ふんだくるのに視聴者が知るべき情報は流さないというNHKのスタイルは自由すぎますね。

このBBCの番組の一部はYouTubeでも公開されているので、私もそれを視ましたが、なかなか強烈です。
ジャニー氏から性被害を受けたという元ジャニーズジュニアの男性たちが色んな思いを乗せながらそのときのことを振り返る様子には真実味がありましたし、それが心の傷になっているひともいれば、ジャニー氏への敬慕は変わらないと明言しているひとがいることもまた闇の深さを感じさせました。
さらに1999~2000年にかけてこのジャニー氏のスキャンダルを記事にした『週刊文春』の記者が「マスメディアの各方面から圧力がかかった」とその当時の恐怖を語っていて、少年たちだけではなくメディアをも支配するジャニー喜多川氏の権力がどれだけ絶大だったか知れません。

ちなみにジャニー氏の性加害は、ジャニー氏側がこの『週刊文春』を名誉棄損で訴えた際、「記事の重要な部分は真実である」と東京高裁で認められ(ジャニー氏側の負け)、その後、ジャニー氏側は上告しなかったのか、して棄却されたのかわかりませんが、とにかくジャニー氏の性加害は事実として確定しました。
ですから、これは疑惑ではなく事実なのです。
BBCの番組ではそうして事実認定された醜聞すら日本の既存メディアが一切報じていないことが大きな疑問であるとしていました。

そうして今回の特集番組が日本のネットやSNSではけっこうな話題になっているのに、マスメディアが相変わらずスルーしているため、BBCはそれを批判するためか嘲笑するためか、17日に外国特派員協会のZOOM会見で追い打ちをかけています。
BBCでは人気司会者だったジミー・サヴィルの性的虐待が発覚し、大きな問題となったことがあるだけに、この種のスキャンダルの追及に積極的なのでしょう。
自分たちには自浄作用があるとでもいいたいのかもしれません。

まあそれはさておき、日本の既存メディアとジャニーズ事務所の関係が異常かつ醜悪であることは確かです。
スキャンダルは報じず、常に万全のバックアップ体制を取ってジャニーズを支え、ジャニーズと対立している人間や組織があったらそちらを潰すくらいの勢いですからね。
そんなわけですから”ジャニーズによってメディアが支配されている”という見方もあるかもしれませんが、それと同時に”メディアがジャニーズを利用している”という側面もあるかと私は思うんです。
”揺るがないジャニーズブランド”を軸にエンターテイメントを作る方が、手間も暇もかからないとメディアは考えているのでしょう。
悪しざまに例えれば「ジャニーズはカッコいい!素晴らしい!」と国民を騙し、誘導することの方が、挑戦的な企画を作るよりもずっと簡単だということです。
(日本のメディアは他の分野でもこれを常套手段にしていると思います。)

日本では〈クロスオーナーシップ〉が野放しになっていて、テレビ・ラジオ・新聞が同一資本で結びつくことが許されていますし、出版社がテレビ局の株を持っていたりと、既存メディアはまさにずぶずぶの関係です。
先進国ではこんな状態の国は珍しく、そのために〈報道の自由度ランキング〉が低くなっているくらいです。
メディアが一致団結して国民を操った先にあるのは嘘の世界です。見えない落とし穴です。
放送法が議論されるとき、マスメディアはこぞって「言論弾圧だ!」と叫びますが、国民からするとそれと同じくらいメディアによる世論誘導に気をつけるべきです。

”ジャニーズブランドの刷り込み”でいえば、実はBBCの特集番組でも、「日本人の多くはジャニー喜多川氏の性的虐待を知りながらジャニーズ事務所を支持している」という実態を戸惑いと驚きとともに伝えているんです。
これは外からの視点だと本当に理解できないことでしょう。普通ならジャニーズ事務所全体を国民が拒否するはずです。
しかしそうはならないのが日本なのです。
これはマスメディアによる洗脳なのか日本人の価値観なのか私にもわかりません。

かくいう私もジャニー氏の醜聞とジャニーズタレントを分けて考えがちです。
さらにいえば「ジャニーズ事務所は養成所の費用が完全無料なのだから、それと引き換えに色んなことがあるだろう…」という非人道的な考えが心のどこかにあることも否定できません。
私も批判されるべき人間のひとりというわけです。

BBCの特集番組がジャニー氏を非難しているだけではなく、日本のマスメディアと日本社会にも疑問を投げかけていることが、私にはけっこう堪えました。
ジャニー氏の性加害が認定された裁判はもう20年以上前のことですが、その当時といまの日本が変わっているとも思いませんしね。
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松本零士と業

松本零士先生の『銀河鉄道999』は『銀河鉄道の夜』と『青い鳥』をモチーフにしていることが公式に語られているように、主人公の星野鉄郎は永遠の命と頑健な身体を持つ機械化人になるために遠く離れたアンドロメダ星雲を目指し、その途中で立ち寄った星々でのひとびととの出会いと別れから、限りある命の尊さに気づいて行きます。
漫画の連載やアニメの放送が70年代後半から80年代前半なので、当時の日本の急速な工業化や都市化、それが産む人間関係の希薄さに対するアンチテーゼといった意味合いもあったのでしょう。
銀河超特急999号がSLの姿をしていることや、鉄郎の服装がボロをまとっているような感じなのも、進歩に対する反発としか思えませんし、物語の最後に鉄郎が科学技術ではなく人間性を選んだのも最初からそのレールに乗っていたわけです。

また、この『銀河鉄道999』という作品に奥行きを与えているのが鉄郎とともに旅をするメーテルという頼りになるパートナーです。
彼女は機械化人なのか生身の人間(クローン)なのかはきとはしませんが、永遠の命を持っていることだけは明言されていて、身体は宇宙一美しく、性能的にも非常に優れていると描写されていますから、誰もが羨む究極的な存在でした。
ただ、メーテル本人はそれを誇るわけでも尊んでいるわけでもありません。
むしろ、わずらわしいもの、業(カルマ)に近いものとして捉えているような風情なのです。
(※詳細はネタバレを含みますので書きません。)

このメーテルの有り様は謡曲『安達原』(『黒塚』)の鬼女そのものです。
ひとあらざるものが持つ孤独、そして長命を維持するためになにかを食らわなければならないという業。
松本先生がそれを意識してメーテルというキャラクターを創作したのかどうかはわかりませんが、日本人が600年前から持っている感覚を松本先生は確かに作品に落とし込んでいるんです。
『銀河鉄道の夜』と『青い鳥』は西洋のテイストですが、そこにその和の哲学が加わることで『銀河鉄道999』の世界は重層的なものになっていますし、宇宙を旅しているはずなのに実は人間の内面を旅しているというところも東洋的です。
(メーテルは西洋風のファッションをしているのに中身が和なのも面白いです。)

このように『銀河鉄道999』は設定段階で成功が約束された作品だったといっていいでしょう。
実は私は漫画を読破したわけでも、アニメをつぶさに視聴したわけでもないのですが、そんな私でも『銀河鉄道999』を絶賛してしまうところに、この作品の偉大さがあると思います。
もちろんそれを生み出した松本零士先生も偉大な天才クリエーターです。
それもワールドワイドな。

ですから、松本先生の訃報が流れた昨日2023年2月20日(死去されたのは13日)は、日本のみならず世界全体が悲しい日でした。
松本作品風に宇宙から地球を眺めたら、地球そのもが泣いていたかもしれません。
松本先生の宇宙を舞台にした作品はその後の日本のSF漫画・アニメに強い影響を与え、またその作品が海外のクリエイターを刺激し続けているのですから、その存在は大きすぎます。

さらには松本先生が主要スタッフのひとりとして才能を振るった『宇宙戦艦ヤマト』がアニメブームを起こし、アニメがオカネになる道を切り開いたのも偉大な功績のひとつです。
先生は晩年、そのヤマトの著作権を主張して敗訴したり、槇原敬之氏の歌詞にイチャモンをつけて名誉棄損で賠償金を支払わされるなど、世間やファンが眉をひそめるような愚行を犯してしまうこともありましたが、”クリエイターの権利”に関心が集まったという意味では無駄なことではなかったのかもしれません。

賢く立ち回れば甘い汁を吸えるはずの立場なのに、孤独になってしまう方の道を選ぶのですから、松本先生もまた業深きおひとだったのでしょう。
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2023年も日本のテレビドラマは酷いことになりそう。

少々古い話ですが、昨2022年の春、TBSとフジテレビとテレビ東京、そしてNHKが”ドラマ枠”を増やしたことは、ドラマ視聴率の低迷が叫ばれるこの時代に、不可解な話題として報じられました。
その理由については各所で分析され、「バラエティや情報番組と違い、ドラマはテレビ局の財産となり、再放送や配信サービスといった展開が見込めるから」というのが一致した意見であり、放送収入が右肩下がりの民放キー局が未来に向けて考え方を変え始めたというわけです。
面白い作品が生まれれば、これまでほとんどやっていなかった海外への配信もできますしね。

ただ、民放各局が力を入れていたはずの連続ドラマ(1クールもの)も、2022年はこれといったヒット作に恵まれず、プライムタイムで放送された45作品のうち平均視聴率15%を超えるものが1作もなく、10%を超えたのもわずか6作品だけでした。
逆に5%台は7作品、4%台が3作品、3%台が2作品なのですから、ドラマ離れを強く感じる1年間だったのではないでしょうか。
(※21年は放送された約半数が2桁で、20%台が2本、19%台が2本。)
私も何本か視聴しましたけど、1クールを完走することも少なく、日本ドラマの制作力に不安や憤りを感じてばかりでした。

ただ、最後の牙城といいましょうか、22年も1クールに必ず1本以上は2桁視聴率の作品が存在しました。
これは世帯視聴率調査が始まった1961年から続いている記録です。
ドラマ視聴率に興味のある方ならば、その記録が危ぶまれた夏クールにおいて、『オールドルーキー』が最終話で11.6%と盛り返し、最終的に平均10.44をキープしたときは、どんなドラマよりもドキドキしたはずです。
本当にヒヤヒヤものでした。

しかしそんな記録もこの2023年の冬クールはさすがに途切れてしまうかもしれません。
昨日1月18日に12本が出そろい、いくつかの作品は2話目も放送されたわけですが、1話目で2桁視聴率だったのは3本しかなく、そのうち2本は2話目で1桁に落ち、2桁をキープしているのは『Get Ready!』のみとなっているのです。
これも11%ないですし、評価もあまり高くないので、おそらく平均2桁でフィニッシュするのは難しいでしょう。
ダークホースとしては初回9.3%だった『罠の戦争』を挙げたいところですが、右肩上がりで推移する作品はこのところまったくといっていいほどないので、過度な期待はできません。

また、昨今重視されているコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)や見逃し配信再生数でいうと、『夕暮れに、手をつなぐ』が高い数字を獲得しています。
これは先クールの『silent』に似た雰囲気です。
”作りの丁寧な恋愛もの”という共通点があり、それがコア層の一部のニーズに合致しているのでしょう。
ただ、初回の”世帯”視聴率は8%しかなく、『silent』がそうだったように、幅広い視聴者に評価されないかぎり2桁は見えてきません。

ちなみに私は本当に素晴らしい作品ならば、ターゲット層を絞っていても、自然とそれ以外の層も巻き込むと思っているので、世帯視聴率が伸びない作品を過度に持ち上げることについては疑問を感じています。
コア視聴率や配信再生数を盾に「ヒットしている!」と喚き散らすネット記事なんかはステマなんじゃないかと疑っているくらいです。
しかも配信再生数なんて世界中の配信サービスで不正が疑われていて、集計方法の変更が行われることもありますし、そんなに重視すべきものではありません。
その数字が真実だったら、『silent』なんて最終話で12%以上獲ってなければおかしいですしね(実際は9.3%)。

そもそもコア視聴率や配信再生数というのは配信サービスが気にすべき数字であり、民放キー局がこだわるべきものではありません。
民放テレビは”マス”メディアなんです。
大衆のための媒体であり、コアのためのものではないのですから、こだわるべきは世帯視聴率のはずです。
恋愛ドラマにしても、子供たちが憧れ、若者が自己投影し、中高年が昔を思い出して楽しめるようなクオリティを心がければいいわけです。
そのマスメディアとしての責任を放棄し、一部の層だけに媚びるようなドラマだけを作ろうというならば、放送電波を独占する必要もないはずです。

昨年からのドラマ視聴率の低迷は、偏にテレビ局側の志の低さが原因だと思います。
過去の日本のドラマでは、面白い作品ならば若者向けでも中高年も食いつきましたし、逆に中高年向けでも若者が話題にしました。
コアだの見逃し配信だのと言い訳を探しているせいでクオリティがいっそう落ちていることに気付くべきです。
ここ何年も酷い状態が続いているのに、それに拍車がかかったといっていいでしょう。

とにかく粗製乱造は止めて、制作本数を減らしてでもクオリティを上げるべきです。
その方が結果として配信でも利益が出るはずですし、世界的にも売れるはずです。
かつての日本のドラマは海外で海賊版DVDが売られていたんです。
その頃の競争力を取り戻すことこそが日本のドラマの未来です。

どこの局でもいいので逆転劇に期待します。
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紅白歌合戦は国民の3分の1を大切にすべき

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

2020年11月にさるマーケティング会社が「20代以下ではテレビ(地上波・BS)よりもYOUTUBEを視聴している時間の方が長い」
という結果を発表した際にはちょっとした驚きがありましたが、そこからの2年間では無料動画配信サービスのみならず、有料のそれがより幅を利かせるようになっていますし、テレビは本当に苦しい時代を迎えています。

しかし、テレビの底力といいましょうか、昨2022年はサッカーW杯カタール大会の日本×コスタリカが42.9%を叩き出し、他の日本代表絡みの試合も深夜のそれでも30%以上、未明のそれでも20%以上を記録していました。
全試合放送で存在感を発揮したABEMAよりも、いまはまだテレビが選ばれています。
さらには冬季五輪の人気種目や箱根駅伝といった有力コンテンツも視聴率25%以上を確保しているのですから、スポーツ関連ではテレビはまだまだ強さを発揮しているといっていいでしょう。

ただ、ドラマやバラエティではヒット番組は皆無といった状況でした。
ドラマでは『DCU』(阿部寛主演)の平均視聴率14.43%が最高で、他に二桁を維持したのは5作品だけ、平均は7%台といったところで、5%台以下も珍しくなく、最近の各テレビ局はドラマに力を入れているはずなのに、”粗製乱造”という言葉がぴったりな惨状です。
私も何作か視聴しましたが、現在の日本のテレビドラマのレベルは悲しいほど低いとしかいいようがありませんし、脚本・演出・芝居といった部分部分でいっても褒めるところが見つかりません。
邦画も含め、優秀な人材も少なすぎて、日本の実写は将来が本当に不安になってきます。

また、バラエティ番組で20%を超えていたのは『24時間テレビ』のPART9と10、お正月の『芸能人格付けチェック2022』の第2部のみであり、番組全体でいえば10%台になるでしょうから、寂しい結果です。
バラエティ番組の視聴率はここ何年も”ほどほど”で推移していますが、録画のみならず見逃し配信も一般的になってきている影響でしょうし、今後も伸びしろがないというのが現実です。
そのせいで各局ともにバラエティには力を傾けなくなっていて、かわりにコンテンツとして財産になるドラマが好まれているわけです。
バラエティは”コンプライアンス重視”の風潮も制作の足枷になっているといわれているので、今後はテレビではなく動画配信サービスが主戦場になって行くかもしれません。

そんなバラエティ番組のなかで唯一気を吐いていたのは『M-1グランプリ』だったと思います。
2022年のそれは視聴率17.9%(関西30.1%)で20%には達してはいませんが、コア視聴率の高さや、SNS等での話題性を見ると、数字以上の話題力が感じられます。
これはたぶん”生放送”であるというのが大きいはずです。
結成15年以内のナンバー1漫才コンビを決める大会であり、結果がわからないワクワク感と舞台の熱気を感じながらリアルタイムで視聴したいというひとが多いのでしょう。
SNSやネットで議論しながらの視聴というのもこの番組ならではの光景です。

そして2022年の大トリ、大晦日の『紅白歌合戦』の視聴率もこの2日に発表されました。
第1部が31.2%、第2部が35.3%です。
第1部は歴代最低だった21年の31.5%から悪化し、第2部は歴代最低の21年の34.3%をなんとか上回るもワースト2位でした。
昨年は社会的にヒットした曲がなかったせいもあるでしょうけど、企画も出演者も魅力が足りなかったというのが私の印象です。
”韓流推し”も失敗だったと思います。その多くが出ていた第1部が最低視聴率ですしね。

昭和の時代は60%、50%が当たり前だった紅白も、平成の半ばからは40%を切ることも珍しくなくなり、令和は2年に40.3%を出した以外はすべて30%台半ばです。
テレビを観るひと自体が減少傾向なので、おそらく今後は30~35%が当たり前になってくるんじゃないでしょうか。回復する要素が見当たりません。

とはいえ、紅白の他には30%台の視聴率を取っているエンターテイメント系の番組はありませんから、悲観する必要はないともいえます。
国民の3分の1が観ているというのは本当に凄いことですし、これ以上視聴者を減らさず、その満足度を守らねばなりません。
そのために重要なのは紅白ならではの特別感を維持することであり、若年層に媚びを売ったり、一部の芸能事務所に忖度したり、わけのわからない韓流をゴリ推しすることではないのです。

2022年の音楽シーンでは、昭和歌謡が若者に注目されたことがひとつの話題でした。
オリジナリティとクオリティがあれば、若者は知らない歌手の歌でも聴くんです。
逆に最近の歌手でもオリジナリティとクオリティがあれば、中年以上のファンを獲得しています。
これはアンケートや配信サービスからの情報で明らかになっていることです。
NHKが意識すべきは世代ではなく、オリジナリティとクオリティなんです。
それさえ間違えなければ、紅白は紅白であり続けられます。

紅白は”生放送でワイワイガヤガヤ”というテレビらしさの象徴なのですから、テレビの最後の牙城であるという意識と責任感も持つべきです。
私は”紅白が終わるとき、テレビも終わる”と思っているので、毎年の視聴率に注目しているのです。
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タッキーとキンプリの3人に見限られたもの

ジャニーズ事務所の”タッキー”滝沢秀明さんといえば、2018年12月31日にタレントを引退して以降はプロデュースや演出の側に回り、様々な後輩グループを手掛けて大活躍していたはずなのに、それがこの2022年11月1日付で突然、ジャニーズ事務所を辞めることとなり、世間を大いに戸惑わせました。
滝沢さんがプロデュースする〈Travis Japan〉が10月28日にデビューしたばかりなのですから、まさに青天の霹靂です。
しかも、本人も事務所もその理由をはっきりと語らず、霹靂によってすべてに靄がかかっているような状態といっていいでしょう。

そうして、滝沢さんとジャニーズ事務所(藤島ジュリー氏)の関係についての憶測ばかりが広がるなか、昨日11月3日の深夜には〈King & Prince〉から岸優太くん・平野紫耀くん・神宮寺勇太くんの3人が来年の5月に脱退、その後退所するという、”事実上の解散”が発表されるのですから、驚きを通り越して思考が停止しそうになります。
キンプリは18年1月に本格デビューした比較的新しいグループながら、現在はジャニーズで一番の人気を誇り、活動も順風満帆だったはずですし、9日には新曲が発売されるということで、このところはその宣伝のためにいくつかの音楽番組に出演していて、3日の夜も生放送があったばかりだったのですから、グループの解体を想像したひとはいなかったはずです。
平野くんなどは現在、民放で連続ドラマの主演を務めていますしね。

その理由について、3人がファンクラブ向けの動画で語った内容が報じられていましたけど、それによると、岸くんと平野くんは「海外で活躍するグループを目指してやってきたが、現在はメンバーそれぞれに考えの違いが生じてしまったため」と説明しているようです。
岸くんは「いまのままでは海外での活動は到底無理」、平野くんは「目標を失った」と、かなり強い言葉を選んでいるみたいなので、偽らざる本心なのでしょう。
神宮寺くんはそんな2人とは違い、「King & Princeから誰かひとりでもメンバーが欠けたら自分も辞めるつもりだった」といって、グループの形へのこだわりを示していました。これもひとつの考えだと思います。

もちろん、これ以外にも”語れない理由”があるのかもしれませんが、本人たちの説明だけをベースに理解するとすれば、”歌と踊りで世界に打って出たかったが、現状のキンプリの活動は国内でのバラエティやドラマにウェイトが置かれおり、理想との乖離が激しすぎる”ということなのでしょう。
後輩にあたるTravis Japanが海外留学を経ての海外レーベルからのメジャーデビューで、最初から世界を相手にしているというのも岸くんと平野くんの気持ちを揺さぶったのかもしれません。

ただ、キンプリの海外展開というのはどこまで現実的だったのかはちょっとよくわかりません。
ここ20年ほどのジャニーズの商売方法を見ていればわかるように、グループの活動は国内にほぼ全振りで、活動内容もパフォーマンス・バラエティ・ドラマを満遍なくという感じになっています。
そしてこれは嫌らしい話ですが、グループの収益の柱は1グループ数十万人単位で抱えている”ファンクラブ会費”です。
年会費は4000円ほどなので、それだけで1グループ数億円の収入になるわけですから、どうしても商売は内向きになります。

ちなみに、そのファンクラブに入ると会員限定の動画を視聴できたり、各種情報が早めにゲットできたりするだけではなく、なんとコンサートや舞台のチケットを優先的に申し込むことができるのですが、優先といってもチケットの購入は抽選なので、少しでもその当選確率を上げるために、親族や知人や友人に名義を借りてファンクラブに入会し(会費は自分持ち)、複数名義状態にするファンも珍しくはないといいます。
そういう濃い目のファンたちがチケットやCDやグッズを買いまくって”推し”を支えてくれることで成り立つのがジャニーズ事務所だといってもいいでしょう。
日本にはジャニーズのターゲットになりそうな人口が3000万人ほどおり(主に10代~50代女性)、そのうち10%ほどをがっちり掴んできたことで生まれたのがジャニーズ帝国というわけです。

しかし、そういう商売のスタイルというのはどうしても規模が限定的になり、世界に向かって羽ばたいて行こうという気概とは無縁なものになってしまいます。
パフォーマンスのレベルを向上させることよりも、バラエティで親しみやすさをアピールし、ドラマや歌番組で新規ファンを開拓し、コンサートで濃い目のファンの欲求を満たしていれば”人気アイドル”になれるんです。
仲良しのマスメディアも一生懸命応援してくれますしね。
海外展開すれば世界的名声や多数の薄目のファンを獲得できるかもしれませんが、失敗すればなにも残りません。
国内の濃い目のファンを大事にすることの方が大いなる安定に繋がるわけです。
それこそがこの20年間のジャニーズ事務所です。

もっとも、日本市場の現状を見るに、それが今後も続くかどうかは厳しいものがあります。
人口減少、テレビ離れ、外国アイドルや2.5次元アイドルとの競争などなど、これまでになかった障害が立ち塞がり、いままでのやり方では将来が見通せなくなってきたというのがジャニーズ事務所の真実ではないでしょうか。
それもあって滝沢さんなどはネット戦略や事務所のスリム化、新グループの海外展開といった改革を断行してきたのだと思うんです。
私はその改革が、ジャニーズに足を引っ張られて国内全体が内向きになっていた日本のエンターテイメント業界にもいい影響を及ぼすのではないかと期待していたので、彼の退所が本当に残念です。

その滝沢さんに続き、キンプリの3人もジャニーズを見限ったことを、業界のひとたちは真摯に受け止めるべきです。
夢がないということでしょう、日本のショービジネスには。
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かつしき

Author:かつしき
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