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梅花祭

先日、地方紙の片隅に、平安神宮で京の朝市(物産展のようなもの)が開催されると載っていました。
冬の京都は極端に訪れる人が減るため、それをどうにかしようと、市や観光協会が考えた苦肉の策らしいです。なにせ京の朝市なのに四国やらの物産が紛れ込んでいるのですから…。

確かに冬の京都はあまり楽しい場所ではありません。
〈京の底冷え〉などという言い回しがあるように足元から凍えるように寒いし、他の季節ならばお寺の庭や神社の境内を彩る木々も枝のみの寂しい状態…。秋の紅葉まで、あるいは春に桜が咲いたら、というお客さんがほとんどだと思います。

しかし、そこは京都、日本一の観光都市、ちゃんとあります催しが。
桜はまだでも梅がある、というわけで北野天満宮の梅花祭にいってきました。
毎年、菅原道真公の祥月命日である2月25日に開催されるこのお祭りは、上七軒の芸妓さんと女将さんが野点をしてくれたり、境内や周辺にさまざまな露店が立ち並んだりと華やかで賑やかなイベントです。
道真公は〈東風吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ〉という和歌を残されているように、とても梅を愛した人らしく、その祥月命日もちょうど梅が見ごろを迎える時期です。ちなみに道真公の命日である25日は毎月、市民が〈天神さん〉と呼ぶお祭りもやっています。梅花祭はそのスケールアップバージョンなのです。
天神さん

この日はあいにく朝から大雨、私は雨が上がった昼過ぎから出かけたのですが、露店は常より少ないようでした。
天神さんに集まる露店は骨董、焼き物、彫り物、古着、即席の食べ物、乾物、漬物…と様々ですが、何より目立つのがガラクタ屋さん(失礼)です。ものを売ることよりお客さんとのやりとりを楽しんでいるお店ですね。
天神さん露店
私は本殿に参詣し、あとは一通りお店を冷やかして、何も買わずに天神さんを後にしました(手塩皿とお茶碗のいいものがあれば欲しかったのですが、雨でお店が少なかったので残念)。

そして、天神さんにお参りしたらここを忘れてはなりません。鳥居前で400年(!)も続く〈粟餅所・屋〉さん。お餅のなかの粟のぷちぷちとした食感と、餡子の上質さがたまりません。老舗なのに味は最先端です。若手のよく勉強している和菓子屋さんがあるのですが、そこと同じくらいの新鮮味を感じます。真の名物は時代を超越しますね。
粟餅所・澤屋さん
梅は春先だけですが、粟餅は一年中置いてあります。私にとっての天神さんの魅力はこの粟餅が半分くらいを占めているような気がします。
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