かつ式ラーメンマップ〈序〉

現在、蕎麦マップも10回を数え、ネタに困ってきたこともあって、平行してラーメンマップを書こうと思っています。
長野市内のラーメン屋さんもここ数ヶ月ですでに何軒か訪れさせてもらいました。
それなのになかなか記事とすることができないでいるんですよね…。

その理由は蕎麦マップにあります。
お蕎麦とラーメンは日本の誇るファーストフードの巨頭です。
値段もだいたい同じくらいです。
となれば同じ650円(長野市内の盛り蕎麦、ラーメン並はこの価格が平均くらい)での満足度というのをどうしても比べてしまいます。
正直、長野市内の数多あるお蕎麦の名店とその点で比肩しうるラーメン屋さんはなかなか見当たりません。

私は長く京都に住んでいました。京都、そして関西といえばなんといっても”うどん”です。
関西出身者で他の地域に引っ越した人が最も懐かしがるのはうどんの味だといわれています。私も多くその声を耳にしました。
同じソウルフードのたこ焼きやお好み焼きは、実は関西の人はよく家庭で作るので懐かしければ自分で作ってしまうんです。
けれどもうどんはそうはゆきません。あれはまさしくプロの味ですから(関西のうどんの味についての言及はきりがないので今回は止めておきます)。

関西のラーメン屋さんは、長野のそれがお蕎麦であるように、ライバルはうどんです。うどんより満足できなければお客はつかないのです。

ここ十数年、ラーメンのご当地ブームというのが勃発しています。
古くは博多や熊本のトンコツラーメン、それに喜多方ラーメン、和歌山ラーメン、そして京都ラーメン…。

京都はさまざまな階層の食文化があり、ラーメン屋さんも年季のはいったお店もいくつかありましたが、数自体はそんなに多くなかったんです。
大学がたくさんありますから学生街にはけっこうありましたよ、でもやっぱり”うどん”だったんです。
それがここ15年くらいで雨後の竹の子のごとくラーメン屋さんが増加しました。
ブームってすごいです。
ちなみにうどんのチェーン店は潰れたり、規模を縮小したり、と散々でした…。

そのように京都ラーメンが勢力を拡大したのも、昭和からの伝統の味があったからだと思うんです。
では、京都ラーメンの伝統とはなにか。それを語るとなれば、京都府北部、日本海側の港湾都市舞鶴市は切っても切れません。

1930年代から日本は満州と深いつながりがあり、多くの日本人が満州に住み暮らしていました。あの戦争に負けるまでは。
舞鶴といえばみなさん思い出すのは引き揚げ船でしょう。悲しい事故もありました。
京都のラーメン屋さんはこの引き揚げ組の人たちとの関係が薄くありません。
満州で知った当地の味を日本に持ち帰ってくれたわけです(それを生活の糧にした人も)。
そして、それが京都ラーメンのベースになっていると、私は考察しているのです。ようするに満州(女真族)うん千年の味が京都ラーメンの根底に流れているわけです。
だから”ブーム”として流行したものの、しっかりとそれが根付いたのではないでしょうか。

翻って長野県です。
実はここ数年、長野県は全国的にも最も注目されているご当地ラーメン県(おもに長野市)なのだそうです。私、越してくるまでぜんぜん知りませんでした…。

確かに、駅前や繁華街権堂には犬の頭がこぶだらけになるくらいラーメン屋さんがあります。それもどこも新しい。
そういったお店のほとんどが”信州ラーメン”を掲げているんです。
私もいくつか食べさせてもらいました。信州の味ってどういうものなんだろうと思って。
…味の共通点は、はっきりいってありませんでした。
スープの味も、魚介+獣、味噌、トンコツ…、色々ですから。

そんななかでほとんどのお店が扱っているのが”地粉”を使った麺。
地粉、つまり長野県産小麦を使っているというわけです。
私、そんなにラーメンは詳しくないですけど、こういう共通項で結びついているご当地ラーメンは他にないんじゃないでしょうか。

この地粉へのこだわり、もとをたどればお蕎麦屋さんなんですよね。
長野へ来ていただければわかるのですが、”地粉”を使わないお店はない、といってもいいくらいです。
日本各地にお蕎麦を名物とした地域はありますが、”地粉”にここまでこだわりを見せるのは長野だけではないでしょうか(悲しいことに、お蕎麦を名物としながらも、栽培はしていない、という地域もあります)。

長野県というのはいったいに郷土愛の強い県です。
こと食品に関しても県内産へのこだわりは他を圧倒します(最初、スーパーにいったとき違和感すら覚えました)。
信州ラーメンが地粉で結びついているのも、その郷土愛からでしょう。
けれども正直、私は”地粉”の麺をあまり美味しいとは思っていません。ほわっとして頼りない味と食感なんですもの。
スープが現在の基準である濃厚なものですから、負けている感じなんですよね。

蕎麦の国、信州はまだまだラーメン文化は黎明期といえるかもしれません。
なにをもって”信州ラーメン”とするかについてはまだまだ試行錯誤の段階だと思います。
”地粉”での繋がりは否定的な私ですが、信州ラーメンの進化には断然期待しています。
なんといっても信州人は麺が大好きなんですから。
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