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南アフリカW杯(28日)、優勝候補の決勝T

この日の第1試合は優勝候補の一角であるオランダ、そしてイタリアを蹴落としてGLを突破してきたスロバキアの対戦。
今大会、第1シードを下して決勝トーナメントに進んできたのはスロバキアのみ。もう一度アプセットを起こせるか。
オランダは怪我のロッベンがスタメン復帰。真のオランダの力が計れる一戦です。
試合開始2分、ファーストシュートはスロバキア、ボールを奪ってからシンプルにつないでミドル!枠をとらえることはできませんでしたけど、”弱者”が牙をむいてきたのでスタンドはどよめき。
スロバキアの攻撃は以後、そんな感じで手数をかけてきません。GLもこれで勝ち抜いてきましたし、自信を深めていそう。
ただし、ボール支配は予想通りオランダ。テンポよくボールをつないでシュートで終わる攻撃を繰り返します。スロバキアには厳しい試合になりそう。
そして前半18分、ロッベンの個人技が炸裂。
カウンターのロングパスを右サイドで受けたロッベン、2人のDFをかわしながら中に切り込んできてズドン!先制!最後はもう1人DFがブロックに入ったのにものともしないんですから、すごすぎ。
早く追いつきたいスロバキアですが、オランダのプレスがきつくてなかなかチャンスが作れません。
オランダはスロバキアの力を見切ったのか、運動量を落とし、自陣で守備ブロックを固めてカウンターという戦い。オランダは1点で十分、スロバキアは1点が遠い。そんな感じで前半終了。
後半開始5分、またしてもロッベンが右サイドから中に切れ込んできてシュート!今度はGKがなんとか触る!
オランダはロッベンに代表される個人能力は驚異的なものの、この試合もチームとしての攻めは迫力がありませんでした。運動量がやっぱり足りないですね。
しかし、19分、久しぶりに人数をかけた攻撃、シュートはスナイデル!
これはトラップが乱れてシュートがうまくゆかず。
21分、スロバキアはこの試合初めてといっていい連動した美しい攻撃。
まずはストフが切れんで来てシュート!もGKがセーブしてCK。そこからの攻撃、ハムシクがスルーパス、フリーでビテクが受けてシュート!
しかし、ここもオランダのGKステケレンブルフが立ちふさがります。
やや膠着してきた後半26分に両チームに動きが。
オランダはロッベン→エリア。スロバキアはイェンドリシェク→コプネク。
ロッベンは怪我もありますし、お疲れさまということなんでしょう。それに、スピードのあるエリア投入でチームに動きを入れたかったのかも。
スロバキア・コプネクは前のイタリア戦で交代直後に貴重な追加点を上げています。ラッキーボーイになれるか。
しかし、その直後、エリアに後ろからタックルしたコプネク、いきなりイエロー!今日はダメか…。
28分、オランダにいい攻め。ファンペルシから左のカイトへ展開、そこから中央へ切れ込んできたカイトの強烈ミドル!GKナイスセーブ!ファンペルシとスナイデルがのたのたやっているのにカイトだけは超人的に元気。
そして39分、オランダ、ファウルを受けてのFK。スロバキアのDFシュクルテルが審判に食って掛かったところ、タイミングよくリスタート。
するりと抜けたカイトがボールを受け、GKが前に出たところで横パス!スナイデルがごっつぁん!
スロバキアに絶望を与える追加点。
シュクルテルはこの試合たびたび鬼の形相で審判に詰め寄っていたのでオランダにそこを付かれたかも。
試合はこれで決まりました。
この日のオランダは攻撃は淡白でしたけど、チーム全体でのプレスはゆるまなかったのがよかったですね。危ない場面はほとんどありませんでした。
ロスタイムにはスロバキア最後の攻め、シュートのこぼれ球をビテクがいい反応、あわてたGKが足をかってイエローカード。これは正直もったいなかったです。今後の試合を考えると1点を上げてもいい場面でした。しかし、GKの本能なんでしょうね。
このPKをビテクがスロバキアへのお土産として決め、試合終了。スコアは2-1でオランダ勝利。
スロバキアはチームワークも、戦術的にもよくまとまっていましたけど、オランダとは埋めがたい実力差がありました。
オランダは前半早々にスロバキアの実力を見切って、1点を獲ったあとはペースダウン。今後のためを考えた戦略かとも思いますけど、こんなことをしていると上げたいときにギアが上がらなくなるような気もします。

第2試合は手堅く、そして易々と死のグループを勝ち上がってきたブラジルと、選手は小粒ながらも素晴らしく組織的なサッカーをするチリの南米対決です。
チリは累積警告によって3人(CB2、DFH1)が出場停止。
ブラジルは前の試合で出場停止だったカカと休養していたロビーニョが復帰、フェリペメロとエラーノは負傷欠場。
試合開始、まずピッチを縦横無尽に駆け回ったのはチリ。一気呵成にペースを握ってしまおうという算段でしょうか。
そのチリの攻めをブラジルはブロックを作って防御。そしてカウンター。
そんな感じで試合は進んでゆくのかと思ったんですけど…。
最初のシュートは前半5分、ブラジル、カウンターからルイスファビアーノ!
これは大きく左にそれるものの、肝が冷えるような迫力。
そこからのブラジルの圧力をなんと形容していいものか。チリ選手は銛一本で鯨に挑んでゆくような無力感だったんじゃないでしょうか。フィジカル、テクニック、スピード、ほぼすべてといっていい部分でブラジル選手が上なんですもの。
こうなると流れのなかだけではなくセットプレイでも厳しいんです。
チリは小柄な選手が多くて、180cmを超えているのが1人、平均でブラジルとは5cm以上差がありそう。
8分にはジウベウトシルバのミドルからCK、最後はカカ、と分厚い攻め。
チリはひいひいいいながら凌ぐんですけど、決してラインは下げないんです(背が低くてパワープレイに弱いのもあるんでしょうけど)。自分たちのサッカーを貫くチリの姿勢は頑固な漁師そのもの。
28分にも右サイド、マイコンからのブラジルの波状攻撃、しかもブラジルは高さと強さを生かすためにCKを狙ってくる狡猾さ。
そして先制点の場面もマイコンが駆け上がり、CKをとって、CBフアンがチリDFをよせつけずにヘッド!
続く38分にはカウンター、左に開いたロビーニョが中央のカカへ、カカが完璧なスルーパスをルイスファビアーノに通して2点目!
いいたくはないんですけど、前半は大人と子供のような明らかな力の差。
しかし、私はチリがここで終わるチームだと思ってはいません。後半に向けてビエルサ監督がどう手を打ってくるのかに注目。チリはそう簡単に諦めるチームではないはずです。
そして、後半頭から2枚を代えるチリ。コントレラス→テージョ。ゴンサレス→バルディビア。2枚代えはGLのスペイン戦と同じ(人は違いますが)。
後半に入るとブラジルはややペースダウン。ただし守備ブロックは強固。チリは苦し紛れの攻撃を繰り返すのみ。
14分、チリの縦パスをカットしたラミレスがドリブルで長躯、そしてロビーニョへ!3点目!
1点目は高さと強さ、2点目は上手さ、3点目は速さ。
もう、チリは成すすべがありません。スタンドのチリサポーターも本当に涙目。
ここまで何もできないなんて私も想像だにしませんでした…。
交代した左サイドのテージョ、攻撃的MFのバルディビアの投入は確かにチリの攻撃を活性化させたものの、ブラジル守備陣を崩すには至りません。
25分過ぎからはさすがに両チームとも運動量が落ちてきます。
チリは体力的な疲労と精神的な疲弊、ブラジルは余裕といったところでしょうか。
そういう状況も手伝って30分にはチリのチャンス。PAでパスを受けたスアソが素晴らしい反転からシュート!これをブラジルGKジュリオセザールがセーブ!
スアソはその後も惜しいシュートを放ちます。さすが南米予選得点王。
しかし、ブラジルはもう勝利を手に入れたような雰囲気。
31分にルイスファビアーノ、35分にカカ、40分にロビーニョがそれぞれお役ごめん。カカなどは飛び切りの笑顔でベンチに下がってゆきます。
終了間際の時間帯はチリが最後の力を振り絞って攻めるも、得点は奪えず、タイムアップ。完全な力負け。
南米予選でもホームでブラジルに0-3、アウェイで2-4のチリ。本大会では1-2くらいまでがんばれるかとも思ったんですけど…。本大会に強いといえばブラジルですし、仕方ないといえばそれまでなんですけど、ある種の寂しさを感じました。やっぱり最後は”個”なんですね、サッカーは。それが圧倒的に違うとチームとしてだって立ち向かえません。
この試合を観てしまうと、ブラジルが優勝する、と断言したくなります。
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