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真夏の氷上祭典『THE ICE』と『24時間テレビ』

『THE ICE』(25日昼の部)も終演し、観客が席を立とうとしたとき、「浅田姉妹からの特別企画があります」というアナウンスが。そうなれば当然、帰る人はいません。ほぼ100%が居残り。
なにかななにかなとワクワク顔の相方。周りの人もそんな感じです。

「まずはこのVTRをご覧ください」とプロジェクターに浮かんだ映像の、最初に出てきたのマークにどこか見覚え。日本テレビで毎年放送されている『24時間テレビ』という番組のものではないか、と相方にたずねると「うん」、との返事。
VTRの内容は、幼い頃の病気で右半身が不自由になった女の子(11歳)が浅田真央さんの五輪での活躍に触発され、アイススケートに挑戦したくなったというもの。そして、どうやら我々の目の前、このモリコロのリンクを縦断するということ。
VTRが終わると唐突にその番組の司会者、TOKIOの松岡くん(ドラマ『怪物くん』でデモキンをやっていた人)もサプライズ登場。
ついで浅田姉妹と少女が入場。少女はかつて浅田真央さんが着ていた衣装に身を包んでいました(たぶん『くるみ割り人形』のときのもの)。

少女は大観衆が注視するなか、覚束ない足取りで滑り出します。
彼女は幼児のころ、脳出血を起こし、右半身に麻痺が残っていて、どうやら手首・足首より先はうまく動かせない様子。そんな女の子がスケートをするなんて、これは大冒険といっていいんじゃないでしょうか。
観客からは勇気付けるような温かい手拍子。
やっぱり日本人は心優しいです。

ただ、満席の観客は期せずしてTV番組の演出の一部になってしまったというのもまた事実。
悪くいえば騙まし討ちです。
ちなみに手拍子や声援は自然発生的なものというより、関係者席の近くからリードするようなそれがあって、そこから広がってゆく感じでした。

私は人間が色んな障害に立ち向かってゆくチャレンジは嫌いではありませんし、浅田姉妹がそれに協力するのも素晴らしいことだと思います。
ただ、この『THE ICE』の一環としてそれが行われることには大いに疑問を感じます。
素敵なレストランで大満足の食事を終えた後、お店から「特別メニューがあります」といって突然、障害者の方が作ったクッキーを出されたらどうでしょう?私は困惑します。
それとこれとは別ではないか、と思うからです。
レジの横にそういった品物が置いてある、というやり方のほうが正しいのではないでしょうか。

今回、この例えでいうところのレストランは日本テレビです。
少女のチャレンジや浅田姉妹の協力は尊いものですけど、それを商業的に利用しようとする日本TVの姿勢に私は卑劣なものを感じます。
浅田姉妹の周辺はこのような手合いに乗せられないように気を配って欲しいものです。
ボランティアやチャリティをしたいならば別のイベントを主催すればいいだけの話です。
もしくは『THE ICE』でもHPなどの告知板に『24時間TV』の収録がある旨を明記し、観客がそれをわかった上で、あくまで”自由意思で参加”できるようにすべきだったと思います。
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