平成22年9月場所番付への違和感

今日8月30日、平成22年秋場所(9月12日初日)の番付が発表されました。
前の名古屋場所で野球賭博への関与を理由に10名の関取が出場停止となった影響で、番付が大幅に変動する結果となり、その傷跡の深さを改めて浮き彫りにさせてくれます。
とりわけ、幕内昇進者は9名という昭和以降で最も多い人数、しかも旭南海などは十両12枚目から新入幕という珍記録ですから、まさに異常としかいいようがありません。

これは野球賭博による解雇や謹慎処分のせいなので、予想できたことといってしまえばそれまですけど、実際に番付を目にした衝撃はやはり大きいものがあります。

そしてまたこの新番付をしげしげと見つめていて、どうしても違和感を覚えるのが、野球賭博に関わっていたものの額が少なく、頻度が低いとされた力士、それに金銭を賭けたマージャンや花札、ゴルフなどを申告した力士に具体的な処分が何も下されていないことです。

野球賭博をしていた幕内力士でいうと琴光喜は解雇、豪栄道、豊ノ島、雅山、豊響、若荒雄、隠岐の海は1場所出場停止で十両陥落したのに対し、嘉風は、「09年のWBCのときの3試合のみ」というのを理由に名古屋場所の出場が許されたわけですけど(9月場所では前頭11枚目)、数回か数万円の差がとんでもない差になってしまったわけです。
琴光喜と他の力士への処分の差も、他の力士と嘉風のそれの差も、私にはよく理解できません。
以前、露鵬が本場所中、新聞社のカメラマンに打撲を負わせたとして3日間の出場停止処分を受けたことがありましたけど、嘉風にはそれすらもないんですから、おかしな感じがします。3試合だろうが違法賭博(それも暴力団が元締めとされる)をしたことに変わりはありませんからね。

これは野球賭博(暴力団が胴元と思われる)だけではなく、他の賭け事に関与した力士にもいえることです。
特に数万円を賭けて行っていたという花札は、巡業の支度部屋でのことという報道ですから、これはいってみれば”仕事中”に堂々と違法賭博をしていたわけですし(支度部屋には記者なんかも入ることが出来ます)、見ようによってはかなり悪質です。

私は、名古屋場所は本場所外(非公式戦)扱いにして、9月場所までに各力士の賭博への関与内容を調査し、それでもって処分の程度を判断すべきだったという意見です。
程度によっては琴光喜のような解雇もありでしょうし、数場所の出場停止、1~15日の出場停止といった感じで具体的に協会が対応していれば、「協会も賭博問題には本気で取り組んでいる」、と世間も評価したんじゃないしょうか。
しかし、実際にはなんだかよくわからない”差”が生まれているわけです。
現状を刑罰に例えれば死刑と無期懲役、そして後は執行猶予といった違いです。
こうなると、心情的には賭博に関与しながらも具体的な処分を受けていない力士を応援することがなかなかに難しいです。
スポーツ競技にとって公平性というのは欠かせない要素ですから。

そして、もう1つ見逃せないのは、名古屋場所後、8月の12日になって野球賭博への関与が公表された十両の松谷と三段目の若力堂の件です。2人は協会の調査へ自己申告しなかったのですが、後に警視庁の捜査によってことが発覚しました。
協会は2人への「処分を検討する」といっていたものの、9月場所の新番付でも彼らの名前はちゃっかりと成績通りの位置に記載されています(これは隠し得とでもいうのでしょうか)。
琴光喜や雅山らからしたら、どうなんでしょうね、この協会の対応は。
たぶん、協会の人たちの頭の中では賭博問題はすでに終わっているのでしょう。

今後、協会は〈暴力団排除宣言〉なるものをミソギに変えて、9月場所での賜杯授与、NHKの中継再開を求めてくるものと思われます。
そしてまた何か問題が起こればあたふたして、尻尾きり、隠蔽、虚言を繰り返します。
それが相撲協会の歴史です。
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