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2011世界選手権フィギュア、日本を救った小塚崇彦

男子シングルFSは最終グループ一番手のパトリック・チャン(カナダ)がいまひとつの滑りながらも187.96まで数字を伸ばして合計280.98という驚愕のスコア。これでまず優勝は確実といっていい状況。順位の興味は2位3位争いへ移ります。

日本男子でまず登場したのは織田信成。
織田くんが挑んだ冒頭のジャンプはなんと4T+3T。
しかしこれが惜しくも3T+3T。それでも果敢さは褒められるべき。
ただ、これが例の悪癖(ザヤック)へと繋がり、全体的には素晴らしい出来ながらも大きく点を落としてしまったのはショッキング。これには頭を抱えた人も多かったはず。
FSは150.69で合計232.50。
3A+3Tを2Tにしていればこれより10点くらい高かったのに…。
ちょっと情けなくなってきますね、ほんと。
というわけで織田くんはこの時点で3位。表彰台はかなり厳しい。

続くアルトゥール・ガチンスキー(ロシア)はホームの温かい声援に乗って若々しく勢いのある滑りで163.52、合計241.86というハイスコアで暫定2位。
このガチンスキーのスコアは日本勢を応援する我々からするとかなりの圧力。
私も少し胃が痛みました。
そんな状況でリンクインしたのは日本が誇るディフェンディングチャンピオン・高橋大輔。
心配を杞憂に終わらせてくれ…。
そして日本全体が息を呑んで見守る冒頭の4T。
ところが高橋くんはおかしな感じで離氷。ジャンプはすっぽ抜け。
演技を中断してジャッジへと近づき何か説明をする高橋くん。そしてリンクサイドに引き返します。
テレビで観ていても会場のざわめきは異様なほど。
高橋くんを襲ったのはなんとブレードのビスが外れるという信じられないトラブル。
スタッフが必死にドライバーを回すなか、高橋くんはなんともいえない表情でそれを待ちます。
そして再開した演技でしたが、乗り切れるはずもなく、ジャンプでのミスも出て悔しすぎる結果。スコアは152.72で合計232.97点の暫定4位。
なぜだ!

この時点でSP2位3位6位をキープした日本男子が表彰台を逃すかもしれないというまさかの事態。
私などは「表彰台の2つはいただき」と思っていたので、もう気が気ではありませんでした。

そして残すは全日本王者・小塚崇彦ただひとり。
昨日のSPはジャンプが不調でスコアが伸びませんでしたから、不安は小さくありません。

しかし小塚崇彦はやってくれました。

日本男児の誇りにかけたパーフェクトなFS!
ジャンプはどれもクリーン。スピンはいつもながら超精密さ。全体の滑りとステップシークエンスは優雅に脱力し、伸びやかさと儚さ、そして美しさをリンク上に描き切りました。
これは結果を超えた演技、時間を忘れさせるフィギュアスケート。
間違いなくこの大会一番の演技。私はFSではチャンを越えたと断言します。
スコアが出る前に表彰台を確信していましたけど「180.79」が出たときの喜びといったらありませんでした。合計は258.41というビッグスコア。
最終滑走のアモディオが得点を伸ばせずに小塚くんは堂々の銀メダル!
すごいぞ小塚、やったぞ小塚、ありがとうタカちゃん!

小塚くんが守ったのはとてつもなく大きいものです。
どんな状況でも諦めてはいけないことを身をもって日本の我々に教えてくれました。
今日の小塚くんは日本一の快男児、スーパーヒーローです!
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