ロンドン五輪競技3日目(中)体操男子団体

(続きです。)
柔道男女の生き生きとした活躍の流れに乗ってゆきたかったのは注目の体操男子団体。
予選は5位と苦しみましたが、ライバルの中国はより苦しんでいたので(主力メンバーのひとり勝海浜が怪我で欠場)、決勝はメダルの行方はどうなるかわかりません。

つり輪から演技が始まった日本は内村航平(15.133)、田中佑典(15.200)が予選を上回る内容と得点、つり輪の中心山室光史もきっちり決めて153.66で合計45.699の好スタート。同じローテーションの中国のつり輪は44.899で日本リード。よし!
以前のつり輪は苦手種目でしたけど、いまでは日本の得点源のひとつですよね。そこは内村の成長はもちろん、山室の存在が大きいのはいうまでもありません。

次の跳馬では内村が美しいシューフェルトで15.900、若手の加藤凌平が瑞々しいドリッグスで16.041!
日本チームいい流れ!
続いてはチームで最も難度の高い技、ロペスに挑む山室。跳馬では個人種目も狙っていた彼ですが、予選の失敗でそれが叶わなかったので、ここで力を出し尽くして欲しいところ。
しかし、山室は技に入ってすぐの空中姿勢が崩れ、着地も前かがみになってしまうという信じられないような大きなミス。しかも着地で膝を強打し、ケンケンしながら控えに戻った山室の口からは「もうダメだ」の悲痛な叫び。14.033というスコアも山室の負傷も日本チームにとって手痛いことこの上ありません。

山室の跳馬での失敗は期待スコアより2点以上低く、2種目を終えてのスコアは日本91.873、中国93.215。
日本と中国はライバルといっても、実力では中国がやや上回っていますので、相手より先に大きなミスをしてしまったことで日本はかなりの窮地に。

平行棒では予選1位だった田中佑典が着地をわずかに乱したのみで15.500というなかなかのスコア、兄で主将の田中和仁は15.366とまずまず、エース内村は珍しく着地が動いたものの15.416ときっちり。
山室負傷の動揺はなさそう。しかし中国もこの種目でいい演技が続き、差はやや広がります(他の種目もそうですが、私には中国のEスコアの高さがよくわかりません)。

4種目目の鉄棒はスペシャリストを揃える中国の得意種目。鉄棒のトータルは47.066という高スコア。
しかし日本だってそれに負けないメンバーを揃えています!
ところが1人目の田中兄は離れ技は決めたものの振動技でいくつかバランスを乱してしまい15.166。これはやばい…。
それでも兄をフォローするように田中弟が伸びやかな鉄棒で16.000!麗しき兄弟愛!
最後の内村は予選で落下があったので少し心配でしたがエースの誇りをかけた演技でG難度のカッシーナ、F難度のコールマンを成功させての157.33。
日本の鉄棒は468.99。
この時点でのトータルスコアは1位の中国に対し日本の2.177ビハインド。
まだだ、まだ終わらんよ!

5種目目の床は日本が中国より先に試技。ここでプレッシャーをかけるしかない!
そんな気負いが体を固くしたのか、田中兄にミスが続き、13.733というがっくりきそうになる低スコア。これは本当にまずい。
しかし恐れを知らない18歳(93年9月生まれ)加藤凌平は小気味のいい演技で15.300!新たなる希望とは加藤くんのことです!貴公子のような風貌といい大会後はとんでもない人気者になるんじゃないでしょうか。
そして我らが内村航平は床の世界王者(2011)らしい圧巻の内容で15.700!さすがエースだ!
こうして日本の床は44.733。残念ながらこれは中国に余裕を与えるスコアです。
中国は3人がミスなく無難にまとめて45.133。またしてもビハインドは広がります。

最終種目に入った段階で2.577差というのは絶望的といっていい状況ですが、両国の最終種目は最もアクシデントが起こりやすいあん馬。ここまでくると神か魔物の思惑に運命をゆだねるしかありません。
しかし、中国は大量リードを楯に神も魔物も跳ね除ける手堅い演技で3人合計44.733。
これはもう金メダルを確定させたといっていいスコア。日本の演技を前に中国チームと中国観客は勝利の雄たけび。
こうなれば日本は伝統の美しい体操で、記録ではなく記憶でロンドン五輪に足跡を残すよりありません。ガンバ!ニッポン!
ただ、ここで日本にとって不運なのが山室が負傷によってこの種目を欠場し、急遽、田中兄が交代で入ったこと。
主将としての責任感で演技に臨んだ田中兄でしたが、落下があって13.433。これは責められません。
次のすでに新エースの風格さえ帯びてきた加藤は着地まできっちり美しくまとめて14.766。
そしてロンドン五輪体操男子団体を締めくくるのは日本が誇るスーパーマン、大エースの内村航平。
会場がメダル争いをする地元イギリスの応援で爆発するような大騒ぎのなかでしたが、内村は全6種目出場とは思えない美しい旋回。抜群のスタミナ。
そうしてミスなく演技をまとめ、銀メダルを確保する着地技に入った内村でしたが、ここで腕に力が入らなかったのか、倒立が乱れ、ひねることが出来ずにあらぬ形で着地した内村。転倒しなかっただけよしとしましょう。3位以下とは3点以上開いていたのでまあ銀は大丈夫でしょう。
なんて思っていたら内村のスコアは13.466。
電工掲示板には1位中国、2位イギリス、3位ウクライナ、4位日本という信じられない光景が。内村もこれには唖然茫然。場内はイギリス体操団体の100年ぶりのメダルに大興奮。
そんななか日本コーチ陣が審判員に猛烈抗議。どうやら上記のスコアには内村の降り技の得点が入っていない模様。

場内の歓喜のなか、日本選手たちは敗者そのものの姿で椅子に腰を下ろしながら裁定を待ちますが、彼らにとっては4位も2位も一緒なのかもしれません。
そうして長い長い審議時間が終わり、出てきた裁定は日本の銀メダル。
これには場内大ブーイング。銀から銅に降格したイギリスはもちろん銅を逃したウクライナチームも憤りを隠し切れません。
しかし、ルールを見ればこの裁定が当然だというのはすぐにわかること(翌日のイギリスの報道も冷静なものだったようです)。
これは私の私見ですが、最初のジャッジでの審判団は地元イギリスにメダルを与えるために内村のミスを過大に扱っただけなのではないでしょうか。最初によく考えてからスコアを出していれば不要な混乱は避けられたはずです(イギリスチームの得点が演技内容に比べて異常に高いと世界中で話題になっています)。

こうして日本はもやもやした形の銀メダル獲得。
すでに北京五輪の銀メダルを持っている内村は「2位も4位も一緒」、五輪初出場の加藤は悔しさを滲ませながらも「銀メダルも嬉しい気持ち」と述べていました。北京五輪の表彰式で中国国家を聞きながら悔しい思いをした内村が大いなる成長を遂げたように加藤もぜひそうなって欲しいものです。
屈辱をバネにガンバ!ニッポン体操!
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