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園田監督のパワーハラスメント

昨日1月30日、全日本柔道連盟が緊急の記者会見を開きました。
その内容は、園田隆二女子柔道代表監督が日本女子代表ら有力選手15名へ暴力・暴言・パワーハラスメントを加えたというもの。
これだけでも驚きなのですが、この記者会見に至った経緯がまた異常で、まず女子選手15名が全柔連に園田監督を告発したのが昨年9月(おそらくロンドン五輪後)。
そして全柔連が選手監督双方に聞き取り調査。その後11月に園田監督が選手へ謝罪したことで全柔連はことが収まったとして園田監督続投を決定。
しかし選手側はこれを不服として12月に日本オリンピック委員会(JOC)に告発。
JOCが全柔連に再度の調査を要請し、全柔連は1月19日に園田監督を戒告処分。しかし続投の判断は変更せず。
大阪市立桜宮高校の体罰事件が世間から注目を浴びているというタイミングで、日本を代表する競技である柔道で暴力・暴言・パワーハラスメントが発覚し、しかも全柔連がどうみてもそれを隠蔽しようと動いていたという事実。本当に失望してしまいますよね。

そして今日31日、園田監督本人が記者会見を開き、
「選手への暴力(殴る。棒で小突く)や暴言(「死ね」)について私の意図と違うところはありますが、おおむね説明の通りです。日頃より、選手に対して信頼関係を持ってやっていくことを考えておりましたが、私自身の一方的な信頼関係だったと深く反省しております。精神的な部分を乗り越えてほしいという思いから手を挙げてしまったことがありました。(「死ね」は)日の丸を背負う意味や大きな大会で戦うことの意義を噛みしめて欲しいという思いからそのような表現を使ったことがあります。日本のトップ選手を預かる監督が暴力問題を起こしたということで大変申し訳なく思っています」
として女子代表監督を辞することを表明。

園田監督はコーチ時代からよく試合後の選手を平手で小突いていましたよね。私もテレビ中継なんかで観た記憶がありますが、そのときは暴力的なものではなく、コミュニケーションの一環のように見えたんですけど、練習中は選手が耐えられないようなものだったんでしょうね。なんだか寂しくなってきます。
また、報道では園田監督は選手たちへ、その暴力と暴言に満ちた代表合宿に参加しなければ「五輪代表には選ばない」といった圧力をかけていたとされています。これはいわゆる”パワーハラスメント”です。

女子柔道はロンドン五輪で金銀銅を1つずつしか獲得できなかったという低迷ぶりで批判を集め、その背景として過密な代表合宿スケジュールにより、選手がコンディションを整えられなかったという分析が新聞や雑誌でされていましたが、選手が”代表権”のために無理やり合宿に参加させられ、しかも暴力や暴言を受けて肉体的・精神的に疲弊していたとするならばこれは許されることではありません。

私は格闘技の修練におけるコーチからの暴力や暴言は完全に否定はしません。
そもそも格闘技というのが暴力のひとつの形ですし、気合を入れたり選手の獣性を呼び覚ますための暴力・暴言もあるかと思うんです(格闘技のドキュメンタリー番組でもそういう場面がありますよね)。
ですがそれは選手に勝たせるため、栄光を掴ませるための方法であって、選手を苦しめ、痛めるける方法であってはなりません。
ましてや代表選考をちらつかせて選手を束縛するなどというパワーハラスメントは言語道断です。園田監督の記者会見では本人も記者たちもこのことにふれませんでしたけど、今回の事件の本質はパワーハラスメントにあると思います。
今回の記者会見は全柔連や園田監督からの一方的なものでしたし、私は選手側の代理人なりがでてきて選手たちの考えを述べ、できればパワーハラスメント撲滅を訴えてくれることに期待しています(※現役選手は競技に支障がでてはなりませんし、表に出てこなくてもいいかと思います)。
スポーツ選手から理不尽な形で活躍の場を奪うなど決して許されることではありません。

パワーハラスメントは民事で争われるだけではなく、傷害罪(精神疾患発症を含む)や名誉毀損罪で刑事でも争われる案件です。警視庁所属の園田監督がそれを軽々しく扱っていることが私には残念でなりません。
スポーツ界だけではなく、日本社会としても今回の事件がパワーハラスメントをなくすきっかけになることを願っています。
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