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2013年6月のなでしこ

6月20日のキリンカップ・ニュージーランド戦(鳥栖スタジアム)では不可解判定により攻撃のリーダー宮間あやが前半で退場になりながらも1-1の引き分け(得点は有吉佐織のクロスを大儀見優季が右足で合わせたもの)。
続くヨーロッパ遠征、26日のイングランドとの親善試合(英バートンアポントレント)では宮間が前のペナルティとして出場不可能、大黒柱の澤穂希は左臀部の怪我で帰国というなかで前半に先生を許しながらも後半31分に大野忍のスルーパスに川澄奈穂美が反応して同点、引き分け。
30日のドイツ戦(ミュンヘン)では格上を相手にアウェイで激しい打ち合いを演じた末、終盤にリードを許し、2-4の悔しい敗戦(得点は大儀見のポストから大野忍がズドン、宮間のFKがポストに当たった跳ね返りを大儀見がつめたもの)。

こうしてこの強化月間を1敗2分けで終えた我らがなでしこジャパンですが、いずれの試合も攻撃的に繋ぐサッカーを貫き、世界ランキング3位の力をしっかり証明できたのは収穫だったと思います。
特に2011年のW杯のときは終始受けに回らざるを得なかったドイツを相手にがっぷり四つの戦いができるようになったことは驚くべき進歩といえるのではないでしょうか。
(※ドイツ2位、イングランド7位、ニュージー19位。)

ただ、イングランド相手に勝ちきれなかったこと、ドイツと引き分けに持ち込めなかったこと、そのあたりにはどうしてもじれったさを感じてしまいます。
この3連戦では澤が途中で欠けただけではなく、鮫島彩と近賀ゆかりという日本が誇る両サイドバックが怪我で不在というのもありましたから、日本は”ベスト”といえる布陣ではなかったというのも残念な部分ではありました。
イングランド戦でボランチに入ったのは阪口夢穂といつもはCBの熊谷紗希(CBには長船加奈)、ドイツ戦では阪口と宮間。熊谷はなかなか面白い仕事ぶりでこのオプションもありかと思わせましたけど、守備力に難がある宮間はやはりボランチではなく、もうひとつ前のポジションの方がいいというのが私の感想です。”ポスト澤”は大きな課題ですよね。
サイドバックでは右の有吉佐織が3試合でまずまずの働きを見せたものの、左はニュージー戦とイングランド戦が宇津木瑠美、ドイツ戦は田中明日菜が先発で、宇津木はパスの精度がかなり低く、田中はまったく攻撃参加できないなど、なでしこのストロングポイントである左サイドが機能不全に陥るのですから困りものでした。「鮫島がいれば」と何度思ったことでしょう。

このような人材難を解消するためにも新戦力の発掘は急務ですが、”新顔”は長船と中島依美(イングランド戦後半頭から出場)のみの出場。2人とも可もなく不可もなくといったプレイで、チームに活力を与えるまでには至らなかった印象です。
女子代表は男子と違って五輪に年齢制限がないため、レギュラー陣はW杯と五輪の本戦や予選でどんどん経験を積み、また連動性も高めてゆくので、なかなか新顔が入ってゆくのは難しいのだとは思います。
となれば意識的に若手主体のチームを作って場慣れさせてゆく必要が出てくるのは当然で、3月のアルガルベカップがそうでしたし、7月の東アジア選手権もできればそうすべきだと私は思います。

それに、イングランド戦とドイツ戦を見ていると、ヨーロッパの一流選手のパワーとスピードに対応できている選手とそうでない選手の差が激しいようにも見受けられました。
ブンデスリーグ得点王で、もはや世界の超一流となった大儀見などは競り合いには負けませんし、相手DF2人くらい背負ってもシュートが撃てるくらいでしたし、同じくドイツでプレイしている熊谷や安藤梢も落ち着いたプレイぶりで安心感がありました(大野は移籍したフランスリーグで活躍できなかった悔しさをぶつけるような気合の入りようで面白かったです)。
国内組でも岩清水梓と川澄奈穂美などは持ち前のサッカーセンスでフィジカル的な部分をカバーしていたのはさすが。
しかし、他の選手は相手との距離感がつかめず、攻守に渡って四苦八苦しているのですから、これではなかなかボールポゼッションも高まりません。
”慣れ”の部分では海外移籍が盛んになるのもいいでしょうし、なでしこリーグにヨーロッパやアメリカの選手がもっとたくさん所属するようになることも重要だと思います(いまはほとんどいません)。そのためにはなでしこリーグの人気アップ、資本強化も必要なのでしょうね。

本当の意味での世界一への道のりはまだまだ険しい、そう感じさせられた2013年の6月でした。
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