2014世界フィギュア男子FS(後)

(続きです。)
中国の閻涵は3A+3Tを珍しく成功させるという抜群の出だしだったものの、4Tが2Tに抜けて、得意の3Aで回転途中で降りてきての背中をリンクに叩きつける大転倒。続けられるかどうか心配になるくらいでしたけど、必死に立ち上がって、なんとかステップシークエンスに入って、後半のジャンプはこらえるような形が多いながらもなんとか最後まで滑りきりました。
FSは145.21(TES66.49・79.72・減点1)、合計231.91。
この日は体調不良という話もあるようですが、それよりも何よりもコンビネーション(セカンドトリプル)という課題をクリアせねば来季以降の飛躍もありません。国内に金博洋というジュニアも台頭してきましたし、うかうかしてはいられません!

町田樹の282.26を抜いての逆転優勝をするためには自己ベストに近い演技が求められる羽生結弦ですが、それも1転倒の演技でしたから、同じようでは観客も視聴者も納得しません。パーフェクトに近い演技をして誰にも文句をいわせるな!
五体から気迫を溢れさせながら演技をスタートさせた羽生結弦、冒頭は今季なかなか決まらない4Sでしたが、この日は着氷がやや斜めになったものの根性で降りた!よし!
続いてのステップからの4TはSPでのミスを忘れさせる豪快さ、五輪で悔しいミスをした3Fも余裕の飛翔。今季一番の立ち上がり!
ステップシークエンスでは長い足で情熱的に氷を溶かし、『ロミオとジュリエット』の世界を表現。ようやく間合いを作れるようになってきましたね。いい感じ。
そして代名詞のひとつであるビールマンスピンで前半を終わらせ(大人の体格になってきたのでそろそろこのスピンも見納めかも)、畳み掛けたい後半冒頭の3A+3Tはややバランスを崩すもコンビネーションとしてまとめるのはさすが、間髪入れず跳んだ3A+タノ2Tはビューティホー。
3Loもしっかり入り、優勝が見えてきた3Lz+1Lo+3Sはぎくしゃくした流れだったものの、最後の3Lzは気持ちで決めた!
コレオシークエンスのイナバウアーの激しく妖艶な表情、深い姿勢のシットスピン、最後のコンビネーションスピンは少し疲れがでたものの、ほぼノーミスといっていいFSで飛躍のシーズンを見事にしめくくった!
ただ、演技全体の印象でいえば、粘り強く食らいついた、という感じで、手放しに褒められる内容というわけではありませんでした。厳しいいい方ですが、それだけのものを求めたっていい選手です、羽生くんは。
しかし、これなら自己ベストの193.41(2013GPFのFS)を超えて、町田くんを逆転すると私も思いました。今回は転倒もありませんでしたしね。
そして出てきたスコアはFS191.35(99.93・91.42)、合計282.59で暫定トップ!
これを見た羽生結弦は「どうだ!」といわんばかりに拳を突き上げ、キスクラで喜びを爆発させますが、テレビを観ていると会場は思ったより盛り上がっていない様子。
町田くんとのSPの差は6.97ありましたから、「それが逆転できる演技だったのだろうか?」、たぶん、観客のみなさんがそう感じていたのではないでしょうか。
私もその感覚は正しいと思います。
羽生くんのPBを知っていれば今回の演技でそれと同じかそれ以上のスコアが出ると、私も頭ではわかっているんです。ジャンプの基礎点でも3回転の数が多く、後半にコンボを集めている羽生くんが約5点高いのもわかっているんです。ですから、逆転があっても少しも変ではないわけです。
しかし、何かもやもやしてしまう結果は少し残念です。
ただ、両者のPCSにはほとんど差はありませんし(”五輪王者点”みたいなものもなし)、演技とプロトコルを見比べる限り、GOEのつけ方も同じような基準だったと私の目には映りました。
つまり、羽生くんの勝利は基礎点によるもので、P・チャンの時代のような不可解なものではないということです。そこは強調しておかねばなりません。
羽生くんは意地と誇りで自己ベストの演技を完遂させた、それは間違いない事実です。
よくやった!羽生結弦!

パーフェクトに近い演技をすれば優勝も夢ではないハビエル・フェルナンデス(スペイン)は、4Tは軽々成功、4Sにターンが入っての+2T、手堅い3Aでまずまずの序盤。
そして勝負の後半冒頭に大きな4Sを決めて、執念を見せたフェルナンデスでしたが、次のコンボが1Lz+2Tになる手痛いミス、3Loはしっかり降りたものの、課題のスタミナが切れてきて3F+1Lo+3Sも詰まり気味、スピンと
コレオもスピードが落ち、気持ちで最後の3Sを降りたものの、悔しい演技となってしまいました。
フェルナンデスはスタミナもそうですが、演技が全体的に平坦で面白みに欠けるのも残念です。スケーティングにもっと緩急、強弱が出てくるといいですね。
それでもFSは179.51(88.33・91.18)、合計275.93。
SPもそうでしたけど、今大会のフェルナンデスはまるでここがホームのようなスコアが出ています。逆に羽生結弦が思ったよりスコアが伸びないのですから、おかしな大会です。
世界のフィギュア界が羽生くんの独走を許したくない、というメッセージを送っているような気もしますね。
まあ、そういう状況の方が羽生結弦は燃えるでしょうけどね!

最終滑走の小塚崇彦は、現実的には表彰台は難しい、ならば来季に繋がる演技を!
そんな観客の期待に応えるように冒頭の4Tは見事な着氷、片足で降りた!びっくりしました、怪我の高橋大輔に代わっての急遽出場だったとは思えません!
しかし、3Aはお手つき、コンボも3Lz+1Tに…。
それでもステップシークエンスでは正確無比のスケーティングで『ロンド・カプリチオーソ』をより硬質に輝かせ、気迫は衰えることを知らない。
後半冒頭の3Aでは大きくバランスを崩すも根性で+1Tにすると(コンボ認定はならず)、その後も3F、3S、3Lz+2T(+3Tにしそうな勢い)、最後の2Aも着氷。
終盤はさすがに調整不足からかスタミナが切れてきましたけど、「まだまだ終わらんよ!」というところを見せた、熱い演技でした。小塚くんは来季も絶対にやってくれますぜ!
FSは152.48(68.42・84.06)、合計238.02。

この結果、2014世界フィギュア男子シングルの優勝は我らが羽生結弦、同点優勝にしたい僅差の2位は町田樹、3位はハビエル・フェルナンデス。
スコア上は羽生くんの歴史的な大逆転に終わったものの、演技そのものは町田くんがかなりよかったので、ちょっと微妙な表彰台でしたけど、メダル授与式の後のインタビューで、町田くんが隣に立つ羽生くんのメダルを指差し、「次はこれを取ります」とニヤリと笑っていい雰囲気を作ってくれたおかげで何とも爽やかなまとまり方となりました。町田くんって本当に素敵です。羽生くんはまっちーに感謝せねばなりませんね。

これで私も日本男子のワンツーを心から喜ぶことができました。
2人ともおめでとう!よくやってくれました!
天晴れ、日本男児たち!
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