2014J3長野×町田、分水嶺を制したのは

いま日本のサッカーシーンといえば、”アギーレジャパン”で持ちきりなので、多くの方はご存知ないかもしれませんが、”J3”が熱いんです!
J2への昇格の条件は、1位なら自動、2位はJ2最下位との入れ替え戦というレギュレーション。
全33節のうち22節が終わった段階での順位は1位町田ゼルビア勝ち点48、2位ツエーゲン金沢勝ち点44、我がAC長野パルセイロは3位で勝ち点43。
おそらく最後まで昇格争いをするのはこの3チームだと思われます(4位以下のチームのみなさんには申し訳ありませんが)。

そして今日8月31日の第23節、長野パルセイロがホーム長野運動公園に迎えた相手は、蹴落とすべき対象である町田ゼルビア。
勝てば一気に勝ち点差を詰めることができ、その先に”優勝”が見えてくる大事な大事な試合。
しかし、逆にいえば、負けてしまうと、それが遠ざかる怖い怖い試合。
この試合を含めて残り11試合あるとはいえ、ホームで黒星を喫し、勝ち点差が8になってしまえば、チームとサポーターの心が折れてしまいかねません。
私はそんなことばかりを考えて、ここ数日、気もそぞろでした…。

しかし、長野運動公園のゲートを潜ると、気持ちは一転。
溢れかえるようなお客さんの数!オレンジの波!
多くのサポーターがパルセイロを後押ししようと、勝利を信じて、参集している!
その迫力に私も不安などどこかへふっとんでしまいました。
8月10日にこの地で行われたツエーゲン戦での手痛い敗北から、長野のサポーターは力強く立ち直っている!

そうして、午後4時過ぎに始まった大一番ですが、意外にも立ち上がりはゼルビアが押し込む形、しかしパルセイロはそれに落ち着いて対応すると、徐々にチャンスを作り始め、8分頃に右CKから惜しいチャンスがあり、そのすぐ後にもまた左サイドからのクロスを勝又慶典がヘッド!
これは相手にふせがれたものの、右CKを獲得するや、そこから川又が今度はきっちり決めてパルセイロ先制!高さではパルセイロに分がある!
(勝又は今季新加入の選手ですが、エネルギッシュで本当にいい選手。よく長野に来てくれました!)

これでスタンドは大いに盛り上がり、秋の匂いのする強風もなんのその、熱気をはらんだ声援がまた選手たちを包み込み、試合のペースはパルセイロ。
ゼルビアは首位を走るチームらしく、戦術的にもよくまとまり、一対一の競り合いにも強さを見せていましたが、攻撃の最後のところでアイデア不足。25分頃に9番がフラストレーションを解放するようなミドルをふかすまでシュートはありませんでした。
35分過ぎからFKを2本与えてしまって、ややゼルビアの流れになりながらも、しっかり守って前半は1-0で終了。よし!

ハーフタイムのアナウンスで、ツエーゲンが5位のグルージャ盛岡に2-0で勝ったという報が入ってくると、スタンドからは溜息。
こうなれば目の前の試合に集中するだけ!

パルセイロの向かい風で始まった後半は立ち上がりから負けられないゼルビアが圧力をかけてきますが、これは想定の範囲。サッカーの試合というのはだいだいこういうものです。15分くらいはこれが続きますよね。
ゼルビアの激しいフォアチェックに苦しみ、まったくボールを保持できないパルセイロ、サポーターもここは我慢のしどころとばかりに、見守りますが、なかなかこの時間が終わらない!想定外!
この日は8月とは思えないくらい気温が低く、それがゼルビアの運動量を支えていたのはもちろん、彼らも勝ち点差を守ろうと必死だったのでしょう。ゼルビアは春から首位を快走していたものの、ここ4試合は2分2敗の足踏みで、ツエーゲンとパルセイロに猛追されていますしね。

けれども、我々だってここで勝ち点3を失うわけにはゆかない!
昨年はJFL(J3の前身)で優勝しながらも、スタジアム等の昇格要件が整わず、J2に上がれなかったパルセイロにとって、今季の昇格は”既定路線”といっていい。来季の開幕はJ2のチームとして、新スタジアムで迎える、これはもう選手とサポーターの気持ちのなかでは”決定事項”なのです!
そして、その気持ちの強さがプレイの乗り移ったパルセイロの守備がゼルビアの攻撃を跳ね返す!
中盤は支配されても最後のところではやられない!
(最後のアイデア不足がゼルビア失速の原因なんでしょうね。)

後半20分過ぎにゼルビアは2枚交代、すぐ後にパルセイロも畑田真輝→向慎一という交代。
向は2011・12とパルセイロに所属していたものの、13はゼルビアに移籍、そして今年出戻ってきた選手なので、まさに因縁の一戦。何か仕事をしてくれるような予感。そういえば向の登場で向かい風から追い風に。

そうして耐えに耐えていた後半30分、相手のセットプレイから脱したカウンターのチャンス、左SHでありながら守備のために右サイドにいっていた山田晃平が自陣からドリブルを開始!
私は、ここは見方の上りを待つべきと、「ためろ、ためろ!」と声を張り上げていましたけど(パルセイロは攻め急ぐきらいがあるので)、山田の考えは違った。
前しか見ていない彼は果敢かつ強引なドリブルで、ひとり、またひとりとゼルビアの選手をかわし、相手陣内をえぐると、そこから中央へパス!
そして、これに飛び込んだのは、大エース宇野沢祐次!勝利を引き寄せる追加点!
宇野沢は山田の突破を信じて、自陣から長躯していた、この信頼関係こそがパルセイロの強さであり、攻撃の根幹だ!
厳しい冬が過ぎ、温かい春がきたようなこの追加点に選手は団子になって喜び、スタンドは熱狂の渦、歓声が市内全域に響き渡ったんじゃないでしょうか!
しかもここで発表されたこの試合の観客数がなんと6334人!
今季打ち立てた8011人(J3歴代2位)という記録には及びませんでしたけど、それでもJ3では異例の動員(J3歴代4位)。J2に相応しい実力をチームとサポーターの両方が見せている!
(町田からもたくさんのサポーターのみなさんがいらっしゃってくれていました。試合は別にして長野を楽しんでいってくれたらと思います。)

残り約15分で2点差となったことで勝利がぐっと近づいたものの、油断はできません。試合の流れ自体はゼルビアのものでしたからね。しかもパルセイロにとって引き分けは負けに等しい試合、是が非でも勝たねば。
しかし、さすがにゼルビアも2点差にはがっくりきたのか、ボール際での一歩が出ないようになってきて、ゲームはやや膠着状態。
終盤は互いに肩で息をしながらボールを追いかける死闘となりましたが、最後まで集中力を切らさなかったパルセイロの見事な勝利!ゼルビアとは3月のアウェイ戦で0-0だったのでこれで決着がついた!
(CBの松原優吉はセットプレイのときは前線に上がり、それが終わるとすぐに下がるという繰り返しだったので、かなり疲弊していましたけど、よく相手のエース9番を押さえていましたし、攻撃でも強さを見せていました。)

これでJ3は、首位ゼルビア勝ち点48、2位ツエーゲン勝ち点47、3位パルセイロ勝ち点46という大接戦。
11月23日の最終節までこの熱い戦いが続くと思われます。
140831長野運動公園
それにしても、本当に大きい一戦でした。
シーズンが終わった後に、”分水嶺”として語られる試合になるんじゃないでしょうか。
もし、負けていたら、かなり厳しい状況に追い込まれただけに、そのプレッシャーに打ち勝った選手たちには心よりの賞賛を送りたいと思います。
素晴らしいゲームをありがとう!
さらなる凱歌を長野に響かせてくれることを期待しています!
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