信州人の地粉へのこだわり

”地粉”。
こう書いてなんと読むでしょう?
正解は”じごな”なんですけど、恥かしながら私は長野県に越してくるまで、この言葉を知りませんでした。
また、意味でいうと、この地粉は地元で獲れた小麦粉や蕎麦粉のことを指します。
つまり、小麦粉や蕎麦粉のよく獲れる地域ならではの言葉といっていいでしょう。

信州はいうまでもなく蕎麦が名物ですから、多くのお店が地粉にこだわり、店の看板である十割蕎麦には、”信州産蕎麦粉”とカッコ書きしてあるのをよく見かけます(霧下蕎麦といって標高の高い地域の蕎麦粉を特に貴びます)。
日本には信州以外にも蕎麦どころはありますが、信州人は長野県産蕎麦粉が日本一、いや世界一だと信じて疑わないので、それを使った蕎麦切りを至高と考えているわけです。
私もそれを否定しません。信州の蕎麦粉は本当に素晴らしい。

そんな地粉へのこだわりは小麦粉にも及び、おやきやニラ煎餅、うどん類といった郷土食用に販売されている小麦粉の袋にも”地粉”とでかでかと書かれているんです。
スーパーの粉ものコーナーでそれがずらっと並んでいるのを見ると、信州人がどれだけ地元を愛しているかよくわかるってものです。

しかし、そんな地粉への愛情も、ちょっと間違った方向にゆく場合もあるんです。
それが”ラーメン”。
信州のラーメン屋さんは蕎麦屋さんよろしく、”地粉”を売りにしているお店がけっこうあるのですが、それがラーメンに適しているかどうか、私は大きな疑問を感じています。
郷土食に使う小麦粉は”中力粉”になりますから、”強力粉”のラーメンには本来合わないんです。
もっといえば、日本の小麦粉はグルテンが少ないので、外国産の強力粉の方が、質も値段もラーメン向きだと思います。

確かに地粉の蕎麦粉は世界一。
しかし、ラーメン用の小麦粉はそうではないのですから、地粉へのこだわりを捨てるべきではないか。
信州生まれでない私はこれまで何度もそう感じてきました。

でも、これは私の間違いでもあるんです。
実は長野県は日本で唯一、6種類もの小麦粉を栽培している県なんです。
そのうち5種類は麺類やパン用のグルテンの多いタイプで、比較的新しく開発された品種も多いのですから、信州人が何を考えているのかよくわかります。
それは”信州産小麦粉も世界一”にすることです。
ラーメン屋さんが胸を張って「地粉を使っている!」といえる日を目指しているんです。
これが信州人の郷土愛です。
育てる過程すらも楽しんでいるのかもしれません。

そういう信州人の態度というのは、ひとに対しても同じだと思います。
政治家にしても地元出身者ばかりで、信州に縁もゆかりもないひとというのは見たことがありません。
最初は多少頼りない候補でも、信州人として立派に育ててゆきたいんでしょうね。
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