味方に欲しいボールボーイ
サッカーのボールボーイ(いま風にいうとボールパーソン)はホームチームのユースに所属している選手だったり、地元の少年サッカーチームの選手が務める栄誉ある役割ですけど、日本人は真面目すぎるのか、ピッチの外に出たボールが出た際、状況がどうだろうが、味方ボールだろうが敵ボールだろうが、杓子定規に同じ間合いで処理する子供が多いので、観戦に行くとイライラすることも多いですよね。
例えば、こっちが1点リードしている終盤、相手に押し込まれながらも必死に堪えているという時間帯、外に出たボールがマイボールなら、ボールボーイには出来るだけゆっくりやって欲しいんです。
それを機械のようにちゃちゃっとやられると、もう本当にがっかりするんです。
スタンドから「もっとゆっくりでいいぞ!」なんて声がかかるときもありますよね。
ボールボーイは”12番目の選手”なんですから、試合の流れをよく感じ取って仕事をして欲しいものです。
本当の選手としてピッチに立つときもその感覚は役立つはずですしね。
ただ、あまりにもえげつない気の利かせ方をすると、相手チームの選手やサポーターを怒らせることもあります。
動画配信サイトには世界のボールボーイを特集したそれもありますけど、敵ボールのときにわざとらしく遅らせたり、わざと頭の上に投げたり、酷いのになると思い切り投げつけて敵選手にダメージを与えたり。
もちろん選手も起こりますけど、ボールボーイはしれっとした顔をしているんですから、ちょっとおかしくなります。
しかし、笑えないケースもあって、2013年のイングランドんカップ戦のスウォンジー×チェルシーで、2点を追うチェルシーが後半に猛攻を仕掛けていた場面で、ホーム・スウォンジーのボールボーイがサイドを割ったボールに覆いかぶさるようにして明らかな遅延行為をしたんです。
そうしたら、それにキレたチェルシーのアザールが、その少年(17歳)を蹴り飛ばしてボールを奪ったんですから、さあ大変。
審判はアザールに1発レッドの判定を下し、協会も3試合出場停止の処分を決定、世界中のマスメディアもアザールの蛮行を否定的に伝えました。
ところがその後、少年の父親がスウォンジーの筆頭株主の役員であることが判明すると同時に、少年が試合前にSNSで遅延行為を予告していたこともばれてしまうと、ネット上で少年にも批判が集まりました。
ボールボーイが敵選手をイライラさせて、それに怒った選手が”体罰”を加え、審判から警告を受けるというシーンは世界のあちこちで見られますけど、ボールボーイへの警告も考えねばならないかもしれませんね。
そして私たちの日本ですけど、ボールボーイが積極的に試合に関わるシーンというのもなかなかないせいか、選手とのいざこざもまったくといっていいほど聞いたことがありませんでした。
そんななか、今日(2017年)4月29日のJ2、ジェフ千葉×徳島ヴォルティスで(ジェフホーム)、ヴォルティスのDF馬渡和彰選手が、すぐにボールを渡さなかったボールボーイの少年をど突いて1発レッドをもらうという騒動がありました。
この場面は馬渡選手がボールを持って左サイドを抜けていったのを、ジェフのGK佐藤優也がゴールマウスから果敢に飛び出してクリアしたんですけど、
当然それはヴォルティスボール。ジェフのゴールはがら空きですから、すぐにスタートすれば、ヴォルティスの大チャンスだったわけです。
それなのにボールボーイが、どう見てもわざとボールを渡さなかったので、馬渡選手が思わずキレたというわけです。
ただ、ど突くといっても腕で押したくらいで、私にはそう暴力的には見えませんでした。
海外サッカーだったらよく見る光景なので、カードすら出ないような気がします。審判も日本ではあまりないケースなのでちょっとナイーブになってしまったのかもしれませんね。
もう少し冷静になって、イエローくらいに留め、ボールボーイへも注意をするくらいが公平な対応だったように思います。
それにしても、私はこのボールボーイの少年を心から賞賛したい。
何をいわれようと、味方の大ピンチにすぐにボールを渡すなどありえない行為です。
実際の試合でも、たとえ警告を受けようとも相手を止めなければいけない場面というのがありますよね。
そこで”いけない”選手は、味方からもサポーターからも信頼を得られません。
むろん、ボールボーイがわざとボールを渡さないというのはマナーに反する行為ですけど、「佐藤さんがゴールにいない!」のを見て、「自分がゴールを守る!」と思うのは12番目の選手の心意気として当然のことです。
それも、プロの選手が必至の形相でボールを奪いに来るなかで、すぐにボールを放さなかった勇気は大したものです。
”遅延行為”については、今後批判を浴びることもあるかもしれませんが、味方の勝利にために身を挺したと考えればかえって誇らしいに違いありません。
ジェフのサポーターたちは力いっぱい少年を守って欲しいものです。
そして、今回の騒動で残念だったのは、試合後にヴォルティスのサポーターがボールボーイに水をかけたことです。
たとえば、試合でわざとらしい”演技”を繰り返して勝利に貢献した相手選手がいたとします。
それでも試合後に水をかけたりはしませんよね。
浴びせるのは”大ブーイング”です。
そこには、ありったけの憎たらしさと、そうまでして勝ちたいのか、というある種の賞賛が入り混じっているはずです。
ヴォルティスのサポーターもボールボーイをひとりの選手のように扱って欲しかったと思います。
それが少年を育て、日本のサッカーを育てるのではないでしょうか。

例えば、こっちが1点リードしている終盤、相手に押し込まれながらも必死に堪えているという時間帯、外に出たボールがマイボールなら、ボールボーイには出来るだけゆっくりやって欲しいんです。
それを機械のようにちゃちゃっとやられると、もう本当にがっかりするんです。
スタンドから「もっとゆっくりでいいぞ!」なんて声がかかるときもありますよね。
ボールボーイは”12番目の選手”なんですから、試合の流れをよく感じ取って仕事をして欲しいものです。
本当の選手としてピッチに立つときもその感覚は役立つはずですしね。
ただ、あまりにもえげつない気の利かせ方をすると、相手チームの選手やサポーターを怒らせることもあります。
動画配信サイトには世界のボールボーイを特集したそれもありますけど、敵ボールのときにわざとらしく遅らせたり、わざと頭の上に投げたり、酷いのになると思い切り投げつけて敵選手にダメージを与えたり。
もちろん選手も起こりますけど、ボールボーイはしれっとした顔をしているんですから、ちょっとおかしくなります。
しかし、笑えないケースもあって、2013年のイングランドんカップ戦のスウォンジー×チェルシーで、2点を追うチェルシーが後半に猛攻を仕掛けていた場面で、ホーム・スウォンジーのボールボーイがサイドを割ったボールに覆いかぶさるようにして明らかな遅延行為をしたんです。
そうしたら、それにキレたチェルシーのアザールが、その少年(17歳)を蹴り飛ばしてボールを奪ったんですから、さあ大変。
審判はアザールに1発レッドの判定を下し、協会も3試合出場停止の処分を決定、世界中のマスメディアもアザールの蛮行を否定的に伝えました。
ところがその後、少年の父親がスウォンジーの筆頭株主の役員であることが判明すると同時に、少年が試合前にSNSで遅延行為を予告していたこともばれてしまうと、ネット上で少年にも批判が集まりました。
ボールボーイが敵選手をイライラさせて、それに怒った選手が”体罰”を加え、審判から警告を受けるというシーンは世界のあちこちで見られますけど、ボールボーイへの警告も考えねばならないかもしれませんね。
そして私たちの日本ですけど、ボールボーイが積極的に試合に関わるシーンというのもなかなかないせいか、選手とのいざこざもまったくといっていいほど聞いたことがありませんでした。
そんななか、今日(2017年)4月29日のJ2、ジェフ千葉×徳島ヴォルティスで(ジェフホーム)、ヴォルティスのDF馬渡和彰選手が、すぐにボールを渡さなかったボールボーイの少年をど突いて1発レッドをもらうという騒動がありました。
この場面は馬渡選手がボールを持って左サイドを抜けていったのを、ジェフのGK佐藤優也がゴールマウスから果敢に飛び出してクリアしたんですけど、
当然それはヴォルティスボール。ジェフのゴールはがら空きですから、すぐにスタートすれば、ヴォルティスの大チャンスだったわけです。
それなのにボールボーイが、どう見てもわざとボールを渡さなかったので、馬渡選手が思わずキレたというわけです。
ただ、ど突くといっても腕で押したくらいで、私にはそう暴力的には見えませんでした。
海外サッカーだったらよく見る光景なので、カードすら出ないような気がします。審判も日本ではあまりないケースなのでちょっとナイーブになってしまったのかもしれませんね。
もう少し冷静になって、イエローくらいに留め、ボールボーイへも注意をするくらいが公平な対応だったように思います。
それにしても、私はこのボールボーイの少年を心から賞賛したい。
何をいわれようと、味方の大ピンチにすぐにボールを渡すなどありえない行為です。
実際の試合でも、たとえ警告を受けようとも相手を止めなければいけない場面というのがありますよね。
そこで”いけない”選手は、味方からもサポーターからも信頼を得られません。
むろん、ボールボーイがわざとボールを渡さないというのはマナーに反する行為ですけど、「佐藤さんがゴールにいない!」のを見て、「自分がゴールを守る!」と思うのは12番目の選手の心意気として当然のことです。
それも、プロの選手が必至の形相でボールを奪いに来るなかで、すぐにボールを放さなかった勇気は大したものです。
”遅延行為”については、今後批判を浴びることもあるかもしれませんが、味方の勝利にために身を挺したと考えればかえって誇らしいに違いありません。
ジェフのサポーターたちは力いっぱい少年を守って欲しいものです。
そして、今回の騒動で残念だったのは、試合後にヴォルティスのサポーターがボールボーイに水をかけたことです。
たとえば、試合でわざとらしい”演技”を繰り返して勝利に貢献した相手選手がいたとします。
それでも試合後に水をかけたりはしませんよね。
浴びせるのは”大ブーイング”です。
そこには、ありったけの憎たらしさと、そうまでして勝ちたいのか、というある種の賞賛が入り混じっているはずです。
ヴォルティスのサポーターもボールボーイをひとりの選手のように扱って欲しかったと思います。
それが少年を育て、日本のサッカーを育てるのではないでしょうか。


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