ロケットを飛ばしたあとのことを考える

日本の民間企業初ということでも、ライブドア事件で有名な堀江貴文さんが出資していたことでも注目されていた北海道大樹町の企業による宇宙ロケットですが、残念ながら宇宙に行くことなく、沖合に落ちてしまったとのことです。
このロケットは当初の予定では一昨日7月29日(2017年)に打ち上げるはずだったのですが、天候悪化によって昨日30日朝に延期され、そこでも技術的不具合があって午後4時半にずれ込んでいましたから、発射前からちょっと嫌な雰囲気だったといっていいでしょう。
地元漁業との兼ね合いもあって、これ以上延期が出来ないということも焦りを生んだ原因かもしれません。
ロケット開発は失敗が糧になるものですし(技術とデータの蓄積)、これからも頑張って欲しいですよね。

この北海道の企業も将来は小型衛星などを打ち上げる宇宙ビジネスを計画しているように、現在、”宇宙ビジネス”は世界的にも年々市場規模が拡大しています。
そのビジネスの代表的なものは、データを商品(気象、海水温など)にする観測衛星、携帯端末の普及により欠かせなくなったGPS衛星、そして通信衛星。
もちろんロケットの打ち上げそのものもビジネスです。

宇宙ビジネスは、日本でも海外でもこれまでは国が主導してきましたけど、技術の進歩によってロケットの打ち上げコストが下がってきた昨今では民間企業も続々と参入し始めています。
民間が関わるようになると、かゆいところに手が届くようなアイデアや遊び心が出てきて、事業もより広がりを見せるのは面白いところです。
まだまだ”夢”という名の段階かもしれませんが、イギリスの会社はすでに”宇宙旅行”のチケットを販売していますし(予定は17年以降)、日本でも”宇宙葬”だったり、”宇宙花火・人口流れ星”を計画している会社もあるそうです。
私などには、この宇宙ビジネスがどれだけ拡大し、今後どのような性格のものになってゆくのか見当もつきません。

ただ、ここで気になるのは”宇宙ゴミ=スペースデブリ”の問題です。
人類はこれまで約5000回の宇宙ロケットを打ち上げているわけですが、衛星を宇宙に運んだあとのロケットや、耐用年数切れの衛星は”ゴミ”として大量に宇宙空間を漂っているんです。
しかも、漂うといってももの凄いスピードですから、危険極まりありません。
宇宙船や国際宇宙ステーションに激突でもしたら大参事になってしまいますし、稼働中の人工衛星が破壊されれば大きな損失です。
”宇宙”というと広いようですけど、人類が利用している軌道というのはある程度定まったところですから、ロケットを打ち上げれば打ち上げるほどそこにゴミが溜まってゆき、衝突の危険性も少しずつ高まってゆきます。
実際、このスペースデブリの衝突によって人工衛星が破壊されたケースがいくつかありますし、国際宇宙ステーションにも小さな衝突痕があるそうです。
このスペースデブリ問題を放置したままでは、宇宙ビジネスもどこかで行き詰まることでしょう。

もちろん、宇宙開発をしている世界各国もこれを放置しているわけではなく、ロケットや人工衛星の残骸を大気圏に突入させて燃やしたり、そもそもゴミをあまり出さないような打ち上げをするというような努力も始まっています。
ただし、それらはあくまで”自主的”なものであり、スペースデブリを規制するしっかりしたルールも法律もないのが実情なんです。
いまのところ宇宙は”誰のものでもどこの国のものでもない”ということになっているので、ルール作りはとても難しいわけです。
確かに国連の宇宙空間平和利用委員会ではいくつかの協定や条約が発効されていますけど、内容が十分とはいえませんし、罰則規定がないので拘束力もどこまであるかわかりません。

それに対して、宇宙とは逆方向の地下資源開発は、多くの国では認可が必要です。
入札が行われ、競り落とした企業は国や自治体と正式な契約を結び、定められた方法で、定められた量を採掘し、ルール違反があれば当然罰が待っています。
宇宙ゴミではありませんが、環境汚染を引き起こせば、その保証が求められるわけです。
もし、認可も必要なく、環境も考慮せずに開発してよい、となったら、この地球はどうなるでしょう?
採掘地の奪い合いによる争い起こるでしょうし、結果と効率のみを追求した事業がその地域を荒廃させることは疑いありません。
実はこれはいまもアフリカの一部で起こっていることです。

現在の宇宙開発・宇宙ビジネスというのは、国も民間も”やったもん勝ち”というのが実情だと思います。
宇宙にルールがないことを喜んでいる国や企業もたくさんあるといってもいいでしょう。
私は日本がその一員になってしまうとしたらとても情けないことだと思いますけど、日本ではJAXAも民間も環境に配慮したロケット燃料を使っていますし、何よりも〈アストロスケール社〉という世界で唯一の”宇宙ゴミの除去を目的としたベンチャー企業”がこの日本にあるので、そんなに心配していません。

宇宙開発・宇宙ビジネスにおいて、日本はルールを作る側・守る側になって欲しいものです。
それにはいまが大切です。
技術やデータも蓄積が大事ならば、信頼も同じことですよね。
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