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国民の希望ではなく亡霊たちの希望

昨年(2016年)3月、民主党は民進党に変わったわけですが、その”表向き”の理由は「維新の党と合流するから」というものでした。
しかし、総務省に届け出をしている法人格としての民主党は解党しておらず、名前が変わっただけで同じ団体のまま存続しているのですから、これはただの”改名”なんです。
当時の所属議員数でいっても、民主党は130、維新の党は26という大差なのですから、合流ではなく、民主党が維新の党を吸収したというのがその実態というわけです(出戻り議員もかなりいました)。
それでも彼らが党名を変えたのは、”民主党政権”の失敗と負のイメージを捨て去るために他なりません。
維新の党を吸収する前から、「党名を変更した方がいい」という声が党内から上がっていたという報道もありましたしね。
国会で自公政権を攻め立てても、「じゃあ、あなたたちが政権を担当していたときはなにをやっていたんですか?」といい返されればグウの音も出ず、国民からも「民主党時代よりはまし」と常にいわれ続けていたのですから、”民主党”の名はまさに呪縛でした。
まあ、党名を変えても”いつもの顔ぶれ”が要職に名を連ねているので、呪縛は解けませんでしたけどね…。

ですからこの2017年の衆院選挙を前に、民進党の前原誠司代表は「名を捨てて実を取る」とかいって、党を事実上解党し、希望の党への合流を決めたのでしょう。
民主党の亡霊を完全に消し去ろうというわけです。
しかし、それだけでは足りないと考えるひともいるんです。
それは、いち早く民進党から脱出し、希望の党の結党メンバーに名を連ねた細野豪志衆院議員。
細野議員は「自分が大臣を経験しておいてなんですが…」と前置きをした上で、「三権の長の経験者は希望の党への合流を遠慮していただきたい」といい出したんです。
三権の長というのは衆参議長(立法)、総理大臣(行政)、最高裁判所長官(司法)の三者ですから、細野議員のいっているのは菅直人元総理、野田佳彦元総理、横路孝弘元衆議院議長ということになりますが、横路氏は引退を表明しているので具体的には菅元総理と野田元総理ということになるのでしょう。

細野議員は遠慮要請の理由を語っていませんが、”民主党政権時代の負の遺産を引き継ぎたくない”という思惑があることは容易に想像できます。
今後、自公政権と対峙してゆく上で、”過去の失敗”を笑いものにされなくないということです。
しかし、仲間外れにするのは総理経験者だけでいいのでしょうか?
民主党時代に閣僚や党の要職を経験した人間が複数参加することになれば、国民の認識は”希望の党=第3民主党”になるはずです。
しがらみのない、まっさらな状態で希望の党をスタートさせたいのであれば、民主党色の濃い議員はすべて遠慮してもらうべきですし、まずは細野議員自らがその先例となるべきではないでしょうか。
あまりにも身勝手な発言でした。

ちなみにこの細野発言を受けて、野田元総理は「先に離党していった人の股をくぐる気は全くない。無所属になってもひとりで自民党を倒す」という男ぶりを見せていました。
カッコいいですね。日本人は判官びいきですから無所属の方が当選するんじゃないでしょうか。
まあ、国会議員になった後はひとりだとろくな活動はできないと思いますけど…。

このような民進党の内輪もめのなか、希望の党の小池百合子代表は「民進党との合流ではないし、全員を受け入れるわけではない。誰を仲間にするかは政策で判断する」いう姿勢を崩しません。
今日29日の記者会見でも「リベラル派を排除する」とも明言し、これで民進党左派は完全に流民と化しました。
第3民主党といわれるのだけは絶対にイヤ!ということなのでしょう。
希望の党の敵は自公政権ではなく、民主党の亡霊なのかもしれません。

しかし、小池代表は「政権選択選挙」を掲げ、希望の党をそれ相応の規模の政党にするつもりのようですから、亡霊のなかでも”まし”なのをピックアップせねばならぬようです。
そして、生き返りたい亡霊たちは「あいつよりまし!」といって、かつての仲間を足蹴にしながら蜘蛛の糸を昇る。
なんという醜い光景でしょう。

私にはそんな糸の先にあるのが本当の希望だとは思えませんし、糸を垂らしているのがお釈迦さまだとも思えませんがね。
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