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2017GPSカナダ大会女子シングル(後) 土俵にもリンクにも

(続きです。)
2週間前の国内大会を腰痛で棄権したことで心配されたアンナ・ポゴリラヤ(ロシア)ですが、SPでは豪快な3Lz+3Tでスタートすると(壁を上手くよけて)、エッジが深くて鋭いステップで『エスペランサ』の情熱を表現し、後半も物凄いスピードからの3Lo、苦手の2Aは慎重に、スピンがしんどそうだったもののまずまずの内容。
スコアはスピンで取りこぼして69.05(TES36.98・PCS33.07)の2位。判定辛い…。
こうして腰痛は癒えたかに思われたポゴリラヤですが、FSでは3Lz+3Tがやや詰まり気味、序盤のコレオもいつもの迫力とスピードが感じられないか。
そうして後半冒頭の3連続ジャンプでバランスを大きく崩すと、次が2Lzに抜け、さらに1F、2Lz+2Tとなって、踏み切りに力がない。2Aでは腰から叩きつけられるように転倒し、苦悶の表情。もう見てられない…。
それでも会場からの温かい拍手でなんとか立ち上がったポゴリラヤは、気持ちを振り絞ってのステップとスピン。
涙目での演技終了となりましたが、本当に心配です。
(スコアは書かないでおきます…。)
それにしてもこの五輪シーズンにコンディション不良というのは本当に運がありません。
選手層の厚いロシア女子のなかで、代表権争いは熾烈を極めると思いますけど、どうにか勝ち抜いて欲しいものです。
私もひとりのアーニャファンとして、そっと応援しています。

昨季の世界選手権銀メダルで、いよいよ大器が花開いたケイトリン・オズモンド(カナダ)。
このSPでも昨季の好調そのままにゴムまりのような3F+3T、巧みなステップからの大きな3Lz、豪快なスピン、後半も2Aを軽々決めると、ステップでは上手く緩急をつけ、会場全体が陽気になるような『パリの空の下』でした。地元カナダの観客も大満足だったことでしょう。魅せましたね。
SP76.06(40.12・35.94)で堂々の首位。
ただ、オズモンドらしいパワーとスピードの演技で圧巻の内容ではありましたけど、ロシア勢とのスコアの差は納得できないものがあります。”ホームタウンディシジョン”にも加減というのがあるんじゃないでしょうか。
こうしてSPを大差の1位で折り返したことで優勝への期待が高まるオズモンドですが、それがプレッシャーになったのかFSでは表情も動きも硬く、冒頭の3F+3Tは転倒気味のお手つき、2A+3Tはよし、慌てたような3Lzはエッジが微妙か。
キャメルスピンとビールマンも落ち着きがなく、ひとりでテンパっているのは明らか。『ブラックスワン』の黒鳥がまるで水辺で溺れているようでした。
それでも後半冒頭のターンからの3Loが綺麗に入って、これで落ち着くかと思われたものの、ぎこちない鳥足ステップの後のジャンプが2Fに抜けると、唇からなにか汚いワードが洩れる始末。
そこから3S+2T+2Loは決めたものの、ステップとコレオは集中力を欠いて雑になってしまい、おっかなびっくり跳んだ2Aで転倒、最後は失速感を隠せぬコンビネーションスピンでフィニッシュ。
日本語でいうところの”ひとり相撲”になってしまい、ドタバタ劇の『ブラックスワン』でした。オズモンドは大胆な表現が上手い選手ですけど、細かな演技は苦手そうなのでプログラムも合ってないかも。
しかし、スコアはダントツの136.85(65.95・71.90)、合計212.91。2位のソツコワを20点も引き離す圧倒的な優勝となりました。
素直な目線の観客と視聴者はSP・FSでミスのなかったソツコワの勝ちだと思われたかもしれませんが、ここは”カナダ”なんです。そしてこれがフィギュアスケートなんです。我々もあまり順位やスコアを気にしない方が精神衛生的にいいでしょうね。
それにしても、オズモンドは五輪でもメダル候補に名前が上がるでしょうけど、メンタルがこうも弱いと”公平な大会”では不安が残りますね。

この結果、優勝オズモンド2位ソツコワ3位ワグナーの表彰台。
日本勢は本田真凛さんが5位、本郷理華さんが6位となりました。
日本のメディアは本田さんを次世代スターとして強烈にプッシュしていますけど、その実力はまだまだ世界トップレベルにはありません。表彰台の選手たちとの演技の差を見れば明らかです。
もっとも、本田さんは今季がシニアデビューですし、大相撲でいったら新入幕力士みたいなものなんです。
私はそれを大関や横綱のように扱うメディアには辟易しますし、本人のためとも思えません。
現実的にいえば、いまの日本女子は宮原知子が横綱(怪我で休場中)、三原舞依と樋口新葉が大関という3強状態で、2枠しかない五輪代表もそのなかでの争いになることが濃厚といっていいでしょう。
それ以外の選手は全日本選手権で”ここ一番の演技”を決め、大逆転で夢への切符を掴むしかないわけです。
シンデレラが生まれるとしたらそのときです。
メディアという魔法使いから派手なドレスと馬車をプレゼントされただけの選手は、フィギュアファンという王子さまから求愛を受けることはありません。
スケーターならばすべてをリンクの上で掴みとるべきです。
「土俵の下には金が埋まっている」んです。

メディアはシンデレラになる可能性のある選手をピエロに仕立てようとしています。
本田さんは素晴らしい才能を持った美しいスケーターなのですから、静かに見守って欲しいものです。
メディアからしたらただの玩具かもしれませんが、フィギュアファンにとっては宝物なんです。
とりあえず大会放送の合間に入るCMは中止にしてください。
批判の的になるだけですぜ。
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