2017GPSカナダ大会男子シングル 大人になったワンダーボーイ
シーズン序盤のロンバルディア杯でトータル319.84のパーソナルベストを叩きだし、五輪王者に向けて視界が開けてきた宇野昌磨。
GPSはその視界を良好にしてゆく戦いになるわけですが、参戦するカナダ大会(GPS第2戦)にはかつての絶対王者パトリック・チャンが待ち構えています。
ここでしっかり勝利を収め、男子フィギュアの進化を示せ、宇野昌磨!
その五輪といえば、親子2代に渡って出場を悲願としている無良崇人は、選考基準をクリアするためにも出来るだけ高い順位とスコアをもぎ取らねばなりません。
しかし、SP冒頭の4Tが回転不足の乱れた着氷になる不穏なスタート。
3Aは彼らしいビッグジャンプでしたけど、続く2つのスピンには勢いがなく、後半の3Lz+3Tもやや詰まり気味。
ステップでは床を蹴る重い音に合わせて深さと力感のあるスケートで昨季から持越しの『ファルーカ』のタンゴを表現するも、昨季に続いて彩と工夫が足りないか。
SPは74.82(TES38.35・PCS36.47)の8位。
技術要素のミスだけではなく、繋ぎが少ないせいかPCSも伸びません。
挽回したいFSは3季前に評判の良かった『オペラ座の怪人』のリバイバルでしたけど、大きな3Aの後の4T予定が2Tに、3Lo予定が2Lo(両足)になってしまって早くもシャンデリアが砕け散ってしまったかのよう。
それでも情感の籠ったステップで気を取り直し、盛り返したい後半冒頭の3Lz!…でしたけど、これが2Lzのような前向き着氷。
さらに3Aがステップアウトでコンボにならず、3Lzお手つき、キャメルスピンの後は2F。
…ほんと、どうしちゃったんでしょう、言葉がありません。
最後は意地で3Lzを持ってきたもののステップアウトしたばかりか、最初の2Lz気味のが3Lzダウングレード判定でキックアウト。
極寒の冬山で遭難したかのような雰囲気のなか、コレオとスピンで寂しい終幕となってしまいました。。
FSは111.84(40.14・71.70)、トータル186.66。
この大崩れの原因はフィジカルなのかメンタルなのかメカニックなのかわかりませんが、シニア10年目の大ベテランなのですからしっかりしなければなりません。
お父さんとファンを悲しませないように!
地元の大声援を受けて浮遊感のある滑りでSP『すべては風の中に』をスタートさせたP・チャンは4T+3Tふらり、柔らかいステップからの3Lzは綺麗(4Sは回避)。
安定したキャメルスピンで前半を締めくくり、つるつるした滑りで後半へと繋ぐも、苦手の3Aでお手つき。軸が斜めになっていました。
まあいつものことなのであまり気にした様子もなく、ステップシークエンスは軽く繊細にリズムを刻んだかと思うと、一気に加速して空駆けるように、そしてその流れでFシットスピン、舞うようにしてからコンビネーションスピンでフィニッシュ。
全体の印象は良かったもののジャンプが残念。
SPは94.43(48.01・4642)の2位。思ったよりちょっと高いスコア。これがホームということか。
そんな追い風を背に逆転優勝を狙うFSは最後のシーズンを暗示するような『ハレルヤ』。
しかし、冒頭の4Tは力んだような転倒、3Lzお手つき、さらには2A+1+2Sに。
これではハレルヤならぬ”荒れるや”。
この日はジャンプの軸がおかしくて、後半も4T予定が3Tに抜けると、そこからも2A、2Loと抜けまくり。
無良くんと同じものでも食べたのでしょうか。
3Lzもお手つきでコンボにならず、最後の3Fだけは綺麗に跳んだものの、これが最後のスケート・カナダかと思うと悲しくなるような演技でした。
FSは151.27(61.41・90.86)、トータル245.70。
でも、今後は絶対に建て直してくれますよ。それがP・チャンです!
6分間練習を子供のように楽しむワンダーボーイ宇野昌磨ですが、SP『四季・冬』が始まるとその表情をキリリと引き締め、冒頭はステップからのクリーンな4F!よっしゃ!早くも優勝を確信!
ステップシークエンスでは凍った枯れ枝が吹雪に揺れ、冬の嵐が巻き起こるように迫力を増して後半へ向かうと、4T+2Tはちょっと残念だったものの、イーグルで繋いだ3Aは的確に。
最後は吹雪舞うスピンで演技を終わらせ、宇野くんの表情には春が来たような安堵の色が浮かんでいました。
やはりGPS初戦ですから緊張もあったのでしょうけど、内容は十分だったと思います。プログラムのコンセプトもはっきりしていて見応えもありました。
SPは103.62(57.12・46.50)で期待通りの1位。
コンビネーションジャンプで無理に+3Tに行かなかったところに大人になった宇野昌磨を見ましたね。
そんなSP後に「身体が動きすぎているくらい」と好調をアピールした宇野くんのFSは2季前と同じ『トゥーランドット』。五輪王者を奪いに行く強い意志が籠った選曲です。
演技の方でもその冒頭に切れ味鋭い4Loを披露して”王者の器”を示すと、3Loはバランスを大きく崩すも、次の3Aはきっちり決めてメンタルも強い。
そこからは巧みなスピンを2つ、足を休めるような軽いステップシークエンスで力をセーブし、迎えた後半冒頭の4Fはあぶなくこらえた!
4Tも軸が外れて回転不足気味になってこれはやばい…。
しかし、続く4Tを気迫で着氷すると、粘り強く+2Tにしたところは宇野昌磨の勝負強さ。
しかもそこから3A+1Lo+3F、3S+3Tをばっちり決めるのだからなんという男だ!まさにワンダーボーイ!
そんな自分のポテンシャルに本人も可笑しくなってきたのか、コレオでは笑顔が浮かび、代名詞のクリムキンイーグルで会場を沸かせると、最後のスピンの後は力強いガッツポーズ!
ミスはあったものの、集中力を切らさずに演技をまとめたところに”手応えあり!”というところだったのでしょう。
いやあ、テレビで観ていたこちらもシビレました。
FSは197.48(106.32・91.16)、トータル301.10で堂々の優勝。
五輪の金メダル候補であることを世界に誇示したといっていい内容でしたね。
4回転3回転がSP・FSで1度も決まらなかったのは残念でしたけど、シーズンは開幕したばかりなのですから課題があった方がいいってものです。
そしてすべてがクリアされたとき、世界は天才・宇野昌磨に口づけをする!
そのときまで誰も寝てはならぬ!

GPSはその視界を良好にしてゆく戦いになるわけですが、参戦するカナダ大会(GPS第2戦)にはかつての絶対王者パトリック・チャンが待ち構えています。
ここでしっかり勝利を収め、男子フィギュアの進化を示せ、宇野昌磨!
その五輪といえば、親子2代に渡って出場を悲願としている無良崇人は、選考基準をクリアするためにも出来るだけ高い順位とスコアをもぎ取らねばなりません。
しかし、SP冒頭の4Tが回転不足の乱れた着氷になる不穏なスタート。
3Aは彼らしいビッグジャンプでしたけど、続く2つのスピンには勢いがなく、後半の3Lz+3Tもやや詰まり気味。
ステップでは床を蹴る重い音に合わせて深さと力感のあるスケートで昨季から持越しの『ファルーカ』のタンゴを表現するも、昨季に続いて彩と工夫が足りないか。
SPは74.82(TES38.35・PCS36.47)の8位。
技術要素のミスだけではなく、繋ぎが少ないせいかPCSも伸びません。
挽回したいFSは3季前に評判の良かった『オペラ座の怪人』のリバイバルでしたけど、大きな3Aの後の4T予定が2Tに、3Lo予定が2Lo(両足)になってしまって早くもシャンデリアが砕け散ってしまったかのよう。
それでも情感の籠ったステップで気を取り直し、盛り返したい後半冒頭の3Lz!…でしたけど、これが2Lzのような前向き着氷。
さらに3Aがステップアウトでコンボにならず、3Lzお手つき、キャメルスピンの後は2F。
…ほんと、どうしちゃったんでしょう、言葉がありません。
最後は意地で3Lzを持ってきたもののステップアウトしたばかりか、最初の2Lz気味のが3Lzダウングレード判定でキックアウト。
極寒の冬山で遭難したかのような雰囲気のなか、コレオとスピンで寂しい終幕となってしまいました。。
FSは111.84(40.14・71.70)、トータル186.66。
この大崩れの原因はフィジカルなのかメンタルなのかメカニックなのかわかりませんが、シニア10年目の大ベテランなのですからしっかりしなければなりません。
お父さんとファンを悲しませないように!
地元の大声援を受けて浮遊感のある滑りでSP『すべては風の中に』をスタートさせたP・チャンは4T+3Tふらり、柔らかいステップからの3Lzは綺麗(4Sは回避)。
安定したキャメルスピンで前半を締めくくり、つるつるした滑りで後半へと繋ぐも、苦手の3Aでお手つき。軸が斜めになっていました。
まあいつものことなのであまり気にした様子もなく、ステップシークエンスは軽く繊細にリズムを刻んだかと思うと、一気に加速して空駆けるように、そしてその流れでFシットスピン、舞うようにしてからコンビネーションスピンでフィニッシュ。
全体の印象は良かったもののジャンプが残念。
SPは94.43(48.01・4642)の2位。思ったよりちょっと高いスコア。これがホームということか。
そんな追い風を背に逆転優勝を狙うFSは最後のシーズンを暗示するような『ハレルヤ』。
しかし、冒頭の4Tは力んだような転倒、3Lzお手つき、さらには2A+1+2Sに。
これではハレルヤならぬ”荒れるや”。
この日はジャンプの軸がおかしくて、後半も4T予定が3Tに抜けると、そこからも2A、2Loと抜けまくり。
無良くんと同じものでも食べたのでしょうか。
3Lzもお手つきでコンボにならず、最後の3Fだけは綺麗に跳んだものの、これが最後のスケート・カナダかと思うと悲しくなるような演技でした。
FSは151.27(61.41・90.86)、トータル245.70。
でも、今後は絶対に建て直してくれますよ。それがP・チャンです!
6分間練習を子供のように楽しむワンダーボーイ宇野昌磨ですが、SP『四季・冬』が始まるとその表情をキリリと引き締め、冒頭はステップからのクリーンな4F!よっしゃ!早くも優勝を確信!
ステップシークエンスでは凍った枯れ枝が吹雪に揺れ、冬の嵐が巻き起こるように迫力を増して後半へ向かうと、4T+2Tはちょっと残念だったものの、イーグルで繋いだ3Aは的確に。
最後は吹雪舞うスピンで演技を終わらせ、宇野くんの表情には春が来たような安堵の色が浮かんでいました。
やはりGPS初戦ですから緊張もあったのでしょうけど、内容は十分だったと思います。プログラムのコンセプトもはっきりしていて見応えもありました。
SPは103.62(57.12・46.50)で期待通りの1位。
コンビネーションジャンプで無理に+3Tに行かなかったところに大人になった宇野昌磨を見ましたね。
そんなSP後に「身体が動きすぎているくらい」と好調をアピールした宇野くんのFSは2季前と同じ『トゥーランドット』。五輪王者を奪いに行く強い意志が籠った選曲です。
演技の方でもその冒頭に切れ味鋭い4Loを披露して”王者の器”を示すと、3Loはバランスを大きく崩すも、次の3Aはきっちり決めてメンタルも強い。
そこからは巧みなスピンを2つ、足を休めるような軽いステップシークエンスで力をセーブし、迎えた後半冒頭の4Fはあぶなくこらえた!
4Tも軸が外れて回転不足気味になってこれはやばい…。
しかし、続く4Tを気迫で着氷すると、粘り強く+2Tにしたところは宇野昌磨の勝負強さ。
しかもそこから3A+1Lo+3F、3S+3Tをばっちり決めるのだからなんという男だ!まさにワンダーボーイ!
そんな自分のポテンシャルに本人も可笑しくなってきたのか、コレオでは笑顔が浮かび、代名詞のクリムキンイーグルで会場を沸かせると、最後のスピンの後は力強いガッツポーズ!
ミスはあったものの、集中力を切らさずに演技をまとめたところに”手応えあり!”というところだったのでしょう。
いやあ、テレビで観ていたこちらもシビレました。
FSは197.48(106.32・91.16)、トータル301.10で堂々の優勝。
五輪の金メダル候補であることを世界に誇示したといっていい内容でしたね。
4回転3回転がSP・FSで1度も決まらなかったのは残念でしたけど、シーズンは開幕したばかりなのですから課題があった方がいいってものです。
そしてすべてがクリアされたとき、世界は天才・宇野昌磨に口づけをする!
そのときまで誰も寝てはならぬ!


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