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2018四大陸フィギュア男子シングル 天才を信じるしかない

女子シングルでもそうだったのですが、男子シングルもまたこの2018四大陸選手権(台湾)にはアメリカとカナダの五輪代表選手は出場しません。
つまり宇野昌磨とネイサン・チェンの対決はないのです。
これは観る側としてはかなりガッカリなのですが、ここで忘れてはならないのが宇野くんのジュニア時代からのライバル金博洋。
今季は怪我もあって内容が悪かった金博洋ですが、GPFを欠場してじっくりコンディションを整えたせいか「好調」という事前情報も。
というわけで、ライバル対決も楽しみな男子シングルをざっくりと振り返ってみたいと思います。

悲願の五輪シーズンだというのに絶不調でそれを逃した無良崇人くんは、この四大陸でもSPから4Tが2Tに抜けて76.66(TES37.01・PCS39.65)の10位。
FSでも冒頭が2Tになるも、次の4Tを根性で食らいつき着氷。
しかし後半に細かいミスがあり、演技全体にも精彩を欠いて148.75(71.05・77.70)、合計225.41の12位。
五輪を逃した後の大会ということで気持ちのもってゆき方が難しかったのでしょう…。来季はどうするんですかね…。

いまの男子シングルは”真・四回転時代”と呼ばれていますが(羽生結弦命名)、時代を無視して自分のペースで四回転に挑み続けてきたのがケヴィン・レイノルズ(カナダ)。
そんなレイノルズもカナダ選手権で敗れ、五輪出場を逃したことでついに引退を表明。この台湾で行われる四大陸が最後のリンクとなりました。
四大陸といえば、レイノルズは忘れもしない13年大阪大会の王者ですから、ここは有終の美を飾って欲しいところでしたけど、SPでは4Tが乱れてコンボを付けられない痛恨のミスで74.65(36.05・38.60)の13位。
巻き返しを図りたいFSでは4Sと4Tを着氷すると、4T+3T+3Loという大技で会場をどよめかせ、後半も3Aを跳んで、4T+2Tを成功!
そうして大きなミスなく滑り終えたケヴィンはなんともいえない清々しい表情をしていました。
四回転へのこだわりとフィギュア愛情に溢れる演技は、いつまでもフィギュアファンの記憶に留まることでしょう。
おつかれさまでした、また日本に来てくださいね!
外交官志望とのことですからカナダ大使館にぜひ!

全日本2位で見事五輪代表を勝ち取った田中刑事くんは、SPはノーミスで90.68(48.60・42.08)のPB!
SP3位での折り返しとなり、メダルへの期待も高まるFSでしたけど、3S(4S予定)、こらえる4S、2A(3A予定)という立ち上がりで、その期待も一瞬にして雲散霧消。
振り付けやステップの動きも硬かったので緊張していたのかもしれませんね…。
(田中くんはお母さんが台湾出身で、今大会は会場にいらしていたそうです。)
ただ、後半は4Tと3A+2T+2Loを決めるなどジャンプはノーミス。この開き直りが前半から欲しかった。
FSは169.63(87.33・82.30)、合計260.31はなんとPB。
順位の方はジェイソン・ブラウンに抜かれての4位でしたけど、五輪に向けて手ごたえは十分に掴めたことでしょう。
あとは「転んでもいい」という気合で4Sを跳ぶだけです。
世界の”KG”になれ!

今季ノーミスのSPが1度しかない宇野昌磨の鬼門は”4T+3T”。
五輪に向けて決めておきたいところでしたけど、今回も悔しい4T+2Tとなり、SPは100.49(54.92・45.57)。
今季いくどか見られるステップの取りこぼしも、今回はレベル2だったのももったいなかったです。
それでもSPはぎりぎり1位で、”四大陸初制覇”に向けて視界が開けたFSだったのですが、4Loの後の4Fが腹ばいになるショッキングな転倒。
しかし涼しい顔で立ち上がり3Loと決め、正確なスピン、振り付けに力強さが増したステップシークエンスで流れを完全に取り戻し、後半は3A、課題の4T+2T、4Tをしっかり決め、終盤の3A+1Lo+3Fと3S+3Tでプログラムを盛り上げ、その勢いのままのコレオと疲れ知らずのコンビネーションスピンでフィニッシュ!
前半の失敗を忘れさせる素晴らしいリカバリーに本人も納得の表情。
今季はここまで色々とジャンプ構成をいじってきた宇野くんですが、今回のものを”五輪仕様”と定め、1ミスでこなせたのは十分な自信となることでしょう。4回転を1本減らしたおかげで演技全体の完成度や力強さも増していたと思います。
今季は有力選手がみんなあまり調子が良くないので、リスクを冒さず、安定と完成度を求めるのは正しい選択でしょうね。
そうして200点越えが期待されたFSですが、197.45(106.67・91.78・減点1)、合計297.94。
PCSが思ったより渋かったのと、プロトコルで確認すると成功したかに見えた4Loに回転不足(UR)が付いていてこれが大きく足を引っ張っていました。
五輪だと命取りになるので突き詰めていって欲しいですね。

表情も明るく動きも軽快だった金博洋(中国)は見事な4Lz+3Tを決めるなどSPは100.17(57.59・42.58)で僅差の2位。GPFと中国選手権をお休みして休養十分って感じ。
FSでも大迫力の4Lzでスタートすると、4Sと3A+1Lo+3Sもしっかり決め、笑顔が眩しいコレオで前半を締めくくると、後半も4T+2T、4T、3Aと連続で成功!
この大会は悪いときの身体が折れるような着氷もなく、ジャンプの質も上がっていました。
3Lzにオーバーターンが入りましたけど、大きなミスなく滑り終えた金博洋は吠えるようなガッツポーズ。
完全復調ですね!
FSは200.78(115.34・85.44)、合計300.95で宇野くんを逆転し、歓喜の初優勝!
ここは我々もシャッポを脱ぐしかありません。お見事でした(宇野くんのシルバーコレクターぶりがなんとも…)。
それにしても本当に調子が良さそうですね。滑りに勢いがあって、それが振り付けやステップの拙さを覆い隠し、演技全体も煌めいていました。
スピンやステップの技術に弱点のある選手ですから、トータルスコアが310まで伸びることはないと思いますけど、五輪は勢いが左右することも多いですから、ちょっと面白い存在になってきましたね。周りが不調なだけに十分チャンスがあると思います。

こうして金博洋が優勝、宇野くんは2位、ジェイソンが3位、刑事くんは4位という結果に終わった2018四大陸選手権ですが、日本勢はSPが1位と3位だっただけにFSで順位を落としたのは本当に残念でした。
特にライバルに敗れた宇野くんはさぞかし悔しがっている…かと思いきや、試合後は「後半に立て直せたのが嬉しい」と語り、晴れやかな笑顔。
この”天才”ならではの感性が五輪で吉と出るのか、それとも…。
我々は、普通のひとができないことを平然とやってのける天才を信じるしかありません。
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