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長野のおでん

2018年の11月も下旬に入り、いよいよ寒くなってきたので、先週末に今シーズン初めてのおでんをこしらえたんですけど、久しぶりに日本酒も飲んで、ちょっといい気分になりました。
やっぱりおでんはいいですねえ。
…なんて思っていたら今週からまた暖かくなってきて、気温20度を超える地域もあるというのですから、やはり今季は暖冬ということなのでしょう。
そうなると身体を芯から暖めたくなる日も減ってしまいますし、大根の品質も落ちてしまいますし、おでんにとっては不遇の冬になりそうです。

そのおでんといえば、全国津々浦々に”その土地の味”というのがありますよね。
出汁が違う、種が違うというのはもちろん、名前が違うところもあるくらいです。
見た目から個性的なところをいえば静岡の黒つゆ出し粉おでん、名古屋の八丁味噌おでんがありますし、出汁が個性的なのは福岡の鶏出汁おでん、金沢の塩出汁おでんがあります。
また、見た目や味はそう大きく変わらなくても、関西ではなぜだか”関東炊き・関東煮”とも呼びます。
私の住む長野県でも、飯田市のおでんは、食べる際に刻み葱(と鰹節)と醤油を合わせた〈ネギだれ〉というのを追いだれにする個性派として、最近では全国メディアでもたまに見かけたりします(からしも併用)。
私はまだ食べたことはありませんが、飯田市に旅行した友人いわく「衝撃的だった」とのこと。
追いだれでいえば、青森や香川のように味噌ベースのそれを用いる地域はいくつかあるようですが、このネギだれと同じ醤油ベースは姫路の生姜醤油くらいでしょうか、かなり珍しいと思います。

ちなみに、我が長野市のおでんは普通の関東風です。
特に変わった出汁も種もありません。
なんだかちょっと寂しいです。
味噌や蕎麦という名物があるのですから、味噌の追いだれや蕎麦団子なんかがあってもいいと思いますし、善光寺の精進料理で〈けんちん巻〉といって、豆腐と野菜を混ぜ合わせ、湯葉で巻いて蒸し上げたものがありますから、それをボール状にアレンジすれば変わり種としてけっこういけるんじゃないでしょうか。
長野市のひとびとはもっとチャレンジして欲しいものです。

ただ、そもも長野市におでんをよく食べる習慣があるのかといえば、そうでもありません。
調べた限り、おでん専門店も一軒しかありませんし、そんなに古い店でもなさそう。
むろん、それもせんなきことで、おでんが有名な地域にはたいてい”海”があるものです。
出汁も練り物もそこから獲れるのです。
海のない長野県産品だけでおでんを作ろうとすれば、出汁は干しいたけ、種は大根とこんにゃくと厚揚げと玉子くらいになってしまいます。
(※ここに信州牛のすじ肉、蕎麦団子、けんちんボールをプラスして、追い味噌ダレをかければ、〈長野おでん〉が完成するかも!?)

また、長野市といえば善光寺のお膝元ということもあって、市民はお行儀が良く、”夜が早い”ことでも知られていますから、おでん屋で酒をちびちびという文化も育たなかったのかもしれません。
けれでも、おでんを外で食べないというわけでもないんです。
実は長野市で一番有名なおでんどころは〈山喜屋〉というお蕎麦屋さんなんです。
そのお店では、ストーブの上に置かれた大鍋に串を打たれたおでん種がぎゅうぎゅうに浸されていて、客はそこから勝手に取って食べて、お勘定はその串の本数で数えます。
営業時間は午後8時までなので、昼がメインといっていいお店で、おでんもお酒のアテではありません。
長野市民は冬でもざる蕎麦なので、身体を温めるためにもおでんが必要なのでしょう。
これも文化です。
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