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高校野球は無法地帯

死球、一死・二死。刺殺、捕殺、盗塁、重盗…。
野球用語には物騒なものが多々ありますが、あくまでスポーツですから、我々はそこに嫌悪感など抱きません。
しかし、今年2019年の春の甲子園で問題になっている〈サイン盗み〉は違います。
日本人ならばこれを「卑怯」と憤るはずです。

ちなみにこのサイン盗みというのは、2塁に進んだランナーが、敵捕手のミットの位置やサインを盗み見て、次の球を味方バッターに伝えることをいいます。
伝える方法はヘルメットの触り方などのブロックサインが古典的ですが、これだとサイン盗みが相手にバレやすいので、リードする足の動きを使うなこともあるというのですから、なかなか芸が細かい。

ただ、ここで勘違いしてはならないのは、サイン盗みがルールブックで違反になっているわけではないということです。
少年野球やプロ野球でも一般的に行われていることです。
それを高校野球連盟だけが99年の春の選抜大会から禁止にしているんです。
サイン盗みが横行すると、サインが複雑化したり、サイン交換に時間がかかったりして、試合時間が伸びてしまうからでしょう。
高校野球といえば、”テンポの良さ”が売りですから、高野連の通達は間違っているとは思えません。テレビ放送の都合にも合致します。

しかし、99年以降もサイン盗みは度々に問題になります。
審判から注意を受けるケースもありますし、そうでなくても高校野球ファンから疑わしいと指摘されるケースもありました。
では、なぜなくならないか?
理由は簡単です。
この禁止ルールには罰則がないんです。
あやしい動きをしても審判が口頭で注意するだけなので、退場させられるわけでもないのですから、勝利に飢えたチームはダメ元ならぬバレ元で、思い切って実行するわけです。

しかも、サイン盗みをした2塁ランナーがバレバレのブロックサインを味方打者に送っても、審判は「疑わし行為をしないように」と注意をするだけなんです。
万引き犯を見つけながら、ポケットのなかを調べず、「まぎらわしいよ」といって優しく逃がすようなものなのですから、まるでギャグ漫画です。
”断定して罰を与える”ことをしなければ、どんなルールも意味がありません。

これ以外にも高校野球というのは、”教育”を建前としているせいか、すべてが性善説で、驚くことに退場者が出た記録すらないんです。
たとえばビーンボールはルールブックにある反則行為ですが、高校野球ではいくら相手にぶつけても退場になりません(NPBのような頭部死球一発退場もなし)。
また、最近の甲子園ではバッターランナーが一塁手の足を蹴ってフォースアウトを逃れるような行為がありましたけど、それも罰せられませんでした。
退場がないので、高校野球はある意味”なんでもあり”なんです。
あのメジャーリーグよりも野蛮かもしれませんね。

今大会では星稜高校の林和成監督がサイン盗みの抗議するために、試合後に相手校の監督のところに乗り込んでいったことが、「高校野球らしくない」と一部野球ファンやメディアから批判され、高野連からも「試合終了後はノーサイドが原則」といって注意されたみたいですけど、無法地帯では正直者はバカを見るということなのでしょう。

私には高校野球のどこが”教育”なのかわかりません。
ルールには罰がつきものだと教えることこそが教育だと思いますぜ。
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話はそれますが、なぜNHKは甲子園大会を全試合生中継するのでしょう?
中継は出場校ごとに地方局でやればいいと思いますし、全国中継は決勝か準決勝からだけでいいんじゃないでしょうか。
各調査によれば、視聴率も関心度も高いわけではないのですから、理解に苦しみます。
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