2019W杯、なでしこジャパンの面々を書き留める(後)
(続きです。)
8岩渕真奈
今大会のチームMVPはこの岩渕真奈か杉田妃和かで迷うひとが多いでしょうけど、私は1G1Aの岩渕を推したいと思います。
彼女の鋭い仕掛けは明らかに敵に脅威を与えていましたし、味方には勇気を与えていました。
日本が誇るワールドクラスの名手であることを証明した大会でした。
右膝の状態を維持して、今後もチームを引っ張っていって欲しいものです。
9菅澤優衣香
年々着実に進歩し、28歳の円熟期を迎えた菅澤は、4試合すべてに出場し、攻撃の柱として奮闘してくれました。
屈強の海外DFと競り合い、ときには潰れ、ときにはスペースを作るといったタスクをこなせる選手はいまの日本には菅澤と永里優季(召集されていない)くらいしかいません。
惜しむらくは決定力不足ですね。4試合でPKの1得点だけというのは寂しすぎました。
11小林里歌子
アンダーの世界大会での活躍から将来を嘱望されながら、怪我に泣かされ、なかなかA代表での地位を確立できずいた21歳ですが、このW杯での代表入りは、ある意味サプライズだったと思います。高倉麻子監督の期待の表れといっていいでしょう。
しかし、GS2試合目のスコットランド戦で右MFとして先発したものの、なにもできずに後半17分での交代となり、その後はピッチに立つことはありませんでした。
本人もかなり悔しい大会となったことでしょう。奮起を待ちたいと思います。
12南萌華
初戦のアルゼンチン戦でCBとして先発し、可もなく不可もないようなプレイで試合を終えたものの(相手がほとんど攻めてこず)、
高倉監督にはなにか物足りなかったのか、その後はレギュラーを市瀬菜々に譲る形に。
熊谷紗希と市瀬のCBコンビが安定していたので、おそらく高倉監督は南を”熊谷の控え”という位置づけにしたのでしょう。
170cmを超える身長としっかりした体格を持つだけではなく、アンダー世代ではキャプテンシーも発揮していた南は間違いなく熊谷の後継者です。
今大会でもうちょっと経験を積めたら良かったんですけどね…。
13長谷川唯
攻撃の軸として期待されながらも、負傷もあって、出場時間も限られ、決勝Tオランダ戦での美しいゴール以外は存在感を発揮することができませんでした。
天才的な選手ではありますが、攻守ともにプレイが軽く、たとえ状態が万全でもチームへの貢献度がどこまで高いかよくわからないところがあるので、”攻撃力”をより先鋭化させて不動の地位を築いて欲しいものです。
14籾木結花
怪我から復帰し、ギリギリでの代表入りとなったこともあり、今大会はオランダ戦の後半27分からのみの出場だったものの、正確なプレイと得意の左足で輝きを放っていました。今後は右MFの一番手になるかもしれませんね。
身長は150cm強くらいしかありませんけど、身体が分厚く、当たりにも強いので、外国勢相手にも戦えます。
17三浦成美
昨年からボランチのレギュラーを獲ったといっていい21歳は、今大会も4試合に出場し(3試合フル)、中盤にエネルギーを与えていました。杉田妃和とのボランチコンビはなでしこの軸といっていいでしょう。
オランダ戦では、攻撃でも積極性を見せ、後半37分にPAに突貫していったシーンは印象的でした。
今後は杉田ともどもミドルシュートの意識を高めて欲しいものです。そうしたらもう敵はもうお手上げです。
19遠藤純
長谷川の負傷もあって、2試合先発・1試合途中出場した19歳は、持ち前のフィジカルでチームにストロングポイントを与えていました。
攻守のディエルで外国勢に引けを取らないどころか、打ち負かすこともあるというのは、なでしこではほとんどいなかったタイプの選手なので、見ていて頼もしさすら感じました。
ただ、経験不足からか、判断や連携の部分でチームから浮いてしまい、実力を発揮できなかったという印象です。
今後はどんどん使って成長を促したいですよね。間違いなく大器です。
20横山久美
私の応援する長野パルセイロからの参戦となった”よこちゃん”横山久美はアルゼンチン戦とイングランド戦に先発するも、得点に絡むことなく途中交代。
ベスト16・オランダ戦の点が欲しい時間帯でも交代カードとして起用がなかったことからも、高倉監督からの信頼はかなり低下していたことがわかります。
17年夏にドイツに移籍し、結果を残せないまま翌18年に日本に戻ってからも、以前ほどの煌めきが見られず、壁に当たっているような状態です。
私が思うに、横山のプレイは日本のサッカー・なでしこリーグのサッカーに適合し過ぎてしまっているのではないでしょうか。
イングランド戦のFKが象徴的で、ゴール右上に蹴ったシュートが相手GKにセーブされたわけなんですけど、あれはなでしこリーグなら100%入っているはずです。
日本人のGKは簡単にぶち抜けるミドルが、世界相手には簡単なシュートになってしまうんです。
パルセイロの本田美登里監督からは「男子の堂安律のようにお尻の筋肉で蹴ったらどうか」とアドバイスをもらっているみたいですけど、当面の課題はキック力ですね。
仕掛けに関してももう少し瞬発力を高めねばなりませんし、ここもお尻の筋肉は役に立ちそうです。
がんばれ、よこちゃん!
22清水梨紗
左サイドバックのレギュラーとして定着した清水は、このW杯でも安定したプレイを維持し、4試合フル出場。
もはやチームに欠かせない戦力になっています。
しかし、だからこそ攻撃面でもう一歩二歩貢献して欲しい。
格下のアルゼンチン戦以外は、相手陣内に深く侵入するケースがほとんど見られませんでした。
強豪相手だと守備に忙殺されるとはいえ、なでしこの攻撃はSBの貢献がなければ、なかなか厚みが出てきません。
というわけで、振り返ると悔しさがこみ上げてくる2019女子W杯ですが、これも来年の東京五輪へのステップだと思って我慢することにしましょう。
平均24歳という若返った編成のなかで、欧州女王のオランダと互角以上に戦えたのですから、そこはチームとしての自信になったはずですしね。
その東京五輪へは各選手とも”絶対に出たい”という気持ちを燃やしていると思うので、それが成長の燃料になることを期待しています。
この大会でもワクワク感だけは残しました。
みなさん、本当にお疲れさまでした!

8岩渕真奈
今大会のチームMVPはこの岩渕真奈か杉田妃和かで迷うひとが多いでしょうけど、私は1G1Aの岩渕を推したいと思います。
彼女の鋭い仕掛けは明らかに敵に脅威を与えていましたし、味方には勇気を与えていました。
日本が誇るワールドクラスの名手であることを証明した大会でした。
右膝の状態を維持して、今後もチームを引っ張っていって欲しいものです。
9菅澤優衣香
年々着実に進歩し、28歳の円熟期を迎えた菅澤は、4試合すべてに出場し、攻撃の柱として奮闘してくれました。
屈強の海外DFと競り合い、ときには潰れ、ときにはスペースを作るといったタスクをこなせる選手はいまの日本には菅澤と永里優季(召集されていない)くらいしかいません。
惜しむらくは決定力不足ですね。4試合でPKの1得点だけというのは寂しすぎました。
11小林里歌子
アンダーの世界大会での活躍から将来を嘱望されながら、怪我に泣かされ、なかなかA代表での地位を確立できずいた21歳ですが、このW杯での代表入りは、ある意味サプライズだったと思います。高倉麻子監督の期待の表れといっていいでしょう。
しかし、GS2試合目のスコットランド戦で右MFとして先発したものの、なにもできずに後半17分での交代となり、その後はピッチに立つことはありませんでした。
本人もかなり悔しい大会となったことでしょう。奮起を待ちたいと思います。
12南萌華
初戦のアルゼンチン戦でCBとして先発し、可もなく不可もないようなプレイで試合を終えたものの(相手がほとんど攻めてこず)、
高倉監督にはなにか物足りなかったのか、その後はレギュラーを市瀬菜々に譲る形に。
熊谷紗希と市瀬のCBコンビが安定していたので、おそらく高倉監督は南を”熊谷の控え”という位置づけにしたのでしょう。
170cmを超える身長としっかりした体格を持つだけではなく、アンダー世代ではキャプテンシーも発揮していた南は間違いなく熊谷の後継者です。
今大会でもうちょっと経験を積めたら良かったんですけどね…。
13長谷川唯
攻撃の軸として期待されながらも、負傷もあって、出場時間も限られ、決勝Tオランダ戦での美しいゴール以外は存在感を発揮することができませんでした。
天才的な選手ではありますが、攻守ともにプレイが軽く、たとえ状態が万全でもチームへの貢献度がどこまで高いかよくわからないところがあるので、”攻撃力”をより先鋭化させて不動の地位を築いて欲しいものです。
14籾木結花
怪我から復帰し、ギリギリでの代表入りとなったこともあり、今大会はオランダ戦の後半27分からのみの出場だったものの、正確なプレイと得意の左足で輝きを放っていました。今後は右MFの一番手になるかもしれませんね。
身長は150cm強くらいしかありませんけど、身体が分厚く、当たりにも強いので、外国勢相手にも戦えます。
17三浦成美
昨年からボランチのレギュラーを獲ったといっていい21歳は、今大会も4試合に出場し(3試合フル)、中盤にエネルギーを与えていました。杉田妃和とのボランチコンビはなでしこの軸といっていいでしょう。
オランダ戦では、攻撃でも積極性を見せ、後半37分にPAに突貫していったシーンは印象的でした。
今後は杉田ともどもミドルシュートの意識を高めて欲しいものです。そうしたらもう敵はもうお手上げです。
19遠藤純
長谷川の負傷もあって、2試合先発・1試合途中出場した19歳は、持ち前のフィジカルでチームにストロングポイントを与えていました。
攻守のディエルで外国勢に引けを取らないどころか、打ち負かすこともあるというのは、なでしこではほとんどいなかったタイプの選手なので、見ていて頼もしさすら感じました。
ただ、経験不足からか、判断や連携の部分でチームから浮いてしまい、実力を発揮できなかったという印象です。
今後はどんどん使って成長を促したいですよね。間違いなく大器です。
20横山久美
私の応援する長野パルセイロからの参戦となった”よこちゃん”横山久美はアルゼンチン戦とイングランド戦に先発するも、得点に絡むことなく途中交代。
ベスト16・オランダ戦の点が欲しい時間帯でも交代カードとして起用がなかったことからも、高倉監督からの信頼はかなり低下していたことがわかります。
17年夏にドイツに移籍し、結果を残せないまま翌18年に日本に戻ってからも、以前ほどの煌めきが見られず、壁に当たっているような状態です。
私が思うに、横山のプレイは日本のサッカー・なでしこリーグのサッカーに適合し過ぎてしまっているのではないでしょうか。
イングランド戦のFKが象徴的で、ゴール右上に蹴ったシュートが相手GKにセーブされたわけなんですけど、あれはなでしこリーグなら100%入っているはずです。
日本人のGKは簡単にぶち抜けるミドルが、世界相手には簡単なシュートになってしまうんです。
パルセイロの本田美登里監督からは「男子の堂安律のようにお尻の筋肉で蹴ったらどうか」とアドバイスをもらっているみたいですけど、当面の課題はキック力ですね。
仕掛けに関してももう少し瞬発力を高めねばなりませんし、ここもお尻の筋肉は役に立ちそうです。
がんばれ、よこちゃん!
22清水梨紗
左サイドバックのレギュラーとして定着した清水は、このW杯でも安定したプレイを維持し、4試合フル出場。
もはやチームに欠かせない戦力になっています。
しかし、だからこそ攻撃面でもう一歩二歩貢献して欲しい。
格下のアルゼンチン戦以外は、相手陣内に深く侵入するケースがほとんど見られませんでした。
強豪相手だと守備に忙殺されるとはいえ、なでしこの攻撃はSBの貢献がなければ、なかなか厚みが出てきません。
というわけで、振り返ると悔しさがこみ上げてくる2019女子W杯ですが、これも来年の東京五輪へのステップだと思って我慢することにしましょう。
平均24歳という若返った編成のなかで、欧州女王のオランダと互角以上に戦えたのですから、そこはチームとしての自信になったはずですしね。
その東京五輪へは各選手とも”絶対に出たい”という気持ちを燃やしていると思うので、それが成長の燃料になることを期待しています。
この大会でもワクワク感だけは残しました。
みなさん、本当にお疲れさまでした!


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