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その山への愛を長野県民へも

武漢ウイルス対策費を含む補正予算が可決・成立した今日4月30日(2020年)、安倍晋三総理はその後の記者会見で、5月6日までとしていた緊急事態宣言の延長を示唆していました。
ここ数日でようやく新たな感染者数が減少してきたとはいえ、まだまだ全国で1日200人近く増えているわけですから(今日は188人)、妥当な判断だと思います。
日本の5月は気候がよく、誰だってふらふらと外に出たくなりますし、自粛要請を解いたら、またあっという間に逆戻りです。

その5月といえば、私の住む長野県は登山シーズンの開幕です。
ゴールデンウィーク前の4月下旬頃から続々と山開きが始まり、美しい山々に引かれるようにして、全国からたくさんの登山者が押し寄せてくるのが信州の風物詩といっていいでしょう。
しかし、今年は武漢ウイルス蔓延防止のため、県としても〈信州の観光はお休み中〉というキャンペーンを張って、来県を遠慮願っています。
ホテルや旅館も足並みを揃えて休業し、観光産業も大きなダメージを受けていますが、”お休み”に反対する声は聞かれません。
今日現在、長野県の感染者数は66人、クラスターも3つ発生しているため、県民全体が”いまはウイルス対策を優先すべき”という感覚なのでしょう。

ところが、そういう信州人の思いをよそに、やっぱり一定数の登山者が県外からやってくるんです。
長野県では、登山口の駐車場を封鎖したり、シャトルバスを運休したり、山小屋やキャンプ場も休業するなどして、それを県外にもアピールしているはずなんですけど、それでも信州の山々を目指そうというひとがいるのですから理解に苦しむほどです。
そういう愛情は普段なら嬉しいんですけど、登山はまさに”不要不急”ですから、こういう緊急時には常識的な判断で諦めるべきです。
「登山は3密じゃない」とかいうひともいますけど、県外から山に入るまでに公共交通機関を使ったり、自家用車でもどこかで休息したりトイレを使ったりするわけですよね。
そして山に登って、天候が荒れるなどしたら避難所に逃げ込むでしょうし、遭難したらレスキューに頼らざるを得ません。
もし、気づかずに武漢ウイルスに感染していた場合、どれだけ迷惑をかけるか、少し想像したらわかるはずです。

そんなふうに我々信州人は非常識な登山者に怯えつつも、まさかそんな不心得者はいないだろうと嵩をくくっていた部分もありました。
それが28日、そのまさかのケースが報道されたんです。
25日に単独で八ヶ岳に入っていた東京都の36歳自営業男性が尾根から滑落して、県警ヘリで救助されたまではよかったんですけど、病院に運んだら”肺炎の症状が出ていて、「武漢肺炎の可能性もある」とのことで、救助にあたった隊員約10名お濃厚接触の疑いで自宅待機になっちゃったんです。
幸い翌29日にはその遭難者が陰性だということがわかって、ことなきを得たものの、もし陽性だったら濃厚接触の隊員10名は最低でも2週間は自宅待機、運悪く感染していたらそれ以上の期間になりますし、悪化したら入院です。

ちなみに2013年のデータだと、県警航空隊は運行しているヘリが2機、操縦士5名、整備士7名、救助係3名の計16人という構成です。
今回救助に当たった隊員10名がすべてここの所属ではないのでしょうけど、少なくとも操縦士2名、救助係1~3名は加わっていたはずです。
それが自宅隔離となれば、隊の戦力は半減することになります。

いうまでもなく、県警航空隊のヘリと隊員は、災害や他の事件でも頼りになる存在です。
信州の春は山林火災が多く発生する時期ですし、このところ県中部では有感地震が何十回も記録されているので、もしものときは大いに活躍してくれることでしょう。
それが一部の不心得者のせいで機能しなくなったら、県民にとっての損害は計り知れません。

ほんと、勘弁してください。
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