fc2ブログ

日本のインドカレー

我が家のカレーは、ホールスパイスで香りをつけた油でタマネギとセロリのスライス、ニンジンのすりおろしをよーく炒めたのにトマトとニンニクと生姜を追加してまた炒め、そこにスープ(主に鶏ガラ顆粒出汁)を加えたのをベースに、季節の野菜と肉・魚介を気分で合わせ、塩とカレー粉で味を調えたものです。
スパイス選びだけではなく、油(脂)の量や種類を変えたり、冷蔵庫に残っている野菜や果物やジャムなんかを適当に投入したりもしますし、一期一会の味って感じですかね。作っていて楽しいです。

それでも、ときどき無性に市販のルーのカレーが食べたくなるときがあるんです。
あのもったりとした妙な熟成感のある日本の家庭の味が。
先日も野菜室にタマネギとジャガイモを見つけたので、ちょうどスーパーに行くという相方にカレールーと豚肉を頼みました。
カレールーの種類にこだわりはないので、相方にお任せです。

そうして相方が買ってきたカレールーは、とあるメーカーの〈インドカレー〉でした。お店でお勧めだったそうです。
〈ルー〉はもともとフランス料理で、小麦粉をバターで炒め、料理のとろみ付けに使うものであり、それをイギリス人がカレーに応用したといわれていて、インドカレーは小麦粉でとろみをつけませんから、”インドカレーのルー”ってかなり矛盾しているとは思いましたが、あまり深く追及しないことにしましょう。
ジャワ島に存在しないジャワカレーなんてのもありますしね…。

さて、気を取り直して、箱に書いてある通り拵えようと、材料を並べたとき、ふとおかしいものが目に入りました。
パックに入った豚肉がどう見ても生姜焼き用なんです。ラベルにもそう書いてあります。
相方に向かって目をパチクリさせると、「安く美味しそうだったから」という本能むき出しの答えが返ってきましたけど、「カレー用」と指定しなかった私の落ち度でしょう。メンゴメンゴ。

いまさら買いに行かせるわけにもいかないので、タマネギとニンジンとマッシュルームをよーく炒めたのをカレールーでのばし、豚肉は粉を付けて焼いてからあと乗せして、カツカレー風にすることにしました。
肉はけっこうな量があって肉だくです。相方はとにかく肉が好きです。

ただ、出来上がってみると、そのインドカレーがさらさらというかしゃばしゃばしていて、豚肉がカレーの海に沈んでしまい、なんだかイメージ通りになりません。
市販のルーのカレーといえば糊っぽいもののはずですが、どうやら”インドカレー”となると、どこのメーカーでも普通のルーよりもさらっとしているみたいなんです。
さらにいうと、よりスパイスを利かせ、あと入れのカレー粉が付属している場合なんかもあって、本格的な感じにしているわけです。

おそらく、これはインドといっても南インドのカレーを意識しているのでしょう。
インドでは北と南でカレーの趣が異なり、北は油(脂)を多めに使ってもったりしているのに対し、南はスープっぽくって、ツンとしたスパイスを多めに使ったさっぱりしたタイプになります。
これは南北の気候の違いが影響しているようですが、さらにその影響をいえば、乾燥した北の主食が小麦粉なのに対し、高温多湿の南はお米が穫れるため、日本と同じくご飯とカレーという組み合わせになります。
そのため、日本のメーカーもこの南インドのカレーを念頭に”インドカレー”と称しているのでしょう。

カレーを食べながらそんな考察について話をしていたのですが、相方は「豚肉ウマー」といって一気に平らげるだけでなにも聞いていませんでした。
ちなみに、インド人は宗教上(ヒンドゥー教・イスラム教)の理由から、豚肉は食べないそうです。
というわけで、次は相方にチキンを買ってくるように頼むとしましょう。
それならどんなものでもカレーに対応できるはずですしね。
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト



プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード