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コロナに負けるな!2020NHK杯(中)女子FS

(続きです。)
SPを終えた女子シングルは、本命の坂本花織が75.60で首位に立ち、逃げ切りが有力紙されたものの、2位~5位までが69点~65点にひしめくという混戦で、表彰台争いは予断を許しません。
そんななか、第1グループでまず魅せたのが昨季を病気で欠場した三原舞依さん。
3Lz+3Tのミスで63.41と出遅れたSPから、FSでは冒頭のそのジャンプを修正すると、その後も次々とジャンプをはめてゆき、ほぼノーミスという内容で131.32(PCS61.52)、合計194.73を叩き出し、復活を強く印象付けました。
まだ滑り全体のパワーはいいときほどではありませんが、全日本が楽しみになってきます。
ヘアドネーションして短くなった髪型も大人びていて、演技内容とともに、彼女の成長を感じました。

この三原さんのスコアは最終グループにとってはなかなかの重しでしたけど、それをまず打ち破ったSP4位の松生理乃さんは今季の日本ジュニア女王。
小柄で細身の体を生かした浮遊感たっぷりのジャンプと滑りは可憐そのもので、テレビで観ていても会場がうっとりしているのが伝わってくるようでした。
それでいて後半のスタミナが衰えず、3F+3T+2Tと3S+3Tを決めてみせるのですから、その実力は本物です。
FSは133.23(PCS63.76)、合計198.97。
昨季の飛躍が今季にも繋がっていますし、期待がどんどん膨らむ選手です。

松生さんの好演を受けてリンクインしたSP3位の山下真瑚さんは東海クラブの先輩ですが、表彰台争いの相手となってしまうのですから、なかなか酷なシチュエーション。
しかしそんなことよりもなによりも山下さんが全集中しなければならないのは冒頭の大技4S。「全ての能力が平均点」と評される彼女が、五輪を目指すためには絶対必要なジャンプです。
しかし、結果はぜんぜん回転が足りない形での転倒。
ただ、大事なのはそのあとのジャンプ、でしたけど、3Lzはステップアウト。
次の3F+2Tと後半入りの3Lz+3T+2Tは揃えるも、3Lo予定が1Loになって、涙目のフィニッシュ。
FSは118.57(PCS61.84)、合計186.13。
私は今大会は山下さんに注目していたので、かなりがっくりしましたけど、とにかく挑み続けて、もっともっと強くなって欲しいものです。

その挑戦でいえば、「今季はすべてのプログラムで3Aを入れる」といって自分に発破をかけている樋口新葉さんは、SPでは惜しくも転倒するも、FSでは公式戦初着氷!やった!
続く3Lz+3Tも決めて序盤に大量得点し、いい流れに乗ったかと思われたものの大事にいきすぎたのか次が2Sに。これよく見るパターン…。
それでも3Loと後半からの2A+3T、3F+2T2Loの成功で盛り返したのはさすがでしたけど、最後のジャンプが2Lzになってしまい、FSは131.27(PCS66.88)、合計200.98。
3Aも認定され、『Poeta』もいい感じに磨かれていますし、あとはとにかくジャンプのポカを減らすことですね。

最終滑走の坂本花織さんの滑りは圧巻の一言でした。他の選手との格の違いを見せたといっていいでしょう。
ミスがないというだけではなく、ひとつひとつの要素が力強く、美しく、しかもそれが最終盤まで少しもブレない。
大きな筆で描かれた『マトリックス』は全編を通して生き生きとしていて、持ち前のビッグジャンプや豪快な足上げコレオで盛り上げどころを作り、瞬きを許さないエンターテイメントでした。
これぞ坂本花織です。
昨季はモチベーションの低下がありありとわかった坂本さんでしたが、それも完全に戻ってきたようで安心しました。
フィギュアスケートはやっぱり気持ちです。目標を持って滑り続ける選手をファンはどこまでも応援しますし、だからこそ選手は区切りの日がくるまで決してあきらめてはなりません。
ガッツポーズの坂本さんのFSは153.91(PCS73.84)、合計229.51。
非公認大会ながら自己ベスト更新での2020NHK杯制覇、しかもこれがGPS初優勝!おめでとう!

今回の女子シングルは紀平梨花さんや宮原知子さんがいなくてどうなるかと思いましたけど、坂本さんの見事すぎる演技でその不在を感じさせないくらいの盛り上がりになったのではないでしょうか。本当によくやってくれました。坂本さんの背中がいつもより何倍も大きく見えました。
その背中で今季の日本女子を引っ張っていってください!
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