照ノ富士の横綱初優勝といまの大相撲の不安
令和3年9月場所の注目はなんといっても”新横綱”照ノ富士だったわけですが、その注目と重圧のなか、この苦労人横綱は古傷を抱える両膝の痛みをこらえながら13勝2敗で見事に優勝を果たしてくれました。
敗れた相撲は相手(大栄翔、明生)がよかったとしかいいようがありませんし、15日間で見れば安定感のある堂々たる横綱相撲だったといっていいでしょう。場所終盤は膝の具合が悪そうだったものの、いまの照ノ富士にはそれでも勝ち星を積み重ねられるだけの地力があります。
そして、新横綱ということに気負わず、負けてもそれを引きずらず、気持ちがずっと落ち着いていたのも立派でした。
序二段落ちという地獄を見て掴んだ”心”の強さこそ照ノ富士ですね。
今後も膝を労わって1場所でも長く綱を張って欲しいものです。
横綱としての初優勝、おめでとう!
そんな照ノ富士の奮闘でなんとか形になった9月場所ですが、正代と貴景勝の両大関が8勝7敗という体たらくだったというだけではなく、前頭3枚目より上は誰も2桁に届かなかったので、ベテラン妙義龍が11勝で頑張ってくれたとはいえ、優勝争いはどこか緊張感に欠けるものでした。
いまの上位陣には目標やモチベーションが見えません。
さらにいえば次世代の躍進も見られず、期待の豊昇龍は途中3日間の休場、琴ノ若も10日目から休場してしまい、将来的な意味でも残念な場所だったといっていいでしょう。
来場所での楽しみは前頭2枚目で9勝した霧馬山の新三役くらいでしょうか。
そもそも今場所は横綱白鵬の宮城野部屋で武漢ウイルス感染者が出たことで、濃厚接触者にあたる所属力士全員の休場が決まっていたのも興行的には痛かったです。
相撲ファンなら誰だって新旧横綱での優勝争いが見たかったに違いありませんし、2人とも土俵入りが不知火型なのでその細かな比較を楽しみにしていたひともいるでしょう。
照ノ富士だって先場所の借りを返したかったはずです。
また宮城野部屋の石浦と炎鵬は人気力士、北青鵬は未来の横綱候補ですから、そこも土俵から彩を欠いてしまいました(※炎鵬と北青鵬は十両)。
その武漢肺炎でいうと、”発熱したら感染を疑って休場する”というのが新常識になっていて、4日目に剣翔(1日だけ)が、5日目から豊昇龍が3日間休場したのは、仕方ないとわかってはいるものの、土俵に水を差してしまったという感じがします。
ちなみに全休の宮城野部屋の力士たちの番付は「基本的には据え置く」(相撲協会審判部)そうですが、感染疑いで途中休場した力士もそうなるのでしょうか?
さらにいえば、武漢ウイルスに感染し、隔離療養が終わり、ぎりぎり本場所に間に合いそうな力士がコンディション不良を理由に休場を選択したら、番付は据え置いてくれるのでしょうか?
力士というのは場所ごとの勝ち越し・負け越しが人生を左右するだけに、相撲協会には細やかなルール作りを求めたいものです。
照ノ富士だって、関脇で優勝→大関で優勝→大関で準優勝というトントン拍子で横綱になったわけですけど、その間に武漢ウイルス関連での休場が挟まっていたらどうなったのでしょう?なにか起きていたらと思うとゾッとします。
感染症と大相撲の昇進ルールって物凄く相性悪いですよね。

敗れた相撲は相手(大栄翔、明生)がよかったとしかいいようがありませんし、15日間で見れば安定感のある堂々たる横綱相撲だったといっていいでしょう。場所終盤は膝の具合が悪そうだったものの、いまの照ノ富士にはそれでも勝ち星を積み重ねられるだけの地力があります。
そして、新横綱ということに気負わず、負けてもそれを引きずらず、気持ちがずっと落ち着いていたのも立派でした。
序二段落ちという地獄を見て掴んだ”心”の強さこそ照ノ富士ですね。
今後も膝を労わって1場所でも長く綱を張って欲しいものです。
横綱としての初優勝、おめでとう!
そんな照ノ富士の奮闘でなんとか形になった9月場所ですが、正代と貴景勝の両大関が8勝7敗という体たらくだったというだけではなく、前頭3枚目より上は誰も2桁に届かなかったので、ベテラン妙義龍が11勝で頑張ってくれたとはいえ、優勝争いはどこか緊張感に欠けるものでした。
いまの上位陣には目標やモチベーションが見えません。
さらにいえば次世代の躍進も見られず、期待の豊昇龍は途中3日間の休場、琴ノ若も10日目から休場してしまい、将来的な意味でも残念な場所だったといっていいでしょう。
来場所での楽しみは前頭2枚目で9勝した霧馬山の新三役くらいでしょうか。
そもそも今場所は横綱白鵬の宮城野部屋で武漢ウイルス感染者が出たことで、濃厚接触者にあたる所属力士全員の休場が決まっていたのも興行的には痛かったです。
相撲ファンなら誰だって新旧横綱での優勝争いが見たかったに違いありませんし、2人とも土俵入りが不知火型なのでその細かな比較を楽しみにしていたひともいるでしょう。
照ノ富士だって先場所の借りを返したかったはずです。
また宮城野部屋の石浦と炎鵬は人気力士、北青鵬は未来の横綱候補ですから、そこも土俵から彩を欠いてしまいました(※炎鵬と北青鵬は十両)。
その武漢肺炎でいうと、”発熱したら感染を疑って休場する”というのが新常識になっていて、4日目に剣翔(1日だけ)が、5日目から豊昇龍が3日間休場したのは、仕方ないとわかってはいるものの、土俵に水を差してしまったという感じがします。
ちなみに全休の宮城野部屋の力士たちの番付は「基本的には据え置く」(相撲協会審判部)そうですが、感染疑いで途中休場した力士もそうなるのでしょうか?
さらにいえば、武漢ウイルスに感染し、隔離療養が終わり、ぎりぎり本場所に間に合いそうな力士がコンディション不良を理由に休場を選択したら、番付は据え置いてくれるのでしょうか?
力士というのは場所ごとの勝ち越し・負け越しが人生を左右するだけに、相撲協会には細やかなルール作りを求めたいものです。
照ノ富士だって、関脇で優勝→大関で優勝→大関で準優勝というトントン拍子で横綱になったわけですけど、その間に武漢ウイルス関連での休場が挟まっていたらどうなったのでしょう?なにか起きていたらと思うとゾッとします。
感染症と大相撲の昇進ルールって物凄く相性悪いですよね。

