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E-1選手権の宮市亮から教えられたこと

7月27日(2022年)のE-1選手権・韓国戦で負傷交代した宮市亮ですが、所属する横浜Fマリノスから「右膝前十字靱帯断裂」の重傷だったことが発表されたのに続き、宮市本人からもそれを認め、「手術頑張りたい」とインスタグラムに綴っていました。
相手選手との接触はそう激しいものでもありませんでしたし、しばらくうずくまったあとは歩いてピッチを去っていったので、私も軽傷であることを祈っていましたが、本当に残念です。

宮市亮は期待の若手だった頃からとにかく怪我が多い選手で、靭帯でいっても、すでに右足首と両膝前十字は断裂ずみですが、その度重なる怪我もあって、プレミアリーグから年々ステップダウンして行き、これまでも何度か引退を考えたこともあったようですし、今回も怪我をした瞬間は「もう現役を終えよう」と思ったそうです。
度重なる手術とリハビリを経験した選手ならではの絶望感といっていいでしょう。
そして彼の人間性といっていいでしょう、自分を客観視できていて、「これまでの怪我歴、稼働率、本当にプロアスリートとして褒められたものではありません。チームを離脱する期間も長く、その都度チームに迷惑も沢山かけてきました。多くの人に失望もさせました」という本音も吐露しています。
そうして引退に傾きかけた宮市ですが、韓国戦のあと、仲間やファン、サポーターから数え切れぬほどの激励のメッセージが届き、それに勇気づけられたことで、また「這いあがっていこう」と決意したそうです。
ここまで来たらとことん怪我と戦って欲しいですよね。

そういう状況のなか、私が宮市に感心したのは、E-1選手権で日本が優勝したことを大いに喜んでいて、「日本を代表してプレー出来る事、本当に幸せでした!そして短い期間のチームでしたが、最高のチームでした」と綴っていることです。
E-1は権威の高い大会ではありませんし、W杯メンバー選考という意味でも、森保一監督はいまの序列を重視しているので、新顔にチャンスはほぼないのは大会前からわかりきったことでした。
それでも宮市は代表の誇りを忘れずに優勝目指して全力でプレイしていたことがわかります。
その情熱が怪我に繋がってしまったのかもしれませんが、私にはそれが本当に貴重で美しいものに思えました。

そんな宮市と違って、私はE-1を軽視していましたけど、自分自身が本当に恥ずかしいです。
日の丸のユニフォームで戦う試合に重い軽いなんてないはずなんですし、選手たちにとってジャパンブルーは誇りであり、名誉なんです(橋本拳人はスペイン2部への決まったものの合流を遅らせて代表を優先。)。
今回の代表は2軍だの3軍だのといわれましたが、ピッチに立てば1軍です。
そしてもちろん、そこには勝利に向かって全力で戦う義務があります。

今回の代表は、26人すべてJリーグ勢で構成され、10人が初選出(32歳水沼宏太には驚き)、10年ぶりの宮市も含め、しばらく代表から遠ざかっていた選手も多くいました。
それでも彼らは本当に素晴らしい戦いをしてくれました。
2勝1分けでの優勝という結果もそうですが、試合によく集中していて、常に規律正しく、ケアレスミスがなかったのも印象的です。
これは彼らが日本代表たる誇りと責任をその胸に宿していたからに他なりません。

私は彼らを心から尊敬します。
たとえその多くがW杯メンバーに選ばれなくても、今回の26人は真の日本代表です。
宮市がそれを教えてくれました。

ちなみに森保監督は大会前の会見で、「できるだけ多くの選手を起用しながら、勝利を目指しながら、日本国内の選手の価値を示す、価値を上げる」と目標を語っていました。
W杯に向けてというより、Jリーガーたちのモチベアップに主眼を置いていたのかもしれません。
次の五輪やW杯を狙う若手も数人だったので、”Jリーグのいま”を切り取ったといってもいいでしょう。
そして、優勝という結果を残し、活躍した選手も多かったので、目標は達成できました。

しかし、森保監督が上記の目標を掲げたことで、”W杯メンバー争い”という空気が薄れてしまったこともまた事実です。
ホーム開催だというのに振るわなかった観客動員や視聴率を見ればわかるように、サッカーファンや世間からは”無意味な大会”と思われてしまいました。
ここはウソでもいいので、「国内組からの発掘」をテーマにすべきでした。競争を煽るべきでした。
それは海外組へのいいプレッシャーにも繋がります。

代表監督には選手たちの頑張りが搾取されないようなマネージメントを求めたいものです。
この2022E-1選手権は、選手たちと森保監督に温度差を感じる大会でした。
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