第2次森保ジャパンのスタート!
カタールW杯の熱狂から約3ヶ月、この3月のキリンカップ2連戦が”第2次”森保ジャパンの本格的なスタートとなりました。
3月15日に発表された代表26人はカタールでのそれをベースに、権田や吉田、長友や酒井といった功労者たちが抜け、過去に少しだけ召集されたことのある西村拓真や菅原由勢、初顔のオノバングーナガンデ佳史扶や中村敬斗や瀬古歩夢などが加わった形でしたから、大きな変化はありません。
遠藤航・守田英正・鎌田大地という中盤でゲームをコントロールし、三笘薫と伊東純也(IJ)で点を獲るというチームの形は継続するというわけです。
しかし26年の北中米W杯に向けてのチームコンセプトには大きな変化がありました。
「ベスト4」を目標に掲げる森保一監督は、そのために必要なこととして「自分たちで主体的にボールを保持する時間を増やす」という方向性を明確に示し、それには多くの選手も賛同しています。
「受け身のサッカーばかりでは疲弊し過ぎてしまって決勝トーナメントを勝ち進めない」というのがPK戦の末ベスト16で終ったカタール大会の結論だったからです。
そして3月24日のウルグアイ戦、28日のコロンビア戦と、南米の雄相手に思いのほか激しいぶつかり合いをした結果、前者は1-1での引き分け、後者は1-2での敗戦となりました。
ウルグアイ戦のスタメンはカタール大会で活躍した選手を多く揃えた凱旋の雰囲気、コロンビア戦は佳史扶や町野や西村をスタメンに起用して新戦力発掘も試みたわけですが、2試合を通して特に印象的だったのは”偽サイドバック”という戦術を使って、これまでになかったビルドアップをチャレンジしたことが印象に残りました。
この偽サイドバックは、ビルドアップ時にSBが1レーン中央に絞ったやや前目の位置を取ることによって、最終ラインからのパスコースを増やし、さらには相手守備網を中央に寄せることで、両ウイングへのパスコースを開かせるという戦術です。
世界のサッカーに詳しい方ならば、ベップ・グアルディオラがバイエルンの監督をしていた時代に確立させたチーム戦術だということをご存知でしょう。
(※日本語の偽サイドバックはスペイン語の〈Falso Lateral〉を直訳したものでしょうけど、もうちょっといい訳し方があったんじゃないかと思います。)
当ブログはサッカー専門ブログではないので戦術について細々としたことは書きませんし、私にそれを書くだけの能力と知識はないので、そこは省かせていただきますが、偽サイドバックの一番の利点はウイングを活きることであり、また、逆にいうといと単騎突破のできる好ウインガーがいるチームが選ぶ戦術でもあります。
ですから、三笘とIJがいる森保ジャパンにはぴったりな戦術になるわけです。
この偽サイドバックを森保監督に提案したのは名波浩コーチだといわれていて、どうやらカタールW杯などを観ながら、両ウイングになかなかボールが配給されなかったことから、それを改善する方策として偽サイドバックに行き当たったようです。
私も個人的にはこれに賛成です。
三笘とIJの個人能力をより輝かせることができればそれだけで森保ジャパンの攻撃は分厚くなりますからね。
さらにいうならば、この偽サイドバックにはクラシカルなSBの能力とともにMF的な能力も必要とされるので、クラシカルなSBが減っている日本サッカー界において、たとえば遠藤航をそこに起用することでSB不足を補うことができるというのも利点です。
また、今回召集されていない冨安健洋や中山雄太は偽サイドバック的なSBなので、彼らをより使いやすくなるともいえるでしょう。
この2連戦での偽サイドバックはまだまだ選手たちが慣れておらず、ギクシャクした感じでしたけど、チャレンジは絶対に継続すべきです。
ただし、ここに忘れてはいけない問題があって、森保ジャパンには三笘とIJの代役がいないということです。
この2人のように個人能力で敵のサイドを切り裂く選手は他にいないんです。
偽サイドバックはこの2人を活かすためであり、この2人ありきの戦術ですから、この2人が怪我や不調で不在のときは、有効性が失われるということになります。
実際、この2連戦でも、単騎で打開するタイプではない堂安律が右ウイングで先発したウルグアイ戦は、完全なる機能不全に陥っていました。
ですから、偽サイドバックはあくまで”ビルドアップのためのひとつの選択肢”という位置づけになるはずですし、そうして戦術の幅を広げて行くことで、W杯を勝ち進むためのポゼッション率アップに繋がって行くと考えるべきでしょう。
もちろんこの2連戦のように”後ろでボールを回しているだけ”のポゼッションでは意味がありません。
ビルドアップもポゼッションも、点を獲るため、敵を押し込むためのものなのですからね。
試合後の選手たちはみなそれがわかっているようなので、これからどんどんよくなると思いますし、やってくれねば困ります!

3月15日に発表された代表26人はカタールでのそれをベースに、権田や吉田、長友や酒井といった功労者たちが抜け、過去に少しだけ召集されたことのある西村拓真や菅原由勢、初顔のオノバングーナガンデ佳史扶や中村敬斗や瀬古歩夢などが加わった形でしたから、大きな変化はありません。
遠藤航・守田英正・鎌田大地という中盤でゲームをコントロールし、三笘薫と伊東純也(IJ)で点を獲るというチームの形は継続するというわけです。
しかし26年の北中米W杯に向けてのチームコンセプトには大きな変化がありました。
「ベスト4」を目標に掲げる森保一監督は、そのために必要なこととして「自分たちで主体的にボールを保持する時間を増やす」という方向性を明確に示し、それには多くの選手も賛同しています。
「受け身のサッカーばかりでは疲弊し過ぎてしまって決勝トーナメントを勝ち進めない」というのがPK戦の末ベスト16で終ったカタール大会の結論だったからです。
そして3月24日のウルグアイ戦、28日のコロンビア戦と、南米の雄相手に思いのほか激しいぶつかり合いをした結果、前者は1-1での引き分け、後者は1-2での敗戦となりました。
ウルグアイ戦のスタメンはカタール大会で活躍した選手を多く揃えた凱旋の雰囲気、コロンビア戦は佳史扶や町野や西村をスタメンに起用して新戦力発掘も試みたわけですが、2試合を通して特に印象的だったのは”偽サイドバック”という戦術を使って、これまでになかったビルドアップをチャレンジしたことが印象に残りました。
この偽サイドバックは、ビルドアップ時にSBが1レーン中央に絞ったやや前目の位置を取ることによって、最終ラインからのパスコースを増やし、さらには相手守備網を中央に寄せることで、両ウイングへのパスコースを開かせるという戦術です。
世界のサッカーに詳しい方ならば、ベップ・グアルディオラがバイエルンの監督をしていた時代に確立させたチーム戦術だということをご存知でしょう。
(※日本語の偽サイドバックはスペイン語の〈Falso Lateral〉を直訳したものでしょうけど、もうちょっといい訳し方があったんじゃないかと思います。)
当ブログはサッカー専門ブログではないので戦術について細々としたことは書きませんし、私にそれを書くだけの能力と知識はないので、そこは省かせていただきますが、偽サイドバックの一番の利点はウイングを活きることであり、また、逆にいうといと単騎突破のできる好ウインガーがいるチームが選ぶ戦術でもあります。
ですから、三笘とIJがいる森保ジャパンにはぴったりな戦術になるわけです。
この偽サイドバックを森保監督に提案したのは名波浩コーチだといわれていて、どうやらカタールW杯などを観ながら、両ウイングになかなかボールが配給されなかったことから、それを改善する方策として偽サイドバックに行き当たったようです。
私も個人的にはこれに賛成です。
三笘とIJの個人能力をより輝かせることができればそれだけで森保ジャパンの攻撃は分厚くなりますからね。
さらにいうならば、この偽サイドバックにはクラシカルなSBの能力とともにMF的な能力も必要とされるので、クラシカルなSBが減っている日本サッカー界において、たとえば遠藤航をそこに起用することでSB不足を補うことができるというのも利点です。
また、今回召集されていない冨安健洋や中山雄太は偽サイドバック的なSBなので、彼らをより使いやすくなるともいえるでしょう。
この2連戦での偽サイドバックはまだまだ選手たちが慣れておらず、ギクシャクした感じでしたけど、チャレンジは絶対に継続すべきです。
ただし、ここに忘れてはいけない問題があって、森保ジャパンには三笘とIJの代役がいないということです。
この2人のように個人能力で敵のサイドを切り裂く選手は他にいないんです。
偽サイドバックはこの2人を活かすためであり、この2人ありきの戦術ですから、この2人が怪我や不調で不在のときは、有効性が失われるということになります。
実際、この2連戦でも、単騎で打開するタイプではない堂安律が右ウイングで先発したウルグアイ戦は、完全なる機能不全に陥っていました。
ですから、偽サイドバックはあくまで”ビルドアップのためのひとつの選択肢”という位置づけになるはずですし、そうして戦術の幅を広げて行くことで、W杯を勝ち進むためのポゼッション率アップに繋がって行くと考えるべきでしょう。
もちろんこの2連戦のように”後ろでボールを回しているだけ”のポゼッションでは意味がありません。
ビルドアップもポゼッションも、点を獲るため、敵を押し込むためのものなのですからね。
試合後の選手たちはみなそれがわかっているようなので、これからどんどんよくなると思いますし、やってくれねば困ります!


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