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『セクシー田中さん』を楽しみにしていたのに

相方が連ドラ好きということで私も新しいクールがスタートする度に何本か観始めるのですが、最近のドラマは粗製乱造がすぎるせいか完走できる作品はあまりありません。
先の2023年秋クールでも結局は『いちばん好きな花』と『セクシー田中さん』くらいでしたし、『いちばん好きな花』は惰性的視聴だったので積極視聴に限ると『セクシー田中さん』だけでした。
その『セクシー田中さん』も終盤の数話はいまいちでしたけど、原作漫画が連載中だということを考えると結び方が難しいのはわかっていましたし、むしろ漫画の方を読んでみたいと思ったので、私はまんまと導線に引っかかったのかもしれません。
ドラマは話が強引だったり、キャラクターの性格や思考にわかりにくい部分があったので、原作でそれを保管したいものです。

なんて思っていたらこの1月の26日頃に原作の芦原妃名子先生が自身のXにおいて実写化の際のトラブルを告発したんです。
その内容は、日本テレビ側とは”漫画に忠実に””あらすじからセリフまで原作者が用意したものを使う”と約束していたはずなのに上がってくる脚本のプロットがまったくそうではなかったため、仕方なく毎回芦原先生が手直しをすることとなった上に、最後の9話10話は手直しではすまないくらい酷いプロットだったせいで芦原先生本人が畑違いながら脚本を手掛けることになったというのです。
芦原先生が実写化を了承したはの6月上旬だったそうですけけど、漫画連載を抱えながら10月からの連ドラの脚本をチェックしたりオリジナルを2話作るなんて想像を絶する激務です。
それを成し遂げたることができたのは偏に自分の作品『セクシー田中さん』への強い愛情のせいでしょう。
これだけでも芦原先生が素晴らしい作家だということがわかるというものです。
(ますます漫画が読みたくなってきました。)

ただ、この芦原先生の告発は日本テレビ側の不義理を指摘するものだったため、ネットやSNSでは担当プロデューサーや脚本家を非難する声が大きくなり、さらにはメディアもこれをて取り上げ始め、大騒動に発展してしまったのは芦原先生も想定外だったかもしれません。
そもそも今回のトラブルを最初に世の中に発信したのは脚本を担当した相沢友子氏であり、「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しました」(インスタ)といってまるで”芦原先生が我儘をいった”と受け取られかねない内容だったため、芦原先生が詳しく事情を説明することになっただけなのに、ことが大きくなりすぎたのですから、先生も大変な心労だったことでしょう。
芦原先生は28日のXに「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい。」と書き残し、告発文の方は削除してしまいました。

この手の騒動は非難の応酬にならないと収束するものなので、芦原先生が引き下がったおかげで今回もそういう流れになるかと思われたものの、29日にまさかの一報が流れます。
芦原先生が栃木県内のさるダムにて自らを儚くさせてしまっているのが遺書とともに発見されたというのです。
本当に信じられない事態ですし、信じたくなかったですし、こんな不条理が許されていいものかと、私も悔しさと怒りが沸いてきて仕方ありませんでした。
遺書の内容はわかりませんが、ことが起こった背景にあるのはドラマ脚本のトラブルだと考えるのが自然でしょう。
芦原先生も激務による心労のなか、Xへの世間とメディアの反応が思いがけないものだったせいで、なにかが限界に達したのかもしれません。
本当に残念です。

いうまでもなく、このことで日本テレビ側には過去に例がないほどの強い批判が集まりつつありますが、芦原先生がいうように我々は攻撃的になりすぎてはいけませんし、芦原先生がすべてを賭して告発したことを無にしないように未来へ繋がる議論をせねばなりません。
問題の本質は日本の漫画・小説原作の映画・ドラマ制作において、作者の意向を無視した原作改変が度々行われてきたことにあります。
『はじめの一歩』の森川ジョージ先生が「業界では幾度も繰り返されてきたことではあるが、今回の件はもう取り返しがつかない。とにかく残念だ」と嘆いているように、原作の”改悪”は業界関係者からしたらお馴染みのことなのでしょう。
有名な話ですが、『おせん』のきくち正太先生などは酷すぎる改変ドラマを観たショックで筆を折りかけたといいます。
日本のテレビ局や映画会社は自分たちに企画力が足りなく漫画・小説に頼りきりのくせに、原作を蔑ろにするのですからあまりにも傲慢です。

今後はとにかく実写化の際の契約をきちんとすることです。
そしてそれを誠実に履行しないテレビ局と映画会社があれば社会がそれを絶対に許さない、そういう日本になれば原作と原作者も救われるというものです。
コンテンツも作家も日本の宝だということを我々は強く意識せねばなりませんし、改悪によってそれを棄損することは日本の文化とその周辺産業の衰退に繋がるというくらいの危機感を持ってしかるべきです。
芦原先生はそれを我々に教えてくれたのです。

日本テレビはそんな芦原先生への最後の誠意を見せるためにも、制作の内情を明確に説明し、その上でトラブル防止対策を発表すべきです。
マスコミが他者にはよく強要する記者会見を開いてもいいでしょう。
なにもしないのであれば原作付きのドラマを手掛ける資格は未来永劫ありません。
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