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2014日本シリーズの幕切れとプロ野球の分岐点

昨日10月30日(日本時間)は、奇しくも日米の野球の今シーズンが終わった日となりました。
まず青木宣親所属のロイヤルズがジャイアンツに敗れて、ジャイアンツがワールドシリーズ制覇(4-3)。
日本シリーズは福岡ホークスが阪神タイガースに勝って、日本一(4-1)。
(球界のスターへの親しみを込めて敬称略。)

両試合とも最後まで接戦で、ロイヤルズは1点ビハインドの9回裏の攻撃で2アウトからのセンター前ヒットをジャイアンツのセンターが後逸し、ランナーが3塁まで進み、ここでタイムリーが出れば、とホームのカンザスシティの市民たちが立ち上がって、応援していましたけど、残念ながら最後のバッターは3振でゲームセット。
日本でもタイガースが1点を追いかける9回表、1アウト満塁から西岡剛が1塁ゴロ、これを1塁手が捕球してホームに投げてまずは1アウト、そして捕手から折り返して1塁に投げてゲッツーになるかと思われたそのとき、送球が西岡に当たって転々とする間に2塁ランナーがホームをつくという劇的転回!
しかし、審判は西岡が送球を妨害したとして、得点とは認めず、懲罰的アウトでゲームセット。
リプレイ映像で観ても、西岡の走塁コースは異常で、送球を妨害しようという意図がありありでした。
それなのに西岡は試合後、「故意に出来るはずがない」という釈明をするのですから、見苦しいことこの上ありません。

”守備妨害ゲームセット”という幕切れは日本シリーズ65回の歴史のなかで初めてと報道されていますけど(日刊スポーツ)、確かに記憶にはありませんよね。
ただ、私は西岡の走塁そのものについてはそんなに責めたくないんです。
阪神タイガースといえば、名門チームとして知られてはいるものの、これまで日本一には1度しか輝いておらず、今回も久しぶりのチャンスだったわけです。そういう状況ですから、選手が「どんな手を使っても勝ちたい、負けたくない」と思っても仕方ありません。西岡にしても、どうにかしてゲッツーだけは避けたかったのでしょう(できればルール内で)。
しかし結果は日本野球史上に残るような醜態。
でも、その醜態をさらしてまでも勝ちたい、という執念だけは理解してあげたいと思うわけです。

ただ、試合後のコメントはいただけません。
守備妨害の意図を素直に認め、「勝ちたい気持ちが逸ってしまった」とでもいえばよかったんです。
現代スポーツは、結果責任とともに説明責任が大切です。
映像は何度も振り返られるのですから、言葉の力でプレイの価値を変えることも可能なんです。
西岡の場合はそれがさらに悪い方に変わってしまった。
プロ野球界では、これをぜひ今後の教訓にして欲しいものです。

このように前代未聞の終わり方をした今年の日本シリーズですが、ある意味、それより衝撃的な前代未聞があったんです。
それはテレビ視聴率。
関東地区の地上波視聴率(全国平均に近い)でいうと、第1戦が11.8%、第2戦が10.2%、第3戦が8.3%、第4戦が8.4
%、最終第5戦が10.3%。
平均9.7%、1ケタのというのは間違いなくこれが初めてです。
ちなみに2013年はジャイアンツ×イーグルスで22.4%、12年はジャイアンツ×ファイターズで18.2%、11年はドラゴンズ×ホークスで11.9%。
今年のタイガースとホークスはセ・パの人気球団ですから、私も15%近くは取るんじゃないかと思っていただけに平均1ケタは衝撃的でした。
もちろん、両チームの地元視聴率は高いものがあって、関西地区は約20%、北九州地区約25%も数字が出ていましたけど、これはあくまで地域限定だけですからね…。
(※タイガースの人気の陰り方はちょっと気になります。00年代中期は日本シリーズに出れば25~30%ありましたし、私もその頃関西に住んでいましたけど、飲食店のテレビはどこもタイガースの試合を映していて、店のおばちゃんがウィリアムス投手のことを親しそうに「ジェフ」と呼ぶくらい身近な存在でした。)

こうなってくると、各テレビ局で”地上波中継の是非”というのが今後問われることになるはずです。
今季はリーグ戦の視聴率も過去最低でしたし、プロ野球の歴史のなかの分岐点になるかもしれません。
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