2014GPSロシア大会男子SP、復調傾向小塚崇彦

2014GPSロシア大会はハビエル・フェルナンデスが優勝候補筆頭なのは衆目の一致するところでしょうけど、表彰台争いは予断を許しません。
ボロノフ、ブラウン、アーロンあたりにはチャンスがあるでしょうし、そこに小塚崇彦やガチンスキーという今季復活を期す選手が絡んでゆけば面白い戦いになるはず。
では、小塚くんを応援しながら観た男子SPの様子を振り返ってみたいと思います。

冒頭の4Tを素晴らしい角度で踏み切ったアルトゥール・ガチンスキー(ロシア)でしたけど惜しくもお手つき、次の3Lz+3Tは軸をぶらしながらも持ち前のボディコントロールで着氷、しかし3Aはオーバーターン。
ジャンプはこのように乱れていましたけど、以前と違ってスケーティングスピードを生かそうとしているのはわかりますし、前かがみに踏み切って、着氷時にフリーレッグが上がらないという癖もだいぶ修正されています。
演技の方でも体も、リンクを大きく使おうとしているのはわかるがわかって好印象。
ただ、この内容で本人とコーチのタチアナ・タラソワが大いに喜んでいたのは意外。練習よりずっとよかったのかもしれませんが…。
SPは74.13(TES39.16・PCS34.97)。

前の中国大会ではPBを更新するなど覚醒のときを迎えたミーシャ・ジー(ウズベキスタン)は、この日も手を震わせる面白いマイムからの3Aをしっかり回転して降りてくると、3Lz+3Tと3Fも危なげなし。
ジャンプが安定すると、スピンでも柔軟性を生かして”演技”をする余裕が生まれ、見せ場のステップでは独特の間合いと大胆な体の使い方で会場を大いに沸かせます。どんな動きでもボディバランスが崩れないのが本当にすごい。
最後まで気持ちの入った『アヴェマリア』はお見事でした!
SPは79.69(42.55・37.14)。
演技も上体だけではなく、スケーティングをもっと生かせるようになれば、より世界は広がってゆくでしょうね、楽しみです。

前のカナダ大会では演技に精彩を欠いた小塚崇彦。
このまま崩れるのか、それとも復調の兆しを見せるのか、今季を占う意味でも大切なSPでしたけど、迷いのない踏み切りからの4Tは両足ながらも着氷、3Aはクリーンと上々のスタート。スピンも良くなってきつつあるのがわかりましたし、この2週間でいい練習が積めたようです。
そして後半は昨季から苦しめられているトリプルトリプルでしたけど、3Lzでオーバーターン、しかし根性で+3T!やや両足になるもここは気迫を見せた!
ステップシークエンスでは滑らかで正確なエッジワークでタンゴにメリハリを作り、上半身は逞しく女性を支える演技でカッコよさを演出、キマっていた!
そして最後のコンビネーションスピンを集中して回って納得の演技終了、いい表情をしていました。
SPは81.38(42.41・40.25)。
間違いなく調子は上向きでしたけど、コンビネーションジャンプに課題を残したことは確かですから、FSは簡単ではないでしょう。
小塚崇彦の”らしさ”といえば、プログラムの最初から最後まで演技と技術要素の質が変わらないこと。だからこそFSには
滅法強かった。
そんな小塚くんが見たい!戻ってこい!

ベテランの域に達し円熟味を増しているセルゲイ・ボロノフ(ロシア)ですが、ジャンプは若々しい!冒頭の4T+3Tの大きさといったら圧巻でした!
苦手のスピンやステップも丁寧で、日々の研鑽をそのまま形にしてやろうという気迫が痛いくらいに伝わってきて、それが観ている側の集中力をいや増しにする、これもまた表現芸術の醍醐味。
後半もでっかい3Aを跳び、ステップとターンからの3Loもお見事!
終盤もコンビネーションスピンから綺麗にシットスピンに繋げる芸術的な流れで堂々のフィニッシュ。
『死の舞踏』の演技も主体性があって、パーフェクトといっていい圧巻の内容でした。体の使い方もうまくなっていますねえ。
地元の声援のなか気持ちも入っていました。フラヴォ!
SPは90.33(50.08・40.25)でもちろんパーソナルベスト!
進化するベテラン、「すごい」の一言です。

アメリカのジェイソン・ブラウンは3F+3Tが回転不足のお手つきになったのが響いて76.32(37.26・39.06)。
ブラウンは表現技術の高い選手ですが、4回転が跳べず、3Aも苦手なので、SPでは3回転ジャンプにミスが出ると厳しい戦いになってしまいますね。

この大会は女子シングルに妹さんも出場していて兄貴としていいところを見せたいミハル・ブレジナ(チェコ)でしたけど、3Aを大きく跳んだ後の4Sでいつもの転倒。
ただ、それで気持ちを切らすことなく丁寧なスピンと、体を大きく使った深いエッジのステップを見せ、やや苦手の3F+3Tも決めて80.89(43.95・37.94・減点1)。
兄貴としての面子は保ちました。

マックス・アーロン(アメリカ)は超特急の4S+2T、雑なスピン2本、後半3Aは踏ん張り着氷、3Lzはいい流れ、ステップシークエンスはフィジカルを生かして力強く、全体的にもようやく『フットルース』のリズムを掴めてきたようです。
SPは77.09(40.60・36.49)。
冒頭のいつも+2Tになってしまうコンビネーションジャンプは、ステップからの4Sが跳べないのかもしれませんが、ちょっともったいない気がしますよね。点数的にはトリプルトリプルとそんなに変わらなくなっちゃいますし…。

無精髭も濃くなってきたハビエル・フェルナンデス(スペイン)はどこへいっても抜群の女性人気。
ワイルドなハードロックにのって、冒頭はステップからの4S!膝を上手く使っての彼ならではの着氷!これには女性ファンも失神か!
3L+3Tも見事な跳躍、イケメンをアピールするアップスピンと巧みなボディアクションで観客を煽り、後半の難しい入り方の3Aもぎりぎりでこらえた!
普通の選手が転倒するところをステップアウト、ステップアウトはオーバーターンに抑える、これぞフェルナンデスという感じですよね。
そして安定したシットスピン、細かい技術を散りばめながらも切れがなくもっさりしたステップ、余裕綽々のコンビネーションスピンで幕を閉じた演技ですが、つなぎがてんこもりで凝縮感のあるプログラムでした。
手を抜いて休憩しているパートもあるのですが、そこの芝居が上手くて、そう見せないところもフェルナンデスの上手さでしょうね。
SPは93.92(49.77・44.15)。
これは私にはちょっと高い印象。
ジャッジは観客ではないのですから、手抜きをきちんと見抜かなければなりませんし、3Aのミスへの評価(-0.29)も適切だったとは思えません。ステップアウトしていないとはいえ、曲芸師みたいな動きになっていましたからね。
いまのコーチに付く前のフェルナンデスは観客の人気の方がスコアより高かった選手のように思いますし、それこそが彼のフィギュアスケートだと私は思っています。ミスが多いながら、最後まで一生懸命演技をするフェルナンデスが私は好みです。

この結果、SP首位はフェルナンデスで2位はボロノフ、小塚くんは3位。
1位2位はスコアが離れているものの、3位以下は接戦なので、FSでは誰が勝つのか予想するのは難しいですけど、セカンドジャンプが決まれば小塚くん、そうでなければ基礎点が高いアーロンといったところでしょうか。
つまり、小塚くんが自分との戦いに勝てるかどうかです。
がんばれ、小塚くん!
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード