2014GPSロシア大会男子FS、小塚崇彦を待っている

この2014GPSロシア大会の見どころはどこか、と考えたとき、私の脳裏には小塚崇彦とアルトゥール・ガチンスキーのいいときの演技が思い浮かびました。
2人はともに2011年の世界選手権のメダリストでありながら、怪我や不調があってソチ五輪を逃したという共通点があると同時に、今季復活をかけてもがき苦しんでいる。そんな2人に光が見えればいいですよね。
では、願いをこめてテレビ観戦した感想をざっくりと。

SP8位からの巻き返しを狙ったアルトゥール・ガチンスキーですが、冒頭の4T予定が3Tに、後半の3A予定が2Aになるといったジャンプミスが相次いで、演技全般も集中力とスタミナを欠くものになってしまいました。
FSは127.13(TES61.11・PCS67.02・減点1)、合計201.24。
この試合ではスケーティングでこぎする癖が出てしまって演技が小さくなっていたのも残念。
復活はまだまだ道半ばですね。

SPではジャンプのミスから7位と出遅れたジェイソン・ブラウン(アメリカ)は3A+2T、カウンターからの2Aを決めるなど集中して演技に入るも、キレのあるキャメルスピンの後の3Lzでステップアウト、細かい技術を物語表現に生かしたステップシークエンスで観客の視線をぐっと引き付けるも、後半冒頭の3Aでは両足着氷。
それでも3F+3T、3Lz+1Lo+3Sの成功で盛り返すと、体の内側から熱いものがあふれ出すようなコレオ、2A、コンビネーションスピンでフィニッシュ。熱演といっていい『トリスタンとイゾルデ』でした。
ジャンプのミスはもったいなかったんですけど、最後まで気持ちが切れなかったのは立派。
ジェイソンは演じ終えた後に涙。調子が悪いなりにがんばったんでしょうね。
FSは159.24(80.26・78.98)、合計235.56

SPが終わった後に私が表彰台候補に挙げていたマックス・アーロンですが、冒頭の4S2連発予定が立て続けに2Sになる痛恨のミス。これでがっくりきたのか振り付けもなおざりになって、ステップシークエンスもひどいものでした。
しかし、後半に入って、ターンからの3A+2T、ステップからの3A、3Lz+1Lo+3Sと決めると、元気が回復し始め、3Lzでステップアウト、3Loも詰まった感じだったものの、それを気にすることなく『グラディエーター』らしく剣を縦横無尽に振るうコレオシークエンスで会場を盛り上げてくれました。
FSは135.51(66.93・68.58)、合計212.60。

今季好調のミーシャ・ジー(ウズベキスタン)のFSは情感たっぷりの『シェルブールの雨傘』。
ジャンプも出だしから3A、3A+2Tとややバランスを崩しながらも回転はしっかりしたもの。ついに習得しましたね!
3Lz+3Tの後のステップシークエンスでは巧みな上半身の使い方で、ミーシャの体から物語があふれてくるようでした。
後半も3F+1+o+3Sを含めた5つのジャンプを成功させ、コレオシークエンスでは平坦な音楽を自分自身のエネルギーでこれでもかと盛り上げ、見事な終幕。
FSは158.36(80.58・78.78・減点1)、合計238.05(※減点はタイムオーバーでしょうか、ちょっとわかりません)。
ミーシャ・ジーは振り付けの巧みさだけではなく、スピンやステップといった技術でも演技ができる選手でしたけど、今季はジャンプも安定してきたので、いいところがより際立つようになっています。
今後は結果という名の成績もついてくるんじゃないでしょうか!

ミハル・ブレジナ(チェコ)は大きな3Aを降りた後のジャンプが3T(たぶん4T予定)になって。
また崩れるのかなあ、と思っていたら4S+2Tを見事に成功、スピンではトラベリングがあったものの、ステップシークエンスでは全身でオーケストラを操るような『フィガロの結婚』。端正なクラシックも案外似合います。
そうして逆転優勝に向けての後半でしたけど、4Sでこらえきれずに転倒、それでも3A+2T、3Lz、3Lo、3F+1Lo+2Sと連続で成功させると、コレオも集中力を切らさずに滑り切り、最後のスピンでは少しバテていたものの、熱演といっていい内容でした。
FSは160.34(80.92・80.42・減点1)、合計241.23。
この大会は女子シングルに妹さんも出場していましたけど、かっこいいところを見せられてよかったですね!
今季のブレジナはジャンプさえ決まればちょっとした台風の目になるかもしれません。期待しましょう!

SPでは復調の兆しを見せていた小塚崇彦ですが、このFSでは4Tを2本連続で転倒する厳しいスタート。
ただ、ベテランの域に達した小塚くんはそんなことでは動じず、3Aを綺麗に着氷すると、ステップシークエンスでは緩急自在のスケーティングとしなやかな身ごなしで格の違いを見せつけます。
しかし後半冒頭が開いた2A両足踏ん張り着氷、その後も3Lz+2T(3T予定)、見事なイーグルを挟んでのターンからの
2Fと連続でミス。
これでもう”勝負あった”となったわけですが、小塚くんはそんなこと気にする様子もなく、3Sと2Aを着氷すると、思いを絞るようなコレオ、正確で軸の細いコンビネーションスピンで美しくフィニッシュ。
全体的には男の色気が充満するいい演技でした。後はジャンプだけ!
FSは135.42(59.98・78.44・減点2)、合計216.80
このFS『Io Ci Saro』は日本語に訳すと、”これからも僕はいるよ”という寂しい別れの曲。
でも、こんな別れ方は私は納得がゆきません。小塚くん本人だってそうでしょう。
試合後に「全日本では絶対に戻ってくる」と力強い一言がありましたけど、楽しみに待っていますぜ!

大人の色気といえばそれがムンムンしていたのはセルゲイ・ボロノフの『マンズ・マンズ・ワールド』。
圧巻の4T+3Tに始まったものの、3Aでややこらえ、次の4T予定も3Tに、3Lz予定も2Lzになるなど不安な序盤戦でしたけど、ニヒルな笑顔で始まったステップシークエンスで観客を煽り、その会場の手拍子で自分を取り戻すと、後半は3A+2T、3S、3Lo+2T+2Lo、2Aと連続成功!
そのジャンプの流れからのシットスピン、コレオでは茶目っ気のあるダンス、最後のスピンも気合十分で存分に盛り返しました。
つなぎなんかはあんまりないんですけど、演技全体に流れがあって作品になっているのはベテランの技でしょうね。
FSは161.67(81.87・80.44)、252.00。
昨季からボロノフは大人の余裕というか落ち着きというか、強さを感じさせる演技が続いています。
今季のロシアのエースはボロノフかもしれませんね!

今季のGPFはバルセロナ開催ということで、是が非でもそこに進出したいスペインのハビエル・フェルナンデスは、前のカナダ大会では2位だったので、ここは出来れば優勝したおきたい大会。
ただボロノフのスコアはなかなかのものだったので、プレッシャーにはなっていたでしょう。それを乗り越えることができるか。FSは地元スペインを意識した『セビリアの理髪師』。
まずは切れ味鋭い4Tで演技をスタートさせたフェルナンデスですが、4Sでは軽くステップアウト、こらえる3Aという不穏な立ち上がり。
細かい技術を散りばめながらも平坦な印象を残すステップで落ち着きと体力を取り戻し、まとめたい後半でしたけど、4Sお手つき+2Tステップアウト、崩れるような3F+1Lo+2S、このあたりは転ばないのが不思議なくらい。
イーグルからも2Loになってしまって優勝は風前の灯か、しかし、そこからふらりとしながらも3Lz+2Tを降り、3Tは綺麗に決めるのはさすが。
曲調がアップテンポになるのに合わせたコンビネーションスピン、コレオシークエンスでは疲れから足がふらつくも、イケメンぶりと巧みなボディアクションでフォロー。
そうしてヘロヘロのスピンでフィニッシュしたわけですが、相変わらずいいところと悪いところがない交ぜになたグチャグチャの演技でした。
FSは171.09(83.37・87.72)、合計265.01という高いスコアでの優勝。

2日間を通して思い返してみるとボロノフ優勝でいいような気がするので、なんだかすっきりしないものの、ジャンプミスを最小限に抑え、基礎点をしっかり取ったフェルナンデスの執念が勝ったということなのでしょうか。
最近のフィギュアスケートはわかりにくいですね。
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