2014GPSフランス大会男子シングル、波乱の大会

いまの男子フィギュアというのは、五輪王者の羽生結弦を中心に回っているのは間違いないところですが、そこに待ったをかける選手が出てこなければ面白くないのもまた事実。選手同士が切磋琢磨することによって競技全体のレベルも上がりますからね。
そういう意味で、この2014GPSフランス大会には楽しみな選手がたくさん出場しています。
ひとりはソチ五輪銅メダリストのデニス・テン、そしてもうひとりは昨世界選手権で同時優勝にして欲しかった町田樹。これに加えてマキシム・コフトゥンや閻涵といった力のある若手の出場しているのですから本当に楽しみな大会です。
では、男子シングルのSP・FSをテレビ視聴した感想を覚書程度に。

中国大会で羽生結弦と衝突してしまってから2週間、なんとかフランス大会に出場してくれた閻涵(中国)でしたけど、SPでは4T予定が3Tになる転倒、コンボもバランスの崩れた3Lz+2Tになってしまって73.18(TES36.01・PCS38.17・減点1)の10位…。
この『もし金持ちなら』の演技自体は前よりずいぶんよくなっていただけにジャンプのミスは残念でした。ただ、体はよく動いていたので、衝突の影響はあまりないのかも。
なんて思っていたら、FSではジャンプが乱れまくって2転倒。FSは143.67(71.97・73.70)、合計216.85で8位。
中国選手権と世界選手権までに調子が上がってくることを祈るのみです。

今季絶好調といいたくなるコンスタンティン・メンショフ(ロシア)は、SPで高さのある4T+3T、今季導入とは思えぬ4S(ステップなし)、全大会で抜けた3Aは詰まりながらも着氷。ステップシークエンスでの動きも切れていて、31歳ではなく21歳くらいの若さを感じました。
演技後はしてやったりの軽くガッツポーズ!SPは87.47(49.97・37.50)でパーソナルベスト!
そうしてSP3位という好位置で発進したFSのタンゴでも冒頭から強引ながらも4T+3Tと4Tを着氷し、期待が高まるも、3A予定が2Aお手つき。
後半は3Aオーバーターン+2Tで始まるも、3Sと3Lo+2Tを成功させて落ち着きを取り戻したかと思ったら、最後になぜか4本目(ルールでは3本まで)のコンボとなる2A+Lo+1Sと跳んでキックアウト。
演技全体は気合が入っていて好印象だったのもの、ジャンプのミスからちょっとテンパっちゃいましたかね。
FSは145.75(71.25・74.50)、合計233.22で4位。
想定外の出来栄えと想定外のポカがメンシュフさんの魅力といえばそうなのですが、今季こそ世界選手権に出て欲しいですし、ロシア選手権では気をつけて!

SPで4回転を回避したリチャード・ドーンブッシュ(アメリカ)は、その戦略が当たってまとまった演技。3F、やや詰まった3A、3Lz+3Tとジャンプを決めて、心の余裕からか、音楽と自然に調和できる彼らしい滑りも光っていました。
SPは80.24(41.45・38.79)で4位。
その4回転ですが、FSでは冒頭に1本入れていたものの、その4Tがダウングレード気味の転倒、しかも3A予定が2本とも2Aになってしまって、これでは点数の上積みはできません。
ステップやスピンでは独創性と高い技術を見せ、後半の3Lz+2T+2Loなどは3つともタノジャンプという、そこだけで作品と呼べるような出来栄えだっただけに本当に残念。終盤はすごい汗でバテバテでしたしね…。
FSは139.03(64.53・75.50・減点1)、合計219.27で7位。

SPのマキシム・コフトゥン(ロシア)はジャンプの踏み切りで前かがみになる癖が出て、コンボは4S+2Tに、ステップを踏まない4Tは転倒、前の中国大会では後半にして2Aに抜けた3Aは成功率を上げるために前半にしたのに痛そうな音で転倒するという悲劇。それでもステップでは気持ちを切らさず演技出来ていましたし、『ボレロ』のエネルギーは伝わってきました。
SPは77.11(39.96・39.15・減点2)で6位。
これで表彰台は厳しくなったわけですが、GPF進出のためには4位以上には入りたいところ(※中国大会優勝)。
FSはそんな執念か、SPの悔しさか、気持ちの入ったまさに熱演。
ジャンプもそんなに調子はよくなさそうでしたけど、食らいついてゆく着氷には見ていて応援したくなりましたし(4S、4T、3A2本)、ステップでの力感、コレオでの爆発、見応えのある『エクソジェネシス』でした。
体格の良さを存分に生かしたスケール感のある演技もカッコよかった!
FSは166.24(85.96・80.28)、合計243.35。

「ジャンプの安定感さえあれば」と世界中のフィギュアファンが思っているであろうデニス・テン(カザフスタン)ですが、このSPでは助走を上手く脱力して、ステップのない4T、余裕の3A、後半の3Lz+3Tを見事な成功!
こうなれば端正なスピンや優雅で情熱的なステップも光りますし、素晴らしい『カルーソ』に息をするのも忘れそうでした!
SPは91.78(48.92・42.86)で首位!
実はこのデニス・テン、五輪と世界選手権のメダルを持っているのにGPSのメダルを持っていないという変わり種。
しかし、今回はメダル、それも最も輝くところに手が届くかもしれない!
そんな期待で始まったFSは美しい4T+3Tで抜群のスタート、「これは!」と誰しも思ったはず!
しかし続いての脱力助走の4Tで転倒、助走で止まりそうな1A+2T。後半も1Aと2Fでスタートして万事休す…。
しかもFS『十面埋伏』は演技全体もダラダラしていて、本当に面白くありません。
前半~中盤は振り付けに手を抜いた”ジャンプパート”、終盤が気合を入れなおした”演技パート”という感じにくっきりわかれているのもセコイ感じがします。いくらデニス・テンが表現の巧みな選手とはいえ、これではさすがにいけません。つなぎも手を抜いているのがはっきりわかりますし、もっと真面目にやって欲しいですね。
FSは144.50(64.22・81.28・減点1)、合計236.28。

羽生結弦からの今季の主役を奪うのではないかと、密かに注目が集まっている町田樹は、やや窮屈そうな4T+3T、惚れ惚れするような3AでSP『ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲』をスタートさせると、よく音楽をとらえたステップシークエンスでいまの彼のチカラを存分に見せつけます。
いやあ、本当に強い、と感嘆していたものの、後半ステップからの3Lzで思いがけないお手つき。
まあ、どんな選手でもミスがあるのがフィギュアです。演技全体は本当に素晴らしかったですし、さしたる問題はありません!
しかしスコアは88.70(45.84・42.86)とあまり伸びず。90点は出ると思ったんですけどね…。
この結果に悔しさを隠し切れない町田くんは「ほとんど差はない」と気合を入れなおす形でFSに臨んだものの冒頭の4Tでまさかの転倒(跳び遅れ)、しかも続く4T予定も3Tになってしまうというまさか2連発。3A+3T予定も+2Tになってしまいましたし、これはまずい。
ただ、町田樹はやはり表現者。ジャンプのミスなどでその矜持が揺らぐことなく、中盤のステップシークエンスでは指先まで意識が行き届いた美しい滑り、私もミスなど忘れました。
そうしてやってきたのはこの交響曲第9番の見せ場、ステップシークエンスの流れからの3Lo、そしてシットスピン、そして3A!を一息で滑り切るはずでしたけど2Aに。ここのパートは見ていても本当に難しいのがわかります。一緒になって息を詰めちゃいます。おそらく男子フィギュア史上でも最難関の技といっていいでしょう。そこに挑戦する町田樹は本当に輝いている!
しかし、ここでスタミナを消費したのか続く3Fも回転不足の両足着氷+1T、コレオでは荒い呼吸が画面を通してもわかりそう。これはもう祈らずにはいられない最後の3Lzでしたけど、気迫の着氷!よっしゃ!最後のスピンも根性を見せました。
FSは149.04(66.04・84.00・減点1)、合計237.74。
最近あまり冒頭4Tでミスがなかったのでリズムが狂ったのかと思いましたけど、その転倒で足をひねったせいでその後のジャンプに影響が出たみたいですね。
今回は前年でしたけど、そういう自分をコントロールするというのもまた経験です。
そういう試練を乗り越えた先にこそこの第九の完成がある!

この結果、優勝はまさかのコフトゥンこんなにSP上位が崩れるとは思いませんでした。
棚ボタというひともあるかもしれませんが、コフトゥンが演技をまとめたのもまた事実。諦めない気持ちが大切ですよね。
それにしても2位が町田くん、3位がデニスのところはメンショフさんでもよかったような気がします。
特にデニスです。2日間を通して見ればメンショフさんが勝つべきだったようにしか思えません。PCSに差がありすぎです。
メンショフさんだって初のGPS表彰台だったのに…。
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