2014NHK杯女子SP、日本女子の本番度胸

GPSはランキング上位者が各大会に振り分けられるので、必ず”優勝候補”の選手がひとりはいるわけですが、この2014NHK杯は女子シングルはソチ五輪金メダルのソトニコワが欠場しているので、他の選手はチャンスがひとつ膨らんだ状態。
表彰台争いは実力者のゴールドが中心に、それをレオノワ、デールマン、エドモンズ、李子君、そして日本の村上佳菜子さんと宮原知子さんといった選手たちが追うといった展開になるでしょう。
そしてこの大会は今季のGPS最終戦ということで、”GPF出場権争い”にも注目です。ここまで6枠中4枠が決まっていて、後の2枠でいうと、前回2位のゴールドは2位以上なら確定、前回3位の村上さんと宮原さんは2位以上で、ワグナーとのスコア争いに持ち込むことができるので、そこのがんばりにも期待したいですよね。
では、日本中が楽しみにする今年のNHK杯女子シングルを振り返ってみたいと思います。

今季からシニアに上がった加藤利緒菜さんはこれがGPSデビュー戦。ホームの大観衆はプレッシャーになるでしょうけど、上手く演技ができれば一夜にしてヒロインになる可能性もある!
しかし、冒頭の3Fで踏み切りのタイミングがずれる形の転倒、スピンの後のステップシークエンスでは表情も動きもやや強張り、スピードも上がらず、緊張が痛いくらい伝わってきます。
ただ、そんな彼女を救ったのはやはり得意のジャンプ。後半の3Loにしっかり+2Tを付けてリカバリ―するとややリラックスし始め、振り付けも滑らかに。終盤のタノ2Aや軸のしっかりしたビールマンはお見事でした。
SPは50.87(TES28.07・PCS23.80・減点1)。
ジャンプやスピンに癖がなく、軸を作るのが上手い選手なので、シニアでもその武器を生かすことができれば、しっかり戦ってゆくことができると思います。

分厚い体格がパワーを感じさせるガブリエル・デールマン(カナダ)ですが、3Tオーバーターン+3Tを回転不足(UR)気味に着氷を見出し、3Lzもステップアウト、2Aは恐る恐る成功するも、得意のジャンプがここまで決まらないとスコアも伸びません。
SPは53.46(28.45・25.01)。

持っているジャンプの種類、高いフィジカル、前向きな演技スタイルなど期待をかけたくなるポリーナ・エドモンズ(アメリカ)ですが、今季は成長期の体に悩まされている印象。このSPでも3Lz転倒(URか)、1F、2Aはなんとか成功と大崩れ。
長身が映える軸の細いスピンや長い手足が大胆に踊るステップ、演技全体もエネルギッシュなフラメンコは本当に内容の濃いプログラムだったものの、ジャンプのミスと後半のスタミナ切れが残念でした。本人もがっくりのキスクラ。
SPは48.96(23.49・26.47・減点1)。
早く体を自在に使いこなせるようになるといいですね。

李子君(中国)は出だしの3F+3T(URか)でひどい転倒をしてしまって、続くスピン2本も勢いが欠けてしまったものの、後半の3Loと2Aはしっかり決めて、ステップでは『くるみ割り人形』の可憐なワルツ、最後のレイバックスピンでも持ち前の柔軟性を見せて、なんとか盛り返しました。
SPは56.44(29.43・28.01・減点1)。
見た目はジュニアのような彼女ですが、96年12月生まれなのでそろそろシニアらしい滑りを見せたいところ。スピードのなさと不安定なジャンプを早く克服したいですよね。

ここ数年不調だったアリョーナ・レオノワ(ロシア)も今季は復調の兆し。
このSPでもチャップリンの巧みな芝居から、抜群の3T+3Tで演技をスタートすると、集中したスピン、大きな笑顔と芸達者ぶりが際立つステップシークエンスで会場を沸かせ、後半の3Fと2Aもしっかり着氷!
コミカルな演技のなかで、ジャンプの助走のときだけ表情が真剣になるのが競技フィギュアという感じがします。
最後の2本のスピンはちょっと雑になったものの、素晴らしい内容、実力と魅力を見せつけました!
SPの68.11(36.61・31.50)はパーソナルベスト!
前回のカナダ大会ではFSで失速して完全復活とならなかっただけに、今回は真価が問われます。

なみはやドームが大歓声に包まれるなか登場した村上佳菜子さんは、それに笑顔を応えて、オペラ座のクリスティーヌ変貌すると、3T+3Tを着氷、前の試合は後半だった3Fは前半に持ってきてこれも着氷(やや助走が長いか)。大舞台に動じないのはさすが!
安定感のあるスピンを2本決めての後半2Aも慎重に着氷し、ステップシークエンスも何か解放されたような伸びやかさ、鳴りやまない拍手のなかレイバックスピンも勢いよく回ってほぼノーミス!よしゃあ!
本人もリンクをさがる際、「イエーイ!」と叫んでいましたけど、いい演技でしたねえ。
3Fを前半に持ってくることで後半のステップの内容も濃くなっていましたし、ジャンプの後半加点(1.1倍)なんかよりこっちの方がずっといいと思います。3Fの成功率も上がるでしょうしね。
SPは64.38(33.38・31.00)。
セカンド3Tが惜しくも回転不足の判定で(氷の上でクルリン)スコアは伸びませんでしたけど、気にせず思い切って跳んでゆくことが大切だと思います。村上さんのよさは”勢い”と”大胆さ”ですからね!

そんな村上さんとは対照的に、”冷静さ”と”正確さ”が武器の宮原知子さんは、この日も3Lz+3Tや逆回転スピンで技術力の高さを見せつけてスタートすると、このところやや課題にしている後半の3Fもこの日はしっかり着氷させ、工夫をこらした2Aも軽々跳び、ステップシークエンスでも細かい足元の動きと上半身の演技を巧みにこなすと、あとは彼女の気高い精神を映したようにピンとしたビールマンスピンでフィニッシュ。
最初から最後まで集中力と流れがまったく切れない見応えのある『魔笛』でした!
内容も期待通りといっていいまとまり方。しかも宮原さんはいつだってその期待に答えている、その”いつだって”の凄さに私は心から敬服しております。
やや長い審議の後で出てきたスコアは60.69(31.27・29.42)とあまり伸びません。
これまたいつも通りといいますか3LzがURの判定、3Fには!がついていました。
FSでが気にせず思い切って跳ぶしかありません、気にしたら負けです!

前のアメリカ大会ではやや体型がぽっちゃりしていて精彩を欠いたグレイシー・ゴールド(アメリカ)ですが、この日はやや絞れてきて調整は順調そう。
冒頭の3Lz+3Tはタイミングが外れながらも空中で立て直して着氷、前は軸が定まらなかったスピンも持ち直してきて、後半の3Loと2Aもしっかり着氷。
終盤は面白みがないほどに型にはまったステップシークエンス、技術の高いコンビネーションスピンで演技を締めくくり、誇りを感じるピアノ協奏曲でした。調子は上がってきたようです。
SPは68.16(36.53・31.63)。

これで優勝争いは横紙破りのレオノワと教科書通りのゴールドという対照的な両選手に絞られたように見えますが、前の大会を見ている限り、安定感には疑問が残るところ。
村上さんと宮原さんも自分の演技に集中すれば勝機はあります。
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