2014全日本フィギュア男子SP(前)、チケットのない全日本

フィギュアスケートの観戦チケットが手に入りずらいことは、ファンのみなさんならご存知でしょうけど、私と相方も行きたい試合の発売日には2人で連携協力してなんとか手に入れてきたんです。
ところが、今年2014年の全日本選手権は地元長野市開催だというのに、こういうときに限って失敗してしまうのですから本当についていません。
浅田真央や高橋大輔がいないということで執念が足りなかったのでしょうし(特に相方の)、五輪の翌年でチケットも取りやすいだろうと、どこかに心の隙があったのかもしれません。本当に悔しいです。
だからこそ選手のみなさんには、いい演技をしてもらって、余計に私を悔しがらせてほしい!
というわけで12月26日の男子SPのテレビ放送をビッグハットの氷の香りを思い出しながら観た感想をざっくりと。

GPF男子シングルの優勝者は確かに羽生結弦でした。
しかし、私の記憶を占有するのは彼ではありません。
宇野昌磨です。
ジュニアのカテゴリーでしたけど、彼のFSはまさに圧巻でした。今季一番興奮しました。
その勢いは日本男子の序列を崩しかねません。全日本でも最も注目の選手をいっていいでしょう。
昨年から10数センチも身長が伸びたばかりか、顔つきすっかり男らしくなってきた昌磨くん(昔からこう呼んでいるので宇野くんよりこっちがしっくりきます)、SPはベートーベンのヴァイオリンソナタ第9番。
巧みな振り付けと演技性のあるスケートですぐに観客を演技に引き込むと、冒頭はイーグルからの3A!
3Aは今季自分のものにしたばかりだというのにイーグルをつけてくるのですからなんという攻めの姿勢。
続いてはジュニアのSPでは跳んでいなかった4T!これも流れるように着氷!ジャンプに大きさもでてきた!
3Aも4Tも開き気味に着氷することで成功率が上がってきましたね。
(※ジュニアのSPでは単独3Lzが規定ジャンプなので4Tは入れていません。)
3F+3Tもしっかり跳んでジャンプはノーミス(演技のスローVTRでは3Aの着氷で後ろ足が少し氷をかすめていましたけど放送ではわからないくらい)。
ステップシークエンスは全身の色んな部分で音を取り、いや音を奏でるかのようで、まるで”ひとりオーケストラ”。
ベートーベンも生きていたらびっくりするんじゃないでしょうか。
得意のスピンはどれも技術的に完成されている上に、そこでも音楽を表現しようとしているのがわかるんですから、すでにジュニアの域を超えています。
そして最後まで鉄壁の集中力で演技を完遂させた昌磨くんに会場は割れんばかりの大歓声とスタンディングオベーション。
私もテレビの前で最敬礼。
しかも演技を終えた直後の表情、眉ひとつ動かさず、しれっとした顔しているんです。
おそらく彼の競技人生最高のSPだったと思うんですけど、喜びもしない。
「俺はまだまだこんなもんじゃない、明日のFSも見てろよ」とでもいわんばかりの堂々たる風格。
正直しびれました。またファンになりました。
SPは85.53(TES48.68・PCS36.85)。
このPCS、私には「低い!」という印象。慣習としてジュニアにはあまり数字が出ないのは知っていますけど、そんなものをぶち破る演技だったわけですから、気前よく出してよかったと思います。審判のみなさんも正直になりましょうよ!
それにしてもSPでこれだけのスコアが出れば表彰台も十分に狙えます。
昨年の全日本で跳ね返されたシニアとジュニアのFSの”30秒の壁”ですけど、今年はそれを乗り越えると思います。
3Aと4Tの習得だって昨年のFS最終グループで「自分だけが跳べない」という悔しさがバネになったといいますしね。
FSはジュニアGPFの再現だ!

NHK杯を制したことで俄然存在感が増した村上大介くんは、その実力が確かなことを証明するかのような4S+2Tでスタート。そして3Aと後半の3Fも成功。
どのジャンプも緊張からかちょっとタイミングがずれていましたけど、それでも降りるのですから技術は確かです。
しかし、ジャンプが終わるとそれもほぐれ、ステップでは白い歯を見せながらの伸び伸びした『ロクサーヌ』。
スピンも安定していましたし、自分の力を出し切る演技に村上くんもガッツポーズフィニッシュ!
振り付けもシンプルながら、それをしっかりやろうという意識が見えて、気持ちがこもっていました。
今季の村上大介は本物ですね。
SPは81.28(45.53・37.75)。
自身初の全日本表彰台、そして初の世界選手権出場に向けて視界が開けてきました!

NHK杯、GPFと精彩を欠く演技が続いた無良崇人くんでしたけど、この日は表情もリラックスしていていい雰囲気。
…かと思われたものの、冒頭の4Tで回転途中で落ちてくるような転倒。
緊張しいなのか、なんともじれったい!
しかし、次の3Aは馬鹿でかいとしかいいようのな跳躍!
スピンでややふらっとしたもののの、後半の3Lzは気迫で+3Tに!
ステップでは鋼が自在にたわむような迫力があって、『カルメン』の情熱と攻めの姿勢も見えましたし、本当に冒頭のミスがもったいなかった。
SPは78.54(41.19・38.35・減点1)。

今年も優勝候補筆頭はこのひと羽生結弦。
今季は怪我で出遅れたり、衝突アクシデントがあったりとなかなか波に乗れませんでしたけど、GPFでは”復活”といっていい内容でしたし、もうそろそろSPのノーミスが見たいところ。
ショパンのバラード第1番の繊細をスケートに乗せて、冒頭は美しく流れる4T!見惚れるような飛翔!
そしてキレ味鋭いシットスピンと柔らかく綺麗なキャメルスピンで曲を盛り上げると、後半も伸びやかなスケートからのカウンター3A!イーグルへの移行も一瞬!
ここは羽生結弦にしかできないといっていいでしょう。超高難度といってもいい技術、それをいとも簡単にしてのけるのですからなんというジャンプの才能なのか。鳥肌が立ちました。
しかし、SPの鬼門はこの大技ではありません。続く3Lz+3Tはずっと苦手にしているジャンプで今季も一度も決まっていません。
そして今日はどうか、と観客すべてが息を呑んだようにして見守っていたわけですが、3Lzの踏み切りが前のめりになってバランスを崩し、どうに付けたセカンドはタノ2T。タノは立派でしたけど、ここは決めて欲しかった、残念。
ステップは流麗というより、ざっくり振り付けをなぞるようにして音楽を表現すると、最後は柔らかくも美しいコンビネーションスピンでフィニッシュ。
ミスはあったものの手堅くまとめた、といったところですかね。羽生くんも舌を出して軽く悔しがっていました。
SPは94.36(48.76・45.60)。
今季最も出来のよいSPでしたけど、PCSはちょっと大盤振る舞いじゃないでしょうか。演技全体もいつもより正確性に欠けていて、ざっくりした印象が残ります。
いまの羽生くんの力なら、全日本制覇がそう難しくないことは我々も、おそらく本人も、よく知っているわけですが、だからこそ、”みなが納得できるいい演技で優勝”という目標を立てて欲しかった。
このSPにはそういった集中力、気迫はあまり感じられませんでした。
2連覇中のディフェンディングチャンピオンなのですから、自分の演技が全日本の権威を高めるという意識があってしかるべきです。それがエースの責任というものじゃないでしょうか。
(※今季の世界選手権派遣は3枠あるわけですが、全日本優勝者の他はGPFの成績や世界ランク、シーズンベストが選考基準になるので、羽生くんはすでに当確。それもモチベーションを削ぐ要因かもしれません。)
(長くなりそうなので後編に続きます。)
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