2014全日本フィギュア男子FS(前)、新たなる未来の希望

2014全日本フィギュア男子シングルは、SPを終えて首位の羽生結弦が2位以下に4点以上の差をつけたこともあって優勝争いへの興味は薄らいだものの、白熱するのは世界への切符を賭けた表彰台争い。
チャンスがあるのは町田樹、村上大介、無良崇彦、そして小塚崇彦の4人でしょうけど、それぞれ置かれた状況、コンディションも色々なので、誰が有利というのも難しく、あとはチャンスを掴みとる執念が勝敗を分ける、そんな戦いになるでしょう。
というわけで、わくわくドキドキしながらテレビ観戦した2014全日本フィギュア男子FSを振り返ってみたいと思います。

全日本といえば、日本一を争うというのはもちろん、未来の光を見つける大会でもあります。
そこでまず輝いたのは山本草太くん(2000年1月。全日本ジュニア2位)。
挑戦中の3Aは転倒してしまうも、続く3Lz+3Tを成功させると、3F+2T、2A+1Lo+3S(後半)、3Lo、3Lz、3Fという予定ジャンプを次々と決め、ジュニア選手には厳しい最終盤の2Aを惜しくもステップアウトしてしまったものの、若いエネルギーの溢れる演技でした(※ジュニアのFS4分ですが、全日本ではシニアに合わせて4分半のプログラムに)。
スピンやステップの技術もそれ相応に高く、素晴らしいスケーティングスピードからのジャンプ、そしてそのスピードが最後まで落ちないにも本当に凄い。間違いなく将来の有望株です。
FSは139.61(TES74.81・PCS65.80・減点1)、合計206.80。
体格もよくなってきましたし、順調な成長は嬉しいかぎりです。

今季はジュニアで戦っているためにたとえ表彰台に立ってもシニアの世界選手権はない宇野昌磨。
(※年齢上はシニアの大会にも出られますけど、世界ジュニア王者になってシニアに上がるという道を選ぶと思います。)
ジュニアGPFの演技を見てもわかるように、彼は間違いなくこれからの日本男子を背負って立つ存在。
そして、羽生結弦を脅かすことになるであろう存在。
それを宣言するための戦いのはじまりだ!
まずはフェロモンを発散させるような舞から今季習得した4Tをどうだ!とばかりに決めると、続いてはこれもまた今季習得したばかりの3Aをなんとステップからの跳躍、続いても3A+2Tをしっかりと成功!
しかもそんなビッグジャンプの連発から間髪入れずにスピン、ステップへと繋いでゆくのですからなんという身体能力と技術力、そしてプログラムを作品にしようという根っからの表現者魂。これはシニアのトップでも真似できません。
見せ場のステップでは巧みな技術と全身で音楽を捉える高いセンスで完全に観客を魅了。
その姿はまさに『ドンファン』!
後半冒頭は2A+1Lo+3Fを素晴らしい迫力で跳び、3S、3Lo、そしてエッジを修正した3Lzを慎重に跳んで連続成功!これでまた物語がぐーんと盛り上がった!
しかし、ここからが終盤30秒の壁、昨季はこれに弾き返されただけに、本当の勝負どころはここ、宇野昌磨本人もそれはわかっているとばかりに、技術の確かなキャメルスピンから気合の入った表情で最後のジャンプは3F+3T!これは惜しくも着氷を乱したたもののナイストライといいたいところですが、これで崩れては昨季の二の舞、がんばれ昌磨、負けるな昌磨、そんな会場の願いにのって、最終盤のコレオはまさに熱演、スピードは落ちません、汗が光る、気迫が迸る、これぞフィギュアスケートの興奮だ、観客の大声援と割れんばかりの拍手のなか最後のコンビネーションスピンも技術にぶれは微塵もなし。
あっぱれ、お見事、宇野昌磨はフィギュアの王道をゆく男だ!
そして、音楽が鳴り終わった瞬間、屈みこむようにして両太腿を抑える宇野昌磨。足がパンパンだったのでしょう。
しかし、演技中にはそれを一切見せないのですから、なんという誇り高さ。表現者とは己の弱みを見せぬもの、それを若干17歳にして体現して見せた宇野昌磨に私は心を奪われました。
FSは165.75(87.55・78.20)、合計251.28。
ジュニア選手のPCSは抑えめに出るものですが、今回ばかりジャッジのみなさんは自分が観たそのまんまを点数に付けて欲しかった。それこそ真実です。
今日の宇野くん(もうこう書きます)のジャンプはGPFのときよりも調子は悪かったものの、それでもほぼノーミスで決めていったのは本当に凄かった。これは気迫はもちろん、技術的に完成されている証拠です。
そこに持って生まれた音を取るセンス、ねちこさすら感じさせるスケーティングスキル、そして何よりもその高い表現意欲。彼はまさに天性のフィギュアスケーターです。
これからまだまだ宇野くんの演技が見られる、私の全身は興奮で打ち震えています。

今季はGPSカナダ大会で素晴らし『オペラ座の怪人』での優勝というスタートを切りながら、そこから徐々に精彩を欠き始め、この大会のSPもジャンプのミスで5位と出遅れた無良崇人。FSでは久しぶりの表彰台、そして世界選手権に向けて、死力を尽くすしかありません。
しかし、4Tで着氷を乱してのお手つきという不穏な立ち上がり、昨季のようにもろくも崩れ去ってしまうのか、ファンが不安に襲われるなか跳んだのは4T+3T!まだまだ勝負はこれからだ!
3Aも彼らしい豪快さで決めて最初のミスを忘れさせると、丁寧なシットスピン、ファントムの心情を歌うステップでいい流れを作り出し、これはいい演技になりそう、と思われた矢先の3Loでステップアウト。
続く3A+2Tを成功させて挽回したかに見えたものの、苦手の3Fで前にも見たような回転が途中で開くミス。
それでもスピンを挟んでの3S+1Lo+2Sは気持ちで着氷、そして力を振り絞るようなコレオ、得意の3Lzもしっかり決めると、観客が背中を押すようなコンビネーションスピンでフィニッシュ。
FSは157.86(81.06・76.80)、合計236.40。
確かに執念は見えましたし、演技にも集中していましたけど、シーズン中にあったミスを繰り返してしまったのは本当に残念。あとは他の選手の結果待ちですが、おそらく無良くんは敗北感でいっぱいなことでしょう。
いつか勝負所を乗り越える無良くんが見たい。
(長くなりそうなので続きます。)
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