北野武監督はサムライか

「日本映画の最低なところは制作会社と劇場が関連しているところ。だから日本アカデミー賞の大賞も大手3、4社の持ち回り。アカデミー賞(アメリカ)に推薦される日本映画もそう。自分の映画は一度も推薦されたことがありません。」
(※北野監督のいうところの大手は松竹、東宝、東映、日活。)

10月の第27回東京国際映画祭で、サムライ賞をもらった北野武監督(ビートたけし)がそのトークイベントで上記の発言を
したのを報道で知って、私は「これはちょっといいすぎではないか…」とちょっとだけ危ういものを感じました。
北野監督はこれまでも日本映画界に対して”恨み節”ともいえる辛辣な批判を繰り返してきましたが、公の場で日本アカデミー賞という日本映画の最高権威を真向否定したのですから、今回ばかりは日本映画界の方からも反発があるのでは、と私は思ったわけです。

しかし、特に何事もなく時は過ぎ、年も明け、私もこの話題を忘れかけていた今日1月14日、今年の日本アカデミー賞優秀賞が発表された後の会見で、東映の岡田裕介会長から「誤解がある」として北野監督の発言を全否定。
報道(日刊スポーツ)によるとこの反論は北野監督の所属事務所にも伝えてあり、了承をとっているそうです。
水面下で、何らかの形で、”手打ち”はすんだということなのでしょう。

けれども、これは一般の映画ファンや報道を見ているひとからしたら納得も理解もできないのはいうまでもありません。
北野監督は誤解に基づいて日本映画界をこっぴどくこき下ろしたのだとしたら、それについて公に謝罪する必要があると
思います。北野監督はビートたけしとして生放送のテレビ番組を持っていたり、雑誌の連載を持っているのですから、そこを利用してもいいでしょう。
頬被りはカッコ悪いです。

ちなみにこの10年の日本アカデミー賞の最優秀作品賞でいうと、上記の”大手”による制作・配給は7作品。
そのうち松竹関連が4(日活とともに制作したのが1)、東宝が2、日活が1(松竹とともに)、東映が1なので持ち回りという感じではありませんし、2006年の『フラガール』などは独立系映画会社のシネカノンの制作・配給なのですから、北野監督は見落としてしまったのでしょうか?
もし、こういう客観的な間違いを岡田会長に指摘されたら、ぐうの音も出ませんよね。

ただ、今回の岡田会長の反論では、北野監督が問題にしている「制作会社と劇場が関連しているところ」はまったくふれていないんです。
昨今多い”制作会社委員会方式”にしても、テレビ局が中心になったりしている場合があるので、それもテレビ放送という名の劇場付きですよね。
おそらく北野監督は、大手映画会社の影響力が強くて自由な映画制作が出来ない、ということがいいたいのだと思うんですけど、それは客観的に見ても真実でしょうし、日本映画が進歩する上での阻害要因といってもいいのかもしれません。

持ち回り発言については謝罪しても、この部分はぜひ鋭く切り込んでいって欲しい、それでこそサムライでしょう!
人気ブログランキングへ
スポンサーサイト
プロフィール

かつしき

Author:かつしき
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード