おそくなりましたけどフランス紙テロ事件について

私のこのブログはひっそりと運営していることもあって、割と自由気ままに書くことができているわけですが、そんな私でも避けている話題がいくつかあります。
そのひとつが”宗教”。
私は宗教全般にそう詳しくはありませんし、信仰というのは人間の内面に深く関わるものですから、他者が安易に触れてはならぬものという思いがあるからです。
しかし、宗教がらみの事件が起きた場合、それは時事の話題になるわけで、大きな話題になればなるほど、それを避けるのは不自然です。
それなのに私は1月7日にフランスで起きたイスラム過激派による新聞社襲撃テロのことを書きませんでした。
これは避けたというより、逃げたといった方が正しいでしょう。

襲撃された〈シャルリー・エブド〉は風刺新聞を出版するパリの新聞社で、2006年にイスラム教の預言者であるムハンマドを風刺するイラストを掲載し、イスラム社会から猛反発・猛抗議を受けたことは日本でも報道されていたと思います。
当時のシラク大統領はシャルリー・エブドの姿勢について、「挑発行為だ」と批判したそうですが、シャルリー・エブドは聞く耳を持たずにその後も何度かムハンマドの風刺画を計刺し続けました。
そうして起きたのが2015年7月のテロ事件というわけです。
2人組の犯人は新聞社で社員や来客、駆け付けた警官ら10人を射殺後、逃走し、人質をとって印刷所に立てこもったところをフランスの特殊警察が射殺。
このテロ事件に関連して起きたユダヤ系食品店人質事件も特殊警察が犯人を射殺して解決したものの、一連の事件では17人もの命が失われるという重大な結果となってしまいました。

この事件の衝撃はすぐに世界中に伝わり、犠牲者を追悼する集まりが各地で開催され、1月11日にパリで行われた160万人規模の大行進にはフランスのオランド大統領はもちろん、ドイツのメルケル首相、イギリスのキャメロン首相といった欧州首脳だけではなく、イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナのアッバス議長までもが参加し、行進するひとびとのなかにはイスラム教徒やユダヤ教徒の姿もあるなど、宗教の垣根を超えたものになっていました。
素晴らしい光景だったといっていいでしょう。
しかし、追悼行事とともに事件の余波として世界中で起きた”Je suis Charlie”という表現の自由を支持する運動、これに私はどうしても賛同することができませんでした。
しかも事件後の1月14日、シャルリー・エブド紙はまたしてもムハンマドを風刺する新聞を発行するのですからなおさらです。
これは完全なる挑発行為です。

私はこの一連の事件を見ていて、イスラム過激派の暴力性には心底嫌悪感を抱きましたが、同時に欧州や北米というキリスト教社会の傲慢さも目について仕方ありませんでした。
事件には被害者と加害者がありますけど、その背景にある宗教的対立にはそういう区分はないはずです。
「まずは挑発行為をやめるべきだ」、私はそう素直にブログに書こうとしました。
…したんですけど、やっぱり、書きませんでした。
私はイスラム教徒でもキリスト教徒でもありませんから、このナイーブな問題から逃げたわけです。

しかし、今日1月19日になってこうして記事を書いたのは、ローマ法王フランシスコが外遊中に、「多くの人々が他宗教を非難したり、笑いの種にしたりしている。(だが)限度がある」(読売新聞)と記者団に語り、挑発的な表現を諌めたからです。
これはまさに正論です。
カトリックの最高位にあるお方がこういう見識をお持ちであることに、私は深い感銘を受けました。
追悼集会に参加されたイスラム教徒の方々と、この法王の姿勢があれば、世界はもっと平和になると思います。
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