日本×ISISではなく、ヨルダン×ISIS

ISISによる後藤健二さん拘束事件ですが、今日1月29日朝(日本時間)あらたなる映像がネット上にアップされ、後藤さんのものらしき英語のメッセージで、「モスル時間の1月29日の日没までに、私の命と引き換えにサジダ・リシャウィをトルコ国境に連れて来なければ、ヨルダン人パイロットのムアズ・カサースベは即座に殺害される」という脅迫メッセージが届きました。
これはネット上に公開されたもので宛先は明言されていませんが、爆破テロ犯であるリシャウィ死刑囚を収監しているのはヨルダンですから、普通に解釈すればISISが交渉を求めているのはヨルダン政府でしょう。
27日夜(日本時間)にアップされたメッセージでは、ISISは後藤さんとリシャウィ死刑囚の1対1での交換を提案し、それが聞き届けられないのであれば「パイロットは死ぬ」と脅してきたので、それがより具体的になった格好です。

ただ、27日のメッセージを受けたヨルダン政府は「パイロットが解放されれば、死刑囚を釈放する用意がある」との反応を示しているのに対し、29日のISISは後藤さんとの交換を匂わせるのみでパイロットの解放については言及していません。
これではおそらくヨルダン政府は交渉に応じないのではないでしょうか。
ヨルダン国内では”日本人よりもパイロットの命が優先されるべき”という世論が支配的だといわれていますし、後藤さんのみとの引き換えに死刑囚というカードを切るのは難しい状況に思えます。

日本側とすればヨルダン政府にできるだけ協力して欲しいところですが無理強いをできないのは当然です。
「首相周辺は「人質交換が実現すれば、後藤さんを含めた『2対1』になるのではないか」と期待感を示した」(読売新聞)というのが我々にとっての最良の結末でしょう。
すでに事態は日本×ISISではなく、ヨルダン×ISISに移ってしまっています。

ヨルダン政府が下した自国パイロットと死刑囚との交換という判断について、アメリカ政府は「我々はテロリストに譲歩しない」との前置きをしながら、ヨルダン政府に任せるという態度を取っています。
これは戦時下でよくある”軍人同士”の捕虜交換に擬するものという見方でしょう。これならば”民間人”がさらなるテロの脅威にさらされないということです。
しかし、日本の報道を見ていると、後藤さんとヨルダン人パイロットを一括りにしてしまっているものが多くて戸惑います。
自国のために戦い、武運拙く敵に捕らえられた軍人と、自ら進んで危険地帯に入った民間人を一緒にしてはなりません。
そして、我々はヨルダン政府やヨルダン国民に迷惑をかけていることをもっと意識すべきです。

自分の都合ばかりを他人に押し付けることを”恥”と思わない日本人はいないはずです。
後藤さんが”ついでに”解放されることを祈りましょう。
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