モンゴルと日本の公平な関係

昨日2月10日、安倍晋三総理と来日中のモンゴルのサイハンビレグ首相が揃って署名したことにより、日本とモンゴルにおける経済連携協定(EPA)がいよいよスタートすることになりました。
その内容はというと、日本からモンゴルへ自動車を輸出する際にかかる5%の関税が原則撤廃されること、モンゴルから日本へは石炭やレアメタルなどの鉱物が供給されるというのですから、WINWINといったところでしょう。
今後も日本は”色んな技術”、モンゴルは”資源”を供給し合う形で、投資やサービスといった分野にも協力が広がってゆくことになりそうです。互いに”ないものを補う”といういい関係になりそうですよね。

このEPAですが、日本は15か国目なのに対し、モンゴルはなんと初めてなんです。
最初の相手に日本を選んでくれたのは本当に嬉しい限り。
モンゴルといえば最近は中国との関係が深まりつつありましたしね。
昨年8月にはモンゴルと中国との間で、”全面的戦略パートナーシップ”なる共同声明が出され、モンゴルを訪れた習近平主席が「モンゴル間の貿易を2020年までに100億ドルに拡大することを提案した」(ロイター)だそうですし、いまでもモンゴルの貿易総額の半分以上は中国なんです。
私はモンゴルのEPAは中国が先かと思っていました。
ですから日本が初めての相手だというのは、安倍総理のお手柄といっていいでしょうね。

もっとも、その背景にはモンゴル内での反中国感情があるのはいうまでもありません。
経済的な依存が深まっても、歴史的な対立からくる嫌悪感というのはどうしても残ってしまうでしょうし、中国に依存しすぎるといつの間にか支配されてしまうのではないかという恐怖心もあるでしょう。
その点、日本はモンゴルとの歴史的なトラブルはないといっていいですし(元寇くらいでしょうか)、モンゴルでの世論調査による親しみを覚える国ランキングでも日本が1位になるなど、感情面ではかなり良好です。
実は10日のEPA署名の後の記者会見で、記者から「なぜ日本を初めての相手に選んだのか?」と聞かれたサイハンビレグ首相は、文化やスポーツの交流をもとにした親しみを理由に挙げ、モンゴルの若者は錦織圭選手や本田圭佑選手、香川真司選手に憧れている」と語っているんです。
もちろん、国同士の取決めですから、現実的な理由があってこそのものでしょうけど、感情面というのはそれを後押しするものなのでしょう。戦後の日本がやってきた外交政策というのは間違いではなかったわけです。

ただ、サイハンビレグ首相が文化・スポーツの交流の話をした際、私はちょっとドキっとしたんです。
日本とモンゴルのそれといえばなんといっても大相撲ですが、前日の9日、首相は横綱・白鵬と面会し、33回優勝の新記録を称えると同時に、モンゴル文化大使に任命し、外交旅券をも授与しているんです。民間人では初めてだそうです。
そういうことをなさったサイハンビレグ首相ですから、当然、いま日本で起きている白鵬バッシングもご存知でしょう。
今年の初場所の稀勢の里戦で、白鵬が審判批判(物言いに物言い)したあれです。

白鵬という力士は、相撲の歴史をよく学び、日本の文化伝統も大切にするという、近年稀に見る大横綱だと私は思っています。
国籍や人種なんてまったく関係ありません。
いや、むしろ、日本人力士に白鵬のような真摯な力士がいるでしょうか?鑑にすべき人物です。
それなのに本場所に詰めかける観客は、日本人力士と優勝争いをする白鵬が負ければ大歓声。
マスコミは白鵬がふと漏らした本音や、ちょっとした不機嫌な態度を悪しざまに書きたてる。
大横綱に対して失礼極まりない話です。

私は、サイハンビレグ首相がモンゴルの若者が錦織や本田や香川に憧れていると語ったように、「日本人は白鵬を尊敬している」と胸を張って応えたい。
力士の四股は大地を鎮め、豊作を祈るためのものです。
外国からやってきた力士たちがそれをやってくれることに我々はもっと感謝せねばなりません。
日本人は公平を貴ぶ国民であって欲しい。
それが日本とモンゴルの間の、真の友好をつくってゆくはずです。
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